JP2612352B2 - キャビネット装置 - Google Patents

キャビネット装置

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JP2612352B2
JP2612352B2 JP1315398A JP31539889A JP2612352B2 JP 2612352 B2 JP2612352 B2 JP 2612352B2 JP 1315398 A JP1315398 A JP 1315398A JP 31539889 A JP31539889 A JP 31539889A JP 2612352 B2 JP2612352 B2 JP 2612352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、VTRなどの各種電気・電子機器におけるキ
ャビネット装置に係り、特に、不要輻射のシールド効果
の向上を図ったキャビネット装置に関する。
[従来の技術] 第5図は、従来のVTRの外筐構造を示す断面図であ
る。同図において、51はその外面側に非導電性の被覆が
施された鋼板製のトップカバー、52は鋼板製のボトムカ
バーで、両者51,52によって筐体の主体部が構成され、
筐体の上面、両側面並びに底面を形成している。53はモ
ールドフレーム(合成樹脂製の枠体)で、回路部54やメ
カニズム部55が搭載・保持されており、このモールドフ
レーム53に、上記トップカバー51並びにボトムカバー52
がネジ止め等の手段で取付けられている。
56は、モールドフレーム53にボトムカバー52と共にネ
ジ57で固着された導電性金属薄板よりなるシールドカバ
ーで、ボトムカバー52と電気的に導通していると共に、
該シールドカバー56の遊端側に形成した櫛歯状の弾性接
触片56aがトップカバー51の側面内側と弾接し、これに
よってトップカバー51をボトムカバー52と電気的に導通
している。
そして斯様に、トップカバー51とボトムカバー52とを
電気的に導通することによって、機器外部からの電磁波
による悪影響あるいは機器内部から外部機器への電磁波
による悪影響を防止するようになっていた。
[発明が解決しようとする課題] 上述した従来構成においては、前記シールドカバー56
を介してトップカバー51とボトムカバー52とを電気的に
導通しているが、シールドカバー56をトップカバー51を
弾接させるためには所定間隔にスリットを設けて櫛歯状
に弾性接触片56aを形成せざるを得ず、このため接触面
が不足し、また比較的脆弱な弾性接触片56aが変形し易
く接触が安定せず、不要輻射に対するシールド効果が充
分ではないことが指摘されていた。また、そもそもシー
ルドカバー56という別部材を必要とし、部品点数並びに
組立工数が嵩んでコストを押し上げる上、シールドカバ
ー56が外部に露呈するため意匠上の要請からシールドカ
バー56に見映えのよい表面処理(例えば黒色に焼き付け
処理)を施さざるを得ず、この点でもトータルコストを
アップさせていた。
さらにまた、前記トップカバー51の外面側には、主に
意匠上の要請から塩化ビニル樹脂シートなどを貼着する
ことにより非導電性の表面処理が施されるが、トップカ
バー51の内面側にも、機器内部の回路系との不要・不測
の電気的導通を防止する目的から樹脂による非導電性の
コーティングが施されることもあり、この場合には、ト
ップカバー51の内面側のコーティングにおける前記弾性
接触片56aが接触する部分を、除去することが必要であ
った。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、トップカバーとボトムカバーとの接触安
定性に優れて不要輻射に対するシールド効果が良好で、
また、これを簡素・且つ安価な機構で達成できるキャビ
ネット装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記した目的を達成するため、非導電性の
表面処理を施した鋼板製のトップカバーと、鋼板製のボ
トムカバーとによって、電気・電子機器の外筐体の主体
部が構成されるキャビネット装置において、前記トップ
カバーの側面下端に折り曲げ辺を形成して、該折り曲げ
辺の先端部の前記非導電性の表面処理を前記トップカバ
ー形成時のプレス加工工程において同時に除去し、この
折り曲げ辺の先端部に露出した鋼板部分と前記ボトムカ
バーに形成した立上げ辺とを弾接させることにより、前
記トップカバーとボトムカバーとを電気的に導通させる
ように、構成される。
[作 用] トップカバーの側面部下端は、トップカバーの上面部
のスパン並びに側面部のスパンによって容易に弾性変位
することができ、よってこのトップカバーの側面部下端
に形成した折り曲げ辺の先端部は、ボトムカバーの立上
げ辺と確実に弾接させることが可能となる。また、上記
折り曲げ辺の先端部に被着した塩化ビニル樹脂シートな
どの非導電性表面処理は、トップカバー作製のためのプ
レス加工工程において同時に除去可能で、折り曲げ辺の
先端部に露呈した鋼板部分がボトムカバーの立上げ辺と
所定の長さをもって確実に弾接し、トップカバーとボト
ムカバーとは必要充分な接触部分を確保されて、両者は
電気的に安定した導通状態を維持され、不要輻射に対す
るシールド効果が高まる。このように、トップカバーと
ボトムカバーとを直接電気的に導通させ、また、このた
めの構成も極めて簡素であるので、従来に比してキャビ
ネット装置のトータルコストを大幅に低減できる。
[実施例] 以下、本発明をVTRに適用した第1図〜第4図に示す
1実施例によって説明する。
第1図はVTRの外筐構造を示す断面図、第2図はVTRの
外観を示す斜視図、第3図は第1図のA部の拡大図、第
4図は第3図のB部の拡大図である。
第1,2図において、1はトップカバー、2はボトムカ
バーで、両者1,2によって筐体の主体部が構成され、筐
体の上面、両側面並びに底面を形成している。上記トッ
プカバー1は、上面部3並びに側面部4,4で主として構
成され、その外面側には意匠上の要請から非導電性の塩
化ビニル樹脂シートPVC(第3,4図)が貼着された鋼板SB
(第3,4図)が用いられている。該実施例においては、
トップカバー1の鋼板SBの板厚は0.6mmとされ、塩化ビ
ニル樹脂シートPVCの厚みは0.15mmとされている。な
お、該実施例においては、トップカバー1の内面側は例
えば亜鉛メッキを施した鋼板SB面とされているが、この
内面側に、機器内部の回路系との不要・不測の電気的導
通を防止する目的から樹脂による非導電性のコーティン
グを施したものであっても良い。前記ボトムカバー2
は、底面部5と、該底面部5の両サイドから略垂直に折
り曲げ形成した立上げ辺6,6とで主に構成され、その両
面に亜鉛メッキを施した鋼板SBによって形成されてい
る。
第2図において、7はフロントカバーで、該フロント
カバー7、前記トップカバー1、ボトムカバー2、並び
に図示せぬリアカバーによって主として外筐が構成され
ている。なお、同図において、9は後述するモールドカ
バー8の支持部で、外部に露呈している。
上記した筐体内には、第1図に示すように、モールド
フレーム(合成樹脂製の枠体)8の主体部が位置付けら
れており、該モールドフレーム8に、メイン回路基板10
やメカニズム部11が搭載・保持されている。9,9はモー
ルドフレームの両サイドに一体成形された支持部で、モ
ールドフレーム8の主体部との間に前記ボトムカバー2
の立上げ辺6,6を挿通・収納する空間12,12が形成されて
いる。また、上記各支持部9の上面側には、後述するト
ップカバー1の側面部4の下端に形成した折り曲げ辺4a
を、位置決め・係止するための突起9aがそれぞれ複数個
形成されている。なお、図示の都合上、支持部9がモー
ルドフレーム8の主体部と分離しているように描いてあ
るが、支持部9はモールドフレーム8の主体部と連結さ
れていることは言うまでもなく、また、支持部9は所定
量弾性変形可能である。
そして、前記ボトムカバー2は、その底面部5を前記
モールドフレーム8にネジ13で固定され、また、ボトム
カバー2の前記立上げ辺6は、前記空間12内に位置し
て、その上部は前記支持部9よりも上側に突出してい
る。斯様に、ボトムカバー2の立上げ辺6をモールドフ
レーム8に収納し、外部に露呈しないように支持部9で
隠蔽することによって、亜鉛メッキされただけの立上げ
辺6が筐体側面に露出せず、適宜の色に着色可能なモー
ルドフレーム8の一部が外部に現われるため、意匠的な
美観を損なうことはない。なお、ボトムカバー2には、
前記メイン回路基板10のアースパターンやメカニズム部
11のメインシャーシなどが適宜手段を介して接地されて
いる。
第3図に拡大して示すように、前記トップカバー1の
両側面部4の下端には折り曲げ辺4aがそれぞれ形成され
ている。この折り曲げ辺4aは、前記側面部4から略直角
に内方へ延びた水平部4a−1と、該水平部4a−1から斜
め上方に延出した先端部4a−2とからなっており、先端
部4a−2においては、前記した塩化ビニル樹脂シートPV
Cが除去されて前記鋼板SBが露出している。また、上記
折り曲げ辺4a(水平部4a−1)には、前記支持部9の突
起9aと対応する係合穴4a−3が複数個形成されている。
上記した折り曲げ辺4aの先端部4a−2における塩化ビ
ニル樹脂シートPVCの除去は、トップカバー1のプレス
加工後に後加工で行うことも可能であるが、該実施例に
おいては、トップカバー1のプレス加工工程時に、同時
に塩化ビニル樹脂シートPVCの除去を行うようにされ
る。すなわち、曲げ加工時のクリアランスを通常の設定
にすると、第4図の2点鎖線で示すように塩化ビニル樹
脂シートPVCが残るが、この際の雄・雌型のクリアラン
スを所定のものに設定することによって、曲げ工程時に
第4図でLで示した長さだけ塩化ビニル樹脂シートPVC
を切り取ることが容易に出来る。このように、塩化ビニ
ル樹脂シートPVCの部分的な除去をプレス加工工程時に
同時に行うと、後工程による除去作業が省けて作業性が
アップする。
前記した折り曲げ辺4aの先端部4a−2は、前記モール
ドフレーム8に取付けられたボトムカバー2の前記立上
げ辺6の上部と確実に弾接できる寸法関係に設定・形成
されており、第1,3図に示すように、トップカバー1の
折り曲げ辺4aの前記係合穴4a−3を前記支持部9の突起
9aに係合させることによって、折り曲げ辺4aの先端部4a
−2において露呈した鋼板SB部分が所定長さにわたって
立上げ辺6と確実に弾接して、トップカバー1とボトム
カバー2との安定した電気的導通状態を保証する。すな
わち、トップカバー1の側面部4の下端に形成した折り
曲げ辺4aの先端部4a−2は、トップカバー1の上面部3
のスパン並びに側面部4のスパンによって容易に弾性変
位することができ、この弾性変位による弾接力をもって
折り曲げ辺4aの先端部4a−2が立上げ辺6と接触するよ
うな寸法関係とすることにより、折り曲げ辺4aの先端部
4a−2と立上げ辺6とは安定して弾接する。なお、トッ
プカバー1は図示していない部位において、前記モール
ドフレーム8にネジ止めされて固定される。
斯様な構成をとる該実施例によるキャビネット装置に
おいては、前記した第5図の従来構成に比して、大幅に
コストダウンが可能となるばかりか、不要輻射に対する
シールド効果が高められることが確認された。
以上、本発明を図示した実施例によって説明したが、
当業者には本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形
が可能であることは言うまでもなく、例えば、前記実施
例においては塩ビ鋼板によってトップカバーを形成して
いるが、絶縁塗装鋼板によってトップカバーを形成して
も良い。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、トップカバーとボトム
カバーとの電気的接触安定性に優れ、以って不要輻射に
対するシールド効果が良好で、また、これを簡素、且つ
安価な機構で達成できるキャビネット装置が提供でき、
その産業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の1実施例によるキャビネット
装置に係り、第1図はVTRの外筐構造を示す断面図、第
2図はVTRの外観を示す斜視図、第3図は第1図のA部
の拡大図、第4図は第3図のB部の拡大図、第5図は従
来のキャビネット装置を示す断面図である。 1……トップカバー、2……ボトムカバー、3……上面
部、4……側面部、4a……折り曲げ辺、4a−1……水平
部、4a−2……先端部、4a−3……係合穴、5……底面
部、6……立上げ辺、8……モールドカバー、9……支
持部、9a……突起、12……空間。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非導電性の表面処理を施した鋼板製のトッ
    プカバーと、鋼板製のボトムカバーとによって、電気・
    電子機器の外筐体の主体部が構成されるキャビネット装
    置において、前記トップカバーの側面下端に折り曲げ辺
    を形成して、該折り曲げ辺の先端部の前記非導電性の表
    面処理を前記トップカバー形成時のプレス加工工程にお
    いて同時に除去し、この折り曲げ辺の先端部に露出した
    鋼板部分と前記ボトムカバーに形成した立上げ辺とを弾
    接させることにより、前記トップカバーとボトムカバー
    とを電気的に導通させたことを特徴とするキャビネット
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ボトムカバーの立
    上げ辺は、前記トップカバーの側面下端の折り曲げ辺を
    支承するモールドフレームの内側に位置すること特徴と
    するキャビネット装置。
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