JP2001319389A - 光学的情報記録媒 - Google Patents

光学的情報記録媒

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Masahiro Tabata
正浩 田畑
Ichiro Ueno
一郎 上野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録した情報が破壊されることなく、記録と
再生の両方の場合に良好な超解像マスク効果を実現し、
高密度記録および再生が可能な光学的情報記録媒を提供
する。 【解決手段】 情報を記録する記録層4とレーザー光の
照射により光透過率が変化することでレーザー光のスポ
ット内に光学的なマスク部分が形成されるマスク層2を
少なくとも有してなる光学的情報記録媒体Dにおいて、
前記記録層の材料として光磁気記録材料を用い、かつ、
その記録材料は、マスク層2における記録時のマスク効
果の良好となる記録パワーに適合した材料で、かつ再生
時のマスク効果を良好とする再生パワーでも記録された
情報が消失することのない特性を示す材料に最適化され
たものを用いる。これにより、記録した情報が破壊され
ることなく、記録と再生の両方の場合に良好な超解像マ
スク効果を実現し、高密度記録再生が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光等の光
を照射することにより情報の記録再生を行う光ディスク
のような光学的情報気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録方式は、フェリ磁性薄膜を局
部的にキュリ−点近傍にまで昇温し、この部分の保磁力
を減少させて、外部からの印加記録磁界の方向に磁化の
向きを反転させることを基本原理とするものである。磁
化の反転した部分すなわち情報マークは磁区を形成し、
それを磁気カ−効果によって読み出す光磁気記録再生に
於いては、記録密度の向上のためには、記録マーク長の
短縮化すなわち情報磁区の微小化を図ることが必要とな
る。しかしながら、信号の再生分解能は、ほとんど再生
光学系の光源の波長λと対物レンズの開口数NAで決ま
り、空間周波数2NA/λが再生限界となる。そこで、
記録密度を上げるために光源の波長λを短くすること
や、高NAレンズを用いて再生装置のスポット光の径を
小さくすることが考えられる。しかしながら、現在実用
レベルにあるレ−ザ−の波長は640nm程度にすぎず、ま
た、高NAレンズを用いると焦点深度が浅くなり、レン
ズとディスクとの距離に精度が要求され、光ディスクの
製造精度が厳しくなる。したがって、レンズのNAはあ
まり高くできず、実用化可能なレンズNAはせいぜい
0.6である。すなわち、光源の波長λや対物レンズの開
口数NAによる記録密度の向上には限界がある。
【0003】そして、この様な再生時の条件から規定さ
れる記録密度の限界は、光ディスク全般すなわち凹凸の
ピットの情報を読みとるROMタイプのものや結晶とアモ
ルファスの転移を利用した相変化記録媒体によるRAMタ
イプの光ディスクに対しても同様に存在する問題であ
る。これら光ピックアップの再生分解能に依存する記録
密度の限界の問題を解決する再生方法として、先に、特
開平5−28535号等が開示されている。この再生方
法は、レーザー光を利用して再生または記録再生する記
録層と、照射された光の強度に応じて光透過率が変化す
る補助層とを積層した光記録媒体に於いて、前記補助層
が、照射された光の強度に応じて光透過率が一時的に変
化する光透過率変化材であり、それにより実効的スポッ
トサイズを小さく絞ることで、再生分解能を向上させよ
うとするものである。すなわち、上記のように構成され
た光記録媒体では、再生または記録再生するスポット光
が補助層に入射すると、ガウシアン分布を示すスポット
光の光強度が強い中心部分では補助層の光透過率が大き
くなり、スポット光のうち光強度が弱い周辺部分では補
助層の光透過率が小さくなる。その結果、スポット光の
径が実質的に小さくなって、記録・再生の分解能が向上
することになる。
【0004】
【問題が解決しようとする課題】マスク効果による高密
度化をより効率的に行うためには、再生時のみならず記
録時にもマスク効果を持たせる必要がある。なぜなら、
記録の際の実質的スポットサイズを小さくできなけれ
ば、トラック密度をあげた高密度記録に於いては、隣接
トラックのクロスイレーズを低減させることができない
からである。そこで、再生時と記録時の両方の場合にマ
スク効果を持たせ、記録再生の両方で分解能の向上を図
ることを実現する方法が本願出願人により特願平11ー
208762として提案されている。この方法の基本原
理は、再生パワーで良好なマスク効果を示す光透過率変
化材と記録パワーで良好なマスク効果を示す光透過率変
化材とを組み合わせるというものである。しかしなが
ら、結晶とアモルファスの相転移により情報を記録する
相変化材料を記録材料とする場合、再生パワーが0.7mW
上昇した場合でも記録マークに変化が生じることが確認
されている。これは相変化材料の記録原理が、徐冷によ
り結晶化した媒体に急冷によりアモルファスマークを書
き込むというものであるため、微妙な再生パワーの上昇
は徐冷状態を引き起こし、アモルファスマークを消失し
始めることになるためである。この記録原理に起因する
問題は、再生マスク効果と記録マスク効果の両方を良好
に実現することに対し、多くの制限を加えることにな
る。
【0005】記録材料の特性が問題となるのは、フォト
クロミック材料によるマスク層のレーザー照射パワーに
対する透過率の変化を劇的に変えることが困難であるた
めであり、再生と記録の両方の場合でマスク効果を最大
限に発揮するためには、最適再生パワーを上昇させ、再
生パワーと記録パワーを近づける必要がある。言い換え
ると、低い再生パワーでは、再生用マスクを良好に働か
せることは極めて困難であり、たとえ再生用マスクが良
好に働く状態であっても、記録用マスクによる減光が多
すぎるため再生信号のS/Nが低下してしまうのである。
【0006】したがって、再生用マスクと記録用マスク
の効果を備えた光学的情報記録媒体に於いて、その再生
マスクと記録マスクの効果を、より効果的に実現するた
めには、光学的情報記録媒体に用いる記録材料の特性を
マスク材料にあわせ限定し最適化する必要がある。
【0007】一般的に光強度すなわちレーザー光の熱エ
ネルギーの大小により記録を行う場合、その記録状態を
保持したまま同一の光源で再生を行うためには、再生パ
ワーを記録パワーの少なくとも50%以下にすることが
必要である。他方、上述のごとく記録と再カの両方の場
合でのマスク効果を同種のマスク層(光透過率変化材に
よる補助層)で実現するためには、記録パワーと再生パ
ワーを近づける必要が生じる。この両方の条件を満たす
ためには、たとえば平均記録パワーが7.5mWの場合
で、少なくとも再生パワーは3mW程度にする必要があ
る。しかしながら、書き換え型相変化媒体の場合、再生
レーザー光を1mW以上にして繰り返し再生すると、記録
した情報が破壊されてしまう。この問題を回避するため
マスク層の光感度を向上させ、再生パワーを1mWに近づ
けてゆくと、今度は記録時にはマスク効果がほとんど生
じなくなるという問題が発生することになる。
【0008】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は、記録した情報が破壊されることなく、記録と再生
の両方の場合に良好なマスク効果を実現し、高密度記録
再生可能な光学的情報記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスク層と記
録材料との構成材料について鋭意研究した結果、記録時
および再生時の双方に於いて良好な超解像マスク効果を
得るためには、再生パワーを記録パワーに近づける必要
があるが、記録層の材料として相変化記録材料用いた従
来の光ディスクでは、その記録層の記録再生原理に由来
する記録再生特性から、再生パワーを記録パワーに近づ
けることが不可能であったが、記録層の材料として従来
用いていた相変化記録材料から光磁気記録材料に換え、
かつその記録感度を調節し再生時のマスク効果を良好と
する再生パワーでも記録された情報が消失することのな
い特性を示す材料に最適化されたものを用いることで、
再生パワーを記録パワーに近づけることが可能であると
いう知見を得ることにより、本発明に至ったものであ
る。
【0010】請求項1に規定する発明は、 情報を記録
する光磁気記録層とレーザー光照射により光透過率が変
化することでレーザースポット内に光学的なマスク部分
が形成されるマスク層とを有してなる光学的情報記録媒
体に於いて、再生パワーを記録パワーの3/7.5倍に設定
しても、記録された情報が消去されることのない光磁気
記録層と再生時と記録時の両方でマスク効果を示すマス
ク層によって構成されることを特徴とし、前記マスク層
が二種類のサーモクロミック材料による二層膜で構成さ
れ、それぞれ独立な透過率vs温度特性を示すことによ
り、記録時のマスク効果と再生時のマスク効果を実現す
ることを特徴とする光学的情報記録媒体である。これに
より、約7.5mWの記録パワーに対し再生パワーを2〜3mW
にすることが可能となる。これは、記録用マスク層と再
生用マスク層の各々の特性からも規定される最適な記録
および再生パワーを設定することが実現するものであ
り、記録した情報が破壊されることなく記録と再生の両
方の場合に於いて極めて良好なマスク効果を実現し、高
密度記録再生が可能となる。ここで、マスク層は必ずし
も二層である必要はなく、記録と再生の両方でマスク効
果が得られる一層のマスク層を用いても良い。
【0011】この場合、例えば請求項2に規定するよう
に、前記マスク層の再生時照射光に対する光透過率を30
〜70%にすることが望ましいが、さらに再生時のS/Nを
できるだけ損なわないためには、前記マスク層の再生時
照射光に対する光透過率を50〜70%にしても良い。他
方、この再生時照射光に対する光透過率は、記録層に記
録された情報が消失しないこと、すなわち記録層の記録
感度に依存して可変することが必要となる再生パワーに
よって変動することになるが、その記録層の記録感度
は、請求項4に規定するように前記光磁気記録層のキュ
リー温度が非磁性元素の添加により調節されることで制
御されることが良い。ここでは、磁性膜が持つ本来の磁
気特性を大きく損なうことなくキュリー温度を調節する
ために、制御用添加元素として非磁性元素を選択するこ
とが重要である。
【0012】また、前記光磁気記録層は、記録情報を安
定に保持するために、室温に於いて安定に記録マーク
(磁区)が存在するのに充分な保磁力を有し、かつ記録
に適したキュリー温度を持つ膜であることが必要で、そ
のためには、例えば請求項3に規定するように、Tb-Fe
をベースとして、CoまたはDyを添加もしくは置換した垂
直磁化膜によって構成される材料を使用することが望ま
しい。希土類金属としてTbまたはDyを用いる理由は、そ
れら金属単体での磁気異方性が大きいためFe族元素との
組み合わせによるフェリ磁性垂直磁化膜が、スパッタリ
ング等の方法で容易に作製できるためである。
【0013】そして、前記光磁気記録層の記録情報を安
定に保持するためには、請求項5に規定するように、前
記光磁気記録層が、Tb-FeまたはDy-Feをベースとして構
成されるフェリ磁性垂直磁化膜であり、その組成が補償
組成近傍の組成(補償温度が室温となる)となるように
してもよい。
【0014】また、記録情報の室温での安定性と再生パ
ワーにより上昇する再生時の温度での安定性の双方が、
より良い状態となることを考慮に入れて、記録層として
選択する材料によっては、請求項6に規定するように、
前記光磁気記録層が、Tb-FeまたはDy-Feをベースとして
構成されるフェリ磁性垂直磁化膜であり、その補償温度
が、再生パワーで昇温するマスク層の温度付近(すなわ
ち150〜200℃)であるようにしても良い。
【0015】さらに、記録時および再生時の超解像マス
ク効果をより効果的にするための光磁気記録層の記録再
生特性の改良に対し、請求項7に規定するように、前記
光磁気記録層が、磁気特性の異なる二種類または三種類
のフェリ磁性膜からなる交換結合多層膜によって構成さ
れることで、記録された情報が消去されることなく、再
生パワーと記録パワーの最適値を制御できるようにして
も良いし、請求項8に規定するように、前記光磁気記録
層のレーザー入射面と反対側に記録層の透過光を利用す
るための反射層をアルミニウム合金またはそれに準ずる
金属膜によって設けるようにしても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光学的情報
記録媒体の一実施例について、添付図面を参照して説明
する。図1は本発明に係る光学的情報記録媒体の一例を
示す拡大図である。ここでは、光学的情報記録媒体とし
て光ディスクを例にとって説明する。図1中に於いて、
光学的情報記録媒体としての光ディスクDは、基板1上
(同図中ではその下面)に、マスク層2、第一誘電体層
3、記録層4、第二誘電体層5、および保護層6を順次
積層して構成されている。具体的には、ガラス板または
ポリカーボネイト等の光透過性基板1上(同図中ではそ
の下面)に、記録用と再生用の二種類すなわち二層から
なるマスク層(補助層)2を配し、その上(同図中では
その下面)に保護膜または多重干渉膜となる透明な第一
誘電体層3を介して光磁気記録用磁性薄膜である記録層
4を、さらにこの磁性薄膜上(同図中ではその下面)に
第二誘電体層5を、真空中で順次積層し形成する。この
第二誘電体層5に代えて、非磁性金属膜を形成しても良
い。さらに、必要に応じてその上(同図中ではその下
面)に、UV硬化樹脂等による保護膜6を形成してなる
ものである。
【0017】そして、レーザー光Lの照射は光透過性基
板1側から行われる。上記記録層4となる光磁気記録用
磁性薄膜は、垂直方向(膜面に垂直な方向)に磁化容易
軸を持つ膜、いわゆる垂直磁化膜で、重希土類-鉄族金
属から成るアモルファス薄膜である。この記録層4は、
マスク層を含めた記録媒体として最適な記録パワーと再
生パワーを実現するために、交換結合多層膜としても良
い。そして、記録情報を保持する記録層4は、室温に於
いて安定に記録マーク(磁区)が存在するに充分な保磁
力を有し、かつ記録に適したキュリー温度を持つ膜であ
ることが必要であり、そのためにTb-Feをベースとし
て、CoまたはDyを添加もしくは置換した垂直磁化膜によ
って構成される材料を使用することが望ましい。
【0018】また、記録パワー調節のためのキュリー温
度の調節は、メモリー層の磁気特性を大きく変化させる
ことのない非磁性元素の添加により行うことが望まし
い。他方、媒体の膜構成としては、本実施例のごとく二
層のマスク層で可能となるマスク効果を、一層のマスク
層により実現したり、光磁気記録材料を用いる磁性層を
記録再生特性向上のため交換結合多層膜にすることも有
効で、さらには、第二の誘電体層と保護層の間または記
録層と第二誘電体層の間に、アルミニウム合金等による
反射膜を設けることも考えられる。ここで、反射膜は、
記録層の透過光を利用し読み出し性能(再生S/N)を向上
させることに寄与するものである。
【0019】図2は、マスク層に入射した光の強度分布
と、このマスク層を透過する光の強度分布を示した模式
図である。入射光の分布に対し透過光の分布がより小さ
い領域に集束することで、照射光のスポットサイズを実
質的に縮小する超解像マスク効果が発現することにな
る。本願の記録用マスク層と再生用マスク層は、ともに
この模式図に示す如き透過光の強度分布を示すが、温度
に対しての感度がそれぞれ異なるため、記録時の照射光
に依る到達温度で図2の様な状態となり得る記録用マス
ク層と再生時の照射光に依る到達温度で図2の様な状態
となり得る再生用マスク層の二種類になる。
【0020】再生用マスク層の材料としては、例えば、
図3に示すような山本化成(株)製のサーモクロミック
GN2を用いることが望ましく、記録用マスク層の材料
としては、例えば、図4に示すような山本化成(株)製
のサーモクロミックD94ー006を用いることが望ま
しい。また、それぞれのマスク材料は図3および図4に
示すごとく、顕色剤(BHPE)と1:2の割合で使用
することが望ましい。これらマスク層を用いた場合の照
射光強度と透過率の関係を図5および図6に示した。図
5は、再生用マスク層のみの場合の関係であり、図6
は、再生用マスク層と記録用マスク層を同時に用いた場
合の関係を示している。図5に示した再生用マスク層
は、レーザー光Lの再生時照射光強度が約1〜3mWの場
合、すなわち透過率が約50〜68%の場合に好ましい
マスク効果が得られた。他方、図6に示した再生用マス
ク層と記録用マスク層を同時に用いた場合、レーザー光
Lの記録時照射光強度が約7.5mWの場合、すなわち透
過率が約60%の場合に好ましいマスク効果が得られ
た。このように、再生パワー2〜3mWで実現する再生用
マスクと記録パワー約7。5mW近傍で実現する記録用マ
スクが、本実施例に示すような材料で実現可能であるこ
とがわかる。図6に於いて、再生用マスク層と記録用マ
スク層を同時に用いた場合の再生パワーに相当する照射
光強度での透過率は、約30〜50%であるが、再生時
のS/Nをできるだけ損なわないためには、再生時照射光
強度に対する光透過率が50〜70%になるようにマス
ク材料の光応答性を最適化することが望ましい。
【0021】さて、上述の如きマスク層の超解像マスク
効果を引き出すためには、記録層の記録パワーが約7.5m
W近傍で、かつ、約2〜3mWの再生パワーで、その記録層
に記録された情報が破壊されないことが必要であること
がわかる。したがって、マスク材料の光応答性を最適化
することによる微調整を考慮に入れると、記録層に要求
される特性は、再生パワー/記録パワーの関係が3/7.5
を満たす状態で、良好な記録再生特性を実現することで
あるといえる。
【0022】つぎに、この記録層に要求される特性につ
いて検討を行った結果を図7、図8、図9に示す。図7
は、相変化記録媒体に変調信号を記録し、その信号を再
生する際の再生パワー依存性を再生信号波形により比較
したものである。図中の(a)、(b)、(c)は、それぞれ再
生パワーが0.7mW、1.4mW、3.1mWの場合を示している。
(b)の再生パワー1.4mWですでに記録信号が破壊され始
め、(c)の再生パワー3.1mWでは、記録信号が完全に破壊
されていることがわかる。図8は、同一の相変化記録媒
体に、単一周波数の信号を記録し、同様の再生パワー依
存性を再生信号波形により比較したものである。やは
り、(c)の再生パワー3.1mWでは、記録された信号が破壊
されていることがわかる。
【0023】これに対して、図9は、同様の比較テスト
を光磁気記録媒体に対し行った結果である。再生パワー
が3.1mWになっても記録信号が保持されていることがわ
かる。これは、光磁気記録が光による熱と外部磁界の両
方の相互作用によって記録されるためであり、所望のマ
スク効果のために再生パワーを記録パワーに近づけるこ
とが可能であることを実証している。図9のテストに用
いた媒体の記録条件は、記録パワー 5.5mW 、記録外部
磁界±200 Oeである。ちなみに、記録信号が破壊され始
めた再生パワーは、3.8mWであった。さらに、光磁気記
録媒体では、機能分離の考え方による交換結合膜を用い
ることで、記録に寄与する層と再生に寄与する層を設け
れば、再生パワーと記録パワーをさらに近づけることが
可能である。また、再生パワー3.0mWで上昇する媒体の
温度(150〜200℃)近傍に、記録磁性層の補償温度を設定
することも、高い再生パワーで記録情報を破壊すること
なく良好な再生信号を得るための効果的な方法と考えら
れる。以上のように、記録層4に光磁気記録材料を用い
ることで、記録した情報が破壊されることなく、記録と
再生の両方の場合に良好なマスク効果を実現し、高密度
記録再生可能な光学的情報記録媒体を提供することが可
能となることが判明した。尚、図1に示した光ディスク
の層構造は単に一例を示したに過ぎないのは勿論であ
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学的情
報記録媒体によれば、次のように優れた作用効果を発揮
することができる。ビームスポット径より小さい実効的
なスポットサイズを、記録した情報が破壊されることな
く記録と再生の両方の場合に実現することが可能とな
り、クロストークおよびクロスイレーズを低減した高性
能な高密度記録のための光学的情報記録媒体を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学的情報記録媒体の一例を示す
拡大断面図である。
【図2】マスク層に入射した光の強度分布とマスク層を
透過する光の強度分布を示した模式図である。
【図3】再生用マスク層のマスク材料を示した図であ
る。
【図4】記録用マスク層のマスク材料を示した図であ
る。
【図5】再生用マスク層の照射光強度と透過率の関係を
示した図である。
【図6】再生用マスク層と記録用マスク層とを積層した
場合の照射光強度と透過率の関係を示した図である。
【図7】相変化記録材料に於ける記録さ黷ス変調信号の
再生信号波形を示した図である。
【図8】相変化記録材料に於ける記録された単一周波数
信号の再生信号波形を示した図である。
【図9】光磁気記録材料に於ける記録された単一周波数
信号の再生信号波形を示した図である。
【符号の説明】 1…基板、2…マスク層、3…第一誘電体層、4…記録
層、5…第二誘電体層、6…保護層、D…光ディスク
(光学的情報記録媒体)、L…レーザー光

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を記録する光磁気記録層とレーザー
    光照射により光透過率が変化することでレーザースポッ
    ト内に光学的なマスク部分が形成されるマスク層とを有
    してなる光学的情報記録媒体に於いて、再生パワーを記
    録パワーの3/7.5倍に設定しても、記録された情報が消
    去されることのない光磁気記録層と再生時と記録時の両
    方でマスク効果を示すマスク層によって構成されること
    を特徴とし、前記マスク層が二種類のサーモクロミック
    材料による二層膜で構成され、それぞれ独立な透過率vs
    温度特性を示すことにより、記録時のマスク効果と再生
    時のマスク効果を実現することを特徴とする光学的情報
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記マスク層の再生時照射光に対する光
    透過率を30〜70%にしたことを特徴とする請求項1記載
    の光学的情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記光磁気記録層が、Tb-Feをベースと
    して、CoまたはDyを添加もしくは置換した垂直磁化膜に
    よって構成されることを特徴とする請求項1から2記載
    の光学的情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記光磁気記録層のキュリー温度が非磁
    性元素の添加により調節されることを特徴とする請求項
    1から3記載の光学的情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記光磁気記録層が、Tb-FeまたはDy-Fe
    をベースとして構成されるフェリ磁性垂直磁化膜であ
    り、その組成が補償組成近傍の組成であることを特徴と
    する請求項1から4記載の光学的情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記光磁気記録層が、Tb-FeまたはDy-Fe
    をベースとして構成されるフェリ磁性垂直磁化膜であ
    り、その補償温度が、再生パワーで昇温するマスク層の
    温度付近(すなわち150〜200℃)であることを特徴とす
    る請求項1から4記載の光学的情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記光磁気記録層が、磁気特性の異なる
    二種類または三種類のフェリ磁性膜からなる交換結合多
    層膜によって構成されることで、記録された情報が消去
    されることなく、再生パワーと記録パワーの最適値を制
    御することを特徴とする請求項1から3記載の光学的情
    報記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記光磁気記録層のレーザー入射面と反
    対側に記録層の透過光を利用するための反射層をアルミ
    ニウム合金またはそれに準ずる金属膜によって設けたこ
    とを特徴とする請求項1から7記載の光学的情報記録媒
    体。
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