JP2604359B2 - 基準電圧発生回路 - Google Patents

基準電圧発生回路

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JP2604359B2 JP61183611A JP18361186A JP2604359B2 JP 2604359 B2 JP2604359 B2 JP 2604359B2 JP 61183611 A JP61183611 A JP 61183611A JP 18361186 A JP18361186 A JP 18361186A JP 2604359 B2 JP2604359 B2 JP 2604359B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は基準電圧発生回路に関する。
〔従来の技術〕
従来、基準電圧発生回路は第3図にその一例を示すよ
うに、バンドギャップレファランスとして周知である。
第3図における基準電圧VREFは、トランジスタQ11とQ
12の各ベース・エミッタ間電圧VBE11,VBE12および抵抗R
12,R13によって(1)式で与えられることが知られてい
る。
VREF=VBE11+R13/R12(VBE11−VBE12) …(1) ただし、 VBE11=(kT/q)・1n(Ic11/Is11) VBE12=(kT/q)・1n(Ic12/Is12) また R12Ic12=VBE11−VBE12 であるから、 VREF=R12Ic12+VBE12+R13Ic12 =(VBE11-VBE12)+VBE12+R13・(VBE11-VBE12)/R12 =VBE11+R13/R12(VBE11−VBE12) となる。
トランジスタQ11とQ12のエミッタ電流密度を異なるよ
うにしておけば、基準電圧VREFはトランジスタQ11とQ12
のベース・エミッタ間電圧VBE11,VBE12の差に比例する
ことになる。
基準電圧VREFは、また、トランジスタQ12のコレクタ
電流Ic12とトランジスタQ13のベース・エミッタ間電圧V
BE13を導入することにより(2)式で表わせる。
VREF=VBE13+R13Ic12 …(2) また、 ここに、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは単
位電子電荷、Ic11はトランジスタQ11のコレクタ電流お
よびIs11,Is12はトランジスタQ11,Q12の飽和電流をそれ
ぞれ表わす。
飽和電流Is11とIs12は等しくなるとみなせ、さらにト
ランジスタQ11,Q12のベース電流を無視する。ここで、 VBE11=VBE13とすると R13Ic12=VREF−VBE13 R11Ic11=VREF−VBE11 したがって、R11Ic11=R13Ic12 すなわち、Ic11/Ic12=R13/R11 これを(3)式に代入すると、 したがって(2)式に(4)式を代入すると(5)式の
ように近似できる。
基準電圧VREFの温度特性は(6)式で与えられる。
ここでトランジスタの一般的な特性として、 であるから、 であれば、基準電圧VREFの温度特性は零となるので温度
変化に対して安定した基準電圧VREFを得ることができる
ことになる。
このとき、絶対温度T=300Kとすると、一般にトラン
ジスタのベース・エミッタ間電圧は0.6V前後となるた
め、基準電圧VREFは約1.2Vとなる。
このことは次のように説明できる。
kT/qはT=300Kでは25.6mVとなる。従って、温度特性
は0.085mV/℃(=25.6mV・(1/300℃))となる。
ここで基準電圧VREFの温度特性がゼロとなるためには (R13/R12)・(k/q)・1n(R13/R11)≒2mV/deg とすると (R13/R12)・1n(R13/R11)≒2/0.085=23.44 となる。この時に (R13/R12)・(kT/q)・1n(R13/R11) ≒25.6mV・23.44=600mV となる。
同様に、 (R13/R12)・1n(R13/R11)>23.44 の場合には (R13/R12)・(k/q)・1n(R13/R11)>2mV>deg となるから、基準電圧VREFの温度特性は正となり、かつ VREF>1.2Vとなる。
一方、 (R13/R12)・1n(R13/R11)<23.44 の場合には、 (R13/R12)・(k/q)・1n(R13/R11)<2mV>deg となるから、基準電圧VREFの温度特性は負となり、かつ VREF<1.2Vとなる。
いわゆるバンドギャップ電圧発生回路においては、バ
イポーラトランジスタのVBEの負の温度特性(約−2mV/
℃)と、正の温度特性を持つ熱電圧VT(=kT/q)(常温
で約26mV)を2つのトランジスタの電流密度を異ならせ
ることで発生させ、それを定数(a)倍して加算して出
力電圧を得ている。したがって、負の温度特性を持つバ
イポーラトランジスタのVBEを600mVとすると、この温度
特性を打ち消す正の温度特性を持つ熱電圧VT(=kT/q)
の温度依存性は0.00008666V/℃(=26mV/300K、300Kは
常温)となり、この値を定数(a)倍して2mV/℃にする
ためには、a=23.08倍すれば良く、この時の電圧値は6
00mV(=26mV×23.08)と求まる。したがって、いわゆ
るバンドギャップ電圧発生回路においては、出力電圧が
1.2Vの場合に温度特性が相殺され、出力電圧が1.2Vより
高い場合には定数aが23.08より大きくなり正の温度特
性を持ち、出力電圧が1.2Vより低い場合には定数aが2
3.08より小さくなり負の温度特性を持つことになる。
ところで、電圧から温度変化を検出するような応用分
野、例えば温度補償用水晶発振回路に用いられる温度セ
ンサなどは、基準電圧が温度特性を有することが必須で
あり、また、ポケットベルのように、スペース上の制約
から単一電池の使用を強いられる応用分野においては、
電源スタビライザが用いられるが、この電源スタビライ
ザの出力電圧は1V程度と低レベルであり、バイポーラト
ランジスタのVBE(約600mV)に比べてもそれほど高くは
なく、したがって、こうしたバイポーラトランジスタの
VBEの温度特性(約−2mV/℃)を考慮すると、バイポー
ラトランジスタが飽和せずに動作するようにするために
は、電源スタビライザの出力電圧の温度特性は負である
ことが望ましい。
このような種々の応用に対して、上述した従来の基準
電圧発生回路は、温度特性を小さくしようとすると基準
電圧が1.2V前後に決ってしまい、また、基準電圧が正の
温度特性を持たせるためには1.2Vより高い基準電圧にな
る様に、また負の温度特性を持たせるためには、1.2Vよ
り低い基準電圧になる様に決定され、同一回路構成では
各種の温度特性を持った基準電圧を出力出来ないという
問題点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の回路は、第1の基準電圧出力端と第2の基準
電圧出力端間に設けられた第1の基準電圧発生回路と、
前記第2の基準電圧出力端と第3の基準電圧出力端間に
設けられた第2の基準電圧発生回路と、前記第2の基準
電圧発生回路から前記第1の基準電圧発生回路へ負帰還
をかける帰還回路とを有し、前記第1の基準電圧発生回
路は前記第1の基準電圧出力端にエミッタが接続され前
記第2の基準電圧出力端に第1の抵抗を介してベース及
びコレクタが接続された第1のトランジスタと、前記第
1の基準電圧出力端に第2の抵抗を介してエミッタが接
続されベースが前記第1のトランジスタのベース及びコ
レクタに接続されたコレクタが前記第2の基準電圧出端
に第3の抵抗を介して接続された前記第1のトランジス
タのエミッタ電流密度と異なったエミッタ電流密度を有
する第2のトランジスタとを含んで構成され、前記第2
の基準電圧発生回路は前記第2の基準電圧出力端にエミ
ッタが接続され前記第3の基準電圧出力端に第4の抵抗
を介してベース及びコレクタが接続された第3のトラン
ジスタと、前記第2の基準電圧出力端に第5の抵抗を介
してエミッタが接続されベースが前記第3のトランジス
タのベース及びコレクタに接続されコレクタが前記第3
の基準電圧出力端に第6の抵抗を介して接続された前記
第3のトランジスタのエミッタ電流密度と異なったエミ
ッタ電流密度を有する第4のトランジスタとを含んで構
成され、前記第1の基準電圧出力端と前記第2の基準電
圧出力端間の電圧は1.2Vよりも小さく、前記第2の基準
電圧出力端と前記第3の基準電圧出力端間の電圧は1.2V
よりも大きく設定し、前記第1の基準電圧出力端と前記
第2の基準電圧出力端間の電圧が正の温度特性を有し、
前記第2の基準電圧出力端と前記第3の基準電圧出力端
間の電圧が負の温度特性を有し、前記第1の基準電圧出
力端と前記第3の基準電圧出力端間の電圧が零の温度特
性を有する。
〔実施例〕
次に、本発明について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す回路図である。
第1図を参照すると、本実施例は、基準電圧VREF1
発生する第1の基準電圧発生回路と、基準電圧VREF2
発生する第2の基準電圧発生回路が直列接続され、かつ
トランジスタQ5とQ6で構成される帰還路によって結合さ
れていることがわかる。
第1図において、VOUT=VREF1+VREF2 …(7) いま、上記帰還路の利得が充分高ければ、トランジス
タQ3とQ4で構成される回路ブロックは1つの基準電圧発
生回路とみなすことが出来、出力電圧は一定となるか
ら、トランジスタQ3とQ4に流れる電流も一定となる。従
って、VOUT端子とVREF1端子間に挿入された低電流源と
みなせるので、基準電圧VREF1,VREF2は第2図に示す回
路におけるものと等しくなると考えてよい。
第2図を参照すると本回路は第3図に示した従来例を
2段だけ直列に接続した構成になっていることがわか
る。
したがって、いま基準電圧VREF1を1.2Vより小さな値
に、また、基準電圧VREF2を1.2Vより大きな値に設定す
れば、前述のように となる。
従って、抵抗R1〜R6を(8)式が成り立つように選べ
る。
このとき、(7)式より となる。
(9)式を満たす回路定数として、例えば、R3/R1=1
2,R3/R2=12,R6/R5=7.9,R6/R4=7.9とすれば以上の諸
式により、以下のような計算結果を得ることができる。
VREF1=1.375V,∂VREF1/∂T=+0.58mV/deg,VREF2=1.
025V,∂VREF2/∂T=−0.58mV/deg,VOUT=2.4V,∂VOUT/
∂T=0 従って、温度特性が正と負と零の3特性を有する3つ
の基準電圧VREF1,VREF2およびVOUTが得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明はエミッタ電流密度を異な
らせた2つのトランジスタのベース・エミッタ電圧の差
に比例した電圧出力を発生する回路を複数直列に接続
し、この直列接続の最終段と初段とを負帰還回路で結合
することにより、構成が簡単で、かつ各々異なる温度特
性を有する複数の基準電圧を得ることのできる基準電圧
発生回路を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例、第2図は本実施例の等価回
路および第3図は従来例をそれぞれ示す。 Q1Q8〜Q11Q13……トランジスタ、R1〜R7,R11〜R14……
抵抗、C1,C2……コンデンサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基準電圧出力端と第2の基準電圧出
    力端間に設けられた第1の基準電圧発生回路と、前記第
    2の基準電圧出力端と第3の基準電圧出力端間に設けら
    れた第2の基準電圧発生回路と、前記第1の基準電圧発
    生回路から前記第2の基準電圧発生回路へ負帰還をかけ
    る帰還回路とを有し、前記第1の基準電圧発生回路は前
    記第1の基準電圧出力端にエミッタが接続され前記第2
    の基準電圧出力端に第1の抵抗を介してベース及びコレ
    クタが接続された第1のトランジスタと、前記第1の基
    準電圧出力端に第2の抵抗を介してエミッタが接続され
    ベースが前記第1のトランジスタのベース及びコレクタ
    に接続されたコレクタが前記第2の基準電圧出力端に第
    3の抵抗を介して接続された前記第1のトランジスタの
    エミッタ電流密度と異なったエミッタ電流密度を有する
    第2のトランジスタとを含んで構成され、前記第2の基
    準電圧発生回路は前記第2の基準電圧出力端にエミッタ
    が接続され前記第3の基準電圧出力端に第4の抵抗を介
    してベース及びコレクタが接続された第3のトランジス
    タと、前記第2の基準電圧出力端に第5の抵抗を介して
    エミッタが接続されベースが前記第3のトランジスタの
    ベース及びコレクタに接続されコレクタが前記第3の基
    準電圧出力端に第6の抵抗を介して接続された前記第3
    のトランジスタのエミッタ電流密度と異なったエミッタ
    電流密度を有する第4のトランジスタとを含んで構成さ
    れ、前記第1の基準電圧出力端と前記第2の基準電圧出
    力端間の電圧は1.2Vよりも小さく、前記第2の基準電圧
    出力端と前記第3の基準電圧出力端間の電圧は1.2Vより
    も大きく設定し、前記第1の基準電圧出力端と前記第2
    の基準電圧出力端間の電圧が正の温度特性を有し、前記
    第2の基準電圧出力端と前記第3の基準電圧出力端間の
    電圧が負の温度特性を有し、前記第1の基準電圧出力端
    と前記第3の基準電圧出力端間の電圧が零の温度特性を
    有すことを特徴とする基準電圧発生回路。
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