JP2607097Y2 - クラッチカバー組立体 - Google Patents

クラッチカバー組立体

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JP2607097Y2
JP2607097Y2 JP1993052388U JP5238893U JP2607097Y2 JP 2607097 Y2 JP2607097 Y2 JP 2607097Y2 JP 1993052388 U JP1993052388 U JP 1993052388U JP 5238893 U JP5238893 U JP 5238893U JP 2607097 Y2 JP2607097 Y2 JP 2607097Y2
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英一 笹田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動車等の動力伝達系に
使用されるクラッチのクラッチカバー組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のクラッチカバー組立体として、
従来、図9に示すようなものが開発されている。
【0003】このクラッチカバー組立体は、フライホイ
ール1に結合されるクラッチカバー2に、プレッシャプ
レート3がストラッププレート(図示せず。)を介して
軸方向変位可能に取り付けられると共に、このプレッシ
ャプレート3をフライホイール1方向に付勢するダイヤ
フラムスプリング4がピボットリング5,5を介して取
り付けられている。ピボットリング5,5はダイヤフラ
ムスプリング4を揺動可能に支持する環状支点pを成
し、ダイヤフラムスプリング4は、この環状支点pの径
方向外側がプレッシャプレート3に当接するばね作用部
6、径方内側がレリーズベアリング(図示せず。)に係
合するレバー部7となっている。そして、この組立体の
場合、レリーズベアリングが後退した定常状態では、ダ
イヤフラムスプリング4がそのばね作用によってプレッ
シャプレート3をクラッチディスク8の摩擦材9に押し
付けており、この状態からレリーズベアリングが前進す
ると、レバー部7を通した荷重の入力によってダイヤフ
ラムスプリング4のばね作用部6が後退してプレッシャ
プレート3に対する押し付けを序々に解除するようにな
っている。
【0004】尚、この類似技術は、例えば特開昭57−
195922号公報等に示されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記従来のク
ラッチカバー組立体の場合、ダイヤフラムスプリング4
の環状支点p回りに作用する遠心力に起因したモーメン
トについて特別な配慮をしていないため、ダイヤフラム
スプリング4の荷重−変位特性がエンジンの回転速度に
よってばらつき、クラッチの操作荷重が不安定になり易
い。即ち、今、ダイヤフラムスプリング4のレバー部7
とばね作用部6の各重心G1,G2に夫々働く遠心力を
A,B、環状支点pから重心G1,G2までの各距離をr
1,r2とすると、環状支点pの回りには
【0006】
【数1】M=A・r1・sinθ−B・r2・sinθ (ただし、θはダイヤフラムスプリングの傾斜角を示
し、図中反時計回り方向をプラス方向とする。)のモー
メントが作用するが、遠心力A,Bは角速度に比例する
ため、エンジンの回転速度が変化すると、モーメントM
が変化し、操作荷重がこのモーメントMに応じて変化す
ることとなる。このため、例えば、レバー部側のモーメ
ントA・r1・sinθの絶対値がばね作用部側のモーメン
トB・r2・sinθの絶対値よりも大きい場合には、エン
ジンが高速回転になると、クラッチのオフ操作初期の操
作荷重(レリーズ荷重)が大きくなったり、オフ操作後
期にダイヤフラムスプリングの反転によって図10の鎖
線で示すように操作荷重が極端に小さくなったりして操
作フィーリングが悪化するといった不具合を生じる。
【0007】そこで本考案は、エンジンの回転速度が変
化してもクラッチの操作荷重が変動することのないよう
にして安定した操作フィーリングを得ることのできるク
ラッチカバー組立体を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は上述した課題を
解決するための手段として、フライホイールに取り付け
られるクラッチカバーと、このクラッチカバーに軸方向
変位可能に取り付けられてクラッチ接続時にフライホイ
ールと共にクラッチディスクを挾圧するプレッシャプレ
ートと、前記クラッチカバーに環状支点を中心に揺動可
能に取り付けられて、この環状支点の径方向外側のばね
作用部がプレッシャプレートに当接する一方で、環状支
点の径方向内側のレバー部がレリーズベアリングに連係
されるダイヤフラムスプリングとを備えたクラッチカバ
ー組付体において、遠心力に起因して環状支点回りに作
用するレバー部のモーメントと、ばね作用部のモーメン
トが常時釣り合う形状に前記ダイヤフラムスプリングを
形成した
【0009】
【作用】遠心力に起因して環状支点回りに作用するレバ
ー部のモーメントと、ばね作用部のモーメントが釣り合
うため、クラッチの操作荷重が遠心力に左右されること
がなくなる。
【0010】
【実施例】次に、本考案の一実施例を図1〜図5に基づ
いて説明する。尚、図9に示した従来のものと同一部分
には同一符号を用いるものとする。
【0011】図1,図2に示すように、このクラッチカ
バー組立体は、外周フランジ部10がフライホイール1
にボルト(図示せず。)によって結合されるクラッチカ
バー2と、このクラッチカバー2の内側にストラッププ
レート11を介して軸方向変位可能に取り付けられたプ
レッシャプレート3と、一対のピボットリング5,5を
介してクラッチカバー2のフック部12に揺動可能に取
り付けられ、外周縁部がプレッシャプレート3に当接す
る一方で内周縁部がレリーズベアリング(図示せず。)
に係合するダイヤフラムスプリング14とを備え、レリ
ーズベアリングが後退した定常状態でダイヤフラムスプ
リング14のばね作用によってプレッシャプレート3を
フライホイール1方向に付勢し、レリーズベアリングの
前進動作によってダイヤフラムスプリング14の外周縁
部を後退させるようになっている。尚、ピボットリング
5,5はダイヤフラムスプリング14に対する環状支点
pを成し、ダイヤフラムスプリング14は、この環状支
点pの径方向外側がプレッシャプレート3に対してばね
作用を為すばね作用部6、径方向内側がレリーズベアリ
ングの操作荷重をばね作用部6に伝達するレバー部7と
なっている。また、8は、プレッシャプレート3とフラ
イホイール1とに挾圧されるクラッチディスクを示す。
【0012】ここで、本考案にかかるクラッチカバー組
立体においては、遠心力に起因して環状支点p回りに作
用するレバー部7のモーメントと、ばね作用部6のモー
メントが釣り合うよう、ダイヤフラムスプリング14の
形状を設定することを特徴とするのであるが、この実施
例の場合、ダイヤフラムスプリング14の厚みや材質を
均一にし、しかも、局部的に特別な加工を施すことな
く、内径Ri、外径Ro、及び、環状支点pの径Lsを適
宜値に設定することによって前記両モーメントを釣り合
わせるようにしている。
【0013】ダイヤフラムスプリング14の内外径
i、Roと環状支点pの径Lsは、例えば、以下のよう
な考え方に基づいて選定する。
【0014】即ち、今、ダイヤフラムスプリング14の
レバー部7のスリット15や取付用の切欠部16を無視
し、図3のような複数の扇状片(扇角α°)が複数集ま
っていると考えると、レバー部7の重心G1とダイヤフ
ラムスプリング14の中心Oとの距離L1は、
【0015】
【数2】
【0016】で求められるが、ここで、扇角α°が理想
的に無限に小さいものと仮定すると、
【0017】
【数3】
【0018】となる。また、同様に、ばね作用部6の重
心G2と中心Oとの距離L2は、
【0019】
【数4】
【0020】となる。一方、環状支点pとレバー部7の
重心G1との距離r1は、r1=Ls 1 、環状支点pと
ばね作用部6の重心G2との距離r2は、r2=L2−Ls
で表すことができ、レバー部7の(全周での)総面積S
1は、S1=π(Ls 2−Ri 2)、ばね作用部6の(全周で
の)総面積S2は、S2=π(Ro 2−Ls 2)で表すことが
できる。
【0021】ここで、遠心力に起因して環状支点P回り
に作用するレバー部7のモーメントと、ばね作用部6の
モーメントが釣り合うならば、
【0022】
【数5】 m1・L1・ω2・r1=m2・L2・ω2・r2 (m1;レバー部7の質量、m2;ばね作用部6の質量、
ω;ダイヤフラムスプリング14の角速度)の式が成立
し、この式と、厚み及び材質(比重)が均一ならば質量
が面積に比例することから、
【0023】
【数6】 S1・L1・ω2・r1=S2・L2・ω2・r2 の式も成立する。この式のS1,S2,L1,L2,r1
2をRi、Ro及びLsによって表すと、
【0024】
【数7】
【0025】となり、さらにこの式を整理すると、
【0026】
【数8】
【0027】となる。
【0028】したがって、ダイヤフラムスプリング14
の内外径Ri,Roと環状支点pの径Lsは上式を満たす
ように設定すれば良い。具体的には、例えば、Ri=2
2mm、Ro=99mm、Ls=73mmのように設定すれば、
上式を満たし、遠心力に起因して環状支点p回りに作用
するレバー部7のモーメントと、ばね作用部6のモーメ
ントがほぼ釣り合うこととなる。
【0029】このクラッチカバー組立体は、以上のよう
にダイヤフラムスプリング14の形状を設定したため、
図4に示すようにダイヤフラムスプリング14が傾斜し
ても遠心力に起因した環状支点p回りのモーメントが実
質的に作用しないこととなり、クラッチの操作荷重が遠
心力によって、つまり、エンジンの回転速度によって影
響を受けなくなる。したがって、このクラッチカバー組
立体によれば、エンジンが高速回転になっても、クラッ
チのオフ操作初期の操作荷重(レリーズ荷重)が大きく
なったり、オフ操作後期にダイヤフラムスプリング14
の反転によって操作荷重極端に小さくなる等の不具合
が生じることがない(図5参照。)。尚、この考案の実
施例は以上で述べたものに限るものでなく、遠心力に起
因して環状支点p回りに作用するレバー部7のモーメン
トと、ばね作用部6のモーメントを釣り合わせるための
手段として、例えば、図6に示すようにレバー部6に肉
薄部17を設けたり、図7に示すように孔18を穿設し
たり、さらに、図8に示すようにレバー部7の一片の幅
を狭めるようにしても良い。
【0030】
【考案の効果】以上のように本考案は、遠心力に起因し
て環状支点回りに作用するレバー部のモーメントと、ば
ね作用部のモーメントが常時釣り合う形状にダイヤフラ
ムスプリングを形成し、環状支点回りに作用する遠心力
によるモーメントが全クラッチ操作域においてクラッチ
の操作荷重に何等影響を与えることのないようにしたた
め、エンジンの回転速度が変化してもクラッチの操作荷
重が変動しなくなり、その結果、常時安定した操作フィ
ーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す図2のA−A線に沿う
断面図。
【図2】同実施例を示す正面図。
【図3】同実施例を説明するための模式的な正面図。
【図4】同断面図。
【図5】本考案にかかるクラッチカバー組立体における
ダイヤフラムスプリングの荷重−変位特性を示すグラ
フ。
【図6】本考案の他の実施例を示す断面図。
【図7】同他の実施例を示す正面図。
【図8】同他の実施例を示す正面図。
【図9】従来の技術を示す断面図。
【図10】従来のクラッチカバー組立体におけるダイヤ
フラムスプリングの荷重−変位特性を示すグラフ。
【符号の説明】
1…フライホイール、 2…クラッチカバー、 3…プレッシャプレート、 6…ばね作用部、 7…レバー部、 8…クラッチディスク、 p…環状支点 14…ダイヤフラムスプリング。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライホイールに取り付けられるクラッ
    チカバーと、このクラッチカバーに軸方向変位可能に取
    り付けられてクラッチ接続時にフライホイールと共にク
    ラッチディスクを挾圧するプレッシャプレートと、前記
    クラッチカバーに環状支点を中心に揺動可能に取り付け
    られて、この環状支点の径方向外側のばね作用部がプレ
    ッシャプレートに当接する一方で、環状支点の径方向内
    側のレバー部がレリーズベアリングに連係されるダイヤ
    フラムスプリングとを備えたクラッチカバー組付体にお
    いて、遠心力に起因して環状支点回りに作用するレバー
    部のモーメントと、ばね作用部のモーメントが常時釣り
    合う形状に前記ダイヤフラムスプリングを形成したこと
    を特徴とするクラッチカバー組立体。
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