JP2606059Y2 - 画像表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ディスプレイ上の画像
データの表示位置を可変させることができる画像表示装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から図４（ａ）に示すように、ディ
スプレイ１と、ディスプレイ１上に表示されたメニュー
表示１ａ〜１ｃにそれぞれ対応した画面切換えスイッチ
２ａ〜２ｃとを備えた画像表示装置が知られている。図
５は、このような画像表示装置の制御ブロック図であ
る。

【０００３】図５にしたがって従来の画像表示装置の動
作を説明する。操作者がディスプレイ１に表示されたメ
ニュー表示１ａ〜１ｃに従って画面切換えスイッチ２ａ
〜２ｃのいずれかを押下すると、ＣＰＵ３はその画面切
換えスイッチ２ａ〜２ｃに対応する画像データを画像デ
ータ記憶部４から読みだし、映像信号作成部５に送出す
る。映像信号作成部５では、画像データ記憶部４からの
画像データをＣＰＵ３の指示に従って映像信号に変換
し、それをディスプレイ１に表示する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】このような従来例にお
いては、ディスプレイ１の設置箇所によって人間の目の
視差のために、画面切換えスイッチ２ａ〜２ｃの位置と
そのスイッチに対応するディスプレイ１上のメニュー表
示１ａ〜１ｃの位置とがみかけ上ずれるという問題があ
る。すなわち、図４（ｅ）のように、ディスプレイ１が
人間の目の位置よりも斜め下に置かれると、画面切換え
スイッチ２ａ〜２ｃの位置に対し、そのスイッチを示す
メニュー表示１ａ〜１ｃの位置が上にずれて見えるとい
う問題がある（図４（ｂ）参照）。このため、操作者は
それぞれの画面切換えスイッチ２ａ〜２ｃがどのメニュ
ー表示に対応するのかわかりづらくなり、スイッチを押
し間違えるおそれもあった。

【０００５】本考案の目的は、ディスプレイに表示され
る画像の表示位置を、ディスプレイの設置箇所に応じて
補正することができる画像表示装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】実施例を示す図１に対応
づけて本考案を説明すると、請求項１に記載の考案は、
画像を表示するディスプレイ１と、このディスプレイ１
に表示する画像データを生成する画像データ生成手段４
と、この画像データ生成手段４で生成された画像データ
をディスプレイ１に表示する制御を行なう画像データ制
御手段３とを備える車両内に搭載される画像表示装置に
適用され、外部から所定の設定をすることが可能であ
り、その設定された内容に基づきディスプレイ１の車両
内の設置箇所を特定するための信号を出力する設置箇所
特定手段１０と、この設置箇所特定手段１０からの信号
に基づいて画像データの表示位置を補正する表示位置補
正手段１１、１２とを備えることによって上記目的が達
成される。請求項２に記載の考案は、請求項１に記載の
画像表示装置において、設置箇所特定手段１０における
所定の設定とは、車両の種類を指定することであり、補
正データ１１は、車両の種類毎に決められたディスプレ
イ１の車両内の設置箇所に基づき設定された補正データ
１１であるとしたものである。請求項３に記載の考案
は、請求項１または２に記載の画像表示装置において、
画像データは、ディスプレイ１上の所定箇所に特定の情
報を表示する絵文字情報１ａ〜１ｃであり、この絵文字
情報を選択するスイッチ２ａ〜２ｃをそれぞれの絵文字
情報１ａ〜１ｃに対応して設けたものである。

【０００７】

【作用】画像データ生成手段４で生成された画像データ
の表示位置は、設置箇所特定手段１０で特定されたディ
スプレイ１の設置箇所の情報に基づいて、表示位置補正
手段１１、１２により補正される。このように補正され
た画像データは、ディスプレイ１上の適所に表示され
る。

【０００８】なお、本考案の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本考案を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本考案
が実施例に限定されるものではない。

【０００９】

【実施例】図１は本考案を車載用の画像表示装置に適用
した実施例の構成図である。なお、図５に示す従来例の
構成図と共通する部分については同一符号を付しており
その説明は省略する。１０は車種情報入力部であり、例
えば、ディップスイッチ等で構成され、ディスプレイ１
を設置する車種を入力する。なお、車種情報入力部１０
を設けたのは、車種によって一般にディスプレイ１の設
置箇所（運転者とディスプレイとの位置関係）が決まっ
ているためである。１１は補正データ記憶部であり、デ
ィスプレイ１に表示される画像データの表示位置を補正
するための値が車種ごとに格納されている。１２は画像
データ加工部であり、画像データ記憶部４に格納されて
いる画像データの表示位置を、補正データ記憶部１１の
補正値で補正して映像信号作成部５に送出する。３はＣ
ＰＵであり、図２のフローチャートにしたがって動作す
る。

【００１０】図２はＣＰＵ３の動作を示すフローチャー
トである。ステップＳ１では、ディスプレイ１を設置す
る車種を車種情報入力部１０から取り込む。ステップＳ
２では、車種に応じた補正値を補正データ記憶部１１か
ら読みだす。ステップＳ３では、画面切換えスイッチ２
ａ〜２ｃのうちどれが押されたかを検出する。ステップ
Ｓ４では、押下されたスイッチに対応する画像データを
画像データ記憶部４から読みだす。ステップＳ５では、
画像の表示位置を算出するため、画像データと補正デー
タを画像データ加工部１２に送出する。ステップＳ６で
は、画像データ加工部１２で補正した画像データを映像
信号に変換する制御を行なう。

【００１１】このようなフローチャートに基づいて、本
考案による画像表示装置は以下のようにして画像表示を
行なう。車種情報入力部１０に入力された車種情報に基
づいて、ＣＰＵ３は補正データ記憶部１１からその車種
についての補正データを読みだす。この補正データ記憶
部１１には、例えば、図３のようなデータが車種ごとに
格納されている。図３において、車種ＡはＸ座標の補正
値が０でＹ座標の補正値が−８であることを示す。な
お、図４に示す通り、ディスプレイ１の左右方向をＸ座
標、上下方向をＹ座標とする。

【００１２】ＣＰＵ３は、操作者が画面切換えスイッチ
２ａ〜２ｃのいずれかを押下すると、そのスイッチに対
応する画像データを画像データ記憶部４から読みだし、
それを画像データ加工部１２に送出する。画像データ加
工部１２では、画像データ記憶部４からのデータと補正
データ記憶部１１からの補正データとによって、画像デ
ータの表示位置を車種ごとに補正し、それを映像信号作
成部５で映像信号に変換してディスプレイ１に表示す
る。

【００１３】例えば、画像データ記憶部４から読みださ
れた画像データの位置座標が、Ｘ座標＝ａ、Ｙ座標＝ｂ
で、補正データ記憶部１１から読みだされた補正データ
の位置座標が、Ｘ座標＝０、Ｙ座標＝−８であるとする
と、画像データ加工部１２で算出された補正後の位置座
標は、Ｘ座標＝ａ、Ｙ座標＝ｂ−８となる。

【００１４】このように構成することで、例えば、ディ
スプレイ１の正面から見ると図４（ａ）のように見える
メニュー表示１ａ〜１ｃを表示させる場合に、ディスプ
レイ１が人間の目の位置に対して斜め下に置かれると、
従来は図４（ｂ）のようにディスプレイ１上のメニュー
表示１ａ〜１ｃの位置が上にずれているように見えた
が、本考案によれば、メニュー表示１ａ〜１ｃの位置を
下にずらして、すなわちディスプレイ１の正面から見る
と図４（ｃ）のようにずらすため、みかけ上図４（ｄ）
のように表示される。したがって、人間の目には画面切
り換えスイッチ２ａ〜２ｃとそのスイッチに対応するデ
ィスプレイ１上のメニュー表示１ａ〜１ｃの位置とのず
れがないように見える。

【００１５】上記実施例では車種ごとに画像の表示位置
を補正する例を示したが、一般に車種ごとに車内の内装
色が異なるため、その内装色と調和するような色にディ
スプレイ１上の画像データの色を可変させるようにして
もよい。すなわち、車種情報入力部１０からの車種情報
に基づいて、その車種の内装色に適した色を補正データ
記憶部１１から読みだし、画像データ記憶部４からの画
像データの表示色を可変させるようにしてもよい。ま
た、一つの車種にいくつかの内装色がある場合は、車種
情報入力部１０でそれぞれの内装色をディップスイッチ
等によって選択できるようにすることで、画像データの
表示色をそれぞれの内装色に最も調和するような色にす
ることができる。

【００１６】なお、上記実施例では、ディスプレイの脇
に画面切り換えスイッチを備えた場合について説明した
が、ディスプレイがタッチパネル方式になっている場合
でも、画面上に表示されるスイッチ位置と、そのスイッ
チを示すメニュー表示位置との間で視差が生じることが
あるが、上記実施例と同様にメニュー表示位置あるいは
スイッチ表示位置を補正することで、視差によるずれを
解消することができる。

【００１７】さらに、スイッチがなくて単にディスプレ
イに画像を表示させる場合でも、ディスプレイの置かれ
た場所によっては、ディスプレイの縁近くの画像が見づ
らくなることがあるが、本考案によれば、このような場
合でも画像の表示位置を補正することによって、画像を
見やすい位置にずらして表示することができる。

【００１８】このように構成した実施例にあっては、画
像データ記憶部４が画像データ生成手段に、ＣＰＵ３が
画像データ制御手段に、車種情報入力部１０が設置箇所
特定手段に、画像データ加工部１２が表示位置補正手段
に対応する。

【００１９】

【考案の効果】以上詳細に説明したように、本考案によ
れば、ディスプレイの設置箇所に応じて、ディスプレイ
に表示する画像表示位置を補正するようにしたため、人
間の視差によってみかけ上の表示位置がずれるという不
都合を解消することができる。したがって、例えば、デ
ィスプレイに表示されたメニュー表示によってそのディ
スプレイ脇の画面切換えスイッチを選択するような場
合、ディスプレイの設置箇所が変わっても、画面切換え
スイッチの位置とそのスイッチに対応するメニュー表示
位置とがみかけ上ずれなくなるため、視差によってスイ
ッチを押し間違えることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による画像表示装置の一実施例の構成図
である。

【図２】本実施例のＣＰＵの動作を示すフローチャート
である。

【図３】補正データ記憶部に格納されている車種ごとの
補正値を示す図である。

【図４】本実施例の作用効果を説明するフロントパネル
の図である。

【図５】画像表示装置の従来例の構成図である。

【符号の説明】

１ ディスプレイ ２ａ〜２ｃ 画面切換えスイッチ ３ ＣＰＵ ４ 画像データ記憶部 ５ 映像信号作成部 １０ 車種情報入力部 １１ 補正データ記憶部 １２ 画像データ加工部

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像を表示するディスプレイと、このデ
   ィスプレイに表示する画像データを生成する画像データ
   生成手段と、この画像データ生成手段で生成された画像
   データを前記ディスプレイに表示する制御を行なう画像
   データ制御手段とを備える車両内に搭載される画像表示
   装置において、外部から所定の設定をすることが可能であり、その設定
   された内容に基づき 前記ディスプレイの車両内の設置箇
   所を特定するための信号を出力する設置箇所特定手段
   と、 この設置箇所特定手段からの信号に基づいた補正データ
   により前記画像データの表示位置を補正する表示位置補
   正手段とを備えることを特徴とする画像表示装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の画像表示装置におい
   て、 前記設置箇所特定手段における所定の設定とは、車両の
   種類を指定することであり、 前記補正データは、車両の種類毎に決められた前記ディ
   スプレイの車両内の設置箇所に基づき設定された補正デ
   ータであることを特徴とする画像表示装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の画像表示装置
   において、前記画像データは、前記ディスプレイ中の所
   定箇所に特定の情報を表示する絵文字情報であり、この
   絵文字情報を選択するスイッチがそれぞれの絵文字情報
   に対応して設けられていることを特徴とする画像表示装
   置。