JP2611077B2 - モールド成形体の製造法およびモールド成形体 - Google Patents

モールド成形体の製造法およびモールド成形体

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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カバーのような面部材
を取り付けるための面ファスナーが装着されたモールド
成形体の製造法およびモールド成形体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、係合素子群を備えた面ファス
ナーは、種々の物品の係合部材として広く使用されてい
る。特に、自動車用シート、ソファー、マットなどの表
皮材を簡易に取り付けるために、最近、面ファスナーを
樹脂発泡体に埋設して一体成形した面ファスナー付き成
形体が注目され、これに関し、既に幾つかの提案がなれ
ている(例えば、特開昭60−107324号、同60
−179003号、同61−41405号、同61−4
1406号各公報)。さらには、コンクリートへの面フ
ァスナーの埋設も提案されている(実開平1−1068
83号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記面ファスナーは、
モールド成形型に設けた凹所に入れてセット(位置決め
及び固定)したり、磁石でセットしていた。ところが、
通常、面ファスナーは、モールド成形型に複数個取り付
けたり、複雑な平面形状が要求されるので、複数の凹所
や磁石を精度よく成形型に取り付ける必要があり、モー
ルド成形型の製造が難しくなるうえに、面ファスナーの
成形型への取り付けも面倒になる。
【0004】また、上記面ファスナー付き成形体を製造
する際には、発泡液のような液状の成形材料が面ファス
ナーの係合素子群に流れ込むのを防止する必要がある。
そこで、通常、係合素子群をフィルムのような被覆材で
被覆した面ファスナーが用いられ、面ファスナーが埋設
された成形体を成形型から取り外した後、上記被覆材を
除去する。したがって、被覆材の除去工程が必要になる
分だけ、工数が増大し、コスト高につながる。また、被
覆材を機械的に剥離させる場合には、面ファスナーをも
成形体から剥離させてしまうことがある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、成形型への取り付けが容易で、型構造の複
雑化を招くことのないモールド成形体の製造法およびモ
ールド成形体を提供することを主な目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の製造法は、表層部の所定位置に面ファスナ
ーが埋設されたモールド成形体を製造する際に、上記所
定位置に対応する配設位置を示す配設パターンが付与さ
れたパターンシートを、成形型の内部に取り付け、この
取付けの前または後に上記パターンシートにおける配設
位置に上記面ファスナーを配設し、成形型の内部に液状
の成形材料を注入して上記モールド成形体を成形する。
【0007】上記パターンシートとして、面ファスナー
配設位置に開口を有するものを用い、このパターンシー
の開口周縁部と面ファスナーの外側部との間を上記成
形材料に対してシールするのが好ましい。
【0008】また、本発明のモールド成形体は、面ファ
スナーを備えたパターンシートが表層部に埋設され、上
記面ファスナーの係合素子群が表面の所定位置に露出し
ている。
【0009】本発明で用いる面ファスナーは、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフイン系繊維、ポ
リ塩化ビニル系繊維、アクリル系繊維、酢酸セルロース
などのセルロース誘導体繊維などから選ばれた繊維を主
体として製編織して得た編織製面ファスナー、またはポ
リエステル、ポリアミド、ポリオレフイン、オレフイン
酢酸ビニル共重合体あるいはその鹸化物、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリエステル系エラストマー、ポリ
アミド系エラストマー、ポリオレフイン系エラストマ
ー、その他の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂などの合
成樹脂を成形して得た成形面ファスナーである。
【0010】上記面ファスナーは基材の一面に、例え
ば、ループ状、鈎状、きのこ状、膨頭状、レール状など
の係合機能を有する係合素子群を立設し、基材の他の面
は基材そのまま、または編織布あるいは網状物を積層し
てもよい。面ファスナーと成形体との剥離強力を高める
ために、基材の他の面に、例えば、ループ状、鈎状、膨
頭状、凹凸状、毛羽状、角状、レール状などの埋設素子
群を立設してもよい。
【0011】本発明で用いるモールド成形体は、モルタ
ル、コンクリート、樹脂発泡体など、注型後に硬化する
性質の成形体である。このモールド成形体が樹脂発泡体
である場合には、その成形用の樹脂組成物は、例えば、
ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフイ
ン系樹脂、各種合成ゴムなどから選ばれた樹脂に、発泡
剤、滑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、各種安定剤などか
ら選ばれた所望の添加剤を配合した樹脂組成物である。
通常気泡の安定性や弾性特性、耐久性などからポリウレ
タン系樹脂組成物が好ましく用いられる。
【0012】本発明で用いるパターンシートは、種々の
材料、形状、形態のものを使用できるが、成形後にモー
ルド成形体から除去する場合には、モールド成形体への
結合性が不要なので、紙状物やフィルム状物、例えば、
ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリウレタン、塩化ビ
ニール、ポリアミドなど、各種の樹脂フィルムが好適に
使用される。成形後にそのままモールド成形体に残して
おく場合には、モールド成形体との結合性に優れたもの
が好ましい。上記モールド成形体との結合性、液状の成
形材料に対するシール性、成形型内のガスを抜くための
通気性などが要求される場合には、樹脂製の不織布や織
布が好ましい。特に、粗目の不織布は、液状の成形材料
をある程度浸透させるので、モールド成形体との結合力
が大きくなる。液状の成形材料に対するシール性が要求
されない場合、網状物や多孔シートでもよい。また、形
態は金型の形状や、金型内での配置に応じて種々のもの
が採用され、平面以外の形状も任意である。
【0013】
【作用】本発明の製造法によれば、面ファスナーは、配
設パターンを備えたパターンシートに対して位置決めさ
れているから、成形型に対して直接位置決めする必要が
ないので、面ファスナーの成形型への取り付けが容易に
なる。また、成形型に面ファスナー位置決め用の凹所や
磁石を設ける必要がなくなる。しかも、面ファスナーを
成形型へ直接強く固定しないので、成形時の金型との熱
膨張率の差などによる面ファスナーのしわや歪の発生も
防止できる。さらに、パターンシート5に、上記面ファ
スナー2の外に、他の部材との係合用のフック、入れ物
用のケース、装飾用金物などを取り付けることもでき
る。
【0014】また、上記パターンシートの面ファスナー
配設位置に開口を設けるだけで配設パターンが形成され
るので、面ファスナーをパターンシートに対して容易に
位置決めすることができる。また、このパターンシート
の開口周縁部と面ファスナーにおける係合素子群の外側
部との間を、成形材料に対してシールすることにより
被覆材を用いなくても、成形時に成形材料が係合素子群
に流れ込むのを阻止できる。なお、パターンシートの周
縁部からパターンシートと成形型の内面(型面)との間
に成形材料が流れ込むおそれがあるが、係合素子群に到
らない成形材料の流れ込みは許容できるので、パターン
シート周縁部と型面との間のシールは簡便なものでよ
い。
【0015】さらに、本発明のモールド成形体は、面フ
ァスナーを備えたパターンシートが表層部に埋設されて
いるから、上述のとおり、パターンシートの使用によ
り、面ファスナーの成形型への取り付けが容易になり、
かつ、成形型の複雑な凹所や磁石が不要になるのに加え
て、成形後にパターンシートを取り外す必要がなくなる
とともに、パターンシートによってモールド成形体の表
面の補強、保護および面出しがなされる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。図1は、本発明によるモールド成形体の一例で
ある自動車用シートのクッション体1を示しており、上
シート1aと下シート1bは、別個のモールド成形型に
より成形される。上記クッション体1に表皮を取り付け
るために、上シート1aおよび下シート1bの表層部の
所定位置に、面ファスナー2が埋設されている。
【0017】本発明の製造方法においては、例えば図2
に示すように、モールド成形型(金型)3の内部の型面
3aに沿って、面ファスナー2付きのパターンシート5
が配置され、周縁部の適宜箇所で、粘着剤7、パターン
シートの自重や重り片使用による密着止め、金型へのは
さみ込み、簡易な磁着止め、軽係合の簡易面ファスナー
止め、離型液などの粘性による止着、型面よりの吸引止
めなどにより、モールド成形型3に仮固定されている。
パターンシート5は、この例では、成形材料である樹脂
組成物に対するシール性、成形型3内のガス抜きを妨げ
ない通気性、クッション体1との結合性などに優れた不
織布からなる。
【0018】このパターンシート5には、面ファスナー
2の配設位置を示す配設パターン、この例では開口6を
配設位置に設けた配設パターンが形成されており、パタ
ーンシート5の成形型3への取付け前に成形型3の外部
で、上記開口6に、つまり配設位置に、面ファスナー2
が配設されている。上記配設パターンが示す配設位置
は、完成後のクッション体1において面ファスナー2が
存在すべき所定位置に対応している。
【0019】上記面ファスナー2は、基材21の一面に
係合素子群22を備え、他面にクッション体1に埋設さ
れる埋設素子群23を備えており、上記係合素子群22
が、クッション体1の表面に露出するように、モールド
成形型3の型面3a側に向けられている。成形型3の対
応部分には、係合素子群22を圧迫しないように受け入
れるための凹所8が設けられている。面ファスナー2の
基材21における係合素子群22の外側部とパターンシ
ート5における開口6の周縁部との間は、粘着や接着剤
9または超音波溶着などにより固定されており、これに
よって、樹脂組成物に対してシールされている。また、
係合素子群22と係合性のあるパイル布シートのような
パターンシート5を使用して、係合素子群22のうちの
外側部の係合素子とパターンシートとの間を面ファスナ
ー係合によって接合し、固定及び液もれシールを行って
もよい。
【0020】図1のクッション体1の製造にあたって
は、まず、図2の成形型3の外部で、パターンシート5
の開口6に面ファスナー2を配設し、面ファスナー2と
パターンシート5との間を接着剤9で固定し、かつシー
ルする。この面ファスナー付きパターンシート5を成形
型3の型面3aに沿って配置し、ずれ防止及びモールド
液シールの為、必要に応じ周縁部を粘着剤7などで仮固
定する。この状態で、成形型3を所定の成形温度、例え
ば40〜120℃に加熱したのち、成形型3内に液状の
樹脂組成物を注入して発泡させ、面ファスナー付きのク
ッション体1を成形する。
【0021】成形後に成形型3を開いてクッション体1
を取り出す。このとき、パターンシート5はクッション
体1の表層部に埋設されたままで残される。なお、予め
面ファスナー2をパターンシート5に取り付けておかな
いで、パターンシート5のみを成形型3内に取り付けた
のち、面ファスナー2を開口6に配設して、その係合素
子群22のうちの外側部の係合素子とパターンシート5
との間の面ファスナー係合により面ファスナー2を開口
6に固定してもよい。
【0022】このモールド成形の際、面ファスナー2
は、配設パターンを備えたパターンシート5に対して位
置決めされており、配設パターンとして、上記開口6や
後述するインクによるマーキングのような位置決めの容
易な手段を適宜採用できるから、モールド成形型に対し
て直接位置決めする従来の場合と比較して、面ファスナ
ー2の成形型3への取り付けが容易になる。
【0023】また、成形型3に面ファスナーの位置決め
及び固定用の複雑な凹所や磁石を設ける必要がないの
で、成形型の製造が容易になる。特に、図3(a)〜
(c)に示すような複雑な形状、配置を持つ面ファスナ
ー2を埋設する場合、従来の方法では成形型の構造が極
めて複雑になるが、本発明においては、上記パターンシ
ート5に開口6やインクによるマーキングのような形で
配設パターンを付与するだけでよく、面ファスナー2の
複雑な形状や配置を容易に実現できる利点がある。な
お、図2の成形型3に設けられた凹所8は、単に面ファ
スナー2の係合素子群22を受け入れるためのものであ
り、位置決め用ではないから、寸法や位置の精度が低く
てよいので、従来の位置決め用凹所と比較して、形成は
容易である。
【0024】さらに、パターンシート5に、上記面ファ
スナー2の外に、他の部材との係合用のフック、入れ物
用のケース、装飾用金物などを取り付けることもでき、
この面からも生産性の向上が期待できる。
【0025】また、上記実施例では、不織布からなる上
記パターンシート5が樹脂組成物に対するシール性を有
しており、かつ、パターンシート5と面ファスナー2の
外側部との間がシールされているから、成形時に樹脂組
成物が係合素子群22に流れ込むのを阻止できる。した
がって、係合素子群22の被覆材が不要になり、さらに
磁着工法の場合に必要な面ファスナーへの磁性部材の取
付けも不要になるので、成形後の被覆材の除去作業また
は高価な磁性部材も不要になり、工数の低減およびコス
トダウンが達成される。
【0026】さらに、上記クッション体1の表層部には
パターンシート5が残されている。つまり、成形後にパ
ターンシート5を除去する必要がない。したがって、製
造工数が一層低減されるうえに、必要に応じパターンシ
ート5によってクッション体1の表面の補強および保護
がなされるとともに、細かいエンボスを設けるような面
出しがなされる利点もある。
【0027】図4〜6に、面ファスナー2とパターンシ
ート5との取付け構造の変形例を示す。図4において
は、樹脂フィルムからなるパターンシート5に開口を設
けず、配設パターンは、例えば、インクによるマーキン
グでパターンシート5に付与されている。面ファスナー
2の係合素子群22は、樹脂組成物の流れ込み防止用の
樹脂フィルムからなる被覆材11で被覆されており、こ
の面ファスナー2を、パターンシート5の内側(クッシ
ョン体1側)に配設し、粘接着剤12のような手段でパ
ターンシート5に仮固定している。パターンシート5の
周縁部は、必要に応じて、粘接着剤7や、はさみ込み、
タッカー止めなどの手段で成形型3に仮固定される。上
記被覆材11およびパターンシート5は、成形後に除去
される。
【0028】図5においては、樹脂フィルムからなるパ
ターンシート5の内側に、被覆材を有しない面ファスナ
ー2を配設し、粘接着剤13のような手段で仮固定す
る。また、上記粘接着剤13によってシールも行ってお
り、これにより、樹脂組成物が係合素子群22へ流れ込
むのが防止される。パターンシート5の周縁部には、必
要に応じて、例えば磁性体14を取り付け、成形型3に
設けた磁石15との間の磁力によって、パターンシート
5を成形型3に仮固定する。上記パターンシート5は、
やはり成形後に除去される。
【0029】図6においては、パターンシート5の外側
(成形型3側)に、埋設素子群を有しない面ファスナー
2Aを配設し、超音波溶着17または接着のような手段
で固定している。この場合、樹脂組成物は、パターンシ
ート5によって遮られて、係合素子群22へ流れ込むお
それが全くない。パターンシート5は、成形後もそのま
ま成形体1の表層部に残される。このパターンシート5
として、クッション体1との結合性の良好なもの、例え
ば、クッション体1と同種の材料からなる不織布を用い
ることにより、パターンシート5の裏面全体がクッショ
ン体1への埋設強度に寄与することになり、したがっ
て、面ファスナー2の大きな埋設強度が得られる。な
お、素材の裏面に別の係合素子群を有する面ファスナー
を用い、その係合素子群を、係合性のある不織布のよう
なパターンシートに係合させて固定し、これを型内にセ
ットしてもよい。
【0030】図7に成形型の変形例を示す。同図におい
て、面ファスナー2およびパターンシート5の構造は、
図5と同一のものが使用されており、成形型30には面
ファスナー2の係合素子群22を受け入れるための凹所
が形成されていない。この場合でも、柔軟性のあるパタ
ーンシート5を用いることにより、樹脂組成物の圧力に
よってパターンシート5は、破線で示すように変形して
型面3aに沿う。パターンシート5としては、不織布、
織布のような、柔軟性、樹脂組成物に対するシール性、
通気性などに優れたものが好ましい。成形型30には適
宜ガス抜きを設けてもよい。
【0031】上記成形時の圧力を利用すれば、図8に示
すように、複雑な曲面を持つ成形型31の型面3aにも
パターンシート5を沿わせることができる。
【0032】さらに、図9に示すように、成形型32に
堰19を突設し、パターンシート5の柔軟性を利用し
て、成形時の圧力によりパターンシート5の周縁部を堰
19に沿わせれば、この周縁部から樹脂組成物が矢印a
で示すように係合素子群22に流れ込むのを防止でき
る。
【0033】本発明は、モールド成形体の一種であるA
LC版のようなコンクリート成形体やモルタル成形体に
も適用できる。その一例として図10にコンクリート成
形体を示す。同図において、コンクリート成形体10の
表層部に面ファスナ2が埋設されている。この面ファス
ナー2を利用して、コンクリート成形体10の表層部に
内装材や断熱材を取り付ける。
【0034】上記コンクリート成形体10は、上記クッ
ション体1の場合と同様な方法で製造できる。例えば、
図11に示すように、木製の型枠からなる成形型35を
使用し、この成形型35の内部に、図5に示したのと同
一の面ファスナー2付きパターンシート5を取り付け、
成形型35の上部開口36から成形材料であるコンクリ
ート原料を流し込み、乾燥固化して、面ファスナー2付
きのコンクリート成形体10を得る。パターンシート5
は成形後に除去する。勿論、図2、図4または図6に示
したのと同一の面ファスナー2付きパターンシート5を
使用することもできる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、面ファスナーを成形型に対して直接位置決め
する必要がないので、面ファスナーの成形型への取り付
けが容易になる。また、成形型に面ファスナー位置決め
用の凹所や磁石などを設ける必要がないので、成形型の
製造も容易になる。しかも、面ファスナーを成形型に直
接固定しないので、成形型との熱膨張率の差などによる
面ファスナーのしわや歪の発生も防止される。さらに、
パターンシートにフック、入れ物用のケース、装飾金物
なども配設して、一層生産性を高めることが可能であ
る。
【0036】また、パターンシートの面ファスナー配設
位置に開口を設けるだけで配設パターンが形成されるの
で、面ファスナーをパターンシートに対して容易に位置
決めすることができる。また、このパターンシートの開
口周縁部と面ファスナーの外側部との間を、成形材料に
対してシールすることにより、係合素子群の被覆材が不
要になり、したがって、成形後の被覆材の除去作業が不
要になるので、工数の低減と、コストダウンが達成され
る。
【0037】さらに、本発明のモールド成形体は、面フ
ァスナーを所定位置に備えたパターンシートが埋設され
ているから、パターンシートの使用により、面ファスナ
ーの成形型への取り付けが容易になり、かつ、型構造の
複雑化を招くおそれがなくなるのに加えて、成形後にパ
ターンシートを取り外す必要がなくなって工数が一層低
減されるとともに、パターンシートによってモールド成
形体の表面の補強、保護および面出しがなされる利点も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るモールド成形体である
自動車用シートのクッション体を示す斜視図である。
【図2】同クッション体の成形型を示す断面図である。
【図3】面ファスナーの形状、配置の他の例を示す平面
図である。
【図4】面ファスナーとパターンシートの取付構造の変
形例を示す断面図である。
【図5】面ファスナーとパターンシートの取付構造の他
の変形例を示す断面図である。
【図6】面ファスナーとパターンシートの取付構造のさ
らに他の変形例を示す断面図である。
【図7】成形型の他の例を示す断面図である。
【図8】成形型のさらに他の例を示す断面図である。
【図9】成形型のシール用の堰を設けた例を示す断面図
である。
【図10】本発明の他の実施例に係るモールド成形体で
あるコンクリート成形体を示す斜視図である。
【図11】同コンクリート成形体の成形型を示す断面図
である。
【符号の説明】
1…クッション体(モールド成形体)、2…面ファスナ
ー、3,30,31,32…成形型、5…パターンシー
ト、6…開口(配設パターン)、21…基材、22…係
合素子群、23…埋設素子群。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一面に係合素子群を備えた面ファ
    スナーがモールド成形体の表層部の所定位置に埋設さ
    れ、上記係合素子群がモールド成形体の表面に露出する
    ように、モールド成形体を製造する方法において、 上記所定位置に対応する配設位置を示す配設パターンが
    付与されたパターンシートを、成形型の内部に取り付
    け、 この取付けの前または後に上記パターンシートにおける
    配設位置に上記面ファスナーを配設し、 成形型の内部に上記液状の成形材料を注入して上記モー
    ルド成形体を成形することを特徴とするモールド成形体
    の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記パターンシート
    面ファスナー配設位置に開口を有し、このパターンシ
    ートの開口周縁部と面ファスナーの外側部との間を上記
    成形材料に対してシールするモールド成形体の製造法。
  3. 【請求項3】 基材の一面に係合素子群を備えた面ファ
    スナーが表層部の所定位置に埋設されて、上記係合素子
    群が表面に露出しているモールド成形体において、上記
    面ファスナーを備えたパターンシートが表層部に埋設さ
    れていることを特徴とするモールド成形体。
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