JP2607643B2 - ワイヤ放電加工用電極線 - Google Patents

ワイヤ放電加工用電極線

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JP2607643B2
JP2607643B2 JP63262451A JP26245188A JP2607643B2 JP 2607643 B2 JP2607643 B2 JP 2607643B2 JP 63262451 A JP63262451 A JP 63262451A JP 26245188 A JP26245188 A JP 26245188A JP 2607643 B2 JP2607643 B2 JP 2607643B2
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啓之 瀬戸
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、放電加工用電極線に関するものであり、
特に放電加工特性の優れたワイヤ放電加工用電極線に関
するものである。
[従来の技術] ワイヤ放電加工法は、金型の精密加工には欠かせない
技術である。この加工法は所定の力で引張られたワイヤ
を工作物と交差する方向に移動させながら工作物との間
で火花放電させると同時に、工作物を希望する形状に従
って動かしながら、加工する方法である。
従来、ワイヤ放電加工用電極線(以下、カットワイヤ
と呼ぶ)には、一般に黄銅線が使用されている。
しかし、カットワイヤには以下の特性が備えられてい
ることが望ましい。(1)加工速度を上昇させることが
できること。(2)付着物の発生がないこと。(3)加
工精度が高いこと。(4)優れた真直性があること。
(すなわち、カットワイヤがねじれたりカールしたりす
ることがなく、加工精度の向上が図られ、カットワイヤ
の断線が少ないこと)(5)カットワイヤの外径真円度
が優れていること。(その結果、加工精度が高くなる)
(6)引張強さが高いこと。(その結果、カットワイヤ
の断線防止が図られる)(7)通電性を有すること等の
特性が挙げられる。このような特性を満足するものとし
て純タングステンがカットワイヤの材料として選定され
る。
この純タングステンは、機械特性を示す代表例であ
る。引張強さは、黄銅の約3倍である。そのため純タン
グステンを用いるとカットワイヤ径を小さくすることが
できる。したがって純タングステンカットワイヤを用い
れば、より微細な加工が可能となる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、純タングステンカットワイヤは、 (1)放電性が悪いため、純タングステンカットワイヤ
を用いると、火花がスムーズに発生しない。その結果、
加工速度が遅くなり、被加工物の切断面精度が悪くな
る。また、カットワイヤの断線回数が多くなる。
さらに、純タングステンカットワイヤは、 (2)高温での引張強さが低いため、高温下では、ワイ
ヤに歪が生じる。その結果、被加工物の切断面精度が悪
くなる等の欠点を有していた。
そこで、この発明の主な目的は、加工速度の向上、被
加工物の切断面の精度向上およびカットワイヤの断線回
数の減少を達成することが可能なカットワイヤを提供す
ることである。
この発明の他の目的は、高温での引張強さの向上が達
成できるカットワイヤを提供することである。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の発明に従ったワイヤ放電加工用電極
線は、純タングステンに、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu(以下、希土
類元素と称する)およびそれら各々の酸化物を含む群か
ら選ばれた1種以上を少なくとも0.0010〜1.0重量%添
加した材料からなる。
請求項2に記載の発明に従ったワイヤ放電加工用電極
線は、上記組成にさらに、K、Si、Al、およびそれら各
々の酸化物を含む群から選ばれた1種以上を0.0010〜0.
1000重量%含む材料からなる。
[作用効果] タングステンに、上記希土類元素およびそれら各元素
の酸化物のいずれか1種以上を含有させたタングステン
合金は、エミッション効果(電子が飛出しやすくなるこ
と)を有する。そのため、タングステン合金からなるカ
ットワイヤには電流が流れやすくなり、その放電性が向
上する。その結果、上記タングステン合金からなるカッ
トワイヤを用いると、火花がスムーズに発生する。した
がって加工速度の向上、被加工物の切断面精度の向上、
カットワイヤの断線回数の減少を図ることができる。
この発明においてタングステン合金中の上記希土類元
素およびそれら各元素の酸化物の含有量を0.0010〜1.00
0重量%の範囲に限定したのは、0.0010重量%未満で
は、エミッション効果が生じにくくなり放電性があまり
向上しないからである。一方1.0重量%を超えると、カ
ットワイヤが脆くなり、カットワイヤの断線回数が増え
るからである。
また、上記希土類元素およびそれら各元素の酸化物を
タングステンに含有させたタングステン合金は、高温下
での引張強さが純タングステンより向上する。そのた
め、ワイヤ放電加工をする際にワイヤが高温になって
も、ワイヤの歪が小さくなる。したがって、被加工物の
切断面精度が向上する。
さらに、上記タングステン合金は、純タングステンに
比べるとその引張強さが高い。そのため、上記タングス
テン合金を用いると外径のより小さなカットワイヤを製
造することができる。したがって、微細な被加工物の加
工が可能となる。
さらに、上記組成にK、Si、Alおよびその酸化物を含
有させたタングステン合金においては、K等の元素がタ
ングステン合金中に均一に分散する。それによって、タ
ングステン合金からなるカットワイヤの引張強さが向上
する。
K、Si、Alおよびそれら各々の酸化物の含有量を0.00
10〜0.1000重量%範囲に限定したのは、0.0010重量%未
満では、その引張強さは純タングステンとほぼ同じにな
ってしまうからである。一方0.1000重量%を超えると、
カットワイヤが脆くなり、カットワイヤの製造時に、ク
ラックや断線が発生し、カットワイヤの製造歩留りの低
下をもたらすからである。
[実施例] (実施例1) CeO2をそれぞれ0.0010、0.0100、0.1000、1.0、1.5重
量%含有するタングステン合金線を以下の方法で作製し
た。
市販されている純度99.99%のタングステン粉末(平
均粒径3〜5μm)のCeO2粉末(平均粒径0.5〜1.0μ
m)を混合し、合金粉末を作製した。
次に、その合金粉末を、圧力約3ton/cm2金型プレスに
よって圧縮し、角棒状の粉末成形体を作製した。
さらに、その粉末成形体を約1200℃の水素ガス雰囲気
中で仮焼結した。
仮焼結した粉末成形体を約3000℃の水素ガス雰囲気中
で直接通電焼結してインゴットを作製した。
そのインゴットを転打、熱処理、転打、線引き、熱処
理、線引きを繰返し、線径50μmの電解処理が施された
タングステン合金線(黒鉛除去させた線)を作製した。
このようにして得られた各タングステン合金カットワ
イヤを用いて、次の試験および測定を行なった。
(1) 各温度における引張試験(第1表)。
引張スピードを0.1mm/分とした。
(2) 放電加工時の加工スピード、被加工物の面粗
さ、および断線回数の測定(第2表)。
(2)の測定は市販されているワイヤ放電加工機を使
用して行なわれた。
放電加工条件は第3表の通りである。
なお、比較のため、CeO2を1.5重量%含有するタング
ステン合金カットワイヤおよび、市販されている純タン
グステンカットワイヤを用いて、上記(1)(2)の試
験および測定を行なった。
その結果は第1表および第2表に示されている。引張
試験の結果は第1図にも示されている。
第1表によれば、タングステンにCeO2を0.0010重量%
以上含有させれば、各温度における引張強さが、CeO2
含有量が多くなるほど増加することがわかる。
第2表によれば、タングステンにCeO2を0.0010重量%
以上含有させれば、放電加工時の加工スピード、被加工
物の面粗さはCeO2の含有量が多くなるほど、それぞれ増
加、減少することがわかる。
断線回数についてはタングステンにおけるCeO2含有量
が0.0010重量%〜1.0重量%の範囲を外れると、著しく
増加することがわかる。
(実施例2) 上記実施例1と同じ方法を用いて、La2O3とY2O3とCeO
2とを合計でそれぞれ0.0010、0.0100、0.1000、1.0、1.
5重量%含有するタングステン合金カットワイヤを作製
した。
このようにして得られた各カットワイヤについて、各
温度における引張試験(第4表)、放電加工時の加工ス
ピード・被加工物の面粗さ・断線回数(第5表)の測定
を実施例1と同じ条件で行なった。
比較のため、La2O3とY2O3とCeO2を合計1.5重量%含有
させたタングステン合金カットワイヤおよび、市販され
ている純タングステンカットワイヤについても同様の試
験および測定を行なった。
その結果は第4表および第5表に示されている。
なお、La2O3、Y2O3、CeO2それぞれの含有重量%は第
6表に示されている。
第4表によれば、タングステンにLa2O3とY2O3とCeO2
とを合計で0.0010重量%以上含有させれば、各温度にお
ける引張強さが、La2O3とY2O3とCeO2の合計含有量が多
くなるほど、増加することがわかる。
第5表によれば、タングステンにLa2O3とY2O3とCeO2
とを合計で0.0010重量%以上含有させれば、放電加工時
の加工スピード、被加工物の面粗さは、La2O3とY2O3とC
eO2の合計含有量が多くなるほど、それぞれ、増加、減
少することがわかる。
断線回数については、タングステンにおけるLa2O3とY
2O3とCeO2の合計含有量が0.0010重量%〜1.0重量%の間
を外れると、著しく増加することがわかる。
なお他の組合わせで試験を行なっても、第4表、第5
表と同じ結果を得た。
(実施例3) CeO2が0.0100、Kが0.0070、Alが0.0020、Siが0.0010
重量%含有するタングステン合金カットワイヤを以下の
方法で作製した。
タングステン塩類の1種であるA・P・T(アンモニ
ウム・パラ・タングステイト)を水素還元し、WO2.72
Blue Oxideを作った。
次に、このBlue Oxideに、K2OとSiO2の混合溶液(オ
ーカシール)、塩化アルミ水溶液および塩化セリウム水
溶液をそれぞれドープした後、乾燥させた。
これを水素還元しドープ剤入りタングステン粉末を作
製した。
このタングステン粉末を実施例1と同じ方法で、線径
50μmの電解処理が施されたタングステン合金カットワ
イヤを作製した。
このようにして得られたカットワイヤについて、各温
度における引張試験(第7表)、放電加工時の加工スピ
ード・被加工物の面粗さ・断線回数(第8表)の測定を
実施例1と同じ条件で行なった。
その結果は第7表および第8表に示される。引張試験
の結果は第2図にも示されている。
第7表と第1表を見ると、CeO2が単独で0.0100重量%
に比べ、CeO20.0100重量%にさらに、K、Al、Siを加え
た方が、引張強さが約1.3倍向上することがわかる。
なお、第8表と第2表に示すように、放電加工時の加
工スピード、被加工物の面粗さ、断線回数については、
CeO2が単独で0.0100重量%とCeO20.0100重量%にさらに
K、Al、Siを加えた場合とでは変わらないことがわか
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の引張試験結果を表わすグラフであ
る。 第2図は、実施例3の引張試験結果を表わすグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 博 東京都葛飾区青戸6丁目40番1号 東京 タングステン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−71349(JP,A) 特開 昭63−195242(JP,A) 特開 昭50−76693(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純タングステンに、Y、La、Ce、Pr、Nd、
    Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luおよびそ
    れら各々の酸化物を含む群から選ばれた1種以上を少な
    くとも0.0010〜1.0重量%添加した材料からなる、ワイ
    ヤ放電加工用電極線。
  2. 【請求項2】前記材料は、K、Si、Al、およびそれら各
    々の酸化物を含む群から選ばれた1種以上を0.0010〜0.
    1000重量%、さらに含む、請求項1に記載のワイヤ放電
    加工用電極線。
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