JP2610770B2 - 高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接方法 - Google Patents

高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接方法

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stainless steel
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purity ferritic
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幸四郎 嶋倉
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株式会社島倉鉄工所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばホテル、病院、
マンション等における給湯設備用圧力容器として用いら
れる高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種容器の耐食性を高めるため、従来
の軟鋼製に代って、オーステナイト系ステンレス鋼製の
容器が多く使われてきた。しかし、このオーステナイト
系ステンレス鋼製の容器は応力腐食割れを発生すること
があり、そのため使用不能となるケースが続出した。そ
こで、耐応力腐食割れ性のある材料として、高純度フェ
ライト系ステンレス鋼が注目された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この高
純度フェライト系ステンレス鋼には溶接部の靱性の低下
等、溶接方法に次のような問題があった。
【0004】即ち、フェライト系ステンレス鋼をプラズ
マ溶接のみで溶接する場合は、厚さ2mm以下の薄板しか
溶接することができず、その上、溶接熱による結晶粒の
粗大化によって、母材に比し、溶接部の靱性が低下し機
械的強度が不足する。
【0005】また、TIG溶接で溶接する場合は、溶け
込みが悪いため開先を広くとり、4〜5層の多層盛にし
なければならないので、溶接時間が長くなる欠点があ
る。
【0006】本発明は上記のような実情に鑑みてなされ
たもので、溶接部の靱性の低下を軽減させてその機械的
強度を向上させるとともに、溶接時間を短縮して溶接効
率を向上させ得る高純度フェライト系ステンレス鋼の溶
接方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明は、高純度フェライト系ステンレス鋼製
容器の突合せ片側溶接であって、非接液部側から初層を
プラズマ溶接して接液部側に裏波を形成し、次いで第二
層をオーステナイト系ステンレス鋼溶加棒によりTIG
溶接することを特徴とする。
【0008】第2の発明は、高純度フェライト系ステン
レス鋼製容器の突合せ両側溶接であって、非接液部側か
ら初層をプラズマ溶接して接液部側に裏波を形成し、次
いで第二層をオーステナイト系ステンレス鋼溶加棒によ
りTIG溶接し、次に接液部側からなめ付けTIG溶接
を行うことを特徴とする。
【0009】第3の発明は、高純度フェライト系ステン
レス鋼製容器の突合せ両側溶接であって、非接液部側か
ら初層をプラズマ溶接して接液部側に裏波を形成し、次
いで第二層をオーステナイト系ステンレス鋼溶加棒によ
りTIG溶接し、次に接液部側から共金系ステンレス鋼
溶加棒によるTIG溶接を行うことを特徴とする。
【0010】
【作用】上記した各発明においては、初層のみを、入熱
量が少くしかも深い溶込みを有するプラズマ溶接とした
ので、接液側の裏波の靱性の低下が軽減され機械的強度
が向上する。
【0011】さらに、表溶接の第二層目をオーステナイ
ト系ステンレス鋼溶加棒でTIG溶接することにより、
フェライト系ステンレス鋼の靱性不足という欠点を補
い、強度をより高めている。
【0012】また、突合せ両側溶接においては、接液部
側から、母材と同一の組成を有する共金系の溶加棒によ
るTIG溶接を行うことにより、耐食性のある溶着部が
接液することになるため、フェライト独自の耐食性も損
われない。
【0013】本発明において、開先形状はI開先でも、
またわずかなV開先でも良い。V開先とするのは、プラ
ズマ溶接の溶融池が凝固した後、なだらかな凹面状を形
成させ、第二層目のオーステナイト系ステンレス鋼溶加
棒による、TIG溶接の溶着金属の占有部分を確保する
ためと、プラズマ溶接の際の接触センサーによる倣い
を、容易にしかも確実にするためである。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。 実施例1;突合せ片側溶接(裏波溶接法) (イ) 表1に示す化学組成の厚さ6mmの高純度フェラ
イト系ステンレス鋼の母材1の開先を、図1のようにI
開先2a、もしくは図2のようにV開先2bに加工す
る。
【0015】
【表1】
【0016】(ロ) 初層3として、次の条件でプラズ
マ溶接を行って裏波5を形成した(図3)。 溶接電流 180A 溶接速度 19cm/min シールドガス センターガス Ar 4.5リットル/min ウラガス Ar 15.0 〃 アフターガス Ar 15.0 〃
【0017】(ハ) 第二層4として、非溶液面9側に
次の条件でオーステナイト系ステンレス鋼溶加棒(YT
316UL)によるTIG溶接を行った(図4)。 溶接電流 160A 溶接速度 11cm/min シールドガス センターガス Ar 20.0リットル/min ウラガス Ar 15.0 〃 アフターガス Ar 15.0 〃
【0018】実施例2;突合せ両側溶接 (イ)〜(ハ) 実施例1と同じ方法で、初層3および
第二層4の溶接を行った(図1〜図4)。
【0019】(ニ) 裏溶接として、接液面8に出てい
る裏波部5(図4)の上から、次の条件でなめ付けTI
G溶接6を行った(図5)。 溶接電流 150A 溶接速度 21cm/min シールドガス センターガス Ar 20.0リットル/min ウラガス Ar 15.0 〃 アフターガス Ar 15.0 〃
【0020】実施例3;突合せ両側溶接 (イ)〜(ハ) 実施例1と同じ方法で、初層3および
第二層4の溶接を行った(図1〜図4)。
【0021】(ニ) 裏溶接として、接液面8に出てい
る裏波部5(図4)を軽く削るか、または削らないで、
次の条件で共金系ステンレス鋼溶加棒(YM190)に
よるTIG溶接7を行った(図6)。 溶接電流 140A 溶接速度 21cm/min シールドガス センターガス Ar 20.0リットル/min ウラガス Ar 15.0 〃 アフターガス Ar 15.0 〃
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プラズマ
溶接と、溶加棒を吟味選択したTIG溶接とを併用する
ことにより、溶接部の靱性の低下が軽減されその機械的
強度が向上するため、高品質で信頼性の高い容器を製作
することができるとともに、溶接時間が短縮され溶接効
率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における開先加工状態の一例を
示す断面図。
【図2】同、開先加工状態の他の例を示す断面図。
【図3】同、初層をプラズマ溶接した状態の断面図。
【図4】同、第二層をTIG溶接した状態の断面図。
【図5】同、裏溶接としてなめ付けTIG溶接した状態
の断面図。
【図6】同、裏溶接として共金系ステンレス鋼溶加棒に
よるTIG溶接した状態の断面図。
【符号の説明】
1 ; 母材 2a; I開先 2b; V開先 3 ; 初層 4 ; 第二層 5 ; 裏波 6 ; なめ付けTIG溶接による溶着金属 7 ; 共金系ステンレス鋼溶加棒のTIG溶接による
溶着金属 8 ; 接液面 9 ; 非接液面
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 103:04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度フェライト系ステンレス鋼製容器
    の突合せ片側溶接であって、非接液部側から初層をプラ
    ズマ溶接して接液部側に裏波を形成し、次いで第二層を
    オーステナイト系ステンレス鋼溶加棒によりTIG溶接
    することを特徴とする高純度フェライト系ステンレス鋼
    の溶接方法。
  2. 【請求項2】 高純度フェライト系ステンレス鋼製容器
    の突合せ両側溶接であって、非接液部側から初層をプラ
    ズマ溶接して接液部側に裏波を形成し、次いで第二層を
    オーステナイト系ステンレス鋼溶加棒によりTIG溶接
    し、次に接液部側からなめ付けTIG溶接を行うことを
    特徴とする高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 高純度フェライト系ステンレス鋼製容器
    の突合せ両側溶接であって、非接液部側から初層をプラ
    ズマ溶接して接液部側に裏波を形成し、次いで第二層を
    オーステナイト系ステンレス鋼溶加棒によりTIG溶接
    し、次に接液部側から共金系ステンレス鋼溶加棒による
    TIG溶接を行うことを特徴とする高純度フェライト系
    ステンレス鋼の溶接方法。
JP10282293A 1993-04-28 1993-04-28 高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接方法 Expired - Lifetime JP2610770B2 (ja)

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