JP2607744B2 - 高電磁波シールド性複合シートの製造方法 - Google Patents

高電磁波シールド性複合シートの製造方法

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JP2607744B2 JP2225182A JP22518290A JP2607744B2 JP 2607744 B2 JP2607744 B2 JP 2607744B2 JP 2225182 A JP2225182 A JP 2225182A JP 22518290 A JP22518290 A JP 22518290A JP 2607744 B2 JP2607744 B2 JP 2607744B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明方法は、すぐれた電磁波シールド性を有し、か
つ高耐屈曲性を有する複合シートの製造方法に関するも
のである。更に詳しく述べるならば、本発明方法は風な
どによるはためきなどのように繰り返して屈曲作用を受
ける用途に用いてもすぐれた耐久性を示し、電磁波シー
ルド性にすぐれ、かつ屈曲自在な、高耐屈曲性複合シー
トを効率よく製造する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、既知の導電性シート材料としては、重合体材料
からなるマトリックス中に、金属質フィラー、例えば金
属粉末、および金属フレークなど、非金属無機フィラ
ー、例えばカーボンブラックおよびグラファイトなどの
粉末、又はフレーク、或は金属化ガラス繊維、例えば化
学蒸着法、電気めっき法、又は無電解めっき法などによ
り金属化されたガラス繊維などを分散含有させ、これを
シート状にしたものがある。
一般に、導電性シート又はフィルムは、その重合体材
料からなるマトリックスが伸長しやすいものであるた
め、全体として、繰り返し伸長荷重が負荷されたり、或
は瞬間的荷重がかけられると容易に伸長する傾向があ
る。このように、導電性シート又はフィルムが伸長、又
は変形すると、その中に分散している導電性フィラーの
分布に変化を生じ、その結果、その抵抗値、および電磁
波シールド性に変化を生じて、その性能を低下させ、や
がて、実用性を失うに至ることがある。
上記の欠点を解消するために、例えば、本発明者によ
り、導電性シート、又はフィルムを繊維材料からなる基
布の片面、又は両面上に形成、又は貼着することが試み
られた。このような導電性複合シートは、従来の導電性
シート、又はフィルムの上記欠点をほぼ解消し、実用上
有用なものであった。しかしながら、極めて高い電磁波
シールド性を要求される用途には、導電性シート、又は
フィルム中の導電性材料の濃度を極めて高くし、しかも
導電効率の高い形状、例えば比較的長さの長い導電性繊
維の形状で使用する必要がある。このように長さの長い
導電性材料を多量に含む塗布液は塊状化し、その塗布展
延性が著しく低くなって実用が不可能になり、またその
塗布性を高めるために溶剤量を増加すると、塗布液中で
導電性材料が沈澱したり或は局在化し、また塗布液層を
乾燥固化する際に多数の気孔を形成するなどの欠点を生
じ、実用することができない。一般には、従来方法によ
って導電性繊維含有層を形成した場合、その中の導電性
繊維の容積含有率を7.5%より高くすることは、極めて
困難であった。またこのように導電性繊維の容積含有率
が低い場合、所望の電磁波シールド性を得るためにはか
なり厚さの大きい導電性繊維含有層を形成する必要があ
る。例えば40dBのシールド性を得るためには、導電性繊
維容積含有率が10%以上の導電性繊維含有率の厚さは、
0.1mm以上であれば十分であるが、上記容積含有率が7.
5、または5%のときの導電性繊維含有層は0.50mm以
上、または1.0mm以上の厚さを必要とし、導電性短繊維
の使用必要量も著しく多くなる。更に、導電性材料を重
合体材料と混合して、これをミキサー、ニーダー或はカ
レンダーなどにかけると、その剪断力によって、導電性
材料、特に繊維が切断されて細粉化し、導電性材料相互
の接結点が減少し、めっき材料の場合はめっきが剥離し
て導電性が低下するなどの問題点を生ずる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明方法は、従来の電磁波シールド性複合シートの
前記欠点を解消し、所望量の導電性繊維材料を、それを
破断することなく所望部位において樹脂マトリックス中
に一体化することができ、電磁波シールド性にすぐれ、
かつすぐれた耐屈曲性を有する高電磁波シールド性複合
シートを効率よく製造することのできる方法を提供しよ
うとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明方法に係る高電磁破シールド性複合シートの製
造方法(1)は、少なくとも1枚の繊維布帛を含むシー
ト状基体の1面上に、熱可塑性を有する重合体材料を主
成分として含有する樹脂液を塗布して樹脂液塗布層を形
成し、 前記樹脂液塗布層上に導電性短繊維を撒布、粘着、堆
積し、 前記樹脂液塗布層を固化して樹脂マトリックス層を形
成し、 前記導電性短繊維の撒布堆積層と、それを担持してい
る樹脂マトリックス層とに加圧処理を施し、前記導電性
短繊維の撒布堆積層を、前記樹脂マトリックス層の少な
くとも表層部分内に埋没させて導電性繊維−樹脂一体化
層を形成することを特徴とするものである。
本発明方法に係る他の高電磁波シールド性複合シート
の製造方法(2)は、熱可塑性を有する重合体材料を主
成分として含むシート又はフィルムの1面上に、熱可塑
性を有する重合体材料を主成分として含む樹脂液を塗布
して樹脂液塗布層を形成し、前記樹脂液塗布層上に導電
性短繊維を撒布・粘着、堆積し、前記樹脂液塗布層を固
化して、前記シート又はフィルムに結着された樹脂マト
リックス層を形成し、前記導電性短繊維撒布堆積層と、
それを担持している樹脂マトリックス層とに加圧処理を
施し、前記導電性短繊維撒布堆積層を、前記樹脂マトリ
ックス層の少なくとも表層部分内に埋没させてシート又
はフィルムと導電性繊維−樹脂一体化層を形成し、前記
シート又はフィルムと導電性繊維−樹脂一体化層の少な
くとも一面上に、少なくとも1枚の繊維布帛を含むシー
ト状基体とを積層結着する、ことを特徴とするものであ
る。
本発明方法に係る更に他の高電磁波シールド性複合シ
ートの製造方法(3)は、熱可塑性を有する重合体材料
を主成分として含むシート又はフィルムの一面上に、熱
可塑性を有する重合体材料を主成分として含む樹脂液を
塗布して樹脂液塗布層を形成し、前記樹脂液塗布層上に
導電性短繊維を撒布、粘着、堆積し、前記導電性短繊維
撒布堆積層の上に、少なくとも1枚の繊維布帛を含むシ
ート状基体を積層し、前記積層操作の前、又は後に、前
記樹脂液塗布層を固化して樹脂マトリックス層を形成
し、前記積層体に加圧処理を施し、それによって前記導
電性短繊維撒布堆積層を、前記樹脂マトリックス層の少
なくとも表層部分内に埋没させて導電性繊維−樹脂一体
化層を形成するとともに、前記シート状基体と前記導電
性繊維−樹脂一体化層とを結着する、ことを特徴とする
ものである。
上記本発明方法(1),(2)および(3)の各々に
用いられる前記繊維布帛を含むシート状基体は、前記繊
維布帛の少なくとも1面が、熱可塑性を有する重合体材
料を主成分として含む基体被膜層によって被覆されてい
るものであってもよい。
また、本発明方法(1),(2)および(3)の各々
において、前記導電性繊維−樹脂一体化層の上に可撓性
重合体材料を主成分として含有する表面保護層を形成す
る工程が更に含まれていてもよい。
〔発明の実施の形態〕
本発明方法に使用されるシート状基体は、少なくとも
1枚の繊維布帛を含んで構成されるものであって、繊維
布帛のみからなるものであってもよく、或いは、この繊
維布帛の少なくとも一面上に、熱可塑性を有する重合体
材料を主成分として含む基体被覆層が形成されているも
のであってもよく、或いは2枚以上の繊維布帛の間に可
撓性樹脂材料を主成分として含む中間層が配置されてい
るものであってもよい。この繊維布帛を構成する繊維と
しては、天然繊維、例えば、木綿および麻など、無機繊
維、例えば、ガラス繊維、炭素繊維および金属繊維な
ど、再生繊維、例えば、ビスコースレーヨン、およびキ
ュプラなど、半合成繊維、例えば、セルロースジーおよ
びトリアセテート繊維など、並びに合成繊維、例えば、
ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル(ポリエチレン
テレフタレート)、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエス
テル、アクリル重合体、ポリ塩化ビニル、ビニロン、お
よびポリオレフィンの繊維などから選ぶことができ、特
に高強度繊維(15〜50g/d)および/又は、高耐熱性繊
維なども使用することができる。
本発明方法に好ましい繊維は、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、水不溶化ポリビニルアルコール繊維、芳
香族ポリアミド繊維、および芳香族ポリエステル繊維な
どである。
繊維布帛中の繊維は短繊維紡績糸、長繊維糸、スプリ
ットヤーン、テープヤーンなどのいずれの形状のもので
あってもよく、また繊維布帛は、織物、編物、不織布、
紙状物、および、これらの2種以上の複合シートのいず
れであってもよい。一般には、本発明方法に用いられる
繊維はポリエステル繊維が好ましく、この繊維は長繊維
(フィラメント)の形状のものが好ましい。本発明方法
に用いられる繊維布帛は、得られる複合シートの伸長を
抑制し、かつその機械的強度を高いレベルに維持するた
めに有用である。
また、有用な織物としては、綾織、平織、からみ織、
もじり織、特殊編織物その他の組織からなる織物を挙げ
ることができる。
繊維布帛の重量や、厚さなどに格別の限定はないが、
一般に300〜1000g/m2の重量および/又は、0.05〜1.0mm
の厚さを有するものが好ましい。
本発明方法により得られる複合シートにおいて、繊維
布帛を含むシート状基体は、導電性被覆層の伸長や変形
を抑制して、複合シートの電磁破シールド性を安定させ
ること、およびはためきや繰り返し屈曲に対する耐久性
を向上させることができ、更に、導電性繊維−樹脂一体
化層の形成の際に、得られる複合シートの寸法安定性を
維持するのにも有効である。
本発明方法において、樹脂マトリックス層を形成する
ために用いられる熱可塑性重合体材料は、可撓性を有す
るものであって、可撓性天然および合成ゴム、および合
成樹脂の少なくとも1種からなるものである。
可撓性合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリブテン、ポリアクリル酸エステル、ポリビニル
ブチラール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ル、ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、エス
テル−酢酸ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、弗素化ポリ
エチレン、アセタール樹脂、塩化ポリエーテル樹脂、ポ
リプロピレンオキシド、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリスルホンなどの熱可塑性樹脂を例示することが
できる。
また、合成ゴムとしてはスチレン−ブタジエン共重合
体などのジエン系ゴム、ブチルゴムなどのオレフィン系
ゴム、弗化アクリレートゴムなどの含弗素ゴム、エーテ
ル・チオエーテルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、
クロルスルホン化ポリエチレンなどのゴム類をあげるこ
とができる。
本発明方法において、樹脂マトリックス層は、上記重
合体材料を含む樹脂液をシート状基体上に塗布し、これ
を固化(ゲル化、又は乾燥)して形成される。
本発明方法により得られる複合シートにおいて、シー
ト状基体上に形成された樹脂マトリックス層の少なくと
も一面側表層部分中に、所定量の導電性短繊維の撒布堆
積層状体が埋没され、それによって、導電性繊維−樹脂
一体化層が形成される。このような導電性繊維−樹脂一
体化層の形成において、導電性短繊維は樹脂マトリック
ス層の少なくとも一面の表層部分のみに撒布堆積層状体
をなして高密度に分布し、樹脂マトリックス層の残余の
部分には導電性短繊維が実質的に分布していない態様に
してもよく、或は導電性短繊維が樹脂マトリックス層の
実質的に全容積にわたって、高密度で分布している態様
にしてもよい。
本発明方法に用いられる導電性短繊維は、導電性金属
繊維(例えば、銅繊維、アルミニウム繊維、黄銅繊維、
アルミニウム合金繊維、およびステンレススチール繊維
など)、カーボン繊維、グラファイト繊維および導電性
複合繊維などから任意に選択することができる。前記導
電性複合繊維とは、有機又は無機繊維、好ましくは有機
短繊維からなる芯体と、この芯体の表面上に形成され、
かつ導電性材料、特に導電性金属からなる被覆層によっ
て構成されるものである。このような導電性複合繊維
は、芯体を構成する有機繊維が良好な可撓性と機械的強
度を有しているため、使用中に繰り返し屈曲を受けても
折損粉末化することがなく、また、導電性被覆層の剥離
や亀裂を発生することが少なく、このため、すぐれた耐
久性を有するものである。
上記導電性複合繊維の芯体として用いられる有機短繊
維は、既知の天然有機繊維、有機再生繊維、有機半合成
繊維、および有機合成繊維から選ぶことができ、これら
の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
このような有機天然繊維としては、例えば木綿、麻、
絹、羊毛などを用いることができ、有機再生繊維として
はビスコースレーヨン、キュプラなどを、また半合成繊
維としてはセルロースジおよびトリアセテート繊維など
を用いることができる。更に有機合成繊維としては、ナ
イロン6、およびナイロン66のようなポリアミド系繊
維、ポリエチレンテレフタレート繊維のようなポリエス
テル系繊維、ビニロンの如きポリビニルアルコール系繊
維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊
維、ポリアクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フル
オロカーボン系繊維、ポリウレタン系繊維などの有機質
繊維があげられる。本発明方法に好適なものとしてはポ
リエステル繊維、ポリアミド繊維、および水不溶化ポリ
ビニルアルコール繊維などがある。
また有機短繊維の太さには格別の制限はないが、一般
に0.1〜10デニールの範囲内にあることが好ましい。
上記のような有機短繊維芯体の表面上に、導電性金属
被覆層が形成される。この導電性金属被覆層の形成方法
に、格別の制限はなく、金属蒸着法、電気めっき法およ
び無電解めっき法などのいづれを利用してもよい。しか
し、短繊維に対する適合性、工程の容易さ、加工条件、
コスト、必要装置などを勘案すれば無電解めっき法を用
いることが好ましい。
無電解めっき工程は、下記のようにして実施すること
ができる。
有機短繊維に対して、所要のめっき前処理、例えば、
アルカリ洗浄液による脱脂洗浄、および塩酸、硫酸、又
はリン酸を含む酸洗浄液による洗浄を施し、次に、塩化
第一スズ水溶液による感受性付与処理、および塩化パラ
ジウム水溶液による触媒化処理を施す。このとき、有機
短繊維の種類に応じ、例えばポリアミド繊維、羊毛、又
は絹などの場合、上記触媒化処理の後に、還元剤処理を
施したり、又はシランカップリング剤を含む塩化パラジ
ウム処理液による触媒化処理を施してもよい。
前処理された有機短繊維に対し、無電解めっき処理を
施す。
有機短繊維芯体表面上に形成される金属被膜は、銅、
ニッケル、又はニッケル合金からなるものが一般的であ
るが、その他にも、コバルト、銀、金など用いることも
あり、また、異なる金属による2層以上の被膜を積層し
てもよい。
次にニッケル被覆層の形成工程の一例を示す。
所定の長さを有する有機短繊維100gを、例えば5重量
%苛性ソーダ水溶液中において、所定温度、例えば50℃
で、所定時間、例えば10分間、ゆるやかに攪拌しながら
処理する。処理後短繊維を処理液から濾別し、水洗し、
例えば1重量%塩酸水溶液中で、所定温度(例えば常
温)で、所定時間(例えば2分間)攪拌しながら処理
し、この処理液に、塩化第一スズの塩酸溶液を所定濃
度、例えば1ml/になるように添加して所定時間(例え
ば2分間)処理する。処理された有機短繊維を処理液か
ら濾別し、水洗し、次に所定濃度、例えば1g/の塩酸
水溶液中でよく攪拌しながら所定温度(例えば常温)
で、所定時間(例えば5分間)増感処理し、濾別する。
この濾別した有機短繊維を、所定濃度、例えば、0.1g
/の塩化パラジウム塩酸溶液10mlと、10ml/の塩酸99
0mlとを含む水溶液で攪拌しながら、所定温度(例えば
常温)で、所定時間(例えば5分間)活性化(触媒化)
処理する。
処理された有機短繊維を濾別し、これを所定組成(例
えば、下記組成)の無電解ニッケルめっき液: 硫酸ニッケル 25g/ 次亜リン酸ソーダ 25g/ クエン酸ソーダ 30g/ 酢酸ソーダ 15g/ pH(酸、又はアルカリで調整) 4.5〜5.5 中において、攪拌しながら、所定温度(一般に80〜95
℃)で処理する。すると、導電性ニッケル被覆層を有す
る導電性短繊維が得られる。
このようにして得られた導電性短繊維は、その周辺の
みならず、両端断面も導電性金属被膜により被覆されて
いて、これをマトリックス中に分散すると、良好な導電
性を示す。
金属被覆層を有する導電性短繊維の性能の一例を下表
に示す。
本発明方法に用いられる導電性短繊維の太さ、および
長さに格別の制限はないが、一般に、その太さは1.0〜5
0μmであることが好ましく、その長さは、0.5〜5mmで
あることが好ましく、0.8〜3mmであることがより好まし
い。また、そのアスペクト比は、10〜5000であることが
好ましく、15〜3000であることがより好ましい。
導電性短繊維の長さが、0.5mm未満であると粉末と同
様の挙動を示し、導電性発現の効率が低下し、その長さ
が5mmより長くなると、均一に撒布堆積させることが困
難になる。
本発明方法において、樹脂マトリックス層と合体され
るべき導電性短繊維の量は、シート材料の目的に応じて
任意に設定することができるが、得られる導電性繊維−
樹脂一体化層の抵抗値が10-2Ωcm以下になるように定め
ることが好ましい。一般に、本発明方法において、樹脂
マトリックス層の厚さは0.01〜0.5mmであることが好ま
しく、また樹脂マトリックス層に合体されるべき導電性
短繊維の撒布堆積量(合計容積)は10〜250cm3/m2であ
ることが好ましい。導電性繊維−樹脂一体化層中の導電
性短繊維含有部分における導電性短繊維の合成容積含有
率は、導電性繊維−樹脂一体化層の当該部分の容積に対
して、10〜50容積%であることが好ましく、15〜25容積
%であることがより好ましい。この容積含有率が10%未
満であると、得られる複合シートの電磁波に対するシー
ルド性が、不十分になることがあり、またそれが50%を
こえると、導電性繊維−樹脂一体化層の耐摩耗性が不良
となり、かつシート状基体および/又は表面保護層に対
する剥離強度が不十分となるという不都合が生ずる。
本発明方法において、必要に応じて導電性短繊維に、
既知の導電材料、例えば金属繊維、金属被覆ガラス繊
維、金属フレーク、金属粉末、カーボン繊維、カーボン
ブラック、塩化アンチモン粉末、ヨウ化銅粉末など、並
びに着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのようなマト
リックス改質材料を、樹脂マトリックス層に適宜の量だ
け含有させてもよい。
本発明方法は、導電性繊維−樹脂一体化層上に、可撓
性の良好な重合体材料を主成分として含有する表面保護
層を形成する工程を更に含んでいてもよい。この表面保
護層は、導電性短繊維の表面露出を防止して、導電効果
の低下を抑制し、かつ複合シート表面を機械的、化学的
ダメージから保護することができる。また、表面保護層
に所望の色彩、模様、凹凸模様、汚れ防止性、防水性、
防油性、耐候性、透明性、或は不透明性などを付与する
ことができる。
表面保護層に用いられる重合体に格別の限定はないが
一般にポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエ
ステル、弗素含有重合体、シリコーン重合体、アクリル
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性
樹脂、および、クロルスルフォン化ポリエチレン、並び
に、合成および天然ゴムなどのゴム状重合体などから選
ぶことができる。また、表面保護層の厚さおよび重量に
は、格別の限定はないが一般に、それぞれ0.05〜0.5m
m、および50〜500g/m2であることが好ましい。
本発明方法により得られる複合シートの一実施態様の
断面説明図を第1図に示す。
第1図において、シート状基体1の上に、導電性繊維
−樹脂一体化層2が形成されており、この一体化層2の
表層部分2aにおいて、導電性短繊維が撒布堆積層状体を
なして高密度に樹脂マトリックス中に分布しており、そ
の他の部分2bには、実質的に導電性短繊維が埋没分布し
ていない。導電性短繊維が高密度で分布している前記表
層部分2aは良好な導電性を示し、従って、複合シートは
全体としてすぐれた電磁波シールド性を示す。上記導電
性繊維−樹脂一体化層2は、実質的に、導電性短繊維が
高密度に分布している部分2aのみからなるものであって
もよい。導電性繊維−樹脂一体化層2は、その導電性繊
維高密度部分2aがシート状基体1に直接接合するように
結着されていてもよい。
また、導電性繊維−樹脂一体化層2上に表面保護層3
が結着されていてもよい。
第2図において、導電性繊維−樹脂一体化層2は、樹
脂マトリックス層と、その全容積にわたって高密度で分
布している導電性短繊維から構成されており、この導電
性繊維−樹脂一体化層上に表面保護層が結着されていて
もよい。この表面保護層は、第1図および第2図に示さ
れているように、複合シートの最外表面に形成されるこ
とが好ましい。
本発明方法(1)において、前述のシート状基体の1
面上に、熱可塑性を有する重合体材料を主成分として含
有する樹脂液を塗布し樹脂液塗布層を形成する。この樹
脂液塗布層上に導電性短繊維を撒布して粘着堆積させ
る。この撒布粘着堆積操作は、未固化状態の樹脂液層に
対して施し、その後に樹脂液層を固化して樹脂マトリッ
クス層を形成する。
このようにして形成され、導電性短繊維撒布堆積層を
担持している樹脂マトリックス層に対し、加圧処理を施
して、導電性短繊維層を、樹脂マトリックス層の少なく
とも表層部分中に圧入埋没させて、両者を一体化し、導
電性繊維−樹脂一体化層を形成する。この場合、樹脂マ
トリックス層が熱可塑性を示す温度条件下において加圧
処理を施すことが好ましい。
上記導電性繊維−樹脂一体化層の厚さは、0.01〜0.5m
mであることが好ましく、0.1〜0.2mmであることがより
好ましい。この導電性繊維−樹脂一体化層において、導
電性短繊維は、撒布堆積層状体をなして、樹脂マトリッ
クス層中の少なくとも表層部分に最も高い密度で分布し
ている。換言すれば、導電性短繊維は、樹脂マトリック
ス層の少なくとも表層部分に高密度で偏在しており、こ
のため高い導電性を示すことができる。或は、樹脂マト
リックス層が薄い場合、埋没した導電性短繊維は、撒布
堆積層状体をなしたまゝ樹脂マトリックス層の全容積に
わたって分布している。
本発明方法において、導電性短繊維の撒布堆積方法に
格別の制限はなく、例えば、自重落下法、空気吹きつけ
法、載置法、および磁力吸引法などを用いることができ
る。
撒布堆積された導電性短繊維の量が過多の場合は、加
圧処理前に、その一部分を除去回収してもよい。本発明
方法において、導電性短繊維層を担持している樹脂マト
リックス層が形成されたならば、これに対して、加圧処
理を施す。この加圧処理によって、導電性短繊維は、可
塑性を示す樹脂マトリックス層の少なくとも表層部分中
に圧入され、埋没し、或は密着する。この加圧操作によ
り、導電性短繊維の折損や表面のめっきが剥離すること
は殆んどなく、その長さや導電性を維持したまゝ樹脂マ
トリックス層と合体するため、その導電効率が極めて良
好である。また加圧操作は任意の温度、例えば室温で行
われてもよいが、一般に樹脂マトリックス層が熱可塑性
を示す温度条件下において、実施することが好ましい。
このようにして形成した導電性繊維−樹脂一体化層上
に、任意の手段により可撓性表面保護層を形成すること
ができる。この表面保護層は、可撓性樹脂フィルム又は
シートを前記一体化層に貼着したものであってもよい
し、可撓性樹脂液を前記一体化層上に塗布しこれを固化
したものであってもよい。
本発明方法(2)において、シート又はフィルムの1
面上に、樹脂マトリックス層用熱可塑性重合体材料含有
樹脂液を塗布して樹脂液塗布層を形成し、この樹脂液塗
布層上に導電性短繊維を撒布、粘着、堆積し、次に樹脂
液塗布層を固化する。すると、このようにして形成され
た樹脂マトリックス層は、前記シート又はフィルムに結
着される。次に、この積層体に加圧処理を施して、シー
ト又はフィルムに結着している導電性繊維−樹脂一体化
層を形成する。このとき導電性繊維の一部がシート又は
フィルム中に埋没してもよい。このようにして形成され
た積層体のシート又はフィルムと導電性繊維−樹脂一体
化層の少なくとも一面上にシート状基布を積層し、任意
の方法によりこれを結着する。
本発明方法(3)においては、樹脂液塗布層の固化前
に、導電性短繊維撒布堆積層上にシート状基体を積層
し、樹脂液塗布層の固化後に、この積層体に加圧処理を
施す。このようにすれば、導電性繊維−樹脂一体化層の
形成と、それとシート状基体との結着を同時に達成する
ことができる。
上記本発明方法(1)〜(3)の各々において、熱可
塑性樹脂をマトリックスとし、その中に導電性短繊維を
含有する導電性層を形成するために、樹脂液塗布層上に
導電性短繊維を撒布粘着堆積させ、樹脂液塗布層を固化
した後に、得られた樹脂マトリックス層と導電性短繊維
堆積層との積層体を加圧して、導電性短繊維撒布堆積層
状体を、その形状のまゝ樹脂マトリックス層中に圧入埋
没してこれらを一体化する点に特徴がある。このように
することにより、従来方法、すなわち、導電性短繊維を
マトリックス樹脂溶液に混入攪拌する方法や、マトリッ
クス樹脂と導電性短繊維とをカレンダーなどにより混練
する方法などに較べて、導電性短繊維を均一に、かつ高
含有率で、導電性を損うことなく、しかも繊維長を所望
の長さに保持したまゝ、利用できるという特徴がある。
すなわち導電性繊維の折損や金属被覆層の剥離を生ずる
ことがない。また導電性繊維−樹脂一体化層を、高電磁
波シールド性複合シート材料の所望の部位に、比較的薄
い層として1つ又はそれ以上の任意の数だけ容易に形成
することができるので、極めて多様な構造の製品が得ら
れる。また、複合シートの最外表面に任意の着色層を設
けることなどにより、多様な外観を有する複合シートを
得ることができる。
従来方法においては、繊維長を比較的長く保ち、かつ
多量の導電性短繊維を含有させるために、例えば抄紙法
によって形成された導電性繊維含有紙を挾み込み、又は
貼着する方法もあるが、この場合、導電性短繊維に対
し、その繊維長よりも長い他の繊維やパルプを混抄する
必要があり、また、バインダーの混入が必要である。こ
れら他の繊維、又はバインダーの混合は、当該導電性層
の導電性を低下させるという不都合を生じる。本発明方
法においては、本来必要とされる物性、特に導電性を阻
害する他の材料を併用する必要がない。また、従来の抄
紙法においては、工程を維持するための紙力の増強のた
めに、前記のような他の材料を混用することにより、得
られる導電性層の物性や、この導電性層と他の層との間
の剥離強力が著しく低下するという問題がある。これら
の問題点は、抄紙法以外にも、例えば予じめ形成された
不織布を用いた場合にも発生する。しかしながら、本発
明方法においては、このような問題点を生ずることはな
い。
〔実施例〕
本発明方法を、下記実施例により更に説明する。
実施例1〜5 実施例1〜5の各々において下記の操作を行った。
(A)シート状基体の調製 ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントヤー
ンからなる下記組織: を有し、かつ、180g/m2の重量を有する平織布帛を製造
し、これを常法により洗浄・乾燥した。
次に、この布帛の裏面上に下記組成: P.V.C. 100重量部 D.O.P. 67重量部 安定剤 3重量部 顔 料 8重量部 トリクロロエチレン 5重量部 を有する樹脂液(25℃において10ポイズの粘度を有して
いた)を塗布し、100℃で3分間加熱乾燥し、180℃で3
分間ゲル化して、乾燥重量70g/m2の裏面被覆層を形成し
た。得られたシート状基体の重量は250g/m2であった。
(B)導電性短繊維の調製 第1表に記載された長さ(0.3,0.5,0.8,1.2,3.0mm)
と、15μmの直径を有し、かつ第1表に示したアスペク
ト比を有するポリエチレンテレフタレート短繊維100g
を、5g/のγ−アミノプロピルトリエトキシシランで
処理し、乾燥し、次にこれを、0.1g/の塩化パラジウ
ム塩酸溶液10mlと、10ml/の塩酸990mlとを含む水溶液
に投入し、よく攪拌分散しながら、常温で30分間これに
触媒化処理を施した。次にこれを濾別して、110℃の乾
燥機中で乾燥した。
この触媒化ポリエステル短繊維を、下記組成のニッケ
ルめっき浴:成分 量(g/) 硫酸ニッケル 25 次亜リン酸ソーダ 30 リンゴ酸 30 コハク酸 16 pH 4.5〜5.0 中に投入して、60〜95℃の液温においてニッケルめっき
処理した。
得られた導電性ポリエステル短繊維の金属化率は36%
であった。
(C)複合シートの製造 (i)樹脂被覆層用樹脂液 下記組成: P.V.C. 100重量部 D.O.P. 67重量部 安定剤 3重量部 を有する混合物にトリクロロエチレンを添加して、その
粘度が、25℃において30ポイズになるように調整して、
樹脂液を作成した。
(ii)複合シート 前記シート状基体の表面上に、上記樹脂液を、乾燥塗
布量が60g/m2すなわち49.6cm3/m2になるように塗布し、
この樹脂液層上に、 前記導電性短繊維を、35g/m2すなわち13.9cm3/m2の撒
布量で撒布堆積して導電性短繊維撒布堆積層を形成し
た。
次に赤外線加熱により、樹脂液層を乾燥して樹脂マト
リックス層を形成した後、直圧型プレス機を用いて、導
電性短繊維撒布堆積層を担持している樹脂マトリックス
層に、175℃に加熱しながら、5kg/cm2の加圧処理を2分
間施し、次に、20kg/cm2の加圧処理を1分間施した。そ
れによって、導電性短繊維は樹脂マトリックス層中に埋
没一体化され、合計重量345g/m2、厚さ0.35mmの複合シ
ートが得られた。
得られた複合シートの導電性繊維−樹脂一体化層は、
0.08mmの厚さと、21.88容積%の導電性短繊維含有率
と、第1表に示された体積抵抗値とを示した。
実施例4の複合シートの電磁波シールド性を、ASTM,E
S 7−83、電界シールド試験法により測定した。その結
果を第3図に示す。
実施例6〜11 実施例6〜11の各々において、実施例1と同じ操作を
行った。但し、導電性短繊維の長さを0.8mmとし、基布
表面に形成された樹脂マトリックス層の乾燥重量160g/m
2とし、更に、導電性短繊維の撒布堆積量を第2表記載
のようにした。また、体積抵抗値、耐水圧の測定結果を
第2表に示す。
実施例8の複合シートの電磁波シールド性を第4図に
示す。
比較例1および2 比較例1において実施例7と同じ操作を行った。但
し、シート状基体表面に塗布すべき樹脂液に、実施例7
と同量の導電性短繊維を混合し、この混合樹脂液をシー
ト状基体表面に塗布することを試みた。しかし、混合樹
脂液中において、導電性短繊維が局在化し、均一な塗布
層を形成することができなかった。
また、比較例2において、比較例1と同じ操作を行っ
た。但し、樹脂液と導電性短繊維との混合物をロールに
より混練し、この混練液を基布の表面に塗布した。しか
し、ロール混練により、有機芯体上の導電性金属膜が芯
体から剥離し、得られた樹脂層は、測定可能な導電性を
示さなかった。
実施例12 実施例1〜5および6〜11で得られた複合シートの各
々の導電性繊維−樹脂一体化層の上に、KFC フィルム
(呉羽化学工業社製、ポリ塩化ビニル層/ポリアクリル
層/ポリ弗化ビニリデン層からなる積層フィルムの商
標)を、そのポリ塩化ビニル層が導電性繊維−樹脂一体
化層に接合するように貼着した。
得られた各複合シートは、その導電性繊維−樹脂一体
化層がKFC フィルム層により保護され、長期間風雨に曝
露した後も、その電磁波シールド性に変化がなかった。
〔発明の効果〕
本発明方法により、比較的長い繊維長を有する、比較
的多量の導電性短繊維を、その導電性を損なうことな
く、或は、折損または粉状化することなく、樹脂マトリ
ックス層中に合体して導電性繊維−樹脂一体化層を形成
することが可能になり、従って、所望の高電磁波シール
ド性を有する有用な複合シートを効率よく製造すること
が可能となった。
また、表面保護層を設けることにより導電性繊維−樹
脂一体化層を保護して機械的損傷や導電性短繊維の脱落
を防止し、かつ、その耐候性を著しく向上させるととも
に、所望の色彩、模様、凹凸模様などを有する外観の美
麗な高電磁波シールド性複合シートが得られ、その複合
シートの製造が可能になった。
本発明方法により得られる複合シートは、比較的高密
度に分布した導電性短繊維含有層(導電性繊維−樹脂一
体化層)を含むもので、極めてすぐれた電磁波シールド
性を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ本発明方法により得られ
る高電磁波シールド性複合シートの一実施態様の断面説
明図であり、 第3図および第4図は、それぞれ本発明方法により得ら
れる高電磁波シールド性複合シート材料の一実施態様
の、周波数(1000MHz以下)と、電磁波シールド性(d
B)との関係を示すグラフである。 1……シート状基体、 2……導電性繊維−樹脂一体化層、 2a……導電性短繊維が高密度で分布している表層部分、 2b……実質的に導電性短繊維が分布していない部分、 3……表面保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:06 B29L 31:34

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1枚の繊維布帛を含むシート状
    基体の1面上に、熱可塑性を有する重合体材料を主成分
    として含有する樹脂液を塗布して樹脂液塗布層を形成
    し、 前記樹脂液塗布層上に導電性短繊維を撒布、粘着、堆積
    し、 前記樹脂液塗布層を固化して樹脂マトリックス層を形成
    し、 前記導電性短繊維の撒布堆積層と、それを担持している
    樹脂マトリックス層とに加圧処理を施し、前記導電性短
    繊維の撒布堆積層を、前記樹脂マトリックス層の少なく
    とも表層部分内に埋没させて導電性繊維−樹脂一体化層
    を形成することを特徴とする高電磁波シールド性複合シ
    ートの製造方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性を有する重合体材料を主成分とし
    て含むシート又はフィルムの1面上に、熱可塑性を有す
    る重合体材料を主成分として含む樹脂液を塗布して樹脂
    液塗布層を形成し、 前記樹脂液塗布層上に導電性短繊維を撒布・粘着、堆積
    し、 前記樹脂液塗布層を固化して、前記シート又はフィルム
    に結着された樹脂マトリックス層を形成し、 前記導電性短繊維撒布堆積層と、それを担持している樹
    脂マトリックス層とに加圧処理を施し、前記導電性短繊
    維撒布堆積層を、前記樹脂マトリックス層の少なくとも
    表層部分内に埋没させてシート又はフィルムと導電性繊
    維−樹脂一体化層を形成し、 前記シート又はフィルムと導電性繊維−樹脂一体化層の
    少なくとも一面上に、少なくとも1枚の繊維布帛を含む
    シート状基体とを積層結着する、 ことを特徴とする高電磁波シールド性複合シートの製造
    方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性を有する重合体材料を主成分とし
    て含むシート又はフィルムの一面上に、熱可塑性を有す
    る重合体材料を主成分として含む樹脂液を塗布して樹脂
    液塗布層を形成し、 前記樹脂液塗布層上に導電性短繊維を撒布、粘着、堆積
    し、 前記導電性短繊維撒布堆積層の上に、少なくとも1枚の
    繊維布帛を含むシート状基体を積層し、 前記積層操作の前、又は後に、前記樹脂液塗布層を固化
    して樹脂マトリックス層を形成し、 前記積層体に加圧処理を施し、それによって前記導電性
    短繊維撒布堆積層を、前記樹脂マトリックス層の少なく
    とも表層部分内に埋没させて導電性繊維−樹脂一体化層
    を形成するとともに、前記シート状基体と前記導電性繊
    維−樹脂一体化層とを結着する、 ことを特徴とする、高電磁波シールド性複合シートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記繊維布帛を含むシート状基体におい
    て、前記繊維布帛の少なくとも1面を、熱可塑性を有す
    る重合体材料を主成分として含む基体被膜層によって被
    覆する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記導電性繊維−樹脂一体化層中の導電性
    短繊維の合計容積含有量を、10〜250cm3/m2とする、請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】前記導電性繊維−樹脂一体化層の厚さを0.
    01〜0.5mmとする、請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】前記導電性繊維−樹脂一体化層中の前記導
    電性短繊維含有部分における前記導電性短繊維の合計容
    積含有率を、前記導電性短繊維含有部分の容積に対し、
    10〜50容積%とする、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】前記導電性短繊維が、1.0〜50μmの太さ
    と0.5〜5mmの長さを有する、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】前記導電性短繊維が、導電性金属繊維、カ
    ーボン繊維、グラファイト繊維、および導電性複合繊維
    から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製
    造方法。
  10. 【請求項10】前記導電性繊維−樹脂一体化層におい
    て、前記導電性短繊維を、前記樹脂マトリックス層の一
    面側表層部分のみに高密度で分布させ、前記樹脂マトリ
    ックス層の残余の部分には、前記導電性短繊維を実質的
    に分布させない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記導電性繊維−樹脂一体化層におい
    て、前記導電性短繊維を、前記樹脂マトリックス層の実
    質的に全容積にわたって高密度で分布させる、請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】前記導電性繊維−樹脂一体化層の上に可
    撓性重合体材料を主成分として含有する表面保護層を形
    成する工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】前記表面保護層が前記複合シートの少な
    くとも1つの最外表面に形成される、請求項12に記載の
    製造方法。
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