JP2603950B2 - 高強度・高耐食性セラミックスの製造方法 - Google Patents
高強度・高耐食性セラミックスの製造方法Info
- Publication number
- JP2603950B2 JP2603950B2 JP62161057A JP16105787A JP2603950B2 JP 2603950 B2 JP2603950 B2 JP 2603950B2 JP 62161057 A JP62161057 A JP 62161057A JP 16105787 A JP16105787 A JP 16105787A JP 2603950 B2 JP2603950 B2 JP 2603950B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- strength
- corrosion resistance
- zro
- high strength
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高強度・高耐食性セラミックスに関し、更に
詳しくはSi3N4及びZrO2を主成分とし、高強度であると
ともに溶鋼やその他の化学薬品に対する耐食性が改善さ
れたセラミックスに係る。
詳しくはSi3N4及びZrO2を主成分とし、高強度であると
ともに溶鋼やその他の化学薬品に対する耐食性が改善さ
れたセラミックスに係る。
Si3N4セラミックスは、良好な耐熱性、耐摩耗性、高
強度、高靭性を示すため、例えば高温で使用されるエン
ジニアリング・セラミックスとしての用途開発が盛んに
進められている。
強度、高靭性を示すため、例えば高温で使用されるエン
ジニアリング・セラミックスとしての用途開発が盛んに
進められている。
しかし、Si3N4は溶鋼及びその他の化学薬品に対する
耐食性が低いことから、従来は、鉄鋼用道具材例えば浸
漬ノズルとしては実用化が困難であった。
耐食性が低いことから、従来は、鉄鋼用道具材例えば浸
漬ノズルとしては実用化が困難であった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので
あり、Si3N4本来の高強度等の特性を損なうことなく、
溶鋼及びその他の化学薬品に対する耐食性を改善した高
強度・高耐食性セラミックスを提供することを目的とす
る。
あり、Si3N4本来の高強度等の特性を損なうことなく、
溶鋼及びその他の化学薬品に対する耐食性を改善した高
強度・高耐食性セラミックスを提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段と作用〕 本願発明は、ZrO2と、Al2O3、MgO、Y2O3およびCaOか
らなる群より選択される少なくとも1種と、Si3N4とを
含む原料を混合して各原料を平均粒径2μm以下に粉砕
し、成形した後、非酸化性雰囲気中、1700〜1800℃で焼
成することを特徴とする、ZrO25〜50重量%、Al2O3、Mg
O、Y2O3およびCaOからなる群より選択される少なくとも
1種10重量%以下、残部Si3N4からなる高強度・高耐食
性セラミックスの製造方法である。
らなる群より選択される少なくとも1種と、Si3N4とを
含む原料を混合して各原料を平均粒径2μm以下に粉砕
し、成形した後、非酸化性雰囲気中、1700〜1800℃で焼
成することを特徴とする、ZrO25〜50重量%、Al2O3、Mg
O、Y2O3およびCaOからなる群より選択される少なくとも
1種10重量%以下、残部Si3N4からなる高強度・高耐食
性セラミックスの製造方法である。
本発明において、ZrO2は本発明に係るセラミックスの
溶鋼等に対する耐食性を改善する作用を有するものであ
る。その配合率を5〜50重量%としたのは、5重量%未
満ではセラミックスの耐食性を改善する効果が少なく、
一方50重量%を超えるとセラミックスの強度が著しく低
下するためである。
溶鋼等に対する耐食性を改善する作用を有するものであ
る。その配合率を5〜50重量%としたのは、5重量%未
満ではセラミックスの耐食性を改善する効果が少なく、
一方50重量%を超えるとセラミックスの強度が著しく低
下するためである。
本発明において、ZrO2以外に配合される、Al2O3、Mg
O、Y2O3、CaOから選択される少なくとも1種は、Si3N4
の焼結助剤として作用し、かつ粒界層に存在してZrO2の
脱安定化を抑制する作用を有するものである。これらの
配合率を10重量%以下としたのは、10重量%を超えると
Si3N4による高強度、ZrO2による高耐食性を維持するこ
とができなくなるためである。
O、Y2O3、CaOから選択される少なくとも1種は、Si3N4
の焼結助剤として作用し、かつ粒界層に存在してZrO2の
脱安定化を抑制する作用を有するものである。これらの
配合率を10重量%以下としたのは、10重量%を超えると
Si3N4による高強度、ZrO2による高耐食性を維持するこ
とができなくなるためである。
本発明の高強度・高耐食性セラミックスは、上述した
各成分の原料を所定割合で配合し、例えばアルミナポッ
ト中にて混合し所定の粒径まで粉砕した後、バインダー
を加えて所望形状に成形し、非酸化性雰囲気中、1700〜
1800℃で焼成することにより容易に製造することができ
る。この際、各原料は平均粒径2.0μm以下に粉砕する
ことが望ましい。これは、2.0μm以下に粉砕すること
により、成形密度及び焼結性が向上し、高強度・高密度
化に寄与するためである。
各成分の原料を所定割合で配合し、例えばアルミナポッ
ト中にて混合し所定の粒径まで粉砕した後、バインダー
を加えて所望形状に成形し、非酸化性雰囲気中、1700〜
1800℃で焼成することにより容易に製造することができ
る。この際、各原料は平均粒径2.0μm以下に粉砕する
ことが望ましい。これは、2.0μm以下に粉砕すること
により、成形密度及び焼結性が向上し、高強度・高密度
化に寄与するためである。
第1表に示す配合率で各原料を配合し、アルミナポッ
トを用いて平均粒径が2.0μm以下になるまで粉砕し
た。粉砕した原料粉にバインダーを加えて造粒した後、
40mm×50mm×10mmの寸法の試験片を成形した。各試験片
を空気中で550℃に加熱して脱脂した後、N2気流中、170
0〜1800℃で3時間保持して焼成した。
トを用いて平均粒径が2.0μm以下になるまで粉砕し
た。粉砕した原料粉にバインダーを加えて造粒した後、
40mm×50mm×10mmの寸法の試験片を成形した。各試験片
を空気中で550℃に加熱して脱脂した後、N2気流中、170
0〜1800℃で3時間保持して焼成した。
得られた各セラミックス試験片について、第1表に示
す各物性を調べた。ここで、気孔率及びかさ密度の測定
は、JIS R2205に従って行なった。3点曲げ強度の測定
は、JIS R1601−1985に従って行なった。また、臨界熱
衝撃破壊温度差(ΔTc)にもとづいて耐熱衝撃性を評価
した。また、各試験片上に鉄の小塊を載置し、空気中、
1200℃で24時間保持し、発生したスケール(鉄の酸化
物)との反応による浸食深さにもとづいてスケールに対
する耐食性を評価した。
す各物性を調べた。ここで、気孔率及びかさ密度の測定
は、JIS R2205に従って行なった。3点曲げ強度の測定
は、JIS R1601−1985に従って行なった。また、臨界熱
衝撃破壊温度差(ΔTc)にもとづいて耐熱衝撃性を評価
した。また、各試験片上に鉄の小塊を載置し、空気中、
1200℃で24時間保持し、発生したスケール(鉄の酸化
物)との反応による浸食深さにもとづいてスケールに対
する耐食性を評価した。
更に、各セラミックスでタンディッシュノズルを作製
して使用した場合のノズル口径の拡大率(mm/h)にもと
づいて溶鋼に対する耐食性を評価した。
して使用した場合のノズル口径の拡大率(mm/h)にもと
づいて溶鋼に対する耐食性を評価した。
なお、第1表中、参照例は従来から市販されているSi
3N4セラミックスである。
3N4セラミックスである。
第1表から明らかなように、実施例1〜4のセラミッ
クスは、3点曲げ強さ及び耐熱衝撃性については、参照
例とほぼ同等であり、しかもスケール及び溶鋼に対する
耐食性が著しく向上している。
クスは、3点曲げ強さ及び耐熱衝撃性については、参照
例とほぼ同等であり、しかもスケール及び溶鋼に対する
耐食性が著しく向上している。
これに対して、ZrO2配合率の低い比較例1では、スケ
ール及び溶鋼に対する耐食性が劣っている。また、ZrO2
配合率の高い比較例2では、スケール及び溶鋼に対する
耐食性は優れているが、Si3N4本来の強度、耐熱衝撃性
が損なわれている。
ール及び溶鋼に対する耐食性が劣っている。また、ZrO2
配合率の高い比較例2では、スケール及び溶鋼に対する
耐食性は優れているが、Si3N4本来の強度、耐熱衝撃性
が損なわれている。
〔発明の効果〕 以上詳述した如く本発明によれば、Si3N4本来の高強
度等の特性を損なうことなく、溶鋼及びその他の化学薬
品に対する耐食性を改善した高強度・高耐食性セラミッ
クスを提供でき、その工業的価値は大なるものである。
度等の特性を損なうことなく、溶鋼及びその他の化学薬
品に対する耐食性を改善した高強度・高耐食性セラミッ
クスを提供でき、その工業的価値は大なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 幸司 刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セラミ ックス株式会社刈谷製造所内 (56)参考文献 特開 昭61−68374(JP,A) 特開 昭58−213677(JP,A) 特開 昭60−54977(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】ZrO2と、Al2O3、MgO、Y2O3およびCaOから
なる群より選択される少なくとも1種と、Si3N4とを含
む原料を混合して各原料を平均粒径2μm以下に粉砕
し、成形した後、非酸化性雰囲気中、1700〜1800℃で焼
成することを特徴とする、ZrO25〜50重量%、Al2O3、Mg
O、Y2O3およびCaOからなる群より選択される少なくとも
1種10重量%以下、残部Si3N4からなる高強度・高耐食
性セラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62161057A JP2603950B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 高強度・高耐食性セラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62161057A JP2603950B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 高強度・高耐食性セラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS645975A JPS645975A (en) | 1989-01-10 |
JP2603950B2 true JP2603950B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=15727793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62161057A Expired - Lifetime JP2603950B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | 高強度・高耐食性セラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2603950B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2627922B2 (ja) * | 1988-05-25 | 1997-07-09 | 日本特殊陶業株式会社 | 窒化ケイ素焼結体 |
JPH09183668A (ja) * | 1996-06-17 | 1997-07-15 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 窒化ケイ素焼結体 |
FR2818666B1 (fr) | 2000-12-27 | 2004-02-06 | Snecma Moteurs | Protection d'un bol en materiau carbone, notamment en composite c/c, destine a recevoir un creuset, tel qu'un creuset en silice pour le tirage de silicium |
WO2019093370A1 (ja) * | 2017-11-10 | 2019-05-16 | 株式会社フェローテックセラミックス | セラミックス、プローブ案内部品、プローブカードおよびパッケージ検査用ソケット |
US20230312423A1 (en) * | 2020-04-10 | 2023-10-05 | Ferrotec Material Technologies Corporation | Ceramic, probe guiding member, probe card and socket for package inspection |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6050750B2 (ja) * | 1982-06-02 | 1985-11-09 | 品川白煉瓦株式会社 | 窒化珪素質複合焼結体 |
JPS6054977A (ja) * | 1983-09-05 | 1985-03-29 | 東京窯業株式会社 | 焼結体の製造方法 |
JPS6168374A (ja) * | 1984-09-12 | 1986-04-08 | 品川白煉瓦株式会社 | 溶融金属鋳造用ノズルの製造方法 |
-
1987
- 1987-06-30 JP JP62161057A patent/JP2603950B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS645975A (en) | 1989-01-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPS5924751B2 (ja) | 焼結成形体 | |
US5023214A (en) | Silicon nitride ceramics containing a metal silicide phase | |
JP2603950B2 (ja) | 高強度・高耐食性セラミックスの製造方法 | |
EP0170889A2 (en) | ZrB2 Composite sintered material | |
US4963516A (en) | SiC complex sintered bodies and production thereof | |
JP2573230B2 (ja) | 窒化ケイ素系セラミックス | |
JP2588215B2 (ja) | セラミックス焼結体 | |
JPH05279121A (ja) | 炭化タングステン−アルミナ質焼結体およびその製法 | |
JPS5833187B2 (ja) | 工具用セラミック材料の製造法 | |
JPS5919073B2 (ja) | 焼結成形体の製造方法 | |
JPH03141161A (ja) | 複合焼結体 | |
JPH01239068A (ja) | 硼化チタン系焼結体及びその製造方法 | |
JPS61117153A (ja) | アルミナ焼結体の製造法 | |
JP2001247377A (ja) | 窒化珪素鉄粉末、その評価方法、及び用途 | |
JP3579231B2 (ja) | 窒化硼素含有ジルコニア・黒鉛質耐火物 | |
JP2742620B2 (ja) | 硼化物―酸化アルミニウム質焼結体およびその製造方法 | |
JPH01246178A (ja) | 溶鋼用耐火物の製造方法 | |
JP2720093B2 (ja) | 繊維強化セラミックス | |
JPH01183460A (ja) | セラミックス焼結体の製造方法 | |
JPS5820774A (ja) | 耐熱焼結材料の製造方法 | |
JPS6125676B2 (ja) | ||
JP3078314B2 (ja) | 繊維強化セラミックス | |
JPH0517210A (ja) | アルミナ基複合焼結体の製造方法及びアルミナ基複合焼結体 | |
JPH07247160A (ja) | 耐スラグ浸食性に優れたマグネシア・クロミア・ニオビア系焼成耐火煉瓦 | |
JPH0328159A (ja) | 繊維強化セラミックス |