JP2616551B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2616551B2
JP2616551B2 JP5323069A JP32306993A JP2616551B2 JP 2616551 B2 JP2616551 B2 JP 2616551B2 JP 5323069 A JP5323069 A JP 5323069A JP 32306993 A JP32306993 A JP 32306993A JP 2616551 B2 JP2616551 B2 JP 2616551B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高融点金属シリサイド
をトランジスタのゲート電極及びシリコン拡散層に有す
る半導体装置、特にMOS、Bipトランジスタやそれ
らの集積回路である半導体装置とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トランジスタサイズの縮小による集積度
の向上に伴い、ゲート幅及び拡散層幅が狭くなる。ゲー
ト幅と拡散層幅の縮小に従い、層抵抗が増加して回路遅
延に大きな影響を及ぼす。したがって、サブミクロンオ
ーダー以降の微細技術における、高融点金属シリサイド
の低抵抗化技術は必須の技術として注目されている。特
に、チタンを用いたサリサイドのトランジスタは、実デ
バイスヘ応用されている。
【0003】しかしながら、チタンシリサイドを適用し
てサリサイドトランジスタを形成する場合、デバイスサ
イズの縮小に伴い、拡散層の深さはリーク電流を抑制す
るためにシャロー化が必要である。シリサイド膜厚の薄
膜化は、本格的なシリサイド層抵抗の増加を導くだけで
なく、シリサイド形成におけるチタンシリサイド物性に
おける次の2つの問題を生じる。1つは凝集によるシリ
サイド層の断線と、1つは相転移温度の上昇である。
【0004】凝集によるチタンシリサイド層の断線の原
因は次のように考えられる。チタンシリサイド膜が80
0℃以上の温度になると軟化しはじめ、流動可能な状態
になる。この流動は、チタンシリサイド膜の表面あるい
は拡散層との界面の方向に生じる。この流動によって、
エネルギーが最小になるようにチタンシリサイドの変形
が生じる。したがって、膜状であったものが、やがて部
分的に島状になる領域と薄膜になる領域とが発生する。
この現象によって、チタンシリサイド膜の膜厚の均一性
が失われるだけでなく、完全に断線状態になる場合もあ
る。したがって、チタンシリサイド膜の導電性が劣化
し、抵抗値が増加する。さらに、シリサイド膜厚の低下
とシリサイド配線幅の低下は表面張力の増加を引き起こ
し、薄膜における凝集開始温度はチタンシリサイド膜厚
の減少と共に低下する。図8はシリサイド単層構造にお
ける層抵抗のランプアニール温度依存性を示す。シリサ
イド膜厚を50nmから30nmへ薄膜化することによ
り、凝集温度は950℃程度から870℃程度まで低下
する。
【0005】一方、チタンシリサイド形成には相転移が
必要である。すなわち、高層抵抗を有する非平衡相であ
るC49構造から低層抵抗を有する平衡相であるC54
構造への相転移である。トランジスタの微細化は不純物
濃度の増加、シリサイド膜厚の薄膜化、シリサイド幅の
縮小が要求され、この相転移温度は、不純物濃度、シリ
サイド膜厚、シリサイド幅に依存して変動する。図9は
C49構造のTiSi(131)X線強度のランプア
ニール温度依存性を示す。シリサイド膜厚を50nmか
ら30nmへ薄膜化することにより、C49構造からC
54構造への相転移温度は850℃程度から950℃以
上まで上昇する。
【0006】したがって、チタンシリサイド単層構造で
は、相転移温度と凝集温度で制限された温度範囲でのみ
形成できるものである。しかしながら、デバイスサイズ
の微細化に伴う相転移温度の上昇と凝集温度の低下によ
り、もはや0.5μm以下の設計ルールでは、従来シリ
サイド単層構造では、低抵抗は得られなかった。
【0007】そこで、0.5μm以下のトランジスタで
は、この高融点金属シリサイドと共に高融点金属をシリ
コン基板上に形成する高融点金属/高融点金属シリサイ
ド構造の形成技術が注目されている。この高融点金属/
高融点金属シリサイド構造を形成する技術はMOSトラ
ンジスタのゲート電極及びソース/ドレイン領域の各表
面に高融点金属シリサイド膜を形成した上に、高融点金
属シリサイド層より低い層抵抗の金属層を選択的に形成
することによって、シリサイド単層構造と比較して、層
抵抗の低抵抗化が実現できる特徴を有する。
【0008】このような従来の高融点金属/高融点金属
シリサイド構造を有するトランジスタは、大きく大別し
て、次の2種類からなる。1つは、同一金属種からなる
高融点金属/高融点金属シリサイド構造と、1つは高融
点金属/窒化膜/高融点金属シリサイドの3層構造から
なるシリサイド構造がある。
【0009】まず、同一高融点金属種からなる高融点金
属/高融点金属シリサイド構造を有するMOSトランジ
スタの断面構造を図4に示す。半導体基板1上にゲート
酸化膜2を介して多結晶シリコンゲート電極3が形成さ
れている。ゲート電極3の両側には、サイドウォール4
が設けられ、サイドウォール4の外側の半導体基板1表
面には、ソース/ドレイン領域となる拡散層5が形成さ
れる。
【0010】ゲート電極3表面及び拡散層5の表面に
は、タングステン、モリブデンなどの高融点金属をシリ
サイド化した高融点金属シリサイド膜6が形成されてい
る。本例ではタングステンシリサイドである。さらにこ
の金属シリサイド膜6上に、金属シリサイド6と同一金
属を含んだ窒化タングステン層7が形成されている。各
素子形成領域は、素子分離絶縁膜8で分離され、形成さ
れた素子の表面は、層間絶縁膜9で覆われている。層間
絶縁膜9には、ゲート電極上及び拡散層5の上にコンタ
クトホール10が設けられ、アルミニウムなどによる金
属配線11が施されている。
【0011】次に、図4のMOSトランジスタの製造工
程につき図5に基づいて説明する。まず、通常のMOS
型LDD構造トランジスタ製造工程により図5(a)に
示すMOS型LDD構造を形成する。
【0012】すなわち、まずP型の半導体基板上にいわ
ゆるLOCOS法によって、素子分離酸化膜8に囲まれ
たゲート酸化膜2を形成する。その後、ポリシリコン膜
を減圧CVD法(Chemieal Vapor De
position)によってゲート酸化膜2上に堆積さ
せ、フォトリソグラフィとエッチングを用いてシリコン
ゲート電極3を形成する。次にシリコンゲート電極3を
マスクとしてリンなどのN型不純物を半導体基板1表面
に注入して低濃度の拡散層5を形成する。さらにCVD
法によって、半導体基板に2酸化シリコンなどの絶縁膜
を堆積させ、これに異方性エッチングを施してサイドウ
ォール4を形成する。その後、さらにゲート電極3とサ
イドウォール4をマスクとして砒素イオンなどのN型不
純物を半導体基板表面に注入し、高濃度の拡散層5を形
成して図5(a)に示す構造が完成する。
【0013】次に、拡散層及びポリシリコン上にタング
ステンを選択化学気相成長させる工程を用いて、自己整
合的にタングステン層23を形成する(図5(b))。
この後、約700℃程度の温度でプラズマ窒化を行い窒
化タングステン層7とタングステンシリサイド層6を形
成する(図5(c))。
【0014】この後に、図4のように層間絶縁膜9がC
VD法により堆積され、続いて700℃から900℃程
度の温度での熱処理が行われる。この熱処理により層間
膜9にドープされたリンやボロンなどを熱拡散させてそ
の膜質を向上させると共に、リフローによってその平坦
化を行うものである。続いて一般によく知られたフォト
リソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてコン
タクトホール10をパターニングして、最後にアルミニ
ウムなどで金属配線11を形成して、図4の構造が完成
する。
【0015】次に、高融点金属/窒化膜/高融点金属シ
リサイドの3層構造からなるシリサイドトランジスタの
断面構造を図6に示す。半導体基板1上にゲート酸化膜
2を介して多結晶シリコンゲート電極3が形成されてい
る。ゲート電極3の両側には、サイドウォール4が設け
られ、サイドウォール4の外側の半導体基板1表面に
は、ソース/ドレイン領域となる拡散層5が形成され
る。
【0016】ゲート電極3上表面及び拡散層5表面に
は、タングステン、モリブデンなどの高融点金属をシリ
サイド化した金属シリサイド膜6が形成され、さらにこ
の金属シリサイド膜上に、窒化チタン層12を形成し、
さらに金属シリサイドと異なる金属を含んだ金属または
金属合金層7が形成されている。各素子形成領域は、素
子分離絶縁膜8で分離され、形成された素子の表面は、
層間絶縁膜で覆われている。層間絶縁膜9には、ゲート
電極3上及び拡散層5の上にコンタクトホール10が設
けられ、アルミニウムなどによる金属配線11が施され
ている。
【0017】次に、高融点金属/窒化膜/高融点金属シ
リサイドの3層構造シリサイドトランジスタの製造工程
について図7に基づいて説明する。ここで、金属シリサ
イド膜6をチタンシリサイドで形成し、窒化層として窒
化チタン層12を形成し、金属合金層8として高融点金
属層としてタングステンを形成する場合の製造工程の例
について説明する。
【0018】まず、従来の同一高融点金属/シリサイド
2層構造と同様に、通常のMOS型LDD構造トランジ
スタの製造工程により図7(a)に示すMOS型LDD
構造を形成する。次に、形成されたMOS型LDD構造
の表面にスパッタリング法などにより所定の膜厚のチタ
ン膜13を全面に形成する(図7(b))。その後、6
00℃から700℃の窒素雰囲気中で30から60秒間
程度熱処理を行う。このとき、チタン膜13がシリコン
面と接する面、すなわち、ゲート電極3の表面と拡散層
5の表面のうち絶縁膜で覆われていない領域では、チタ
ンシリサイド(TiSi)が形成される。それに対し
てシリコン酸化膜で覆われた領域は、未反応のチタンと
窒素と反応して窒化チタン(TiN)が形成される。し
たがって、アンモニア水と過水の混合液などでTiNや
未反応のTiを取り除くことによって、ゲート電極3上
及びソース/ドレイン領域を形成する拡散層5上のみに
チタンシリサイド24を形成することができる(図7
(c))。その後、さらに、800℃程度のアンモニア
雰囲気中で60秒程度の所定時間の熱処理を行うことに
より完全なC54構造を有するチタンシリサイド(Ti
Si)が形成されると共にシリサイド表面に窒化チタ
ン膜12が形成される(図7(d))。この後に、タン
グステンを選択化学気相成長させる工程を用いて、自己
整合的にタングステン層23を形成する(図7
(e))。
【0019】このようにして形成されたタングステン層
23とシリサイド層6(24)を少なくとも2層有した
構造を適用したMOSトランジスタは、均一なタングス
テン層23が形成されれば、タングステン層23の比抵
抗が低いために、ゲート電極及び拡散層の部分の層抵抗
を、他の金属シリサイド単層構造に比べて10分の1以
下に低減することができる。したがって、シングルコン
タクト構造における配線遅延問題が深刻になるサブミク
ロンデバイスにおいて、配線遅延問題を解決する有効な
手段であった。
【0020】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、同一
種からなる高融点金属/高融点金属シリサイド2層構造
(図4、図5)では、もし、高融点金属として窒化層を
有する場合は、窒化層による層抵抗の上昇することによ
り、低抵抗化の効果が失われる。
【0021】さらに、同一種からなる高融点金属/シリ
サイドの構造における耐熱性は、使用されている高融点
金属とシリコンとのシリサイド反応で決まる。したがっ
て、高融点金属としてタングステンを用いれば、600
℃以上の温度でシリコン基板上にタングステンシリサイ
ドができる一方、この反応温度以上の温度を加えた場
合、タングステンがシリコン基板中に拡散し拡散層の接
合を破壊する。
【0022】したがって、タングステンやチタンタング
ステンなどによる材料では、層間膜中の水分を揮発させ
るのに必要な800℃以上の熱処理を加えることによ
り、同一種からなる高融点金属/金属シリサイド構造で
はPN接合が破壊されるという問題がある。
【0023】一方、高融点金属/窒化膜/高融点金属シ
リサイドの3層構造からなるシリサイド構造(図6、図
7)の場合は上記耐熱性の問題は、窒化層と異なる高融
点金属シリサイド層により改善されている。しかしなが
ら、窒化層への選択タングステン成長技術は、配線層と
基板とを接続するコンタクトプラグにおいて多くの研究
がなされているにもかかわらず、タングステン核が成長
しにくく、タングステン成長における酸化膜とシリサイ
ド上との選択性が得られない。
【0024】このように、図4から図7に示されたシリ
サイド技術のいずれの技術を用いても高融点金属/高融
点金属シリサイドの2層構造は実用化できない問題点が
あった。
【0025】
【問題点を解決するための手段】本発明は、半導体基板
表面に形成されたソース/ドレイン領域と前記半導体基
板上に形成されたゲート電極との上に自己整合的に形成
された高融点金属シリサイドと、この高融点金属シリサ
イド上に、前記高融点金属シリサイドと異なる金属種の
高融点金属を形成した2層の金属合金層を有する半導体
装置の製造方法を提供するものである。
【0026】即ち、不純物拡散層またはポリシリコン上
にC49構造のTiSi2層を形成する工程と、該層上
に水素を含まないWF6SiH4のソースガスを主成分
とした化学気相成長法によりタングステン層を形成する
工程と、該タングステンの成長工程の後、700℃以上
で1000℃以下の熱処理を行う工程とを含むことを特
徴とする。また、前記熱処理は、ランプアニール装置を
用いて、10秒間行うことを特徴とする。
【0027】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。
【0028】図1は、本発明をサリサイドトランジスタ
に適用した実施例を示している。特に、本実施例では、
サリサイドトランジスタ上にタングステン層が形成され
ている例を示す。
【0029】半導体基板表面に形成されたソース/ドレ
イン領域5と、半導体基板上に形成された膜厚10nm
程度のゲート酸化膜2上の膜厚100−300nm程度
ゲート電極3とに形成された、C49構造のチタンシリ
サイド層24と前記チタンシリサイド同24全面にタン
グステン層23を形成している構造を特徴としている。
【0030】次に、この実施例の製造方法を、図2を用
いて説明する。まず、従来例と同様にして通常のMOS
型LDD構造を得る。次に、形成されたMOS型LDD
構造の表面にスパッタリング法などにより所定の膜厚
(10−100nm)のチタン膜を形成する。その後、
600℃−700℃の窒素雰囲気中で30−60分間程
度熱処理を行う。この時、チタン膜がシリコン面と接す
る面、すなわち、ゲート電極3の表面と拡散層5の表面
のうち絶縁膜4、8で覆われていない領域では、高い層
抵抗を有するチタンシリサイド層(C49構造TiSi
)が形成される。それに対して、シリコン酸化膜で覆
われた領域は、未反応のチタンと窒素と反応して窒化チ
タン(TiN)が形成される。したがって、アンモニア
水と過水の混合液などでTiNや未反応のTiを取り除
くことによって、ゲート電極3上およびソース/ドレイ
ン領域を形成する拡散層5上のみにC49構造のチタン
シリサイド24を形成することができる(図2
(a))。
【0031】次に、WFとシランを主成分としてタン
グステン選択成長法を用いてチタンシリサイド24上全
面にタングステン層23を選択的に形成する(図2
(b))。ここで、このCVD成膜方法は、一般に2ス
テップで形成することが望ましい。
【0032】すなわち、まずタングステン成長の核形成
である。このために、WFが300sccm、圧力3
00mTorr程度の雰囲気において5秒程度ウエハー
をさらす。この工程により、チタンシリサイド層表面
は、WFによりフッ化され、TiFまたはTiF
のようなチタンのフッ化物22が形成されると共に、タ
ングステン成長核が膜状に均一に形成される。ここで、
従来における窒化チタンやC54構造のチタンシリサイ
ドはWFによってはほとんどフッ化されない。
【0033】次にWF:300sccm、SiH
200sccm、の流量比のWFとシランの混合ガス
により、4nm/sec.程度の成長レートでタングス
テン膜23が1000オングストローム程度形成され
る。成長時間は20sec・程度である。
【0034】このようなタングステン形成工程におい
て、水素還元法の様に水素を添加しないことが重要であ
る。水素を添加することによりシリコン基板との反応が
活発になり、素子分離絶縁膜8と半導体基板1との境界
からタングステンが急速に成長して、高融点金属シリサ
イド膜6をはがし、異常成長したタングステンは拡散層
5を越えて半導体基板1にタングステンを拡散する。し
たがって、水素を添加したタングステンCVD法を用い
ては本発明の構造は製造できない。図10にN型拡散層
の逆バイアス特性を示す。水素還元法では、接合は破壊
されているが、シラン還元法を用いれば接合は破壊され
ない。
【0035】続いて、ランプアニール工程により、この
タングステン膜の形成によりシリコン基板上に形成され
た高抵抗フッ化チタン層22を除去する(図2
(c))。図11にAESの深さプロファイルより得ら
れたフッ素のピーク強度のランプアニール温度依存性を
示す。ランプアニール温度が700℃異常ではフッ素ピ
ーク強度は0となる。一方、このアニール工程における
チタンシリサイドによるバリア性は600−850℃ま
では良好な接合体制を持っているが900℃よりも高い
温度になると接合は破壊する。したがって、このランプ
アニール工程は、700℃から850℃の温度範囲で行
えば良好な接合ができる。また、そのアニール時間も6
0秒以下が好ましい。
【0036】次に、CVD法などを用いてボロンやリン
を含んだ層間絶縁膜9を600nm程度の膜厚で形成す
る。この層間膜形成後にOH結合を安定化する熱処理と
して必要な800℃以上の処理温度(850℃)をラン
プアニール装置を用いて行う。最後に、コンタクト10
をパターニングした後にアルミニウムからなる金属配線
11を形成して図1の構造が完成する。
【0037】第2の実施例として、バイポーラトランジ
スタに本発明の構造を適用した例を示す。
【0038】本実施例によれば、図3(a)に示される
ようにP型シリコン基板1上にはAs原子が拡散法によ
り添加され、N型コレクタ埋め込み層15が形成され
る。ついで、N型のエピタキシャル成長層16が形成さ
れ、リン原子の選択拡散により埋め込みコレクタ引き出
し領域17が形成された後、シリコン酸化膜18を形成
し、さらにボロン原子をイオン注入して、ベース領域1
9が形成される。ついで、シリコン酸化膜18が選択的
にエッチングされてべース領域19上に開口部が形成さ
れ、さらに全面にわたり多結晶シリコン膜20がCVD
法により70−100nmの膜厚に堆積された後、この
多結晶シリコン20の情報から砒素原子が70−80K
eVのイオン注入エネルギーで添加される(図3
(b))。この結果、砒素原子のピーク濃度は多結晶シ
リコン膜20のほぼ1/2膜厚の位置に存在するように
設定される。次に、900−1100℃の温度処理がラ
ンプアニールにより行われ、ボロン原子および砒素原子
を活性化して砒素原子を多結晶シリコン膜20からベー
ス領域19内へ拡散させることによりエミッタ領域21
が形成される。エミッタ領域21を形成した後多結晶シ
リコン膜20およびシリコン酸化膜を順次選択的にエッ
チングして開口部を埋め込みコレクタ引き出し領域1
7、ベース領域19に達する深さに設ける。
【0039】次に、チタン膜13をスパッタ法により3
0−60nm膜厚に堆積する(図3(c))。さらに4
00−600℃の熱処理を施してチタンシリサイド24
をそれぞれの開口部内に形成し、続いてアンモニア水ま
たは硫酸と過水の混合液により未反応のチタンおよび窒
化したチタンを除去し(図3(d))、CVD技術を用
いてシリサイド上のみにタングステン23を選択的に成
長する(図3(e))。最後に、アルミニウム膜をそれ
ぞれスパッタ法により堆積し選択的にパターニングする
ことにより金属配線11を形成することにより図3
(f)に示すような構造を得ることができる。
【0040】本実施例に示すごとく本発明によればエミ
ッタ領域21はタングステン層23により被覆されるこ
とにより、エミッタ引き出しポリシリコンの層抵抗を低
減することはドライブ電流の大きいバイポーラトランジ
スタにおける回路動作速度を改善する。さらに、エミッ
タおよびコレクタ部をタングステン23で埋め込むこと
によりアルミカバレッジも改善され信頼性も向上してい
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればシ
リサイド形成膜と異なる高融点金属を用いることによ
り、耐熱性の向上、選択成長における酸化膜と金属との
選択制の向上、さらに層抵抗の低抵抗化の優位性が得ら
れる。
【0042】まず、層間膜形成後にOH結合を安定化す
る熱処理が必要である。必要な処理温度(850℃)を
加えた実施例の深さプロファイルを図12に示す。従来
例1では、タングステンが拡散層に拡散しPN接合を破
壊するが、本発明の構造ならば、チタンシリサイドとタ
ングステンはシリコンと反応温度が異なる(600℃と
700℃)ためにタングステンのシリコン中への拡散は
抑制され、良好なリーク特性が850℃まで得られる。
【0043】一方、タングステン選択成長における金属
膜上へのタングステン成長レートを図13に示す。従来
例2のTiNやC54構造チタンシリサイドより本発明
のC49構造チタンシリサイドのタングステン成長レー
トは約1桁早い((成長時間50秒以下)。したがっ
て、酸化膜と成長速度との成長レート差が拡大し酸化膜
と金属との選択性が改善される。さらに、成長速度の向
上は、タングステン成長核密度の増加に起因しているこ
とから、タングステン膜のモホロジーが改善されるばか
りでなくウエハー面内の膜厚均一性も改善される。
【0044】層抵抗の拡散層幅依存性を図14に示す。
本発明の金属/シリサイド構造では従来法にあるような
窒化チタン層や窒化タングステンが無いことから、1.
0オーム/Sq.程度の低い層抵抗が得られる。図15
にNチャンネルトランジスタのId−Vd特性を示す。
層抵抗の低下により線形領域におけるドレイン電流I
が従来の構造より15%程度改善されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の製造工程を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す製造工程断面図であ
る。
【図4】従来例の断面図である。
【図5】図4の製造工程を示す断面図である。
【図6】他の従来例の断面図である。
【図7】図6の製造工程を示す断面図である。
【図8】シリサイド単層構造における層抵抗のランプア
ニール温度依存性を示すグラフである。
【図9】C49構造TiSi(131)X線強度のラ
ンプアニール温度依存性を示すグラフである。
【図10】拡散層の逆バイアス特性を示す図でる。
【図11】オージェ分光法によるフッ素のピーク強度の
ランプアニール温度依存性を示す図である。
【図12】熱処理(850℃)後のプロファイルであ
る。
【図13】タングステン成長の時間依存性を示す図であ
る。
【図14】層抵抗の拡散層幅依存性を示す図である。
【図15】NチャンネルトランジスタのId−Vd特性
図である。
【符号の説明】
5 拡散層 24 チタンシリサイド層 23 タングステン層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物拡散層またはポリシリコン上にC
    49構造のTiSi2層を形成する工程と、該層上に水
    素を含まないWF6SiH4のソースガスを主成分とし
    た化学気相成長法によりタングステン層を形成する工程
    と、該タングステンの成長工程の後、700℃以上で1
    000℃以下の熱処理を行う工程とを含むことを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理は、ランプアニール装置を用
    いて、10秒間行うことを特徴とする請求項1記載の半
    導体装置の製造方法。
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