JP2604748B2 - 交流サーボシステムのトルク指令回路 - Google Patents

交流サーボシステムのトルク指令回路

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JP2604748B2 JP62117492A JP11749287A JP2604748B2 JP 2604748 B2 JP2604748 B2 JP 2604748B2 JP 62117492 A JP62117492 A JP 62117492A JP 11749287 A JP11749287 A JP 11749287A JP 2604748 B2 JP2604748 B2 JP 2604748B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、交流サーボシステムのトルク指令回路に関
する。
〔従来の技術〕
一般的な同期電動機型の交流サーボシステムの制御回
路は第2図に示すように構成されている。
速度指令Vrefと、速度検出器8によって得られた速度
検出信号VTGとが速度アンプ回路1の入力段で突き合わ
され、その偏差すなわち速度偏差を零にするためのトル
ク指令VSPOが出力される。このトルク指令VSPOはトルク
制限回路2を経て、必要に応じて後述の制限が加えられ
た真のトルク指令Trefとなる。このトルク指令Trefは電
流指令回路3へ加えられ、磁極検出器7を介して検出さ
れた同期電動機6の磁極位置信号を参照して電流指令I
refが生成される。この電流指令Irefは、変流器9によ
って得られた同期電動機6の負帰還信号と突き合わさ
れ、その偏差すなわち電流偏差が零になるように電流ア
ンプ回路4および電力アンプ・PWM(パルス幅変調)回
路5を介して同期電動機6の電流マイナーループ制御を
行い、結果的に同期電動機6を速度指令Vrefに追従する
ようにサーボ駆動する。
第3図は、従来から使用されている速度アンプ回路と
トルク制限回路の具体的詳細図を示すものである。速度
アンプ回路1には、電圧増幅器100を主要素とし、それ
に抵抗101〜104、コンデンサ105、および電圧クランプ
用のツェナーダイオードZD1,ZD2を含む演算回路として
構成され、さらに、出力段にはトルクリミット設定用可
変抵抗VR1が設けられ、帰還ループには速度ループゲイ
ン設定用抵抗VR2が含まれている。
トルク制限回路2は、正電圧源+Vccおよび負電圧源
−Vccの間に構成され、抵抗201,202,209、ダイオード20
5〜208のほかに、工作機等のテーブル移動限界端での制
限ないし暴走防止のためにリミットスイッチ等の信号に
より動作するスイッチとして、正側駆動禁止(正側暴走
防止)接点(P−OT)204、および負側駆動禁止(負側
暴走防止)接点(N−OT)203が設けられている。例え
ば速度指令Vrefとして正の電圧が入力され、トルク指令
VSPOが負の電圧、トルク指令Trefがまた負の電圧という
条件で同期電動機6が正回転し、テーブルが正方向に移
動するとする。その場合、操作ミス等でエンドリミット
まで到達した場合、エンドリミットスイッチの信号を受
けて、正側駆動禁止接点204が開放になり、トルク指令V
spoの電圧は負だが、トルク指令Trefの電圧は零とな
り、同期電動機6に正回転方向のトルクが出ないように
する。
このようにテーブルが正側のエンドリミットに到達
し、あるいは暴走し、正側駆動禁止接点204が開放にな
っている状態のもとで、テーブルを戻すために、逆方向
に動かす指令として負の速度指令Vrefを与えれば、トル
ク指令Vspoは正電圧になり、かつトルク指令Trefも正電
圧になり、同期電動機6は逆回転することができる。
P−OT正側駆動禁止接点204,N−OT負側駆動禁止接点2
03の動作は、以上のようにトルク指令VSPOの信号電圧を
第4図および第5図に示すごとくトルク指令Trefとして
出力する。すなわち、同期電動機6の回転のためのトル
ク指令に変換する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ここで従来の第3図の回路構成で問題になるのは、P
−OT正側駆動禁止接点204またはN−OT負側駆動禁止接
点203が動作しているときと、動作していないときと
で、トルク制限回路2の内部インピーダンスが変化し、
このインピーダンス変化によりトルク指令VSPOひいては
トルク指令Trefが変化してしまうことである。しかも、
この変化量はトルクリミット設定用可変抵抗VR1および
速度ループゲイン設定用可変抵抗VR2に依存するため、
一様ではない。
したがって本発明は、トルク制限回路のインピーダン
ス変化によるトルク指令電圧の変動をなくし、回路の直
線性を改善しうる交流サーボシステムのトルク指令回路
を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、出力段にトルクリミット設定用抵抗を接続
し、内部フィードバック回路に速度ループゲイン設定用
抵抗を接続してなり、速度指令と検出速度との偏差に基
づいてその偏差を零にするための正または負のトルク指
令電圧を演算し出力する速度アンプ回路と、トルク指令
電圧を入力し、そのトルク指令電圧の極性および大きさ
に応じて、正のトルク指令電圧に対しては負のトルク指
令電圧を抑制し、負のトルク指令電圧に対しては正のト
ルク指令電圧を抑制するように、負電圧印加用抵抗に直
列の正側駆動禁止接点または正電圧印加用抵抗に直列の
負側駆動禁止接点を開放することによってトルク指令電
圧に制限を加えるトルク制限回路と、トルク制限回路か
ら出力される制限されたトルク指令電圧と被制御同期電
動機から位置検出信号とに基づき電流指令を演算し出力
する電流指令回路と、電流指令に基づいて同期電動機の
電流を制御する手段とを具備した交流サーボシステムの
トルク指令回路において、速度アンプとトルク制限回路
との間に、トルク制限回路の正側駆動禁止接点または負
側駆動禁止接点の開放による入力インピーダンスの変化
を補償するためのバッファアンプを挿入接続したことを
特徴とするものである。
〔作 用〕
交流サーボシステムにおいて、速度アンプ回路とトル
ク制限回路との間に、トルク制限回路の内部インピーダ
ンス変化を補償するバッファアンプを接続することによ
り、トルク制限回路のインピーダンス変化による出力電
圧変動の影響をなくし、制御回路の直線性を改善し、結
果的に速度制御ループのゲイン設定のいかんにかかわら
ず、速度指令に対する回転数出力を一定にすることがで
きる。
〔実施例〕
実施例について説明する前に本発明の原理について述
べておく。
第6図は、従来例を示す第3図を計算のために等価的
に簡略化して示した回路図である。第6図において、
R3,R4およびR5,R6はそれぞれトルクリミット設定用可変
抵抗VR1および速度ループゲイン設定用可変抵抗VR2の分
圧に係るインピーダンス、R7はトルク制限回路2の抵抗
201および202の各インピーダンスとする。なお、Vsは電
圧増幅器100の出力電圧、VTrefはトルク制限回路2の出
力電圧、Vccは電源電圧とする。
いま、速度アンプ回路1が飽和しない範囲の入力電圧
Vを考える。
P−OT正側駆動禁止接点204あるいはN−OT負側駆動
禁止接点203が動作していないときは、 VTref=−(R2/R1)・(1+R5/R6+R5/R2)V ……(1) Vs=R3(1/R3+1/R4+1/R5+2/R7)VTref +(R2/R1)・(R3/R5)V ……(2) となる。
その逆に、P−OT正側駆動禁止接点あるいはN−OT負
側駆動禁止接点が動作しているときは、VTrefは(1)
式と同一となり、P−OT動作でのVsを示すVs(P)は、 Vs(P)=R3(1/R3+1/R4+1/R5+1/R7)VTref +(R2/R1)・(R3/R5)V−(R3/R7)Vcc ……(3) N−OT動作でのVsを表わすVS(N)は、 VS(N)=R3(1/R3+1/R4+1/R5+1/R7)VTref +(R2/R1)・(R3/R5)V+(R3/R7)Vcc ……(4) である。
さらに、速度アンプ回路1が飽和する入力電圧Vに対
しては次のようになる。なお、速度アンプ回路1の飽和
電圧を±Vzとする。
P−OT正側駆動禁止接点204あるいはN−OT負側駆動
禁止接点203が動作していないとき、トルク指令回路の
出力電圧VTrefsは、 VTrefs=(1/A){(1/R1+1/R6)・(R5/R3)Vz +V/(R1+R2)} ……(5) ただし、 A=R{(1/R+1/R)・(1/R+1/R+1/R+2/R)}-1/R
……(6) である。
それとは反対に、P−OT正側駆動禁止接点204または
N−OT負側駆動禁止接点203が動作しているときのトル
ク指令回路の出力電圧VTrefs(P)またはVTrefs(N)は、 VTrefs(P)=(1/B){R(1/R+1/R)・(V/3+Vcc/R) +V/(R1+R2)} ……(7) VTrefs(N)=(1/B){R(1/R+1/R)・(V/3-Vcc/R) +V/(R1+R2)} ……(8) ただし、 B=R{(1/R+1/R)・(1/R+1/R+1/R+1/R)}-1/R
……(9) である。
これら(1)〜(5),(7),(8)式を入力電圧
Vに対して示したのが第7図である。第7図におい
て、、実線71はP−OT,N−OT不動作時、一点鎖線72はP
−OT動作時、破線73はN−OT動作時の特性をそれぞれ示
すものである。
本発明は以上の検討結果に基づいてなされたものであ
って、以下、詳細に説明する。
第1図は、本発明の一実施例における回路構成を示す
ものである。この回路は同期電動機形交流サーボシステ
ム(第2図)における速度アンプ回路1とトルク制限回
路2との間にバッファアンプ10を縦続接続したのが特徴
である。
交流サーボの暴走防止回路は、直流サーボとは異な
り、同期電動機6に流れる電流の極性が固定してないた
め、最終段のパワートランジスタを一方向のみ直接ベー
ス遮断することができない。そのため、暴走防止処理と
しては、トルク指令を零にする制御を従来例では行なっ
ているが、トルク指令回路のインピーダンスが変化する
ことに起因して、トルク指令値そのものも変化する。
そこで、本発明においては、速度アンプ回路1とトル
ク制限回路2との間にバッファアンプ10を挿入接続する
ことにより、たとえトルク制限回路2のインピーダンス
変化があっても、トルク指令値を一定に保つことができ
るのである。
〔発明の効果〕
かくして本発明によれば、トルク制限回路のインピー
ダンス変化による出力電圧変動の影響をなくし、速度ア
ンプ回路の出力と最終トルク指令との間の直線性を改善
し、結果的に速度制御ループのゲイン設定のいかんにか
かわらず、速度指令に対する回転数出力を一定にするこ
とができる。
したがって、例えば暴走防止機能が必要な工作機送り
用交流サーボシステムにおいて、速度アンプ回路の出力
段に設けたトルクリミット設定用可変抵抗ならびに速度
ループゲイン設定用可変抵抗の設定値のいかんにかかわ
りなく、エンドリミット端に到達したテーブルを引き戻
すために与える逆方向の速度指令に対し、同期電動機の
回転数が異なるようなことがない。したがって、工作機
送りの信頼性が向上し、加工物の加工精度を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるトルク指令回路の一実施例を示す
接続図、第2図は同期電動機形交流サーボシステムの一
般的な制御ブロック図、第3図は従来の交流サーボシス
テムにおけるトルク指令回路の接続図、第4図および第
5図は第3図の回路におけるトルク制限回路の異なる極
性の入力と出力との関係を説明するための特性線図、第
6図は第3図の回路における速度アンプ回路およびトル
ク制限回路のインピーダンスと入出力特性を説明するた
めの第3図の回路に対応する等価回路図、第7図は種々
の条件下における速度アンプ回路の入力とトルク制限回
路の出力との関係を示す特性線図である。 1……速度アンプ回路、2……トルク制限回路、3……
電流指令回路、4……電流アンプ回路、5……電力アン
プ・PWM回路、6……同期電動機、7……磁極検出器、
8……速度検出器、9……変流器、10……バッファアン
プ、100……電圧増幅器、VR1……トルクリミット設定用
可変抵抗、VR2……速度アンプゲイン設定用可変抵抗、2
03……負側駆動禁止接点、204……正側駆動禁止接点。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力段にトルクリミット設定用抵抗を接続
    し、内部フィードバック回路に速度ループゲイン設定用
    抵抗を接続してなり、速度指令と検出速度との偏差に基
    づいてその偏差を零にするための正または負のトルク指
    令電圧を演算し出力する速度アンプ回路と、 前記トルク指令電圧を入力し、そのトルク指令電圧の極
    性および大きさに応じて、正のトルク指令電圧に対して
    は負のトルク指令電圧を抑制し、負のトルク指令電圧に
    対しては正のトルク指令電圧を抑制するように、負電圧
    印加用抵抗に直列の正側駆動禁止接点または正電圧印加
    用抵抗に直列の負側駆動禁止接点を開放することによっ
    て前記トルク指令電圧に制限を加えるトルク制限回路
    と、 前記トルク制限回路から出力される制限されたトルク指
    令電圧と被制御同期電動機からの位置検出信号とに基づ
    き電流指令を演算し出力する電流指令回路と、 前記電流指令に基づいて前記同期電動機の電流を制御す
    る手段と を具備した交流サーボシステムのトルク指令回路におい
    て、 前記速度アンプと前記トルク制限回路との間に、前記ト
    ルク制限回路の前記正側駆動禁止接点または負側駆動禁
    止接点の開放による入力インピーダンスの変化を補償す
    るためのバッファアンプを挿入接続したことを特徴とす
    る交流サーボシステムのトルク指令回路。
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