JP2616347B2 - 靴の製造方法 - Google Patents
靴の製造方法Info
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- JP2616347B2 JP2616347B2 JP4196488A JP19648892A JP2616347B2 JP 2616347 B2 JP2616347 B2 JP 2616347B2 JP 4196488 A JP4196488 A JP 4196488A JP 19648892 A JP19648892 A JP 19648892A JP 2616347 B2 JP2616347 B2 JP 2616347B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、履き古したジーンズの
ような、風合い・外観を持った靴の製造方法に関する。
ような、風合い・外観を持った靴の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、履き古したジーンズのような風合
いは、ストーンウォッシュと呼ばれているが、このよう
な風合いを出すためには、特開昭61─191304号
公報にあるように、直接染料で染めた胛被材を胛被に縫
製し、該胛被を漂白剤により脱色し皺加工を行ったり、
水洗い後サンドペーパーでこすったりしていた。
いは、ストーンウォッシュと呼ばれているが、このよう
な風合いを出すためには、特開昭61─191304号
公報にあるように、直接染料で染めた胛被材を胛被に縫
製し、該胛被を漂白剤により脱色し皺加工を行ったり、
水洗い後サンドペーパーでこすったりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、漂白の
場合は、色落ちが均一となってしまい、風合いが悪く、
履き古しの感じが出ない。また、サンドペーパーでこす
る場合には、多大な労力が必要である。また、何れの場
合でも基布を傷めてしまい、強度が低下するという欠点
がある。本発明は、これらの点を改良すべくなされたも
のであり、胛被材を傷めることなく、優れた履き古しの
風合い、外観を出すことのできる靴の製造方法を提供す
るものである。
場合は、色落ちが均一となってしまい、風合いが悪く、
履き古しの感じが出ない。また、サンドペーパーでこす
る場合には、多大な労力が必要である。また、何れの場
合でも基布を傷めてしまい、強度が低下するという欠点
がある。本発明は、これらの点を改良すべくなされたも
のであり、胛被材を傷めることなく、優れた履き古しの
風合い、外観を出すことのできる靴の製造方法を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、基布の少なく
とも表面に、樹脂系エマルジョンをバインダーとし、か
つ顔料を含む樹脂ペーストをコーティング(以下、単に
「コーティング」ということがある)したのち、軽石を
用いてウォッシュ加工してなる胛被を、靴に成形するこ
とを特徴とする靴の製造方法を提供するものである。
とも表面に、樹脂系エマルジョンをバインダーとし、か
つ顔料を含む樹脂ペーストをコーティング(以下、単に
「コーティング」ということがある)したのち、軽石を
用いてウォッシュ加工してなる胛被を、靴に成形するこ
とを特徴とする靴の製造方法を提供するものである。
【0005】本発明の方法においては、履き古しの風合
いを出すために、布地に顔料を含む樹脂ペーストをコー
ティングしたのち、ウォッシュ加工することが特徴であ
るが、この処理は、基布をコーティングしたのち、これ
を胛被に縫製して、この胛被をウォッシュ加工するので
あっても、胛被に縫製する前に、基布に対して行っても
よい。
いを出すために、布地に顔料を含む樹脂ペーストをコー
ティングしたのち、ウォッシュ加工することが特徴であ
るが、この処理は、基布をコーティングしたのち、これ
を胛被に縫製して、この胛被をウォッシュ加工するので
あっても、胛被に縫製する前に、基布に対して行っても
よい。
【0006】本発明の製造方法を、基布にコーティング
したのち、胛被に縫製して、この胛被をウォッシュ加工
する場合を例にとって、以下に説明する。胛被材として
用いられる基布としては、綿、スフ、レーヨン、ポリエ
ステル、ナイロンなどが使用できるが、綿を用いると良
い風合いが得られる。また、基布は、平織り、綾織りな
どの織物や、編物、さらには不織布であってもよい。基
布は、原糸(布帛)段階で染色を施したものであって
も、染色していない、いわゆる生成りのものでも、さら
にはあらかじめ布帛段階で堅牢度の高い、顔料を含む樹
脂でコーティング(ピグメント加工)されたものであっ
てもよい。
したのち、胛被に縫製して、この胛被をウォッシュ加工
する場合を例にとって、以下に説明する。胛被材として
用いられる基布としては、綿、スフ、レーヨン、ポリエ
ステル、ナイロンなどが使用できるが、綿を用いると良
い風合いが得られる。また、基布は、平織り、綾織りな
どの織物や、編物、さらには不織布であってもよい。基
布は、原糸(布帛)段階で染色を施したものであって
も、染色していない、いわゆる生成りのものでも、さら
にはあらかじめ布帛段階で堅牢度の高い、顔料を含む樹
脂でコーティング(ピグメント加工)されたものであっ
てもよい。
【0007】染色する場合には、基布に染色したのち、
色相を変えた比較的堅牢度の低い顔料を含む樹脂ペース
トをコーティングすると、ウォッシュ加工後、顔料が落
ち、基布の色相が一部露出され、色相の濃淡、色相差
異、霜降り表現がなされ、履き古しの風合、外観の良い
靴が得られる。基布の染料としては、直接染料、インジ
ゴ染料などが用いられ、特に木綿の場合は、インジゴ染
料が好ましい。また、染料は、堅牢性の高いものほど好
ましい。
色相を変えた比較的堅牢度の低い顔料を含む樹脂ペース
トをコーティングすると、ウォッシュ加工後、顔料が落
ち、基布の色相が一部露出され、色相の濃淡、色相差
異、霜降り表現がなされ、履き古しの風合、外観の良い
靴が得られる。基布の染料としては、直接染料、インジ
ゴ染料などが用いられ、特に木綿の場合は、インジゴ染
料が好ましい。また、染料は、堅牢性の高いものほど好
ましい。
【0008】他方、顔料をあらかじめコーティングする
場合には、基布にまず堅牢度の高い顔料をコーティング
(ピグメント加工)したのち、前記と同様に色相を変え
た比較的堅牢度の低い顔料を含む樹脂ペーストをコーテ
ィング(ピグメント加工)すると、ウォッシュ加工後、
後者の堅牢度の低い顔料が落ち、基布の色相が一部露出
され、色相の濃淡、色相差異、霜降り表現がなされ、履
き古しの風合、外観の良い靴が得られる。
場合には、基布にまず堅牢度の高い顔料をコーティング
(ピグメント加工)したのち、前記と同様に色相を変え
た比較的堅牢度の低い顔料を含む樹脂ペーストをコーテ
ィング(ピグメント加工)すると、ウォッシュ加工後、
後者の堅牢度の低い顔料が落ち、基布の色相が一部露出
され、色相の濃淡、色相差異、霜降り表現がなされ、履
き古しの風合、外観の良い靴が得られる。
【0009】本発明において、顔料を含む樹脂ペースト
とは、樹脂系エマルジョンをバインダーとして、顔料の
ほか、必要に応じて増粘剤、硬化剤、増量剤などを必要
量配合したものである。さらに、必要に応じて紫外線吸
収剤、酸化防止剤などを配合してもよい。樹脂系エマル
ジョンとしては、アクリル系、ポリウレタン系、酢酸ビ
ニル系、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系、塩化ビニ
ル系などのエマルジョンが使用できる。
とは、樹脂系エマルジョンをバインダーとして、顔料の
ほか、必要に応じて増粘剤、硬化剤、増量剤などを必要
量配合したものである。さらに、必要に応じて紫外線吸
収剤、酸化防止剤などを配合してもよい。樹脂系エマル
ジョンとしては、アクリル系、ポリウレタン系、酢酸ビ
ニル系、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系、塩化ビニ
ル系などのエマルジョンが使用できる。
【0010】顔料としては、通常の無機顔料、有機顔料
が使用できる。具体的には、無機顔料として、酸化チタ
ン、亜鉛華などの白色顔料、カーボンブラックで代表さ
れる黒色顔料、亜鉛末、亜鉛化鉛などの灰色顔料、カド
ミウム赤、カドミウム水銀赤、銀朱、ベンガラ、モリブ
デン赤で代表される赤色顔料、群青、紺青、コバルト
青、セルリアン青で代表される青色顔料などが例示でき
る。また、有機顔料としては、アゾ顔料、ニトロソ顔
料、酸性染料系レーキ顔料、塩基性染料系レーキ顔料、
フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料などが用いられる。
このような顔料を樹脂と混合するには、分散剤、界面活
性剤などを用い、ディスパージョンの状態にし、樹脂系
エマルジョンに添加する方法が好ましい。
が使用できる。具体的には、無機顔料として、酸化チタ
ン、亜鉛華などの白色顔料、カーボンブラックで代表さ
れる黒色顔料、亜鉛末、亜鉛化鉛などの灰色顔料、カド
ミウム赤、カドミウム水銀赤、銀朱、ベンガラ、モリブ
デン赤で代表される赤色顔料、群青、紺青、コバルト
青、セルリアン青で代表される青色顔料などが例示でき
る。また、有機顔料としては、アゾ顔料、ニトロソ顔
料、酸性染料系レーキ顔料、塩基性染料系レーキ顔料、
フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料などが用いられる。
このような顔料を樹脂と混合するには、分散剤、界面活
性剤などを用い、ディスパージョンの状態にし、樹脂系
エマルジョンに添加する方法が好ましい。
【0011】顔料を含む樹脂ペーストをコーティングす
るためには、適性な粘度が必要であり、粘度調整のた
め、すなわち増粘するために増粘剤を使用することがで
きる。増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど一般的
にエマルジョン、ラテックスの増粘に使用できるものは
全て使用することができる。顔料を含む樹脂ペーストの
粘度は、5,000〜500,000cps、好ましく
は30,000〜300,000cpsの範囲がコーテ
ィングに適している。顔料を含む樹脂ペーストのコーテ
ィング塗布量は、ウォッシュ性を考慮して、有効成分と
して5μm〜200μm、好ましくは50μm〜100
μmの厚みが適当である。コーティング後の乾燥は、8
0℃〜150℃で0.5〜5分間行うとよい。
るためには、適性な粘度が必要であり、粘度調整のた
め、すなわち増粘するために増粘剤を使用することがで
きる。増粘剤としては、アルギン酸ナトリウム、アルギ
ン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど一般的
にエマルジョン、ラテックスの増粘に使用できるものは
全て使用することができる。顔料を含む樹脂ペーストの
粘度は、5,000〜500,000cps、好ましく
は30,000〜300,000cpsの範囲がコーテ
ィングに適している。顔料を含む樹脂ペーストのコーテ
ィング塗布量は、ウォッシュ性を考慮して、有効成分と
して5μm〜200μm、好ましくは50μm〜100
μmの厚みが適当である。コーティング後の乾燥は、8
0℃〜150℃で0.5〜5分間行うとよい。
【0012】上記のようにしてコーティングした基布を
表胛材として、通常の方法で裁断、縫製し、胛被縫製完
了後、この胛被をウォッシュ加工する。胛被材は、表胛
と裏胛をゴム系接着剤や、熱可塑性接着剤で貼り合わせ
た貼合胛被材にしても、表胛と裏胛の間に厚さ1.5〜
5.0mmの軟質ウレタンフォームを貼り合わせたウレ
タンラミネート胛被材にしても、表胛と裏胛をフリーの
状態にしたルーズ胛被材にしても、どのようなものとし
てもよい。また、縫製は、あらかじめ裁断した部品材を
縫合し、中底材まで縫合したカルフォルニアタイプ、中
底を付けずに、胛被下部周辺をかがり縫いしたストリン
グ方式のどちらでもよい。
表胛材として、通常の方法で裁断、縫製し、胛被縫製完
了後、この胛被をウォッシュ加工する。胛被材は、表胛
と裏胛をゴム系接着剤や、熱可塑性接着剤で貼り合わせ
た貼合胛被材にしても、表胛と裏胛の間に厚さ1.5〜
5.0mmの軟質ウレタンフォームを貼り合わせたウレ
タンラミネート胛被材にしても、表胛と裏胛をフリーの
状態にしたルーズ胛被材にしても、どのようなものとし
てもよい。また、縫製は、あらかじめ裁断した部品材を
縫合し、中底材まで縫合したカルフォルニアタイプ、中
底を付けずに、胛被下部周辺をかがり縫いしたストリン
グ方式のどちらでもよい。
【0013】ウォッシュ加工は、タンブラー式ウォッシ
ャーを代表とする回転式ウォッシャーを使用し、縫製さ
れた胛被材と軽石と温水で行うが、その比率は重量比で
胛被材10に対して軽石が3〜30、温水10〜300
が好ましいが、さらに好ましくは胛被材10に対して軽
石8〜16、温水80〜200である。また、温水の温
度は40℃〜85℃が好ましく、さらに好ましくは60
℃〜80℃である。また、ウォッシュ処理時間は5〜6
0分が好ましい。乾燥は、天日干しでもよいが、軟質ウ
レタンフォームを貼り合わせたラミネート胛被材や、中
底にスポンジを使用した場合は乾燥が遅くなるので、オ
ーブンやタンブラー乾燥機で加熱乾燥するとよい。乾燥
温度は、低すぎると乾燥が遅く、高すぎると胛被材に粘
着した部分の部材の変形、剥がれが発生するので70℃
〜80℃がよい。
ャーを代表とする回転式ウォッシャーを使用し、縫製さ
れた胛被材と軽石と温水で行うが、その比率は重量比で
胛被材10に対して軽石が3〜30、温水10〜300
が好ましいが、さらに好ましくは胛被材10に対して軽
石8〜16、温水80〜200である。また、温水の温
度は40℃〜85℃が好ましく、さらに好ましくは60
℃〜80℃である。また、ウォッシュ処理時間は5〜6
0分が好ましい。乾燥は、天日干しでもよいが、軟質ウ
レタンフォームを貼り合わせたラミネート胛被材や、中
底にスポンジを使用した場合は乾燥が遅くなるので、オ
ーブンやタンブラー乾燥機で加熱乾燥するとよい。乾燥
温度は、低すぎると乾燥が遅く、高すぎると胛被材に粘
着した部分の部材の変形、剥がれが発生するので70℃
〜80℃がよい。
【0014】このようにしてウォッシュ加工して得られ
た胛被を用い、靴を成形する。この成形手段としては、
胛被をラストに吊り込んで、このラストをサイドモール
ドとボトムモールドに嵌合し、形成された空隙内に塩化
ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などの靴底成形材料を射
出成形する、いわゆる射出成形によっても、あるいは胛
被をラストに吊り込んで、この底部に別途製造された靴
底を貼り併せる、いわゆる手貼り成形であってもよい。
このようにして得られた靴は、濃淡の陰影が出て、優れ
た履き古しの風合いがでる。
た胛被を用い、靴を成形する。この成形手段としては、
胛被をラストに吊り込んで、このラストをサイドモール
ドとボトムモールドに嵌合し、形成された空隙内に塩化
ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などの靴底成形材料を射
出成形する、いわゆる射出成形によっても、あるいは胛
被をラストに吊り込んで、この底部に別途製造された靴
底を貼り併せる、いわゆる手貼り成形であってもよい。
このようにして得られた靴は、濃淡の陰影が出て、優れ
た履き古しの風合いがでる。
【0015】なお、本発明の方法としては、上記の方法
だけでなく、基布に顔料を含む樹脂ペーストでコーティ
ングし、その後ウォッシュ加工してから、これを胛被に
縫製する方法でもよい。この場合、縫製部分の陰の部分
が濃く残るような、微妙な濃淡、陰影の強調された風合
いは出ないが、胛被の縫い目がほつれたり、縁が傷むと
いう問題がなく、しかも大量生産が可能となり、経済性
に優れている。
だけでなく、基布に顔料を含む樹脂ペーストでコーティ
ングし、その後ウォッシュ加工してから、これを胛被に
縫製する方法でもよい。この場合、縫製部分の陰の部分
が濃く残るような、微妙な濃淡、陰影の強調された風合
いは出ないが、胛被の縫い目がほつれたり、縁が傷むと
いう問題がなく、しかも大量生産が可能となり、経済性
に優れている。
【0016】何れの場合でも、本発明の方法で得られた
靴は、コーティングしてからウォッシュ加工しているた
め、通常のウォッシュ加工して得られた靴に比べ、色の
濃淡がよく出で、ストーンウォッシュ感が強調され、優
れた風合いをもつ。
靴は、コーティングしてからウォッシュ加工しているた
め、通常のウォッシュ加工して得られた靴に比べ、色の
濃淡がよく出で、ストーンウォッシュ感が強調され、優
れた風合いをもつ。
【0017】
【作用】本発明の方法においては、基布の表面を顔料を
含む樹脂ペーストでコーティングしてからウォッシュ加
工する。そこで、ウォッシュ加工において、軽石は樹脂
層を部分的にかき落とすので、胛被材を傷めることがな
い。しかも、布地の織りの部分は樹脂が落ちにくいの
で、色が濃く、表面部分は樹脂が落ちて色が薄くなり、
より優れたストーンウォッシュ感、すなわち履き古しの
風合い、外観を出すことができる。
含む樹脂ペーストでコーティングしてからウォッシュ加
工する。そこで、ウォッシュ加工において、軽石は樹脂
層を部分的にかき落とすので、胛被材を傷めることがな
い。しかも、布地の織りの部分は樹脂が落ちにくいの
で、色が濃く、表面部分は樹脂が落ちて色が薄くなり、
より優れたストーンウォッシュ感、すなわち履き古しの
風合い、外観を出すことができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 反応染料で染めた綿10号帆布の表面に、アクリル系エ
マルジョン100重量部に対してコバルトブルー(アル
ミン酸コバルト)10重量部、カーボンブラック0.5
重量部、アルギン酸ソーダ30重量部を添加したペース
トを、塗膜層の厚さが50μmとなるようにコーティン
グした。このようにして得られた表胛材に、ゴム系接着
剤を介して、裏布として綿仁斯の湯通ししたものを貼り
合わせて胛被材とした。この胛被材を所定のパターンに
打ち抜き、裁断した部品を順次縫製し、最後に中底を縫
い付けて靴用胛被を作った。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 反応染料で染めた綿10号帆布の表面に、アクリル系エ
マルジョン100重量部に対してコバルトブルー(アル
ミン酸コバルト)10重量部、カーボンブラック0.5
重量部、アルギン酸ソーダ30重量部を添加したペース
トを、塗膜層の厚さが50μmとなるようにコーティン
グした。このようにして得られた表胛材に、ゴム系接着
剤を介して、裏布として綿仁斯の湯通ししたものを貼り
合わせて胛被材とした。この胛被材を所定のパターンに
打ち抜き、裁断した部品を順次縫製し、最後に中底を縫
い付けて靴用胛被を作った。
【0019】この靴用胛被100足(100g/1足)
に対し、軽石12.5kg、温水125リットル(70
℃)を用いて20分間、タンブラー式ウォッシャーで顔
料ペーストを落とすためのウォッシュ加工を行った。乾
燥はタンブラー型乾燥機を用いて70℃で120分間行
った。このようにして得られた胛被をラストに吊り込ん
で、ラスト底面とサイドモールドとボトルモールドで形
成される空隙に塩化ビニル樹脂組成物を射出して、靴を
成形した。この靴は、縫製部分の陰の色が濃く出て、陰
影が強調され、ストーンウォッシュ感の優れた、履き古
しの風合いを持つ靴であった。
に対し、軽石12.5kg、温水125リットル(70
℃)を用いて20分間、タンブラー式ウォッシャーで顔
料ペーストを落とすためのウォッシュ加工を行った。乾
燥はタンブラー型乾燥機を用いて70℃で120分間行
った。このようにして得られた胛被をラストに吊り込ん
で、ラスト底面とサイドモールドとボトルモールドで形
成される空隙に塩化ビニル樹脂組成物を射出して、靴を
成形した。この靴は、縫製部分の陰の色が濃く出て、陰
影が強調され、ストーンウォッシュ感の優れた、履き古
しの風合いを持つ靴であった。
【0020】
【発明の効果】胛被材を傷め、強度を低下させることな
く、濃淡の強調された優れた履き古しの風合い、外観を
もつ靴を容易に製造することができる。
く、濃淡の強調された優れた履き古しの風合い、外観を
もつ靴を容易に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 基布の少なくとも表面に、樹脂系エマル
ジョンをバインダーとし、かつ顔料を含む樹脂ペースト
をコーティングしたのち、軽石を用いてウォッシュ加工
してなる胛被を、靴に成形することを特徴とする靴の製
造方法。 - 【請求項2】 胛被が、樹脂ペーストをコーティングし
た基布を胛被に縫製したのち、ウォッシュ加工して得ら
れたものである請求項1記載の靴の製造方法。 - 【請求項3】 胛被が、樹脂ペーストをコーティングし
たのち、これをウォッシュ加工した基布を縫製して得ら
れたものである請求項1記載の靴の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4196488A JP2616347B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 靴の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4196488A JP2616347B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 靴の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0614804A JPH0614804A (ja) | 1994-01-25 |
JP2616347B2 true JP2616347B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=16358617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4196488A Expired - Lifetime JP2616347B2 (ja) | 1992-06-30 | 1992-06-30 | 靴の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2616347B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010078881A (ko) * | 2001-05-08 | 2001-08-22 | 정태수 | 표면이 벗겨지고 탈색된 구두의 표면을 재염색하는 방법. |
JP4120226B2 (ja) * | 2002-01-30 | 2008-07-16 | 東レ株式会社 | 有毛人工皮革の製造方法 |
US7891035B2 (en) | 2007-05-01 | 2011-02-22 | Nike, Inc. | Article of footwear having a worn appearance and method of making same |
WO2009027549A1 (es) * | 2007-08-01 | 2009-03-05 | Textilin S.L. | Estructura para bolsos o mochilas, cortes para calzados y similares |
CN113916800B (zh) * | 2021-10-08 | 2022-09-27 | 南京航空航天大学 | 一种直观判断高分子塑料磨料磨损的检测方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61191304A (ja) * | 1985-02-19 | 1986-08-26 | 月星化成株式会社 | 靴の製造法 |
JPH02154059A (ja) * | 1988-12-02 | 1990-06-13 | Kanebo Ltd | 布帛のウォッシュアウト調皺付け加工方法 |
-
1992
- 1992-06-30 JP JP4196488A patent/JP2616347B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0614804A (ja) | 1994-01-25 |
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