JP2604842Y2 - 自動車用ヘッドランプのエイミング機構 - Google Patents

自動車用ヘッドランプのエイミング機構

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JP2604842Y2
JP2604842Y2 JP1993057660U JP5766093U JP2604842Y2 JP 2604842 Y2 JP2604842 Y2 JP 2604842Y2 JP 1993057660 U JP1993057660 U JP 1993057660U JP 5766093 U JP5766093 U JP 5766093U JP 2604842 Y2 JP2604842 Y2 JP 2604842Y2
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靖史 大塚
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Koito Manufacturing Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車等のリフレクタ
ー可動タイプのヘッドランプのエイミング機構に関す
る。
【0002】
【従来技術】図6は、従来のリフレクター可動タイプの
自動車用ヘッドランプのエイミング機構を説明する図
で、光源であるバルブ(図示せず)の装着されたリフレ
クター2は、ランプボディ5内において、図示しない傾
動支点と、ランプボディ5に回転可能に支承されたエイ
ミングスクリュー1とによって支持されている。エイミ
ングスクリュー1の先端部には雄ねじ1aが形成されて
おり、この雄ねじ1aがリフレクター2側のブラケット
2aに固定されたナット4に螺合している。そしてエイ
ミングスクリュー1を回動すると、ナット4が雄ねじ1
aに沿って前後に進退してリフレクター2が前後に移動
するため、図示しない傾動支点まわりにリフレクター2
が傾動してエイミング調整できるようになっている。
【0003】エイミングスクリュー1の後端部には、傘
歯車6がカシメ等によって一体化されており、エイミン
グスクリュー1と略直交する方向、例えばヘッドランプ
の上方からプラスドライバー9を延ばし、傘歯車の歯6
aにドライバー先端部に形成されている歯9aを噛合さ
せ、ドライバー9を回動させることによりエイミングス
クリュー1を回動させることができる。なお、ランプボ
ディ5の背面には、ドライバー9の側面をガイドするガ
イド部材7が設けられており、ドライバー9をこのガイ
ド部材7に当接する状態とすると、ドライバーの歯9a
がちょうど歯車6の歯6aと噛み合う状態となる。
【0004】
【考案の解決しようとする課題】しかし、前記した従来
技術では、図7に示すように、ドライバーの歯9aが傘
歯車の歯6aに噛合うと、ドライバーの先端部9bがエ
イミングスクリューの軸部1aに当たった状態となり、
ドライバー9を回動する時に、ドライバー先端部9bの
スクリュー軸部1aとの当接部に生じる摩擦力が歯車6
を回動するための抵抗として作用し、スムーズに回動操
作できないという問題があった。即ち、ドライバー先端
部9bのスクリュー軸部1aとの当接部には、ドライバ
ー先端部9bがスクリュー軸部1aに対し摺動すること
で生じる摺動摩擦抵抗と、ドライバー9の回動によりエ
イミングスクリューの軸部1aがドライバーの先端部9
bに対し摺動することで生じる摺動摩擦抵抗の2つの摩
擦抵抗が発生し、この2つの摩擦抵抗がドライバーの回
動を阻止する負荷として作用する。
【0005】本考案は、前記従来技術の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、ドライバーに作用する回動
負荷を軽減することで、エイミングスクリューをスムー
ズに回動できる自動車用ヘッドランプのエイミング機構
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するた
めに、本考案に係る自動車用ヘッドランプのエイミング
機構においては、ランプボディ内に設けられた光源の装
着されたリフレクターを傾動調整するエイミングスクリ
ューが、ランプボディを前後に貫通しランプボディ貫通
部において回転可能に支承されるとともに、エイミング
スクリューのランプボディ背面側突出部には、エイミン
グスクリューに一体化されて、ランプボディ側に歯を向
けた傘歯車が設けられており、エイミングスクリューと
略直交する方向から先端部を傘歯車に噛合わせたドライ
バーによりエイミングスクリューを回動操作する自動車
用ヘッドランプのエイミング機構において、ランプボデ
ィに形成されているエイミングスクリュー貫通孔のラン
プボディ背面側周縁部には、ランプボディに一体に形成
されて傘歯車側に延出し、傘歯車と噛合うドライバーの
先端部を担持する円筒状のドライバー支持部を設け、前
記ドライバ支持部の上側面に平坦なドライバー先端部当
接面を設けるようにしたものである。
【0007】
【作用】ドライバーを回動させてエイミングスクリュー
を回動操作する時に、ドライバー先端部は、ランプボデ
ィから延出するドライバー支持部に担持されているた
め、ドライバー先端部とドライバー支持部との当接部に
は、ドライバー先端部がドライバー支持部に対し摺動す
る際に摺動摩擦抵抗が生じ、これがドライバーの回動を
阻止する負荷として作用するが、この摺動摩擦抵抗は、
従来構造であるドライバー先端部がエイミングスクリュ
ーに当接し、ドライバーの回動によりこの当接部におい
て生じる摺動摩擦抵抗(ドライバー先端部のエイミング
スクリューに対する摺動による摺動摩擦抵抗およびエイ
ミングスクリューのドライバー先端部に対する摺動によ
る摺動摩擦抵抗)より小さい。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1〜図5は本考案の一実施例を示し、図
1は自動車用ヘッドランプのエイミング機構の縦断面
図、図2は同エイミング機構におけるエイミングスクリ
ュー支承部の拡大断面図、図3は同エイミングスクリュ
ー支承部の拡大斜視図、図4は同エイミングスクリュー
支承部の拡大正面図、図5は同エイミングスクリュー支
承部の拡大平面図である。
【0009】これらの図において、符号10は容器状の
合成樹脂製ランプボディで、ランプボディ10の前面開
口部には前面レンズ11が組付けられて灯室空間が形成
され、この灯室空間内に光源であるバルブ(図示せず)
が装着された放物面形状のリフレクター20が収容配置
されている。リフレクター20は、ランプボディ10に
形成されたスクリュー挿通孔10aを前後に貫通し、ス
クリュー挿通孔10aにおいて回転可能に支承された金
属製のエイミングスクリュー30と、スクリュー30と
同一構造の他のエイミングスクリュー(図示せず)と、
図示しない傾動支点を構成する玉継手との3点によって
傾動可能に支持されている。リフレクター20の背面に
延出形成されたブラケット20aには、合成樹脂製ナッ
ト20bが嵌着されており、エイミングスクリュー30
の先端部に形成された雄ねじ部31がこのナット20b
に螺合している。そして、スクリュー30を回動する
と、ナット20bが雄ねじ部31に沿って前後に進退し
てリフレクター側ブラケット20aが前後に移動し、リ
フレクター20が傾動支点(玉継手)周りに傾動してエ
イミング調整できる。
【0010】金属製エイミングスクリュー30のランプ
ボディ10の背面側に突出する部位には、プラスドライ
バー50の歯51と噛合う傘歯車40が一体に設けられ
ている。即ち、エイミングスクリュー30と傘歯車40
は、1本の金属製の棒材がヘッダによって塑性加工され
ることによって一体に成形されたもので、高強度で耐久
性に優れている。傘歯車40は、その歯41がランプボ
ディ10の背面に向いた形態に形成されており、ヘッド
ランプの上方から延ばす等してエイミングスクリュー3
0と直交状態とされたプラスドライバー50の歯51と
噛合可能となっている。
【0011】ランプボディ10のスクリュー挿通孔10
aの背面側周縁部には、ランプボディ10に一体に形成
された円筒形状のドライバー支持部15が後方に延出し
ている。ドライバー支持部15の傘歯車側開口内周縁部
には、環状の凹部16が形成されて、この凹部16にス
クリュー挿通孔10aをシールするOリング70が装填
されている。傘歯車40の歯41は、図2に示されるよ
うに、円盤状の傘歯車本体の外周縁部にのみ形成され
て、内周縁側には平滑面42が形成されており、ランプ
ボディ10の内側においてプッシュオンフィックス60
によって前方にばね付勢されたエイミングスクリュー3
0は、傘歯車40の平滑面42がOリング70を圧縮す
るとともに、ドライバー支持部15の延出端面15aに
摺接することで、軸方向に位置決めされるとともに、ス
クリュー挿通孔10aにおけるスムーズな回動が確保さ
れている。このため従来構造において、エイミングスク
リューに設けることが不可欠であったフランジ部8(図
6参照)が不要とされて、それだけエイミングスクリュ
ーの構造が簡潔かつコストも安価となっている。さらに
フランジ部が不要であるため、エイミングスクリュー3
0の後方への突出量もそれだけ小さくてよく、それだけ
車体側のヘッドランプ収容スペースをコンパクトなもの
にできる。なお、傘歯車40の後部には、ソケットレン
チが係合できる六角形のボルトヘッド40bが一体に形
成されている。
【0012】またドライバー支持部15の周りには、ラ
ンプボディ10に一体に形成されて、傘歯車40を包囲
する左右一対の円弧形状の立壁17,17が設けられて
おり、コード類等が傘歯車40の歯41に巻き込まれる
のを防止している。符号17aはドライバー支持部15
から立壁17にかけて放射状に延びる補強リブである。
対向する立壁17,17の上部には、垂直に延びる円筒
形状の内周面18aとドライバー支持部15上側面に形
成された平坦なドライバー先端部当接面18bとをもつ
ドライバー係合部18が形成されており、当接面18b
にドライバー先端部52を当接させて傘歯車40の歯4
1と噛み合った状態のドライバー50は、その側面を円
筒形状内周面18aにガイドされることで、らつくこ
となく回動操作することができる。またこのドライバー
係合部18の上部には、左右に拡開するドライバー導入
部19,19が形成されており、上方から挿しれたド
ライバー50はこの導入部19,19に沿って滑動して
ドライバー係合部18に導かれるようになっている。な
お符号17bは、立壁17,17の下部に設けられてい
る水抜き用の開口部である。
【0013】 ドライバー係合部18に挿しれたドラ
イバー50は、先端部52がドライバー支持部15の平
坦なドライバー先端部当接面18bに当接するととも
に、側面が円筒形状内周面18aにガイドされて、歯5
1が傘歯車40の歯41と噛合う状態に保持される。そ
してこの状態でドライバー50を回動すると、ドライバ
ー先端部52がドライバー先端部当接面18b(ドライ
バー支持部15)に当接した状態のまま回動し、ドライ
バーの歯51と噛合う歯41をもつ傘歯車40が回動す
る(エイミングスクリュー30が回動する)。このと
き、ドライバー50には、先端部52のドライバー先端
部当接面18b(ドライバー支持部15)に対する摺動
により発生する摺動摩擦抵抗がドライバー50の回動を
阻止する負荷として作用するが、この負荷は、従来構造
のエイミング機構におけるドライバー先端部9b(図7
参照)において作用する負荷となる摺動摩擦抵抗に比べ
て小さく、それだけスムーズなドライバーの回動操作、
即ちエイミングスクリューの回動操作ができる。
【0014】
【考案の効果】以上の説明から明かなように、本考案に
係る自動車用ヘッドランプのエイミング機構において
は、傘歯車を回動操作するためのドライバーの先端部
は、ランプボディから延出するドライバー支持部に担持
されて、従来構造の様にエイミングスクリューに直接当
接していないので、ドライバーを回動操作することによ
りドライバー先端部に作用する回動負荷は従来構造に比
べて小さく、それだけ軽快なタッチでドライバーを回動
でき、これによってスムーズにエイミングスクリューを
回動操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である自動車用ヘッドランプ
のエイミング機構の縦断面図
【図2】同エイミング機構におけるエイミングスクリュ
ー支承部の拡大断面図
【図3】同エイミングスクリュー支承部の拡大斜視図
【図4】同エイミングスクリュー支承部の拡大正面図
【図5】同エイミングスクリュー支承部の拡大平面図
【図6】従来のヘッドランプのエイミング機構の断面図
【図7】同エイミング機構の要部拡大断面図
【符号の説明】
10 合成樹脂製ランプボディ 10a スクリュー挿通孔(スクリュー貫通孔) 15 ドライバー先端部を担持するドライバー支持部 18b ドライバー先端部当接面 20 リフレクター 30 エイミングスクリュー 40 傘歯車 41 傘歯車の歯 50 プラスドライバー 51 ドライバーの歯 52 ドライバー先端部
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−151801(JP,U) 実開 平5−48107(JP,U) 実開 平5−68011(JP,U) 実開 昭58−186502(JP,U) 実開 昭59−16022(JP,U) 実開 昭61−42003(JP,U) 実開 昭60−129004(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21S 8/10 B60Q 1/06 F21V 14/04

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランプボディ内に設けられた光源の装着
    されたリフレクターを傾動調整するエイミングスクリュ
    ーが、ランプボディを前後に貫通しランプボディ貫通部
    において回転可能に支承されるとともに、エイミングス
    クリューのランプボディ背面側突出部には、エイミング
    スクリューに一体化されて、ランプボディ側に歯を向け
    た傘歯車が設けられており、エイミングスクリューと略
    直交する方向から先端部を傘歯車に噛合わせたドライバ
    ーによりエイミングスクリューを回動操作する自動車用
    ヘッドランプのエイミング機構において、ランプボディ
    に形成されているエイミングスクリュー貫通孔のランプ
    ボディ背面側周縁部には、ランプボディに一体に形成さ
    れて傘歯車側に延出し、傘歯車と噛合うドライバーの先
    端部を担持する円筒状のドライバー支持部が設けられ
    前記ドライバ支持部の上側面には、平坦なドライバー先
    端部当接面が設けられたことを特徴とする自動車用ヘッ
    ドランプのエイミング機構。
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