JP2608083B2 - 絶縁性セラミックペースト - Google Patents

絶縁性セラミックペースト

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JP2608083B2
JP2608083B2 JP63005371A JP537188A JP2608083B2 JP 2608083 B2 JP2608083 B2 JP 2608083B2 JP 63005371 A JP63005371 A JP 63005371A JP 537188 A JP537188 A JP 537188A JP 2608083 B2 JP2608083 B2 JP 2608083B2
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喜方 水島
みち代 徳武
道夫 堀内
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Shinko Electric Industries Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はセラミックの表面に形成されるメタライズ層
を絶縁もしくは保護するために用いられる絶縁性セラミ
ックペーストに関する。
(従来の技術) IC、LSI等を搭載するセラミックパッケージの回路パ
ターンには、未焼成セラミック基板上に導体ペーストを
印刷し、導体ペースト上の所定部位にセラミック質の絶
縁ペーストを塗布し焼成して得られるものがある。ま
た、回路パターンを多層に設けるため、導体ペーストの
印刷とセラミック絶縁ペーストの印刷とを反復・積層し
て行い、弱還元性雰囲気中で高温焼成することにより、
未焼成セラミック基板の焼成と同時に導体ペーストおよ
び絶縁ペーストの焼成を行うものもある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来一般に用いられている絶縁ペース
トはアルミナ粉末を材料とするアルミナ絶縁ペーストで
あって、このアルミナ絶縁ペーストを用いて焼成した場
合には、絶縁被膜層の緻密度が低く、また、絶縁層の厚
さを50μm以下にするとピンホールが生じやすくなり、
電気的特性が劣化するという実用上の問題点がある。ま
た、ムライトセラミック基板にこのアルミナ絶縁ペース
トを用いると、焼成の際のアルミナ絶縁ペーストと基板
との収縮率の相違から、焼成後の基板に歪みが生じ、基
板のねじれ、反り等をひきおこしたり、極端な場合には
クラックが生じる等の問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解消すべくなされたも
のであり、その目的とするところは、セラミック基板と
の密着性がよく、かつ緻密性に優れ、焼成時に基板の反
り等の歪みをひきおこすことのない絶縁性セラミックペ
ーストを提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するため次の構成をそなえ
る。
すなわち、ムライト粉末を80〜99重量%、酸化イット
リウム等の希土類元素化合物または酸化マグネシウム等
のアルカリ土類元素化合物のうち少なくとも一種類を0.
1〜20重量%含むことを特徴とする。
(発明の概要) 本発明に係る絶縁セラミックペーストはムライト粉
末、焼結助剤、溶剤を混合し、次いで乾燥・粉末化した
ものに結合剤および溶剤を添加し混合してペーストする
か、あるいは未焼成ムライト基板を脱脂し粉末化したも
のに結合剤および溶剤を添加し混合してペースト化され
る。
なお、結合剤としては、エチルセルロース、ニトロセ
ルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレ
ート等のアクリル樹脂、アルキドフェノール系樹脂、ブ
チラール系樹脂、ビニール系樹脂、エポキシ樹脂等の焼
成雰囲気中において熱分解が容易に進行するものであれ
ばよく、とくに限定されない。
また、無機粉末の混合に用いる溶剤はトルエン、キシ
レン等の芳香族溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、
エチルアルコール等のアルコール系溶媒、メチルエチル
ケトン等のケトン系の溶媒、あるいはこれらの混合溶媒
等の室温で蒸発が容易に進行するものであればよく、と
くに限定されるものではない。
さらに、印刷性に優れた溶剤には通常カルビトールア
セテート、テルピネオール等が使用されるが、これも印
刷性を有するものであればよく、とくに限定されない。
また、本発明に係る絶縁性セラミックペーストは焼成
セラミック基板、未焼成セラミック基板、あるいは金属
板のいずれにも使用可能である。
また、絶縁ペーストを塗布した後に焼成がなされる
が、焼成時の雰囲気は酸化雰囲気、弱還元性雰囲気等と
くに制限はない。したがって、使用する導体金属ペース
トの組成に応じて雰囲気を選択すればよい。
なお、絶縁セラミックペーストには必要に応じて可塑
剤、界面活性剤等が添加できる。
(実施例) 以下、本発明に係る絶縁セラミックペーストの実施例
について説明する。
粒径が1μm〜3μmである粉末が50%以上を占める
ムライト粉末を使用し、このムライト粉末に焼成後のム
ライト純度が98.5%になるように酸化マグネシウムを焼
結助剤として添加し、さらに溶剤を添加して混合、乾燥
してセラミック原料粉とする。
次に、このセラミック原料粉100重量部に、約5000の
大きさの分子量を持つポリビニルブチラール樹脂8重量
部、およびジブチルフタレート4重量部を混合し、更に
テルピネオール40重量部を添加して混合し絶縁セラミッ
クペーストを得た。(試料Aとする) また、上記の方法と同様の方法で、ムライト粉末に焼
成後のムライト純度が98%になるように酸化イットリウ
ムを焼結助剤として添加することにより絶縁セラミック
ペーストを得た。(試料Bとする) また、上記の方法と同様の方法で、ムライト粉末に焼
成後のムライト純度が98%になるように酸化イットリウ
ム、酸化マグネシウムを同量ずつ添加することにより絶
縁セラミックペーストを得た。(試料Dとする) なお、従来ムライトセラミック基板の焼成用として用
いられている材料は焼成時に溶剤が容易に除去されるよ
うに揮発性の高い溶剤が用いられるが、上述した方法で
得られた絶縁ペースト試料A、BおよびDには揮発性の
低い溶剤が好適に用いられる。
上記実施例の比較例として、アルミナ粉末を主成分と
し、このアルミナ粉末に焼成後のアルミナ純度が92%に
なるように、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カ
ルシウムを焼結助剤として添加し、上述した方法と同様
の方法によってアルミナ絶縁ペーストを得た。(試料C
とする) なお、ムライト粉末に焼結助剤を添加せずに上述した
方法で得た絶縁ペーストを焼成したときには、まったく
緻密化せず、また吸水性もあり使用できなかった。
これら各絶縁ペーストA、B、C、Dをシート状に形
成し、乾燥した後、焼成温度1600℃で弱還元性雰囲気中
において焼成した。こうして得た焼成板に電極を設け、
誘電率、体積抵抗率の測定を行った。また、ムライト基
板上に上述した各絶縁ペーストA、B、C、Dを印刷し
て焼成し、表面粗さの測定を行った。表1はその測定結
果を示す。
表1で体積抵抗率は500Vにおける値であり、単位はΩ
・cm×1014である。
表1からわかるように、絶縁セラミックペーストA、
BおよびDとアルミナ絶縁ペーストCとを比較すると、
絶縁セラミックペーストA、BおよびDの表面粗さはア
ルミナ絶縁ペーストCにくらべはるかに小さく、ピンホ
ールの発生が少なく緻密性に優れている。
また、誘電率および体積抵抗率についてみると、絶縁
セラミックペーストA、BおよびDはアルミナ絶縁ペー
ストCにくらべて、誘電率が低くかつ体積抵抗率が大き
いので、アルミナ絶縁ペーストを使用した場合に比較し
て信号伝播速度を遅延させることがなく電気的特性に優
れるという特徴がある。
また、アルミナ絶縁ペーストをムライト基板上に印刷
して焼成した場合は、ムライトとアルミナとの収縮率の
相違から焼成体の反りや、焼成体の表面にふくれ等が生
じることがあるが、前記絶縁セラミックペーストA、B
およびDをムライト基板に印刷したものの焼成体では、
表面のふくれ、反り、クラック等は発生しなかった。
また、前記絶縁セラミックペーストA、BおよびDは
金属板表面に印刷して焼成することも可能であり、この
場合も焼成表面のふくれ、反り、クラック等は発生しな
かった。
また、前記絶縁セラミックペーストA、BおよびDを
PH2〜3のニッケルめっき浴中に、60℃、20分間浸漬し
た場合も変化は認められず、めっきがペースト上に付着
することがなかった。また、銀ろうを用いてろう付けを
行った際も、ペーストによってろう材の流れがくい止め
られ、良好な結果が得られた。
また、上述した絶縁セラミックペーストA、Bおよび
Dは透光性を有するので、セラミック基板上にタングス
テンペーストのような導体ペーストを用いて配線パター
ンを形成して、絶縁セラミックペーストAまたはBまた
はDを積層印刷し、焼成した後では、下層の配線パター
ンを透視でき、配線パターンの異常を目視あるいは顕微
鏡によって容易に確認することができる。
なお、内部の配線パターンを外部から目視できないよ
うにしたい場合には、酸化ニオブあるいは酸化モリブデ
ン等を添加することによって可能である。とくに酸化モ
リブデンを添加した場合には、配線パターンを外部から
目視できないようにするとともに十分な遮光性が得られ
るという特徴がある。
なお、上述した実施例で絶縁ペースト試料A、B、D
はムライト粉末に焼結助剤および溶剤を添加して形成し
たが、絶縁セラミックペーストと同じ無機組成を有する
未焼成ムライト基板を脱脂し粉末化したものに、結合剤
および溶剤を加えて混合することによって造ることもで
きる。このようにして、未焼成ムライト基板から形成し
た絶縁セラミックペーストの特性も上述した絶縁セラミ
ックペースト試料A、B、Dとほとんど変わらなかっ
た。
また、この実施例の他に、アルカリ土類元素化合物と
してはMgF2、MgCl2、CaO、CaCO3、CaF2、SrO、SrCO3、B
aO、BaCO3等、希土類元素化合物としてはYF3、YCl3、La
2O3、LaF3、La(CO3、Ce2(CO3、CeF4、Sc2O3
等についても検討を行ったが同様の効果が得られた。
(発明の効果) 上述したように、本発明の絶縁セラミックペーストを
セラミック基板に用いることによって、表面平滑性に優
れ、ピンホール等がない緻密化された絶縁被膜層を得る
ことができる。
また、この絶縁被膜層は低誘電率でありかつ体積抵抗
率が大きいからパッケージの信号伝播の高速化に対応す
ることができる。
さらに、ムライトセラミック基板に用いて、焼成体の
ふくれ、反り、クラック発生がなく好適に使用すること
ができる等の著効を奏する。
以上、本発明について好適な実施例を挙げて種々説明
したが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
く、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し
得るのはもちろんのことである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムライト粉末を80〜99重量%、酸化イット
    リウム等の希土類元素化合物または酸化マグネシウム等
    のアルカリ土類元素化合物のうち少なくとも一種類を0.
    1〜20重量%含むことを特徴とする絶縁性セラミックペ
    ースト。
JP63005371A 1988-01-13 1988-01-13 絶縁性セラミックペースト Expired - Lifetime JP2608083B2 (ja)

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JPH01183486A JPH01183486A (ja) 1989-07-21
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