JP2611436B2

JP2611436B2 - 洗浄剤組成物

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Publication number: JP2611436B2
Application number: JP16841889A
Authority: JP
Inventors: 温新実
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1989-06-30
Filing date: 1989-06-30
Publication date: 1997-05-21
Anticipated expiration: 2012-05-21
Also published as: JPH0334915A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、洗浄効果と仕上げ効果とを併せ持つ毛髪用
洗浄剤、衣類用洗浄剤等の洗浄剤組成物に関する。

〔従来の技術〕

これまで、頭髪や衣類の洗浄においては、洗浄剤と仕
上げ剤とを順次別個に使用するものであったが、近年に
なって洗浄効果と仕上げ効果とを併せ持つ洗浄剤を得る
ための種々の提案がなされている。その提案の多くは、
洗浄剤に仕上げ効果を有する特定の成分を添加すること
により洗浄効果と仕上げ効果の両方を得ようとするもの
であり、このような仕上げ効果を有する成分として、従
来水溶性のシリコーン誘導体、水溶性のグリセリド誘導
体、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリ
コール等の保湿剤、あるいは炭化水素油、シリコーン油
（特開昭61−210022号）等が公知であり、柔軟剤もしく
はリンス基剤である第４級アンモニウム塩、ノニオン界
面活性剤（特開昭53−133206号）、両性界面活性剤（特
開昭50−23407号）、特定のアニオン界面活性剤（特開
昭52−35203号）、特定のカチオン界面活性剤（特公昭4
7−47845号）の使用も知られている。また、米国特許第
3472840号には、陽イオン・セルロース樹脂であるポリ
マーJR樹脂を配合したシャンプーがシャンプーとリンス
の両方の望ましい特性を有することが記載されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述したように、最近のシャンプーとしては、毛髪に
対するケア意識の向上によって洗浄力に加えて洗髪中の
感触や髪の仕上がり効果の優れたものが要求されるよう
になっており、洗髪中に毛髪どうしがからまらないこ
と、及び仕上り時にも毛髪どうしがからむことなく、滑
らかな櫛通りを与えることが望まれているが、従来の毛
髪用洗浄剤ではこのような点を十分満足させるものは得
られていない。特に、毛髪に対して仕上り効果を与える
ために油分等を配合した洗浄剤も市販されているが、油
分を水系に混合させるために溶解されにくく、極めて不
安定な配合がなされているのが現状である。

また、布用の洗浄剤についても、従来の洗浄剤を用
い、柔軟帯電防止効果付与剤等の併用を行なわない場
合、乾燥機使用による布の損傷や仕上り後の帯電が起こ
りやすく、洗浄時と同時に仕上り時の柔らかさや帯電防
止効果を与える洗浄剤が熱望されていながら、これらの
点を解決できる洗浄剤は開発されるに至っていない。

このように、従来洗浄効果と仕上げ効果を付与するこ
とを目的として提案されている洗浄剤は、使用時の感
触、仕上げ用添加剤の分散安定性、仕上げ効果等に問題
を有するものであった。

本発明は、上記以上に鑑みなされたもので、使用時に
優れた感触をもたらし、仕上り時には毛髪や衣類に対し
て滑らかさや柔らかさ、そして帯電防止効果を付与する
と共に、水難溶性油分の分散安定性に優れた洗浄剤組成
物を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

本発明は上記目的を達成するため、界面活性剤を５〜
30重量％、水難溶性油分を0.01〜10重量％、下記式
（Ｉ），（II）又は（III）で表されるアクリル樹脂を
0.1〜５重量％含有することを特徴とする洗浄剤組成物
を提供する。

（但し、式中Ｘ及びＹはそれぞれ水素原子、アルカリ金
属、アンモニウム機、アルカノールアミン残基又は炭素
数１〜４のアルキル基、Ｐ＝100〜20000、Ｑ＝100〜200
00である。）即ち、本発明においては、界面活性剤と、水難溶性油
分と、（Ｉ）〜（III）式で表わされるアクリル樹脂と
を特定の割合で併用したことにより、これら３成分が相
乗的に作用し、洗浄時に優れたすすぎ感触をもたらし、
かつ仕上り時に髪や衣類に滑らかで柔らかな風合いと帯
電防止効果を与えると共に、水難溶性油分の分散安定性
に優れた洗浄剤組成物を得ることができたものである。
この場合、本発明の洗浄剤組成物は水難溶性油分及びア
クリル樹脂によって被洗浄物の表面に被膜を形成し、優
れた仕上り効果を発揮する。

以下、本発明につき更に詳しく説明する。

本発明の洗浄剤組成物は、上述したように、界面活性
剤、水難溶性油分及び（Ｉ）〜（III）式のアクリル樹
脂を特定の配合量で含有するものである。

この場合、界面活性剤の種類に特に限定はないが、下
記（Ａ）〜（Ｄ）に示すアニオン活性剤を用いることが
好ましく、これにより優れた洗浄力を得ることができ
る。

（Ａ）下記式（１） R₁SO₃M₁ …（１）〔式中、R₁は炭素原子数12〜16のα−オレフィン、炭素
原子数12〜16のビニリデン型オレフィン、炭素原子数12
〜16のインナーオレフィン、炭素原子数12〜16のヒドロ
キシアルキル基または炭素原子数10〜18の直鎖もしくは
分枝鎖のパラフィンであり、M₁はアルカリ金属、アルキ
ル置換アンモニウムまたはヒドロキシアルキル置換アン
モニウムである。〕で表わされるスルホン酸塩。

上記（１）式の化合物として、具体的には、例えばα
−オレフィンスルホネート（AOS塩）などが挙げられ
る。

（Ｂ）下記式（２） R₂R₃O_mOSO₃M₂ …（２）〔式中、R₂は炭素原子数８〜18のアルキル基または炭素
原子数５〜15のアルキル基を有するアルキルフェニル
基、R₃は炭素原子数２〜３のアルキル基、ｍは平均値と
して０〜６、M₂はアルカリ金属，アルカリ土類金属，ア
ルキル置換アンモニウムまたはヒドロキシアルキル置換
アンモニウムである。〕で表わされる硫酸塩。

上記（２）式の化合物として、具体的には、例えば天
然ラウリルアルコールポリオキシエチレン（ｍ＝３）硫
酸エステル、C₁₁〜C₁₅脂肪族アルコールポリオキシエチ
レン（ｍ＝３）硫酸エステル、C₁₂〜C₁₃脂肪族アルコー
ルオキシエチレン硫酸エステル、C₁₂〜C₁₃脂肪族アルコ
ール硫酸エステルおよびこれらの硫酸エステル部分が硫
酸のナトリウム塩、カリウム塩またはアルカノールアミ
ン塩となったものなどを挙げることができる。これらの
中では、ポリオキシエチレン（ｍ＝３）ラウリルエーテ
ル硫酸ナトリウムが特に好ましい。

（Ｃ）下記式（３）〔式中、R₄は平均炭素原子数９〜17の非芳香族炭化水素
基、M₃及びM₄はそれぞれアンモニウムイオン、アルカノ
ールアミンイオン、低級アルキルアミンイオン、塩基性
アミノ酸の陽イオン、ナトリウム、カリウム、アルカリ
土類金属または水素である。〕で表わされるＮ−アシルグルタミン酸またはその誘導
体。

上記（３）式の化合物またはその誘導体として具体的
には、例えば、Ｎ−ラウロイルグルタミン酸;N−ミリス
トイルグルタミン酸;N−パルミトイルグルタミン酸;N−
アシルグルタミン酸；およびこれらのＮ−アシルグルタ
ミン酸の混合物、並びに、これらのＮ−アシルグルタミ
ン酸のモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、ナトリウム塩およびカリ
ウム塩などを挙げることができる。これらは、光学活性
体またはラセミ体として使用できる。

（Ｄ）下記式（４）〔式中、R₅は平均炭素原子数９〜17の非芳香族炭化水素
基、R₆は水素原子、炭素原子数１〜４の直鎖または分枝
鎖のアルキル基であり、M₅はアンモニウムイオン、アル
カノールアミンイオン、低級アルキルアミンイオン、塩
基性アミノ酸の陽イオン、ナトリウム、カリウム、アル
カリ土類金属または水素であり、ｐは１または２であ
る。〕で表わされるＮ−アシル−Ｎ−アルキルアミノ酸または
その塩。

上記（４）式の化合物またはその塩として具体的に
は、例えば、Ｎ−ラウロイル−Ｎ−エチルグリシン、Ｎ
−ラウロイル−Ｎ−イソプロピルグリシン、Ｎ−ラウロ
イルザルコシン、Ｎ−ミリストイルザルコシン、Ｎ−パ
ルミトイルザルコシン、Ｎ−ラウロイル−Ｎ−メチル−
β−アラニン、Ｎ−ラウロイル−Ｎ−エチル−β−アラ
ニン、Ｎ−ミリストイル−β−アラニン、Ｎ−パラミト
イル−β−アラニンおよびこれらの混合物、並びに、こ
れらのモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、ナトリウム塩およびカリ
ウム塩などを挙げることができる。

さらに、本発明においては、非イオン界面活性剤、両
性界面活性剤などのアニオン界面活性剤以外の界面活性
剤を用いることができる。この場合の界面活性剤として
は、例えば、イミダゾリニウム型両性界面活性剤、アミ
ドプロピルベタイン、ポリオキシエチレン高級アルコー
ルリン酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレン高
級脂肪酸エステルまたはその塩が挙げられる。

本発明においては、上記界面活性剤の１種又は２種以
上を使用することができるが、その配合量は組成物全体
の５〜30重量％、好ましくは10〜25重量％とする。５重
量％未満では良好な洗浄力を得ることができず、30重量
％を超えると界面活性剤による可溶化力が強すぎるた
め、洗浄時に流されてしまい、充分な仕上り効果を発揮
することができない。

また、水難溶性油分の種類も特に制限されないが、例
えば炭化水素類、高級アルコール類、エステル油、シリ
コーン誘導体等から選ばれる１種又は２種以上を好適に
使用できる。より具体的には、水難溶性油分として、流
動パラフィン，スクワラン，ワセリン，セタノール，ス
テアリルアルコール，イソセタノール，イソステアリル
アルコール，イソステアリン酸イソプロピル，ミリスチ
ン酸ヘキシルデシル，アルファオレフィングリコール，
ジメチルポリシロキサン，メチルフェニルポリシロキサ
ン、動植物抽出油、例えばホホバ油，ヒマシ油，ミンク
油等を挙げることができる。

水難溶性油分の配合量は、組成物全体の0.01〜10重量
％、好ましくは0.1〜５重量％とするものである。0.01
重量％未満では仕上りにおいて充分な効果が得られず、
一方10重量％を超えるとすすぎ時の感触に優れないばか
りでなく仕上り時にべたつきが生じたり、また安定配合
がなされないという問題点が生じる。

更に、本発明で用いるアクリル樹脂は、上記（Ｉ），
（II）式の重合体、（III）式のランダム共重合体、即
ち（但し、式中Ｘ及びＹはそれぞれ水素原子、アルカリ金
属原子、アンモニウム基、アルカノールアミン残基又は
炭素数１〜４のアルキル基、Ｐ＝100〜20000、Ｑ＝100
〜20000である。）で表わされるものの１種又は２種以上である。この場
合、上記式（Ｉ）〜（III）において、Ｘは水素原子又
は炭素数１〜４のアルキル基、Ｙは水素原子、アルカリ
金属原子又はアルカノールアミン残基、Ｐ＝1000〜2000
0、Ｑ＝1000〜20000であることが特に好ましい。

上記アクリル樹脂の具体例としては、例えばアクリル
酸エチルエステルとメタクリル酸ナトリウムとの共重合
体又はアクリル酸エチルエステルとメタクリル酸トリエ
タノールアミンとの共重合体であって、上記（III）中
のP:Q＝70:30の構造をもつもの等が好適に使用される。

アクリル樹脂の配合量は組成物全体の0.1〜５重量
％、好ましくは0.5〜３重量％である。0.1重量％未満で
は水難溶性油分の安定配合がなされないばかりでなく、
水難溶性油分を被洗浄物に対し吸着させにくく、しかも
被膜の形成も行なわれにくくなり、仕上り時の柔らかさ
や滑らかさを充分付与することができない。また、５重
量％を超えると仕上り時に被洗浄物にべたつきが生じる
上、安定配合への効果は増大しないため、経済的に意味
がない。

本発明の洗浄剤組成物は、毛髪用シャンプー、衣類用
洗浄剤等に調製されるものであるが、この場合本発明の
洗浄剤組成物には、発明の効果に影響を与えない範囲に
おいて、必要に応じて通常使用されている補助添加剤を
添加することができる。このような添加剤としては、例
えば、食塩、芒硝、可溶化剤、BTH、α−トコフェロー
ル等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、タンパク誘導剤、動
物抽出エキス、防腐剤、殺菌剤、真珠光沢剤、乳濁剤、
ふけ止め剤、トニック剤、pH調整剤、色素、香料、カチ
オン性ポリマーのコンディショニング剤等を挙げること
ができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄
時の感触が良いと共に、毛髪、衣類等の被洗浄物に仕上
り後の滑らかさや柔らかさを付与することができ、しか
も被洗浄物に適度な水分、油分を残すことができるた
め、静電気の帯電によるフライアウェイ等の不具合を抑
制する効果を有する。また、仕上げ用添加剤を配合した
洗浄剤に特有の乳化安定性の悪さが解消され、優れた安
定性を保持するものである。

以下、実施例を示してこの発明を具体的に説明する
が、この発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、説明に先立ち、各例において採用した評価方
法について説明する。

すすぎ時の感触の良さ被験者の頭髪を左右に二分し、一方に下記標準試料3
g、他方に下記第1,2表に示す試験試料3gをそれぞれ施し
て洗髪した。その際の左右頭髪のすすぎ時の感触の良さ
の官能評価を被験者が一対比較法により行なった。官能
評価の評点は次の通りである。

（評点） ◎：試験試料の方が優れている ○：試験試料の方がやや優れている △：標準試料と同等である ×：標準試料の方が優れている判定は被験者20名の評点の合計で行ない、評価点が○
以上であれば実用上充分な効果があると判定した。な
お、標準試料としてはポリオキシエチレンラウリルエー
テル硫酸ナトリウム（:3）を10重量％、ヤシ油脂肪酸
ジエタノールアマイドを３重量％、無水硫酸ナトリウム
を１重量％、水を残部としたものを用いた。

仕上り時の滑らかさ、柔らかさ、帯電防止効果試験試料1gを10gの毛髪束に均一に塗布した後、40℃
の温湯500mlで30秒間漬け洗いしてすすぐ操作を３回繰
り返す。この毛髪束を乾燥後、同じ条件下で標準試料を
施した毛髪束と滑らかさ、柔らかさ及び帯電防止効果を
一対比較した。判定者は20名で以下の基準に従ってそれ
ぞれ評価した。

（評点） ◎：試験試料の方が優れている ○：試験試料の方がやや優れている △：標準試料と同等である ×：標準試料の方が優れている判定者20名の評価点が○以上であれば、良好な滑らか
さ、柔らかさ、帯電防止効果を付与することができると
判定した。

配合組成の乳化安定性評価試験試料を50ml入りガラス容器に充填し、45℃におい
て１週間保存したものについて、外観を視覚にて、及び
油性成分の合一の有無を顕微鏡にて観察し、分離、合一
がなく配合直後と比較して著しい変化が認められなかっ
たものを○、分離等外観の変化が認められたものを△、
さらに合一も認められたものを×として評価した。

以下、各実施例および比較例について説明するが、以
下の表に示す各成分の含量はすべて重量％表示である。

〔実施例１〜14、比較例１〜８〕第1,2表に示す組成の22種の毛髪用洗浄剤組成物を調
製し、上述の方法に従ってその性能評価を行なった。結
果を同表に併記する。なお、表中の＊１）〜＊12）の物
質としてはそれぞれ次のものを用いた。

＊１）α−オレフィンスルホン酸ナトリウム＊２）ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム（:3）＊３）Ｎ−アシルサルコシン酸TEA ＊４）Ｎ−アシルグルタミン酸TEA ＊５）パラフィンスルホン酸ナトリウム＊６）スルホコハク酸モノエステル＊７）イソオクタン酸セチル＊８）流動パラフィン＊９）ジメチルポリシロキサン（10万cst）＊10）メタクリル酸とアクリル酸エチルエステルとのコ
ポリマー＊11）ポリアクリル酸＊12）ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム（:3）10重量％、ヤシ湯脂肪酸ジエタノールアマ
イド３重量％、無水硫酸ナトリウム１重量％及び水残部
からなる組成物＊13）アルキル基：ココイル基＊14）第４級窒素含有セルロースエーテル（窒素含有率
2.0％、平均分子量10万）第1,2表の結果より、界面活性剤と水難溶性油分と式
（Ｉ）〜（III）のアクリル樹脂とを特定の配合量で併
用した本発明の洗浄剤組成物は、いずれも洗浄時の感触
が良く、かつ被洗浄物に滑らかさ、柔らかさ、帯電防止
効果を付与し、優れた仕上げ効果を発揮すると共に、水
難溶性油分の分散安定性が良好であることが認められ
る。これに対し、界面活性剤、水難溶性油分及びアクリ
ル樹脂のうちいずれか１成分又は２つ以上の成分を含有
していないか、配合量が特定の範囲外の組成物（比較例
１〜８）は、すすぎ時の感触、仕上り時の滑らかさ、柔
らかさ、帯電防止効果、組成物の安定性のうちの１つ以
上の性能が劣っているものであった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 3:37 3:382）

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】界面活性剤を５〜30重量％、水難溶性油分
を0.01〜10重量％、下記式（Ｉ），（II）又は（III）
で表されるアクリル樹脂を0.1〜５重量％含有し、上記
水難溶性油分が乳化分散されていることを特徴とする洗
浄剤組成物。（但し、式中Ｘ及びＹはそれぞれ水素原子、アルカリ金
属原子、アンモニウム基、アルカノールアミン残基又は
炭素数１〜４のアルキル基、Ｐ＝100〜20000、Ｑ＝100
〜20000である。）