JP2604823B2 - 半導電性樹脂組成物 - Google Patents

半導電性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電力ケーブルの半導電層、帯電防止シー
ト、電磁遮蔽シートなどに用いられる半導電性樹脂組成
物に関する。
〔従来の技術〕
半導電性樹脂組成物としては、従来よりポリエチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチル
アクリレート共重合体、エチレン・プロピレンゴムなど
のベースポリマーにカーボンブラックを添加、混練した
ものが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの半導電性樹脂組成物にあって
は、十分な導電性を付与するためには、多量のカーボン
ブラックを配合する必要がある。例えば、105〜106Ω−
cm程度以下の導電性を付与するにはファーネス系カーボ
ンブラックではベースポリマー100重量部に対して30〜4
0重量部以上を配合せねばらない。
しかし、多量のカーボンブラックを配合すると、樹脂
組成物の溶融粘度が上昇し、押出加工性が低下する。ま
た、透明性が要求されるような帯電防止フィルムでは、
透明度を与えることができない欠点がある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明では、ベースポリマーとして4−メチルペン
テン−1・α−オレフィン共重合体を用いることによ
り、少量のカーボンブラックの配合で高い導電性が得ら
れるようにした。
以下、詳細に説明する。
この発明の半導電性樹脂組成物は、ベースポリマーと
して4−メチルペンテン−1・α−オレフィン共重合体
を用い、これにカーボンブラックを配合してなるもので
ある。
ここで用いられる4−メチルペンテン−1・α−オレ
フィン共重合体は、4−メチルペンテン−1とエチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1などのα−オレフィンとの共重合体であって、α−
オレフィンの共重合割合は、3〜50重量%のものが好適
に使用しうる。α−オレフィンが3重量%未満になると
ベースポリマーとしての可撓性が乏しくなり、また50重
量%を越えると導電性付与効果が小さくなる。このよう
な4−メチルペンテン−1・α−オレフィン共重合体を
ベースポリマーとし、これにカーボンブラックを添加す
ると、少量のカーボンブラックの添加でも高い導電性を
有する樹脂組成物が得られる。
ここでのカーボンブラックとしては、特に限定される
ことはなく、アセチレンカーボンブラック、ファーネス
カーボンブラック、ライオンアクゾ社製のケッチェンカ
ーボンブラックEC、チャンネルカーボンブラックなどが
用いられ、特にケッチェンカーボンブラックが、導電性
付与効果が大きく好ましい。カーボンブラックの添加量
は、要求される導電性によって適宜決められるが、従来
のエチレン−酢酸ビニル共重合体などのベースポリマー
にカーボンブラックを添加する場合に比べて、1/2〜1/1
0程度の添加量で同等の導電性を得ることができ、ベー
スポリマー100重量部に対して通常2〜5重量部で半導
電性を得ることができる。
この発明の半導電性樹脂組成物には、これに必要に応
じて酸化防止剤、充填剤、加工助剤などの添加剤を適宜
添加することができ、また化学架橋、電子線架橋などに
よって架橋状態として用いることもできる。勿論、他の
樹脂をこれにブレンドしてもよい。
〔実施例〕
4−メチルペンテン−1・α−オレフィン共重合体
(三井石油化学製、商品名 TPX−R、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(酢酸ビニル量28重量%)、ポリエチレ
ンのそれぞれ100重量部に、下記のカーボンブラックを
種々の添加量で添加、混練し、組成物を得た。
・アセチレンカーボンブラック(「デンカブラック」電
気化学工業製) ・ファーネスカーボンブラック(「バルカンXC−72」キ
ャボット社製) ・「ケッチンブラックEC(ライオンアクゾ社製) これらの各組成物を厚さ1mmのシートに成形し、その
導電率ρを測定した。
結果を第1図ないし第3図に示す。
第1図ないし第3図のグラフから明らかなように、ベ
ースポリマーに4−メチルペンテン−1・α−オレフィ
ン共重合体を用いたものでは、非常に少量のカーボンブ
ラックの添加で良好な導電性が得られることがわかる。
特に、ケッチンブラックを添加したものでは微か2重量
部の添加で105Ω−cmの半導電性を示す。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の半導電性樹脂組成物
は、そのベースポリマーに4−メチルペンテン−1・α
−オレフィン共重合体を用いたものであるので、従来の
1/2〜1/10の少量のカーボンブラックの添加量で同等以
上の導電性を示すものとなる。よって、この発明の半導
電性樹脂組成物は、押出加工性がよく、また透明性の良
い成形品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はいずれも実施例における結果を表
すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースポリマーとカーボンブラックとから
    なる半導電性樹脂組成物において、 ベースポリマーとして4−メチルペンテン−1・α−オ
    レフィン共重合体を用いたことを特徴とする半導電性樹
    脂組成物。
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