JP2617010B2 - 光磁気記録媒体及びその記録方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその記録方法

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JP2617010B2
JP2617010B2 JP2048705A JP4870590A JP2617010B2 JP 2617010 B2 JP2617010 B2 JP 2617010B2 JP 2048705 A JP2048705 A JP 2048705A JP 4870590 A JP4870590 A JP 4870590A JP 2617010 B2 JP2617010 B2 JP 2617010B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、本発明は、高密度記録が可能な光磁気記録
媒体及びその記録方法に関し、特に、トラックを構成す
る以下の2帯状域、即ち、光ビームの反射率が高い第1
相帯状域およびこれに隣接する情報記録帯となる第2相
帯状域とを逆転させ、第1相帯状域にも情報が記録でき
るようにした光磁気記録媒体及びその記録方法に関する
ものである。
〔従来の技術〕
光ディスクは、再生専用のCDやLDにおいて、半導体レ
ーザを光源とする光関連技術が確立されるに到り、民生
用にも市販され普及している。また、高密度大容量記録
という光ディスク最大の特徴を生かし、所望の情報を記
録したのち再生することができるDRAW型(Direct Read
After Write)、さらには消去機能を備えたイレーザブ
ル型光ディスク等が、コンピュータ用や、画像または文
書等のファイル用として実用化されてきている。
これら光ディスクの一種である光磁気ディスクが情報
を高密度に記録できるのは、通常の磁気ディスクに比べ
て、ディスク面上にスパイラル状または同心円状に形成
される連続的なトラックの密度が大幅に増大したことに
よっている。この結果は、直径約1μmのスポットに集
光される波長約800nmのレーザ光を用いて、非接触で行
われるトラッキングサーボ技術がもたらしたといえる。
このような光ディスクの基板上には溝(以下、グルー
ブと称する)部と、隣合うグループ部の間に形成される
隆起状のランド部とで構成されるトラックが形成された
プリグルーブ層が、予め固定して設けられている。この
プリグルーブ層を形成する技術としては、ホトポリマー
方式(2P方式)、ホトエングレービングプロセス方式
(PER方式)、またはリアクティブイオンエッチング方
式(RIE方式)等がある。
光ヘッドのトラッキング制御は、基板側から照射され
たレーザビームがこのプリグルーブ層におけるランド部
とグルーブ部とでそれぞれ反射されたときの各反射光同
士の干渉を利用して行われる。一方、情報の記録は、プ
リグルーブ層上にさらに成膜された記録層におけるラン
ド部かグルーブ部どちらかに対してのみなされ、双方共
に情報記録領域となることはない。これは、隣接する情
報記録領域同士でクロストークが発生するのを回避しな
ければならないからである。従って、従来の光ディスク
では、1トラック幅の約半分が情報記録に利用されてい
るに過ぎない。
上記のような光ディスクの応用は、高画質静止画ファ
イル、動画ファイル、および通信データファイル等の分
野にまで広がり、光ディスクに要求される情報記録の大
容量化はいよいよ逼迫したものとなっている。光ディス
クの大容量化を実現するために、ディスク面上の有効記
録面積を増大させる手だてとして、トラックピッチを狭
くする方法が検討されている。現在、トラックピッチが
通常1.6μmに設定された光ディスクが普及している
が、実験室レベルでは1.2〜1.4μmピッチのものが試み
られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記従来の光磁気記録媒体では、トラック
ピッチを狭くすると記録再生時における信号強度が減少
してC/N比が悪くなったり、隣接するトラック同士でク
ロストークが増加したりするという問題点を有してい
る。このため、現段階においてトラックピッチを狭くす
ることで光磁気記録媒体の大容量化を図るのは、技術的
限界がある。
本発明の目的は、上記従来のトラックにおける情報記
録に利用されていない、トラック幅のおよそ1/2にあた
る領域にも情報が記録でき、それによって記録の大容量
化を図ることができる光磁気記録媒体を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る光磁気記録媒体は、上記の課題を解決す
るために、光磁気記録により情報を記録する記録層を備
えた光磁気記録媒体において、基板と記録層との間に、
可逆的な熱的相変態と、それに付随する光ビームの反射
率の変化とを起こすガイド層を備えると共に、媒体本体
の少なくとも一部に、光ビーム案内用のグルーブ部及び
ランド部が形成され、ガイド層に照射される光ビームの
制御により、相対的に反射率が高い第1相帯状域と、第
1相帯状域に隣接し、相対的に反射率が低く、情報記録
帯となる第2相帯状域とを交互に形成することにより構
成される連続的なトラックを設け、かつ、ガイド層に照
射される光ビームの制御により、ガイド層を熱的に相変
態させ、上記の第1相帯状域と情報記録帯となる第2相
帯状域とを逆転させることができることを特徴としてい
る。
本発明に係る光磁気記録媒体の記録方法は、基板と光
磁気記録により情報を記録する記録層との間に、可逆的
な熱的相変態と、それに付随する光ビームの反射率の変
化とを起こすガイド層を備えると共に、媒体本体の少な
くとも一部に、光ビーム案内用のグルーブ部及びランド
部が形成され、ガイド層に照射される光ビームの制御に
より、相対的に反射率が高い第1相帯状域と、第1相帯
状域に隣接し、相対的に反射率が低く、情報記録帯とな
る第2相帯状域とを交互に形成することにより構成され
る連続的なトラックを設け、かつ、ガイド層に照射され
る光ビームの制御により、ガイド層を熱的に相変態さ
せ、上記の第1相帯状域と情報記録帯となる第2相帯状
域とを逆転させることができる光磁気記録媒体の記録方
法であって、上記の第1相帯状域と第2相帯状域とを形
成し、形成された第2相帯状域直下の記録層に記録する
第1記録工程と、第1相帯状域と第2相帯状域とを熱的
に相変態させて逆転させ、逆転により第2相帯状域とな
った領域直下の記録層に記録する第2記録工程とを含む
ことを特徴としている。
〔作 用〕
上記の構成によれば、ガイド層は可逆的な熱的相変態
をし、温度条件によって結晶質状態の第1相帯状域と、
非晶質状態の第2相帯状域とが形成される。結晶質状態
と非晶質状態とにおけるレーザ光の透過率および反射率
の関係を第1表に整理して示す。
第1表からわかるように、結晶質状態の第1相帯状域
は透過率が小さく反射率が大きいので、レーザビームの
反射光を用いてトラッキング信号源に用いることができ
る。また、非晶質状態の第2相帯状域は透過率が大きく
反射率が小さいので、この非晶質状態のガイド層直下の
記録層において、情報を記録しまたは読み出して、情報
記録帯とすることができる。
また、ガイド層の結晶化温度をT1、非晶質化温度を
T2、記録層の記録温度をT3とすると、各温度は、T1<T2
<T3となる関係を満たしている。
スパイラル状に形成されたランド部に情報を記録する
場合、まず、回転するディスクに対し、光学ヘッドを介
してトラッキング制御およびフォーカッシング制御を行
いながら、基板側からレーザビームを照射する。照射部
の温度は、ガイド層におけるランド部でT2付近、グルー
ブ部でT1付近になるように、レーザビームの照射時間お
よびレーザ出力を制御する。これにより、ガイド層のラ
ンド部は非晶質状態の第2相帯状域となって、第1表に
より反射率が小さく(透過率が大きく)なり、ガイド層
のグルーブ部は結晶質状態の第1相帯状域となって、反
射率が大きく(透過率が小さく)なる。
次に、ガイド層のランド部と同様に、その直下にスパ
イラル状に形成された記録層のランド部に対して、光学
ヘッドを介してトラッキング制御およびフォーカッシン
グ制御を行いながら、記録信号に変調されたレーザビー
ムパルスを照射する。このとき、記録層は、予め、ディ
スク面に対し垂直同一方向に初期磁化されており、レー
ザビームパルスの照射と同時に印加される外部磁場の印
加方向は上記の初期磁化方向とは逆向きになっている。
レーザビームパルスの照射によって、記録温度T3が記録
層のキュリー温度付近、記録媒体によっねは補償点温度
付近にまで加熱された部位は磁化反転して磁区が形成さ
れ、レーザビームパルスの照射が終了すると冷却し記録
ビットとなる(第1記録工程)。
このようにして、記録層のランド部全域に対して情報
を記録した後、さらに、スパイラル状に形成され、ラン
ド部に隣接するグルーブ部に情報を記録する。この場
合、上記したレーザビームの照射時間およびレーザ出力
が、ランド部とグルーブ部とで入れ替わるように制御す
ることにより、ガイド層のランド部を結晶質状態の第1
相帯状域に、ガイド層のグルーブ部を非晶質状態の第2
相帯状域に逆転させる。ガイド層のグルーブ部と同様
に、その直下にスパイラル状に形成された記録層のグル
ーブ部に対する記録方法は、上記のランド部の場合と同
様に行われる(第2記録工程)。これによって、ランド
部およびグルーブ部双方に情報が記録され、従来の光磁
気記録媒体よりも2倍の記録密度が達成される。
記録信号の読み出しは、基板側からガイド層の非晶質
状態の第2相帯状域を通して記録層に照射されるレーザ
ビームにより行われる。レーザビームの再生出力は、ガ
イド層の温度がT1を超えて昇温されることがない範囲と
する。ランド部から読み出す場合は、ガイド層のランド
部を透過率の大きい非晶質状態に、ガイド層のグルーブ
部を透過率の小さい結晶質状態にする。グルーブ部から
読み出す場合は、上記の状態を逆転させ、ランド部を結
晶質状態に、グルーブ部を非晶質状態にする。こうすれ
ば、透過率の小さい結晶質状態の第1相帯状域下の記録
は読み出されなくなり、クロストークによる再生信号の
劣化が生じることなく記録密度を向上させることが可能
になる。
〔実施例1〕 本発明の一実施例を第1図および第2図に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
本発明に係る光磁気記録媒体は、第1図に示すよう
に、外径R=130φmm、内径r=15φmm、厚さw=1.2mm
で、化学強化ガラスより成る基板1の片面に対して、RI
E方式によりトラックが設けられたプリグルーブ層5が
形成されている。プリグルーブ層5は、各々スパイラル
状に形成された隆起状のランド部Lと溝(以下、グルー
ブと称する)部Gとを交互に有し、隣接するランド部L
とグルーブ部Gとで1トラックを構成している。ランド
幅l、グルーブ幅gは各0.8μmで、これによりトラッ
クピッチtは1.6μmになっている。プリグルーブ層5
のトラック形成面に対して、カルコゲナイド系相変化媒
体であるIn−Se膜から成るガイド層2、希土類−遷移金
属のアモルファス垂直磁化媒体であるTb−Fe−Co膜から
成る記録層3、保護層としてSiO誘電体膜から成る誘電
体層4が順次膜形成され、積層された構成になってい
る。各層の膜厚は、ガイド層2が600Å、記録層3が100
0Å、誘電体層4が500Åである。
これらの膜形成は、同一真空室内で連続的に行われ
た。In−Seの成膜には、In、Se各元素を別々の蒸着源か
ら蒸発させ、基板上に適当な組成比で膜形成する抵抗加
熱蒸着法を用いた。Tb−Fe−Coの成膜には、遷移金属と
希土類金属とを別々の蒸着源から蒸発させ、基板上で適
当な組成比の合金にする電子ビーム蒸着法を、また、Si
Oの成膜には電子ビーム蒸着法を用いた。
ここで、上記のIn−Se膜、および上記のTb−Fe−Co膜
の各々単層における特性は次のようになった。In100-XS
eX(atom%)の屈折率および減衰係数は、X=30〜50の
範囲で顕著に変化し、Xの増加に対して減少傾向を示し
た。膜厚1200ÅのIn57Se43の場合、135℃(=結晶化温
度T1とする)で0.2μs間加熱すると結晶化し、170℃
(=非晶質化温度T2とする)から急冷(≪0.2μs)す
ると非晶質化する。この結晶質状態、非晶質状態各々に
おける透過率および反射率は第2表に示すように変化し
た。レーザビームには、波長830nmの半導体レーザを用
いた。
一方、Tb−Fe−Co膜としては、TbY(Fe86.3Co13.7
100-Y(atom%)の組成比のものを用いた。Yの値は遷
移金属副格子磁化が希土類金属副格子磁化より大きくな
る補償組成近傍を選択し、Y=16.0〜18.0とした。この
ときのキュリー温度Tcは195℃となった。以上より、記
録層3に情報を記録するときの記録温度をT3≒Tcとする
と、結晶化温度T1<非晶質化温度T2<記録温度T3という
関係が成立する。
上記の構成から成る光磁気記録媒体において、記録層
3のランド部Lに記録する場合(以下、ランド部記録と
称する)、記録層3のグルーブ部Gに記録する場合(以
下、グルーブ部記録と称する)、および記録情報を再生
する場合におけるレーザ出力の制御について各々説明す
る。
使用した光学ヘッド(図示せず)には発振波長の異な
る2つの半導体レーザが組み込まれている。記録層3へ
の記録再生およびガイド層2の非晶質化に際しては、波
長830nmの半導体レーザビームを用い、照射スポットは
直径約0.8μmの回折限界まで、円形に絞り込んだ。一
方、ガイド層2の結晶質化に際しては、波長780nmの半
導体レーザビームを用い、照射スポットは約0.9×3μ
mの楕円形に整形した。ディスクからの反射光は、ダイ
クロミックミラーを介して波長830nmのレーザビームの
反射光のみが、図示しない光検出器(例えば4分割フォ
トダイオード)により検出されるようになっている。ま
た、評価条件として、ディスク中心から40mm付近を記録
再生領域に用い、ディスク回転数は1800rpm、記録周波
数は3MHzに設定した。なお、レーザビームの照射時間
は、上記のように設定されたディスク回転数とレーザビ
ームの形状とで最適化されている。
まず、ランド部記録を行うために、基板1側からガイ
ド層2のランド部Lに波長830nm、レーザ出力7.2mWのレ
ーザビームを照射して非晶質化し、第2相帯状域とし
た。また、ガイド層2のグルーブ部Gに波長780nm、レ
ーザ出力7.0mWのレーザビームを照射して結晶質化し、
第1相帯状域とした。なお、各レーザビームの照射スポ
ットの位置関係は第2図に示すように決められた。円形
スポットxは波長830nmのレーザビームの照射スポッ
ト、楕円形スポットyは波長780nmのレーザビームの照
射スポットである。円形スポットxは楕円形スポットy
の長径に相当する隣接領域Sに重ならないようになって
いる。
フォーカッシング制御およびトラッキング制御は、上
記の光検出器によってプリグルーブ層5のランド部Lに
おける円形スポットxの反射光を検出しながら、それぞ
れ非点収差法とプッシュプル法により行われた。
情報の記録時には、非晶質化したガイド層2のランド
部Lを介して、3MHzの周波数で変調する波長830nm、レ
ーザ出力8.2mWのレーザビームパルスを予め一方向に垂
直磁化された記録層3に照射し、記録層3をキュリー温
度Tc近傍まで昇温した。このとき、初期磁化方向とは逆
向きで、大きさが300Oeの外部磁場を印加した。これに
よって、記録層3のキュリー温度Tc近傍まで昇温された
部位が磁化反転し、情報が記録された。フォーカッシン
グ制御およびトラッキング制御については、前記と同様
に、プリグルーブ層5のランド部Lにおける円形スポッ
トxの反射光を検出しながら行われた。
記録の再生に際しては、記録層3に波長830nm、レー
ザ出力1.5mWレーザビームが照射された。この結果、37d
BのC/Nが得られ、実用化レベルにあることがわかった。
フォーカッシング制御およびトラッキング制御について
は、前記と同様である。
ランド部記録からグルーブ部記録へ記録領域を切り換
えるには、光学ヘッドをディスク半径方向に1ランド分
ずらし、ランド部Lに波長780nmのレーザビームが照射
され、グルーブ部Gに波長830nmのレーザビームが照射
されるようにする。こうして、前記と同様のレーザ制御
方法によって、今度はガイド層2のグルーブ部Gが非晶
質化されて第2相帯状域となり、ガイド層2のランド部
Lが結晶質化されて第1相帯状域となった。
情報の記録は、非晶質化したガイド層2のグルーブ部
Gを介して、記録層3のグルーブ部Gに、前記と同様に
制御された波長830nmのレーザビームが照射され、前記
と同様の外部磁場が印加されることによってなされる。
この記録層3のグルーブ部Gに、波長830nm、レーザ
出力1.5mWのレーザビームを照射して情報を再生すると
き、隣接するランド部Lの記録が読み出されクロストー
クが生じることはない。なぜなら、隣接するランド部L
は結晶質状態であり、第2表により、レーザビームの透
過率が小さく、反射率が大きいためである。この結果、
従来は行なうことができなかった記録領域のランド部L
に隣接するグルーブ部Gにおける記録・再生が可能にな
り、従来よりもおよそ2倍の記録密度を得ることができ
た。
記録の消去は、外部磁場の印加方向を記録時とは逆向
きにし、記録部位に8.2mWの記録レーザ出力を上回る出
力のレーザビームを照射することにより行われた。ガイ
ド層2の非晶質化温度T2は結晶化温度T1より高いので、
消去時および前記の記録時に、ガイド層2が非晶質状態
から結晶質状態に相変態することはなかった。
なお、ガイド層2を結晶質から非晶質へ、あるいは非
晶質から結晶質へ相変態させるときに照射するレーザビ
ームにより、記録層3に微小磁区が発生したり、既に形
成されている記録ビットが変形する場合がある。これら
の悪影響を防ぐには、記録時の外部磁場の印加方向とは
逆向きに、ディスク面に対して垂直な補助磁場を引火す
ればよい。本実施例では、外部磁場として用いている電
磁石(図示せず)の極性を記録時と反対にし、約80Oeの
大きさの補助磁場を印加した。
〔実施例2〕 本発明の他の実施例を第3図ないし第8図に基づいて
説明すれば、以下の通りである。なお、本実施例では、
実施例1に示した光学ヘッドのフォーカッシング制御お
よびトラッキング制御に供されるプリグルーブ層5が設
けられていない光磁気記録媒体に対する記録方法を説明
する。
本実施例の光磁気記録媒体としての光ディスクは、第
3図に示すように、実施例1と同様の化学強化ガラスか
ら成る基板11に対してガイド層12、記録層13、および誘
電体層14が順次膜形成され積層されている。各成膜方
法、各膜厚、および各層の組成比は実施例1と同様であ
る。
第3図および第4図に示すように、光ディスクの基板
11において、記録領域最外周の外側であるいわゆるリー
ドアウト領域に、基準グルーブG′および基準ランド
L′が数周分スパイラル状に形成されている(第4図に
は基準グルーブG′模式的に示している)。
第4図の点線で囲まれた領域を拡大して示したものが
第5図である。第5図において、 で示される領域Fは基準グルーブG′表し、点aは基準
グルーブG′の終端位置を示している。白地の領域E
は、ガイド層12の初期状態を表す(ディスクは作製直後
のものであり、熱処理は行われていない)。情報の記
録、再生、および消去の各場合において、ガイド層12の
熱的相変態に用いる光学ヘッドは実施例1と同様のもの
を使用し、ガイド層12を非晶質化する波長830nmのレー
ザビーム、およびガイド層12を結晶質化する波長780nm
のレーザビームの各照射スポットの位置関係も、第2図
とほぼ同様に決められている。即ち、第6図に で示されるスポットXは波長830nmのレーザビームの照
射スポットを表し、スポットYは波長780nmのレーザビ
ームの照射スポットを表している。
光学ヘッドを案内する機能を備えていた前記のプリグ
ルーブ層5に代えて、光学ヘッドの記録領域でのガイド
ラインとなる第1相帯状域と、第1相帯状域に隣接し、
情報記録帯となる第2相帯状域とをガイド層12にスパイ
ラル状に形成するためのトラッキングは、以下のように
行われた。
まず、記録層13のランド部L′に情報を記録するラン
ド部記録の場合、第4図の矢印で示すように、光学ヘッ
ドは基準グルーブG′に波長780nmのレーザビームを照
射し、基準ランドL′に波長830nmのレーザビームを照
射しながら、最外周からスパイラル状に内周に向けてト
ラッキングを開始する。このときのフォーカッシング制
御およびトラッキング制御は、実施例1と同様に、光検
出器が基準ランドL′における波長830nmのレーザビー
ムの反射光を検出して、それぞれ非点収差法とプッシュ
プル法により行われた。
次に、第6図に示すように、波長780nmのレーザビー
ムのスポットYが点aを、波長830nmのレーザビームの
スポットXが点bをそれぞれ通過する前か、若しくは通
過すると同時に、記録領域における非晶質領域、即ち、
情報記録帯となる第2相帯状域と、結晶質部、即ち、ガ
イドラインとなる第1相帯状域の形成がそれぞれ開始さ
れる。レーザ出力は、実施例1と同様に、波長830nmの
レーザビームの出力が7.2mW、波長780nmのレーザビーム
の出力が7.0mWである。図中の で示される結晶質領域Iは、ガイド層12にスポットYに
よって形成された第1相帯状域を表し、 で示される非晶質領域Hは、ガイド層12にスポットXに
よって形成された第2相帯状域をそれぞれ表している
(矢印はレーザビームの走査方向を示す)。こうして、
第7図に示すように、結晶質領域Iと非晶質領域Hとが
ガイド層12にスパイラル状に形成されていく。なお、ト
ラッキング制御の切り換えは、第7図に示すように、ス
ポットXが点cを通過するまで、即ち、ガイドラインの
形成がおよそ1トラック分周回するまでの間に行われる
ようになっている。即ち、リードアウト領域では、トラ
ッキング信号は、波長830nmのレーザビームが基準ラン
ドL′の幅中央からずれたときに生じる基準グルーブ
G′および基準ランドL′の凹凸形状による反射光の光
量変化を利用して行われたのに対して、記録領域では、
同じく波長830nmのレーザビームがガイドラインとなる
結晶質領域Iの幅中央からずれたときに生じる結晶質領
域Iと非晶質領域Hの反射率の違いによる反射光の光量
変化を利用して行われるものである。
情報の記録、再生、および消去は、ガイド層12の非晶
質領域Hを介して、その直下に位置する記録層13に波長
830nmのレーザビームが照射されて行われる。レーザ出
力および外部磁場の制御方法は実施例1と同様である。
ランド部記録から、記録層13のグルーブ部G′に情報
する記録するグルーブ部記録への切り換えに対応して、
非晶質領域Hを結晶質領域Iに、結晶質領域Iを非晶質
領域Hに逆転させることによってガイドラインを切り換
える。そのために、第6図で基準ランドL′にあったス
ポットXを基準グルーブG′に位置するように1ライン
ずらし、基準グルーブG′にあったスポットYを基準ラ
ンドL′に位置するように1ラインずらせばよい。その
結果、第8図に示すように、スポットXおよびスポット
Yは第6図に比較して1ラインずれた配置となる。ガイ
ドライン形成のためのレーザ出力の制御は上記と同様で
ある。
波長780nmのレーザビームのスポットYが点dを通過
する前か、若しくは通過すると同時に、記録領域におけ
るガイドラインの形成が開始される。トラッキング信号
源の切り換えは、スポットXが点aを通過するまでに、
即ち、ガイドラインの形成がおよそ1トラック分周回す
るまでの間に行われるようになっている。即ち、リード
アウト領域では、トラッキング信号は、波長830nmのレ
ーザビームが基準グルーブG′の幅中央からずれたとき
に生じる基準グルーブG′および基準ランドL′の凹凸
形状による反射光の光量変化を利用して行われたのに対
して、記録領域では、同じく波長830nmのレーザビーム
がガイドラインとなる結晶質領域Iの幅中央からずれた
ときに生じる結晶質領域Iと非晶質領域Hの反射率の違
いによる反射光の光量変化を利用して行われるようにな
る。
情報の記録、再生、および消去は、上記のように、ガ
イド層12に逆転して形成された非晶質領域Hを介して、
その直下に位置する記録層13に波長830nmのレーザビー
ムが照射されて行われる。レーザ出力および外部磁場の
制御方法は実施例1と同様である。以上の結果、プリグ
ルーブ層5を特に必要とせずに、従来は行なうことがで
きなかったトラック幅のおよそ1/2にあたるグルーブ部
G′にも情報を記録し、また再生することが可能にな
り、従来よりもおよそ2倍の記憶密度を得ることができ
た。
本発明に係る光磁気記録媒体は、以上の実施例に限定
されるものではない。ガイド層2およびガイド層12に
は、In−Se系の他に、Sb−Se系、Sb−Te系、Sb−Se−Te
系、Sn−Sb−Se系、Te−Sn−Sb系、およびGe−Te−Sb系
等のカルコゲナイド系の相変化媒体を用いることができ
る。記録層3および記録層13には、Tb−Fe−Co系の他
に、Gd−Dy−Fe−Co系、Gd−Tb−Fe−Co系、Tb−Dy−Fe
−Co系等の希土類−遷移金属合金のアモルファス垂直磁
化媒体を用いることができる。
さらに、光磁気記録媒体の構成についても、基板1と
ガイド層2との間またはガイド層2と記録層3との間
に、SiO、AlN、SiN、およびZnS等から成る透明誘電体膜
を挟むことができる。ガイド層2の膜厚と上記の透明誘
電体膜の膜厚とを最適化させることにより、各層におけ
る光の干渉効果を移用して、記録層3からの再生信号強
度を増幅でき、さらに、ガイド層2における結晶質部と
非晶質部とのコントラスト比を増幅することもできる。
基板11、ガイド層12、および記録層13についても同様で
ある。
〔発明の効果〕
本発明係る光磁気記録媒体は、以上のように、光磁気
記録により情報を記録する記録層を備えた光磁気記録媒
体において、基板と記録層との間に、可逆的な熱的相変
態と、それ付随する光ビームの反射率の変化とを起こす
ガイド層を備えると共に、媒体本体の少なくとも一部
に、光ビーム案内用のグルーブ部及びランド部が形成さ
れ、ガイド層に照射される光ビームの制御により、相対
的に反射率が高い第1相帯状域と、第1相帯状域に隣接
し、相対的に反射率が低く、情報記録帯となる第2相帯
状域とを交互に形成することにより構成される連続的な
トラックを設け、かつ、ガイド層に照射される光ビーム
の制御により、ガイド層を熱的に相変態させ、上記の第
1相帯状域と情報記録帯となる第2相帯状域とを逆転さ
せることができる構成である。
本発明に係る光磁気記録体の記録方法は、基板と光磁
気記録により情報を記録する記録層との間に、可逆的な
熱的相変態と、それに付随する光ビームの反射率の変化
とを起こすガイド層を備えると共に、媒体本体の少なく
とも一部に、光ビーム案内用のグルーブ部及びランド部
が形成され、ガイド層に照射される光ビームの制御によ
り、相対的に反射率が高い第1相帯状域と、第1相帯状
域に隣接し、相対的に反射率が低く、情報記録帯となる
第2相帯状域とを交互に形成することにより構成される
連続的なトラックを設け、かつ、ガイド層に照射される
光ビームの制御により、ガイド層を熱的に相変態させ、
上記の第1相帯状域と情報記録帯となる第2相帯状域と
を逆転させることができる光磁気記録媒体の記録方法で
あって、上記の第1相帯状域と第2相帯状域とを形成
し、形成さえた第2相帯状域直下の記録層に記録する第
1記録工程と、第1相帯状域と第2相帯状域とを熱的に
相変態させて逆転させ、逆転により第2相帯状域となっ
た領域直下の記録層に記録する第2記録工程とを含むも
のである。
このように、情報の記録・再生は、相対的に反射率が
低い非晶質状態の第2相帯状域になされ、しかも、可逆
的な熱的相変態によって、第2相帯状域に隣接し、相対
的に反射率が高い結晶質状態の第1相帯状域が第2相帯
状域に逆転され、再び情報の記録・再生が行われるの
で、光磁気記録媒体の記録密度を従来より約2倍の高密
度とすることができる。さらに、情報の再生に際して
は、相対的に反射率が高い第1相帯状域から情報が読み
出されることがないので、クロストークの問題はなく、
再生信号のC/N劣化を防ぐことができるという効果を併
せて奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示すものであ
る。 第1図は光ディスクの断面図である。 第2図は2種類のレーザビームスポットの相対的位置関
係を示す説明図である。 第3図ないし第8図は本発明の他の実施例を示すもので
ある。 第3図は他の光ディスクの断面図である。 第4図は光ディスクの基準グルーブを示す平面図であ
る。 第5図ないし第8図は基準グルーブと2種類のレーザビ
ームスポットの走査状態に対するガイド層の相変化状態
を表す説明図である。 1・11は基板、2・12はガイド層、3・13は記録層、H
は非常質領域(第2相帯状域)、Iは結晶質領域(第1
相帯状域)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 建雄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−146257(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光磁気記録により情報を記録する記録層を
    備えた光磁気記録媒体において、 基板と記録層との間に、可逆的な熱的相変態と、それに
    付随する光ビームの反射率の変化とを起こすガイド層を
    備えると共に、媒体本体の少なくとも一部に、光ビーム
    案内用のグルーブ部及びランド部が形成され、 ガイド層に照射される光ビームの制御により、相対的に
    反射率が高い第1相帯状域と、第1相帯状域に隣接し、
    相対的に反射率が低く、情報記録帯となる第2相帯状域
    とを交互に形成することにより構成される連続的なトラ
    ックを設け、かつ、ガイド層に照射される光ビームの制
    御により、ガイド層を熱的に相変態させ、上記の第1相
    帯状域と情報記録帯となる第2相帯状域とを逆転させる
    ことができることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】基板と光磁気記録により情報を記録する記
    録層との間に、可逆的な熱的相変態と、それに付随する
    光ビームの反射率の変化とを起こすガイド層を備えると
    共に、媒体本体の少なくとも一部に、光ビーム案内用の
    グルーブ部及びランド部が形成され、ガイド層に照射さ
    れる光ビームの制御により、相対的に反射率が高い第1
    相帯状域と、第1相帯状域に隣接し、相対的に反射率が
    低く、情報記録帯となる第2相帯状域とを交互に形成す
    ることにより構成される連続的なトラックを設け、か
    つ、ガイド層に照射される光ビームの制御により、ガイ
    ド層を熱的に相変態させ、上記の第1相帯状域と情報記
    録帯となる第2相帯状域とを逆転させることができる光
    磁気記録媒体の記録方法であって、 上記の第1相帯状域と第2相帯状域とを形成し、形成さ
    れた第2相帯状域直下の記録層に記録する第1記録工程
    と、 第1相帯状域と第2相帯状域とを熱的に相変態させて逆
    転させ、逆転により第2相帯状域となった領域直下の記
    録層に記録する第2記録工程とを含むことを特徴とする
    光磁気記録媒体の記録方法。
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