JP2607118B2 - 球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法 - Google Patents

球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法

Info

Publication number
JP2607118B2
JP2607118B2 JP63094598A JP9459888A JP2607118B2 JP 2607118 B2 JP2607118 B2 JP 2607118B2 JP 63094598 A JP63094598 A JP 63094598A JP 9459888 A JP9459888 A JP 9459888A JP 2607118 B2 JP2607118 B2 JP 2607118B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spherical
silicic acid
particle size
organic silicic
alkali
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63094598A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01266136A (ja
Inventor
清吉 田部井
邦明 前島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP63094598A priority Critical patent/JP2607118B2/ja
Publication of JPH01266136A publication Critical patent/JPH01266136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2607118B2 publication Critical patent/JP2607118B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造
法に関するものである。
更に言えば、無機質焼結材料、プラスチック用フィラ
ー、コーティング剤、光拡散剤、固体潤滑剤や、各種ポ
リマーの添加剤、消泡剤、化粧品、インキ、グリース、
ペイントなどの疎水性利用分野、炭化珪素、窒化珪素、
Si−Al−O−N系化合物などの原料として好適な材料と
なる上記球状の有機珪酸ならびにシリカ粉末の製造法に
関するものである。
[従来の技術] 従来、特開昭53−86897号公報、特開昭54−5057号公
報、特開昭61−16925号公報には、アルキルトリクロル
シランを加水分解し、塩素を除去した後、アルカリ金属
水酸化物水溶液に溶解して得られるアルキルシリコネー
ト水溶液を、カチオン交換でアルカリ金属を除去するこ
とによりアルキル珪酸コロイド液を得る方法が記憶され
ている。
又、球状シリカを得る方法としては、エチルシリケー
トのアルコール希釈液を少量の水と触媒としてのアンモ
ニアによって加水分解して球状シリカを得る方法がダヴ
リュ・ストーバー(W.STOBER)らの方法としてジャーナ
ル コロイド インターフェイス サイエンス(J.COLL
OID,INTERFASESCI.)26巻、62〜69頁(1967年)に記載
されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記特開昭53−86897号公報等に記載
されている方法は、目的とする物質が、アルキル珪酸コ
ロイド液であり、球状粒子又はその粉末を得る試みはな
されていない。
又、ストーバーらの方法は、エチルシリケートをアル
コールで希釈するために大量のアルコールを必要とし、
またエチルシリケートも比較的高価であるため得られる
球状シリカは高価となる。
一方、水ガラスを原料として製造されたコロイダルシ
リカは約8〜100mμの粒径のものが一般に市販されてい
るが、一次粒径の大きなものを得るためにはその製造に
長時間を要したり、また高圧下で重合を進めなくてはな
らないため高価となる。特に、0.1μ以上の粒径のシリ
カは高価である。更にこのシリカは製造上不純物を多く
含むため用途が限定される。
本発明は、この様な従来技術に鑑みて鋭意研究を行っ
た結果完成されたものであり、形状が球形で、粒径が0.
1〜10μと大きく、かつ均一な粒径の球状有機珪酸なら
びに球状シリカ粉末の製造法を提供することを目的とす
るものである。
[課題を解決するための手段]および[作用] 即ち、本発明の第一の発明は、 (イ)一般式RSiO1.5−n/2(OH)(式中、0≦n≦
1、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2
〜4のアルケニル基又はフェニル基を示す)で表わされ
る有機珪酸のアルカリ塩水溶液をイオン交換して、実質
的にアルカリ成分を含まない溶液を調製する工程、 (ロ)(イ)の溶液に多価金属を含まないアルカリを添
加しpH7〜11に調整した後、重合の中期段階以前に加熱
操作を加えることなく熟成して球状有機珪酸のスラリー
を得る工程、 (ハ)(ロ)により得られた球状有機珪酸のスラリーを
濾過、洗浄及び乾燥する工程 からなることを特徴とする粒径が0.1〜10μの球状有機
珪酸の製造法である。
また、第二の発明は、 (イ)一般式RSiO1.5−n/2(OH)(式中、0≦n≦
1、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数2
〜4のアルケニル基又はフェニル基を示す)で表わされ
る有機珪酸のアルカリ塩水溶液をイオン交換して、実質
的にアルカリ成分を含まない溶液を調製する工程、 (ロ)(イ)の溶液に多価金属を含まないアルカリを添
加しpH7〜11に調整した後、重合の中期段階以前に加熱
操作を加えることなく熟成して球状有機珪酸のスラリー
を得る工程、 (ハ)(ロ)により得られた球状有機珪酸のスラリーを
濾過、洗浄及び乾燥し球状有機珪酸を得る工程 (ニ)(ハ)により得られた球状有機珪酸を加熱分解す
る工程 からなることを特徴とする粒径が0.1〜10μの球状シリ
カ粉末の製造法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の発明で得られる球状有機珪酸は、下記
の一般式(I) RSiO1.5−n/2(OH) ……(I) で表わされる有機珪酸化合物からなり、式中Rはメチル
基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチル基,イソプロピ
ル基,イソブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル
基、ビニル基,1−プロペニル基,アリル基,イソプロペ
ニル基,1−ブテニル基,2−ブテニル基等の炭素原子数2
〜4のアルケニル基またはフェニル基を示す。nは0≦
n≦1である。また。球状有機珪酸は高純度で、その中
に含有されている不純物は極めて少なく、具体的にはイ
グニッション ロス(ignition loss:強熱減量)を除い
たアルカリ分を主体とする不純物の含有量は0.1重量%
以下である。
また、本発明の球状有機珪酸は、粒径が0.1〜10μ、
好ましくは0.2〜2μである実質的に球形の粒子からな
るものである。
一般に、コロイドとなるか否かの粒径の境界が約0.1
μとされているが、本発明の球状有機珪酸は、コロイド
ではないことから粒径0.1μ以上の粒子である。したが
って、粒径が0.1μ未満ではコロイドとなり、また粒径
が10μを越えると製造上の問題として反応に長時間かか
り、経済的でないばかりでなく、粒径を均一にすること
が困難となる。
本発明において、粒径とは電子顕微鏡写真観察による
測定法で評価したときの平均粒径を言う。
また、本発明で得られる球状有機珪酸は粒径が均一で
あることに特徴がある。即ち、本発明で得られる球状有
機珪酸は、その粒度分布が平均粒径の±0.3μ以内の範
囲にあるものが90%以上含有されている均一な粒径から
なるものである。
更に、本発明で得られる球状有機珪酸のもう1つの特
徴は形状が球形であることである。
球状であることは、第1図,第2図および第4図に示
す様な電子顕微鏡写真により確認することができ、その
形状係数は1〜1.3程度である。但し、形状係数は最長
径と最短径との比率の値を意味する。
本発明で得られる球状有機珪酸は粉末、或いは通常の
水性スラリーとすることができるが、溶解しないもので
あれば有機系の溶媒を用いたスラリーでも差支えない。
又、粉末とは、通常の粉末のことであり、乾燥するこ
とによって得られるものである。
次に、上記の球状有機珪酸は以下の一連の工程によっ
て、製造することができる。
即ち、先ず(イ)の工程で前記一般式(I)で表わさ
れる球状有機珪酸のアルカリ塩水溶液をイオン交換し
て、実質的にアルカリ成分を含まない溶液を調整する。
(イ)の工程における出発原料は、例えば、RSiCl
3(式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原
子数2〜4のアルケニル基又はフェニル基を示す)で表
わされるトリクロロシランを加水分解して脱塩酸したも
のが挙げられる。
次に、前記有機珪酸をアルカリ塩水溶液に溶解して有
機珪酸のアルカリ塩水溶液を得る。前記有機珪酸をアル
カリ水溶液に溶解する方法は公知のいかなる方法で行っ
てもよい。この時のアルカリとしては、Na,K,Li等のア
ルカリ金属の水酸化物、4級アンモニウム水酸化物、ア
ミン類等が使用でき、それ等の中でNaOHが安価で使用し
易い。次いで、上記有機珪酸のアリカリ塩水溶液は水で
希釈し、濃度を調節する。この時の濃度は原料の有機珪
酸の置換基Rの種類により多少異なるが、通常0.1〜1.0
M/、好ましくは0.2〜0.5M/の範囲である。この理由
は、0.1M/未満では固形分濃度が低すぎて経済的でな
く、又、1.0M/を越えるとイオン交換中にゲル化を起
こし好ましくないからである。
この様にして調製された溶液は、予めH+型にされたカ
チオンイオン交換樹脂カラム中を流下せしめて、イオン
交換してアルカリカチオンを除去する。この場合、イオ
ン交換樹脂に限定するものではなくイオン交換膜等他の
いかなるイオン交換方法であってもかまわない。
次いで、必要に応じてOH-型としたアニオンイオン交
換樹脂カラムに流下させて不純物のアニオンを除去する
工程を加えることもできる。アニオンの存在は粒径の均
一性に影響を与えるので充分除去する必要がある。
このようにして、(イ)工程では前記一般式(I)で
表わされる低重合水溶液又は低重合微細コロイド液の酸
性の溶液が得られる。
この酸性液は、準安定ではあるが、経時変化は全くな
いわけではないので、(ロ)工程へ速やかに移行した方
が良い。
次に、(ロ)工程において、(イ)工程で得られた溶
液に多価金属を含まないアルカリを添加しpH7〜11に調
整した後、重合の中期段階以前に加熱操作を加えること
なく熟成し球状有機珪酸のスラリーを得る。
(ロ)工程における多価金属を含まないアルカリとし
ては、NH4OHやアミン、4級アンモニウム水酸化物が好
ましいが、NaOH等のアルカリ金属水酸化物でもよい。
アルミン酸ソーダ、珪酸ソーダ等の多価金属を含むア
ルカリは粒子核発生の原因となり、粒径が0.1μ以下の
コロイドを生成するので好ましくない。また、(イ)工
程のイオン交換前のメチルシリコネート水溶液等の有機
珪酸のアルカリ塩水溶液も粒子核発生原因としては同様
の理由で好ましくない。
また、アルカリを添加した液のpHは7〜11、好ましく
は7.5〜10.5の範囲が望ましい。その理由はpH7以上にお
いて、重合は急速に進行し球状有機珪酸粒子が形成され
るからである。特に、pH7未満では球状の粒子は得られ
ず、ゲル状に重合し、他方、pH11を越えると、粒子の形
状が球状でないものが増加して不揃いとなるためであ
る。更に、pHは粒径にも影響するが、pHが高い程粒径は
小さくなる傾向があり、ある程度のpHの範囲内に調整す
ることにより、任意の粒径をpHでコントロールすること
ができる。
また、(ロ)工程のアルカリを添加してpHを調整する
ときの温度は球状有機珪酸の粒径に影響する。即ち、温
度が高い程粒径は小さくなり不揃いとなるので、0℃〜
50℃の範囲が好ましい。
従って、液の温度を所定の温度にした後に、上記のpH
に調整することで、比較的正確に粒径のコントロールが
可能となる。即ち、pHと温度を選定することで、約0.1
〜10μの任意の粒径の球状有機珪酸粒子を製造すること
ができる。
また、(ロ)工程は、粒子の熟成を行うのであるが、
これに要する時間は室温でおおむね24時間以内であり、
この間撹拌を続けるのが良い。重合反応は重合の中期段
階以前では加熱操作を加えることなく室温で行い、低重
合分子の減少により徐々に反応速度が遅くなるので、重
合の完結のためには最終段階で、溶液を50〜100℃に加
熱するのが好ましい。この加熱操作は粒子中のOH基を減
らすことにもなり、粒子間結合を生じなくするのにも効
果がある。逆に重合の中期段階以前にこの加熱操作を加
えると粒子間結合が生じ好ましくない。
本発明は、有機珪酸の粒径を調製する方法として、次
の態様をとることができる。
(ロ)工程により製造された、球状有機珪酸のスラリ
ーに新たに(イ)工程で調製した溶液を加えて、従前の
球状有機珪酸の粒子の上に更に有機珪酸を成長させてよ
り大きな粒子とすることができる。
かくして、得られる球状有機珪酸のスラリーは(ハ)
工程で、常法により濾過、水洗後、水又は所望の有機溶
媒にて再分散させてスラリーとするか乾燥して球状有機
珪酸の粉末を得ることができる。尚、乾燥は静的な通常
の乾燥は勿論、スプレードライヤーやロータリードライ
ヤーによる動的乾燥であってもよい。
次に、第二の発明の球状シリカ粉末の製造法について
説明する。
本発明で得られる球状シリカ粉末は、前記一般式
(I)で表わされる球状有機珪酸の加熱分解生成物から
なり、0.1〜10μの粒径を有し、その粒度分布は平均粒
径の±0.3μ以内の範囲にあるものが90%以上含有され
ている均一な粒径からなるものである。また、形状は実
質的に形状で、その形状係数は1〜1.3程度である。
また、従来の球状シリカ粉末は不純物としてアルカリ
分が存在することが多いのに対して、本発明で得られる
球状シリカ粉末は有機珪酸を原料とすることによって不
純物の少ないものであり、具体的にはイグニッション
ロスを除いたアルカリ分を主体とする不純物の含有量は
0.1重量%以下である。
次に、上記の球状シリカ粉末は、前記(イ)〜(ハ)
の工程により得られた球状有機珪酸を原料として、これ
を(ニ)工程により加熱分解することにより球形の粒子
として得ることができる。
この(ニ)工程における加熱分解は、球状有機珪酸の
有機基の分解温度以上が少なくとも必要であるが、多く
の場合、440℃以上で、好ましくは440〜3000℃で行う。
この分解温度如何によって、球状粒子は、多孔質から緻
密な粒子まで調製することができる。
加熱方法は、静置式、ロータリーキルン方式、溶射法
等で行うことができる。
更に、本発明は、この加熱分解に係るシリカ粒子を火
炎溶融すれば、球状溶融シリカ粒子として得ることがで
きる。
[実施例] 以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明する。
○原料の調製 加水分解液として水4500gに水酸化ナトリウム380gを
溶解し、液温を60〜65℃に調製した溶液を用意し、撹拌
下にこの溶液に純度99.5%、沸点66.1℃のメチルトリク
ロルシラン320gを5時間かけて添加し、加水分解を行っ
た。次いで、80〜85℃に保ち30時間撹拌を続けた後、同
じ温度で50% H2SO4を約1時間かけて添加し、pH6とし
た。重合析出したメチル珪酸を濾過回収し、脱イオン水
5で水洗した。水洗したウェットケーキを容器に移
し、水500gを加え、撹拌し、NaON172gを加えて90℃に加
熱溶解させ、蒸発により水分を調節してメチル珪酸濃度
が約20%となるようにした。
この液を以下の実施例に使用した。
実施例1 前記の原料の水溶液20gに水180gを加えて混合した
後、予めH+型にしたカチオンイオン交換樹脂(オルガノ
社製、アンバーライトIR−120B)の入ったカラム中を流
下させpH3.0の低重合水溶液300gを回収した。これにア
ンモニア加えてpH9.0とした後、室温で24時間撹拌した
後、濾過、水洗して回収し、110℃で16時間乾燥して粉
末のメチル珪酸を得た。このメチル珪酸粒子の走査型電
子顕微鏡写真を第1図(5,000倍)および第2図(10,00
0倍)に示す。電子顕微鏡写真による測定では粒径0.9±
0.1μの球状粒子であり、この範囲外の粒径のものを実
質的に含んではいなかった。また、形状係数は約1であ
り、イグニッション ロスを除いたアルカリ分の不純物
の含有量は10ppmは以下であった。
比較例1 実施例1におけるアンモニアをアルミン酸ソーダにか
えた以外は同様の操作で24時間撹拌してメチル珪酸を製
造した。得られたメチル珪酸の透過型電子顕微鏡写真を
第3図(20万倍)に示す。粒径0.01μ以下のコロイド状
となり、粒径の大きな粒子は得られなかった。
実施例2 実施例1と同様の操作でpH3.0の低重合水溶液300gを
回収し、メチルトリエタノールアンモニウム水酸化物の
50%水溶液をpH9.1となるまで滴下し、室温で24時間撹
拌した後、90℃で30分加熱した。これを濾過、水洗後、
110℃で乾燥し粉末のメチル珪酸を得た。このメチル珪
酸粒子の走査型電子顕微鏡写真を第4図(10,000倍)に
示す。電子顕微鏡写真による測定では、粒径0.65±0.1
μの球状粒子であり、この範囲内の粒子が90%以上であ
った。また、形状係数は約1であり、イグニッション
ロスを除いたアルカリ分の不純物の含有量は10ppm以下
であった。
比較例2 実施例2と同様の操作でpH3.0の低重合水溶液をpH9.1
に調製した液を、10分間で100℃まで加熱し、30分保持
した後24時間放冷し、以下実施例2と同様にして粉末と
したものは、粒径約0.5μの球状の一次粒子が密に結合
した粒界のないものであった。(第5図の走査型電子顕
微鏡写真(10,000倍)参照) 実施例3 実施例1で得た粒径0.9±0.1μのメチル珪酸の球状粒
子を電気炉中で10℃/minで1000℃まで加熱したところ、
約440℃でメチル基の分解があり、1000℃までに吸着水
分、OH基の分解を含めて約15%の重量減少があった。放
冷後、回収及び粉砕したシリカ粉末の走査型電子顕微鏡
写真を第6図(5,000倍)および第7図(10,000倍)に
示す。得られたシリカ粉末は実質的にシリカのみからな
り、電子顕微鏡写真による測定では0.8±0.1μが95%以
上の球状粒子よりなり粒子間の結合は実質的に認められ
なかった。また、形状係数は約1であり、イグニッショ
ン ロスを除いたアルカリ分の不純物の含有量は20ppm
以下であった。
[発明の効果] 以上説明した様に、本発明で得られた球状有機珪酸お
よび球状シリカ粉末は形状が球形で、粒径が0.1〜10μ
で大きく、かつ均一な粒径からなるので、無機質焼結材
料、プラスチック用フィラー、コーティング剤、光拡散
剤、固体潤滑剤や、各種ポリマーの添加剤、消泡剤、化
粧品、インキ、グリース、ペイントなどの疎水性利用分
野、炭化珪素、窒化珪素、Si−Al−O−N系化合物など
の原料として好適な材料にすることが出来る。
即ち、本発明によれば、平均粒径0.1〜10μの範囲内
で任意の粒径に調整することができ、かつその平均粒子
径を±0.3μ未満の範囲のもの90%以上の均一な粒度分
布にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図は実施例1で得られた粒子の構造を示す
走査型電気顕微鏡写真、第3図は比較例1で得られた粒
子の構造を示す透過型電子顕微鏡写真、第4図は実施例
2,第5図は比較例2,第6図および第7図は実施例3で得
られた粒子の構造を示す各々の走査型電子顕微鏡写真で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)一般式RSiO1.5−n/2(OH)(式
    中、0≦n≦1、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、
    炭素原子数2〜4のアルケニル基又はフェニル基を示
    す)で表わされる有機珪酸のアルカリ塩水溶液をイオン
    交換して、実質的にアルカリ成分を含まない溶液を調製
    する工程、 (ロ)(イ)の溶液に多価金属を含まないアルカリを添
    加しpH7〜11に調整した後、重合の中期段階以前に加熱
    操作を加えることなく熟成して球状有機珪酸のスラリー
    を得る工程、 (ハ)(ロ)により得られた球状有機珪酸のスラリーを
    濾過、洗浄及び乾燥する工程 からなることを特徴とする粒径が0.1〜10μの球状有機
    珪酸の製造法。
  2. 【請求項2】(イ)一般式RSiO1.5−n/2(OH)(式
    中、0≦n≦1、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基、
    炭素原子数2〜4のアルケニル基又はフェニル基を示
    す)で表わされる有機珪酸のアルカリ塩水溶液をイオン
    交換して、実質的にアルカリ成分を含まない溶液を調製
    する工程、 (ロ)(イ)の溶液に多価金属を含まないアルカリを添
    加しpH7〜11に調整した後、重合の中期段階以前に加熱
    操作を加えることなく熟成して球状有機珪酸のスラリー
    を得る工程、 (ハ)(ロ)により得られた球状有機珪酸のスラリーを
    濾過、洗浄及び乾燥し球状有機珪酸を得る工程 (ニ)(ハ)により得られた球状有機珪酸を加熱分解す
    る工程 からなることを特徴とする粒径が0.1〜10μの球状シリ
    カ粉末の製造法。
JP63094598A 1988-04-19 1988-04-19 球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法 Expired - Fee Related JP2607118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63094598A JP2607118B2 (ja) 1988-04-19 1988-04-19 球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63094598A JP2607118B2 (ja) 1988-04-19 1988-04-19 球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01266136A JPH01266136A (ja) 1989-10-24
JP2607118B2 true JP2607118B2 (ja) 1997-05-07

Family

ID=14114705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63094598A Expired - Fee Related JP2607118B2 (ja) 1988-04-19 1988-04-19 球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2607118B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106178386B (zh) * 2016-07-06 2021-12-14 合盛硅业股份有限公司 一种有机硅渣浆的处理方法及处理装置
US20220153599A1 (en) * 2019-03-12 2022-05-19 Zhejiang Third Age Material Technology Co., Ltd. Method For Preparing Spherical Silica Powder Filler, And Resulting Spherical Silica Powder Filler And Application Thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6013813A (ja) * 1983-07-05 1985-01-24 Toshiba Silicone Co Ltd ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法
JPS6243424A (ja) * 1985-08-20 1987-02-25 Shin Etsu Chem Co Ltd シルセスキオキサン乳濁液の製造方法
JPS6377940A (ja) * 1986-09-19 1988-04-08 Toshiba Silicone Co Ltd 真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末およびその製造方法
JPH0618879B2 (ja) * 1988-02-26 1994-03-16 東芝シリコーン株式会社 ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01266136A (ja) 1989-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4410502A (en) Method for manufacture of silicon carbide
US5597512A (en) Method for preparing elongated-shaped silica sol
JP5334385B2 (ja) ポリシリケート粒子状材料の製造および使用
JP2803134B2 (ja) 細長い形状のシリカゾル及びその製造法
US5221497A (en) Elongated-shaped silica sol and method for preparing the same
US5230953A (en) Silica particles and process for producing the same
EP0335195B1 (en) Silica sol containing elongated-shaped particles and method for preparing the same
US5139980A (en) Method for production of inorganic oxide particles
JP5148971B2 (ja) 球状シリカ粒子およびその製造方法
JPS6374911A (ja) 微細球状シリカの製造法
KR20110139636A (ko) 실리카 입자의 제조 방법
EP0719237A1 (en) Process for forming large silica spheres by low temperature nucleation
EP0335175B1 (en) Method of making large particle size, high purity dense silica
JP3584485B2 (ja) シリカゾルの製造方法
JP2926915B2 (ja) 細長い形状のシリカゾル及びその製法
JP2607118B2 (ja) 球状有機珪酸および球状シリカ粉末の製造法
JP3362793B2 (ja) シリカゾルの製造方法
JPH06279589A (ja) 球状シリコーン微粒子の製造方法
US4774068A (en) Method for production of mullite of high purity
KR101595792B1 (ko) 졸겔법에 의한 크기-제어된 실리카-지르코니아 복합졸의 제조방법
JP3684585B2 (ja) メラミンシアヌレート顆粒およびその製造方法
JPH0371366B2 (ja)
JPH0217932A (ja) 改質無機質粒子及びその製法
JPH0764548B2 (ja) 単分散されたシリカ粒子の製造方法
KR102229815B1 (ko) 다공성 실리카의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees