JPH06101637B2 - 高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材料 - Google Patents

高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材料

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JPH06101637B2
JPH06101637B2 JP1093195A JP9319589A JPH06101637B2 JP H06101637 B2 JPH06101637 B2 JP H06101637B2 JP 1093195 A JP1093195 A JP 1093195A JP 9319589 A JP9319589 A JP 9319589A JP H06101637 B2 JPH06101637 B2 JP H06101637B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、すぐれた電磁波シールド性を有し、かつ高耐
屈曲性を有する複合シート材料に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は風などによるはためき
などのように繰り返して屈曲作用を受ける用途に用いて
もすぐれた耐久性を示し、電磁波シールド性にすぐれ、
かつ屈曲自在な、高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合
シート材料に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、既知の導電性シート材料としては、重合体材料か
らなるマトリックス中に、金属質フィラー、例えば金属
粉末、および金属フレークなど、非金属無機フィラー、
例えばカーボンブラックおよびグラファイトなどの粉
末、又はフレーク、或は、金属化ガラス繊維、例えば化
学蒸着法、電気めっき法、又は無電解めっき法などによ
り金属化されたガラス繊維などを分散含有させ、これを
シート状にしたものがある。
また、上記の導電性シートと、繊維材料からなる基布と
を組み合わせた複合シートも知られている。
一般に、導電性シート又はフィルムは、その重合体材料
からなるマトリックスが伸長しやすいものであるため、
全体として、繰り返し伸長荷重が負荷されたり、或は瞬
間的荷重がかけられると容易に伸長する傾向がある。こ
のように、導電性シート又はフィルムが伸長、又は変形
すると、その中に分散している導電性フィラーの分布に
変化を生じ、その結果、その抵抗値、および電磁波シー
ルド性に変化を生じて、その性能を低下させ、やがて、
有用性を失うに至ることがある。
上記の欠点を解消するために、導電性シート、又はフィ
ルムを繊維材料からなる基布の片面、又は両面上に形
成、又は粘着することが試みられた。このような、導電
性複合シートは、従来の導電性シート、又はフィルムの
上記欠点をほぼ解消し、屈曲作用を受けない静的な用途
には有効に使用し得るものである。
しかしながら、上記の導電性複合シートを、簡易倉庫、
天幕などに使用すると、風によるはためきなどのよう
な、繰り返し屈曲作用を受けるので、従来の導電性フィ
ラーを含むシート又はフィルムは上記繰り返し屈曲作用
により損傷を受けやすく、その抵抗値や電磁波シールド
性が大巾に変化するという問題点がある。
本発明の発明者の一人は、特開昭61-228065号におい
て、「無電解めっき法により金属被膜が形成されている
有機質短繊維を導電材として有機高分子物質中に配合さ
せてなることを特徴とする導電性高分子組成物」を開示
した。しかしここでは、上記導電性高分子組成物をプラ
スチック成形体、樹脂板などのように繰り返し屈曲を受
けることのない、又は少ない静的用途に、又は塗料に用
いたときの有用性を示しているのみである。従って、上
記導電性高分子組成物をしばしば繰り返し屈曲作用を受
けるような動的用途に用いたときの有用性、およびその
利用方法などについて知られていなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来の導電性、電磁波シールド性シート材料
が、繰り返し屈曲により損傷を受けやすくその性能を低
下させるという問題点を解消し、すぐれた電磁波シール
ド性と繰り返し屈曲作用に対する抵抗性の高い複合シー
ト材料を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段・作用〕
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料は、繊維材料織編物により形成された基布と、前記基
布の少なくとも一面上に形成された導電性被覆層とから
なり、前記導電性被覆層が、(1)可撓性重合体材料か
らなるマトリックス、および(2)このマトリックス中
に分散され、かつ有機短繊維からなる基体と、この短繊
維基体表面上に形成された導電性金属被膜層とからなる
導電性短繊維、からなることを特徴とするものである。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料は、上述のように、繊維材料織編物により形成された
基布と、その片面、又は両面上に形成された導電性被覆
層とから構成されるものである。
基布を構成する繊維としては、天然繊維、例えば、木綿
および麻など、無機繊維、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維および金属繊維など、再生繊維、例えば、ビスコース
レーヨン、およびキュプラなど、半合成繊維、例えば、
セルロースジ−およびトリアセテート繊維など、並びに
合成繊維、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ポリエス
テル(ポリエチレンテレフタレート)、芳香族ピリアミ
ド、芳香族ポリエステル、アクリル重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ビニロン、およびポリオレフィンの繊維などから
選ぶことができ、特に高強度繊維(15〜50g/d)および
/又は、高耐熱性繊維なども使用することができる。
本発明に好ましい繊維は、ポリエステル繊維、ポリアミ
ド繊維、水不溶化ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、および芳香族ポリエステル繊維などであ
る。
基布中の繊維は短繊維紡績糸、長繊維糸、スプリットヤ
ーン、テープヤーンなどのいずれの形状のものであって
もよく、また基布は、織物、編物、および、これらの2
種以上の複合シートのいずれであってもよい。一般に
は、本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シー
トに用いられる繊維はポリエステル繊維が好ましく、こ
の繊維は長繊維(フィラメント)の形状のものが好まし
い。繊維性基布は、得られる高電磁波シールド性・高耐
屈曲性複合シートの機械的強度を高いレベルに維持する
ために有用である。
また、有用な織編物としては、綾織、平織、からみ織、
もじり織、特殊編織物その他の一般的な組成からなる織
物を挙げることができる。
基布の重量や、厚さなどに格別の限定はないが、一般に
30〜1,000g/m2の重量および/又は、0.05〜1.0mmの厚さ
を有するものが好ましい。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料において、繊維材料からなる基布は、導電性被覆層の
伸長や変形を抑制して、高電磁波シールド性・高耐屈曲
性複合シート材料の電磁波シールド性を安定させること
ができ、また、はためきや繰り返し屈曲に対する耐久性
を向上させるのに有効である。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料において、その導電性被覆層のマトリックスを構成す
る可撓性重合体材料は、可撓性合成ゴム、および合成樹
脂の少なくとも1種からなるものである。
可撓性合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、
ポリブテン、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、
ABS樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、アイオノマー樹脂、弗素化ポリエチ
レン、アセタール樹脂、塩化ポリエーテル樹脂、ピリプ
ロピレンオキシド、ポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポ
リスルホンなどの熱可塑性樹脂を例示することができ
る。
また、合成ゴムとしてはスチレン−ブタジエン共重合体
などのジエン系ゴム、ブチルゴムなどのオレフィン系ゴ
ム、弗化アクリレートゴムなどの含弗素ゴム、エーテル
・チオエーテルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムおよ
びクロルスルホン化ポリエチレンなどのゴム類をあげる
ことができる。
このようなマトリックス中に導電性短繊維が均一に分散
される。この導電性短繊維は、有機短繊維からなる基体
と、導電性被膜層とから構成されているものである。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料において、導電体の基体が有機短繊維である点が重要
である。若し、この基体が、金属繊維、ガラス繊維、又
はカーボン繊維などの無機繊維からなる場合、繰り返し
屈曲により次第に折損し粉末化し、これらは、マトリッ
クス中で次第に離間し、このため、マトリックスに亀裂
を生じ、導電性被覆層の抵抗値および電磁波シールド性
に大巾な変化を生ずるようになる。
本発明において導電性短繊維の基体として用いられる有
機短繊維は、既知の天然有機繊維、有機再生繊維、有機
半合成繊維、および有機合成繊維から選ぶことができ、
これらの1種又は2種以上を混合して用いることができ
る。
このような有機天然繊維としては、例えば木綿、麻、
絹、羊毛などを用いることができ、有機再生繊維とてし
てはビスコースレーヨン、キュプラなどを、また半合成
繊維としてはセルロース、アセテート繊維などを用いる
ことができる。更に有機合成繊維としては、ナイロン
6、およびナイロン66のようなポリアミド系繊維、ポリ
エチレンテレフタレート繊維のようなポリエステル系繊
維、ビニロンの如きポリビニルアルコール系繊維、ポリ
塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリア
クリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、フルオロカーボ
ン系繊維、ポリウレタン系繊維などの有機質繊維があげ
られる。本発明に好適なものとしてはポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、および水不溶化ポリビニルアルコ
ール繊維などがある。
上記有機繊維は短繊維である。その長さに格別の限定は
ないが、多くの場合0.1〜5mmの範囲、特に0.3〜2mmの範
囲の繊維長を有し、そのアスペクト比が5〜500、(よ
り好ましくは10〜300)の範囲のものを用いることが好
ましい。
有機短繊維が過度に短いと、粉末と同様に挙動し、導電
性被覆層に対する耐屈曲性向上効果が不満足なものとな
る。
また有機短繊維基体の太さにも格別の制限はないが、一
般に0.1〜10デニールの範囲内にあることが好ましい。
上記のような有機短繊維基体の表面上に、導電性金属被
膜層が形成される。この導電性金属被膜層の形成方法
に、格別の制限はなく、金属蒸着法、電気めっき法およ
び無電解めっき法などのいづれを利用してもよい。しか
し、短繊維に対する適合性、工程の容易さ、加工条件、
コスト、必要装置などを勘案すれば無電解めっき法を用
いることが好ましい。
無電解めっき工程は、下記のようにして実施することが
できる。
有機短繊維に対して、所要のめっき前処理例えば、アル
カリ洗浄液による脱脂洗浄、および塩酸、硫酸、又はリ
ン酸を含む酸洗浄液による洗浄を施し、次に、塩化第一
スズ水溶液による感受性付与処理、および塩化パラジウ
ム水溶液による触媒化処理を施す。このとき、有機短繊
維の種類に応じ、例えばポリアミド繊維、羊毛、又は絹
などの場合、上記触媒化処理の後に、還元剤処理を施し
たり、又はシランカップリング剤を含む塩化パラジウム
処理液による触媒化処理を施してもよい。
前処理された有機短繊維に対し、無電解めっき処理を施
す。
有機短繊維基体表面上に形成される金属被膜は、銅、ニ
ッケル、又はニッケル合金かなるものが一般的である
が、その他にも、コバルト、銀、金などを用いることも
あり、また、異なる金属による2層以上の被膜を積層し
てもよい。
次にニッケル被膜層の形成工程の一例を示す。
所定の長さを有する有機短繊維100gを、例えば5重量%
苛性ソーダ水溶液中において、所定温度、例えば50℃
で、所定時間、例えば10分間、ゆるやかに撹拌しながら
処理する。処理後短繊維を処理液から濾別し、水洗し、
例えば1重量%塩酸水溶液中で、所定温度(例えば常
温)で、所定時間(例えば2分間)撹拌しながら処理
し、この処理液に、塩化第一スズの塩酸溶液を所定濃
度、例えば1ml/lになるように添加して所定時間(例え
ば2分間)処理する。処理された有機短繊維を処理液か
ら濾別し、水洗し、次に所定濃度、例えば1g/lの塩酸水
溶液中でよく撹拌しながら所定温度(例えば常温)で、
所定時間(例えば5分間)増感処理し、濾別する。
この濾別した有機短繊維を、所定濃度、例えば、0.1g/l
の塩化パラジウム塩酸溶液10mlと、10ml/lの塩酸990ml
とを含む水溶液で撹拌しながら、所定温度(例えば常
温)で、所定時間(例えば5分間)活性化(触媒化)処
理する。
処理された有機短繊維を濾別し、これを所定組成(例え
ば、下記組成)の無電解ニッケルめっき液: 硫酸ニッケル 25g/l 次亜リン酸ソーダ 25g/l クエン酸ソーダ 30g/l 酢酸ソーダ 15g/l pH(酸、又はアルカリで調整) 4.5〜5.5 中において、撹拌しながら、所定温度(一般に80〜95
°)で処理する。すると、導電性ニッケル被膜層を有す
る導電性短繊維が得られる。
このようにして得られた導電性短繊維は、その周面のみ
ならず、両端断面も導電性金属被膜により被覆されてい
て、これをマトリックス中に分散すると、良好な導電性
を示す。
金属被膜層を有する導電性短繊維の性能の一例を下表に
示す。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料において、導電性短繊維はマトリックス中に、得られ
た導電性被覆層が、10-2Ωcm以下の抵抗値を示すような
量で分散されることが好ましい。導電性被覆層中の導電
性短繊維の含有率には、格別の限定はないが一般に、導
電性被覆層重量に対し3〜75重量%の範囲内にあること
が好ましく、3〜25重量%の範囲内にあることがより好
ましい。本発明において、導電性被覆層には、導電性短
繊維に加えて、既知の導電材料、例えば金属繊維、金属
被覆ガラス繊維、金属フレーク、金属粉末、カーボン繊
維、カーボンブラック、塩化アンチモン粉末、ヨウ化銅
粉末など、並びに着色剤、可塑剤、安定剤、充填材など
のようなマトリックス改質材料を必要に応じて適宜の量
で含んでいてもよい。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料において導電性被覆層の重量、厚さなどに格別の限定
はないが、一般に、50〜1,500g/m2の重量および/又
は、0.05〜1.0mmの厚さを有することが好ましい。
本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材
料を製造するには、基布の所定表面上に可撓性重合体材
料マトリックスと、その中に分散している導電性短繊維
とからなる導電性フィルムを貼着してもよいし、或い
は、上記組成を有する加工液を、基布の所定表面上に塗
布しこれを固化してもよい。このような導電性被覆層形
成のために、カレンダー法、ラミネート法、トッピング
法、コーティング法、含浸法など既知の被覆方法を用い
ることができる。例えば、導電性短繊維を重合体材料マ
トリックスフィルムの表面、又は裏面上に撒布し、これ
に(加熱)圧着操作を施して導電性短繊維を重合体マト
リックスフィルム中に埋設させて、両者を緊密に一体化
させ、導電性フィルムを形成してもよいし、或いは、こ
のようにして形成された導電性フィルム中の導電性短繊
維層表面を更に可撓性重合体で被覆してもよい。
〔実施例〕
本発明を、下記実施例により更に説明する。
実施例1、並びに比較例1および2 (A)基布の調整 ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントヤーン
からなる下記組織: を有し、かつ、180g/m2の重量を有する平織布帛を製造
し、これを常法により洗浄・乾燥して基布とした。
(B)導電性短繊維の調製 実施例1において、長さ0.8mm、直径15μmのポリエチ
レンテレフタレート短繊維(アスペクト比53)100gを、
5g/lのγ−アミノプロピルトリエトキシシランで処理
し、乾燥し、次にこれを、0.1g/lの塩化パラジウム塩酸
溶液10mlと、10ml/lの塩酸990mlとを含む水溶液に投入
し、よく撹拌分散しながら、常温で30分間これに触媒化
処理を施した。これを濾別して、110℃の乾燥機中で乾
燥した。
この触媒化ポリエステル短繊維を、下記組成のニッケル
めっき浴: 成 分 量(g/l) 硫酸ニッケル 25 次亜リン酸ソーダ 30 リンゴ酸 30 コハク酸 16 pH 4.5〜5.0 中に投入して、60〜95℃の液温においてニッケルめっき
処理した。
得られた導電性ポリエステル短繊維の金属化率は36%で
あった。
比較例1においては、ポリエステル短繊維の代りに長さ
0.3mm、直径12μmのガラス短繊維(アスペクト比:25)
を用い、これに上記と同一の工程によりニッケル被膜層
を形成し、導電性ガラス短繊維を調製した。
比較例2においては、実施例1における導電性ポリエス
テル短繊維の代りに、ニッケルフレーク(長径:約40μ
m、日興ファインプロダクツ社製、商標:HCA-1)を用い
た。
(C)複合シートの製造 実施例1並びに比較例1、および2の各々において、下
記第1表記載の組成を有するマトリックス組成物に前記
導電性短繊維、又はフレークを混合し、加工液を調製し
た。
各加工液を、前記基布の一面に塗布し、乾燥し、180℃
においてゲル化して固着させた。
得られた導電性被覆層の厚さは約0.4mmであり、得られ
た複合シートの合計厚さは約1.0mmであった。
これらの複合シートは、いづれも1500mm水柱以上の耐水
性を示した。
各複合シートの抗張力、伸度、および抵抗率(加工直後
のもの、5,000回の屈曲作用を受けたもの、および、10,
000回の屈曲作用を受けたもの)を測定し、その結果を
第2表に示す。
実施例1の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート
材料は、第1図に示されている電磁波シールド性を示し
た(測定法;ASTM法、ES7-83電解シールド試験法によ
る)。
第2表から明らかなように本発明に係る実施例1の高電
磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材料は従来技術
に係る比較例1および2の複合シートとほぼ同様の抗張
力および伸度を有し、高荷重を受け防水性を要する簡易
倉庫や天幕などの用途に使用し得るものであり、しか
も、繰り返し屈曲に対する機械的耐久性のみならず、抵
抗率および電磁波シールド性の変化に対する耐久性のす
ぐれたものであった。すなわち、本発明の高電磁波シー
ルド性・高耐屈曲性複合シート材料は、10,000回の屈曲
後も、屈曲前と同様の10-3Ωcmのオーダーの抵抗率を示
した。
これに対して、比較例1の複合シートは、ガラス短繊維
を導電性短繊維の基体として用いているため、屈曲回数
の増加とともに、電磁波シールド性と相関度の高いその
抵抗率が増大した。ニッケルフレークを用いた比較例2
の複合シートにおいては、所期の抵抗率、すなわち、電
磁波シールド性と相関する10-2Ωcm以下の抵抗率を得る
ためには、極めて多量のニッケルフレークを混合する必
要があり、このため極めて低い耐屈曲性を示した。すな
わち、比較例1および2の複合シートは繰り返し屈曲作
用を受ける用途には不適当なものであった。
〔発明の効果〕
本発明により、しばしば繰り返し屈曲作用を受ける用途
に適した、シールド性・高耐屈曲性複合シート材料が得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の高電磁波シールド性・高耐屈曲性複
合シート材料の一実施態様の電磁波の周波数(MHz)
と、電磁波シールド性(dB)の関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 卜部 啓 茨城県つくば市東1丁目1番4号 工業技 術院製品科学研究所内 (72)発明者 熊谷 八百三 茨城県つくば市東1丁目1番4号 工業技 術院製品科学研究所内 (72)発明者 大林 勉 埼玉県草加市松江町703番地 平岡織染株 式会社研究所内 (72)発明者 鈴木 博 埼玉県草加市松江町703番地 平岡織染株 式会社研究所内 審査官 市川 裕司 (56)参考文献 特開 昭59−139697(JP,A) 実開 昭61−137699(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維材料織編物により形成された基布と、 前記基布の少なくとも一面上に形成された導電性被覆層
    とからなり、 前記導電性被覆層が、(1)可撓性重合体材料からなる
    マトリックスおよび、(2)このマトリックス中に分散
    され、かつ有機短繊維からなる基体と、この短繊維基体
    表面上に形成された導電性金属被膜層とからなる導電性
    短繊維、からなることを特徴とする、 高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材料。
JP1093195A 1989-04-14 1989-04-14 高電磁波シールド性・高耐屈曲性複合シート材料 Expired - Lifetime JPH06101637B2 (ja)

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