JP2603933B2 - 化合物薄膜の形成方法 - Google Patents

化合物薄膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、イオンビーム照射と真空蒸着の併用によ
って基体表面に照射イオンと蒸着物質とが化合して成る
化合物薄膜を形成する方法に関する。
〔従来の技術〕
イオンビーム照射と真空蒸着の併用によって、基体表
面に例えばABなる化合物(例えばTiN、Al2O3等)の薄膜
を形成する場合、従来は元素A(例えばTi、Al等)の蒸
着と元素B(例えばN、O等)のイオンビーム照射とを
行っていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この場合、形成中の膜の表層部(表面および表層。以
下同じ)に存在する原子に与えるエネルギーは、照射イ
オンのエネルギーによるものであるため、1個のイオン
の有するエネルギーと単位時間毎のイオンの入射数との
積により決まる。
従って、膜の表層部に存在する原子に与えるエネルギ
ーを高めて反応性を高めるためには、イオンの有する
エネルギーを高める、および/または、入射イオン量
を増大させる、という手段が考えられる。
ところが、イオンの有するエネルギーは、膜への照射
損傷あるいはスパッタリング効果を小さくする観点か
ら、5KeV程度以下に制限するのが良く、また、化合物を
形成する場合はでき上った膜の組成を制御する必要があ
る関係上、入射イオン量を任意に変化させることはでき
ない。
つまり従来の方法においては、入射イオン量と表層部
原子に与えるエネルギーは独立な因子ではなく、従っ
て、表層部原子に与えるエネルギーのみを独立して制御
することは不可能である。
そこでこの発明は、膜の組成制御とは独立して、表層
部原子に与えるエネルギーの制御を可能にした化合物薄
膜の形成方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明の化合物薄膜の形成方法は、イオンビーム照
射と真空蒸着の併用によって基体表面に照射イオンと蒸
着物質とが化合して成る化合物薄膜を形成する方法にお
いて、化合物を構成するイオンと共に不活性ガスイオン
をイオンビームとして基体に照射することを特徴とす
る。
〔作用〕
化合物を構成するイオンは、蒸着元素と化合して基体
表面に化合物薄膜を形成する。一方、不活性ガスイオン
は、化合物を構成するのに関係せず、膜の表層部に存在
する原子にエネルギーを与える作用のみをする。従って
この発明の方法によれば、単一イオンを用いていた従来
の方法と違って、上記不活性ガスイオンを用いることに
よって、膜の組成制御とは独立して、表層部原子に与え
るエネルギーを制御することができる。
〔実施例〕
第1図は、この発明の一実施例に係る方法を実施する
装置の一例を示す概略図である。真空容器(図示省略)
内に、例えばホルダ10に取り付けられて基体(例えば基
板)9が収納されており、当該基体9に向けて蒸発源2
およびイオン源7が配置されている。
蒸発源2は、特定の方式のものに限定されるものでは
なく一例を示せば電子ビーム蒸発源であり、蒸発材料3
を電子ビームによって加熱蒸気化して得られる蒸気4を
基体9の表面に蒸着させることができる。
イオン源7も特定の方式のものに限定されるものでは
ないが、例えばプラズマ閉込めにカスプ磁場を用いるバ
ケット型イオン源が好ましく、それによれば供給された
ガス50をイオン化して均一で大面積のイオンビーム8を
基体9の表面に向けて照射することができるので、一度
に大面積の処理が可能になる。
膜形成に際しては、真空容器内を例えば10-5〜10-7To
rr程度にまで排気した後、蒸発源2からの蒸気4を基体
9上に蒸着させるのと同時に、またはそれと交互に、イ
オン源7からのイオンビーム8を連続的にまたはパルス
的に照射する。
その場合、蒸気4としては、化合物を構成する一方の
元素、例えばABなる化合物を形成する場合は元素Aを蒸
発させる。一方イオンビーム8としては、前記化合物を
構成する他方の元素のイオン、即ちこの例では元素Bの
イオンと、化合物を構成するのに無関係でかつ反応を生
じない不活性ガスイオンXとが混合されたイオンビーム
を引き出す。この不活性ガスイオンXとしては、He、N
e、Ar、Kr、Xe、Rnの内のいずれか1種のイオンまたは
2種以上の混合イオンが採り得る。
そのため、イオン源7には、元素Bの反応用ガス51と
上記のような単一または複数種類の不活性ガス52とを混
合したガス50を導入する。イオンビーム8中のイオンB
と不活性ガスイオンXとの割合は、各ガス51、52の導入
ラインに設けた流量調整器61、62によってイオン源7へ
の各ガス51、52の導入量を制御することにより調整する
ことができる。
上記方法によれば、イオンビーム8中のイオンBが、
蒸気4として蒸発された元素Aと化合して、ABなる化合
物薄膜が基体9の表面に形成される。一方、イオンビー
ム8中の不活性ガスイオンXは、化合物を構成するのに
関係せず、膜の表層部に存在する原子にエネルギーを与
える作用のみをする。それゆえ、この不活性ガスイオン
Xを用いることによって、膜の組成制御とは独立して、
表層部原子に与えるエネルギーを制御することができ
る。
従って例えば、蒸発元素Aに対するイオンBの割合を
化学量論的組成あるいはある程度任意の割合に設定した
状態で、不活性ガスイオンXにより膜の表層部に存在す
る原子に更にエネルギーを与えることができる。つま
り、単一イオンを用いていた従来の方法に比べて原子を
より高い励起状態にすることができ、それによって反応
性を高めることができるため、熱的に安定な結晶の膜だ
けでなく、準安定な新材料膜の合成も可能となる。
なお上記の場合、照射不活性ガスイオンXと蒸着元素
Aとの割合(粒子比)X/Aは、あまり小さい割合は制御
が困難であり、逆にあまり大きいと膜形成に悪影響がで
る恐れもあるので、例えば0.1%〜100%程度の範囲内に
するのが好ましい。
また、蒸着元素Aと照射イオンBとの割合(粒子比)
A/Bは、形成しようとする化合物の化学量論的組成比以
外の割合に設定する場合は、経験的にその±20%程度の
範囲内にするのが好ましいと言える。
また、イオンビーム8のエネルギーは、前述したよう
に膜への照射損傷やスパッタリング効果を極力小さくす
る観点から、5KeV程度以下の低エネルギー、より好まし
くは1KeV程度以下にするのが良く、またその下限は特に
ないが、イオン源7からイオンビーム8を引き出せる限
度から、現実的には10eV程度以上になる。
また、照射した不要元素を除去するため、かつ膜の表
層部での原子の移動を助けてイオン衝撃による損傷を除
去するため、例えばヒータ11等の加熱手段を用いる等し
て、基体9を室温〜1000℃程度の範囲内に、より好まし
くは700℃程度以下に保持するのが好ましい。尚この温
度範囲は、元素A、B、Xの組合せにより最適領域が異
なる。
第2図は、この発明の他の実施例に係る方法を実施す
る装置の一例を示す概略図である。第1図で説明した実
施例との相違点を主に説明すると、この実施例において
は、2台の別個のイオン源71および72を用い、各イオン
源71、72に前述したような反応用ガス51および不活性ガ
ス52をそれぞれ導入し、イオン源71から前述したような
化合物を構成するイオン、例えばイオンBをイオンビー
ム81として、またイオン源72から不活性ガスイオンXを
イオンビーム82として、それぞれ別個に引き出して基体
9に照射するようにしている。
この場合、両イオンビーム81、82は、それぞれ連続的
に照射しても良いし、パルス的に照射しても良い。また
両イオンビーム81、82のエネルギーは、共に、前述した
ような理由から10eV〜5KeV程度の範囲内にするのが好ま
しい。その他の条件や作用等は前記実施例の場合と同様
である。
但し、第1図で説明した実施例においては、イオン源
が1台で済み装置構成等が簡単になるという特徴がある
のに比し、この実施例においては、イオンBと不活性
ガスイオンXの照射量およびエネルギーをそれぞれ独立
に制御することができるため制御性が良い、各イオン
B、Xの基体9に対する入射角も独立に設定できるた
め、結晶の成長方向を制御する上でも有効となる、等の
特徴がある。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば、照射イオンビーム中
の化合物構成イオンは、蒸着物質と化合して化合物薄膜
を形成するので、当該化合物構成イオンの基体への入射
量によって膜の組成制御を行うことができる。一方、照
射イオンビーム中の不活性ガスイオンは、化合物を構成
するのに関与せず、膜の表層部に存在する原子にエネル
ギーを与える作用のみをするので、当該不活性ガスイオ
ンによって、膜の組成制御とは独立して、膜の表層部に
存在する原子に与えるエネルギーを制御することができ
る。その結果、膜の組成を所望のものに制御しつつ、膜
表層部に存在する原子により高いエネルギーを与えて原
子をより高い励起状態にして反応性を高めることができ
るため、熱的に安定な結晶の膜だけでなく、準安定な新
材料膜の合成も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る方法を実施する装
置の一例を示す概略図である。第2図は、この発明の他
の実施例に係る方法を実施する装置の一例を示す概略図
である。 2……蒸発源、3……蒸発材料、4……蒸気、51……反
応用ガス、52……不活性ガス、7,71,72……イオン源、
8,81,82……イオンビーム、9……基体。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−2022(JP,A) 特開 昭57−152547(JP,A) 特開 昭57−152548(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンビーム照射と真空蒸着の併用によっ
    て基体表面に、照射イオンと蒸着物質とが化合して成る
    化合物薄膜を形成する方法において、前記化合物を構成
    するイオンと共に不活性ガスイオンをイオンビームとし
    て基体に照射することを特徴とする化合物薄膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】同一のイオン源から前記両イオンが混合さ
    れたイオンビームを引き出して基体に照射する特許請求
    の範囲第1項記載の化合物薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】別個のイオン源から前記両イオンをそれぞ
    れ別個のイオンビームとして引き出して基体に照射する
    特許請求の範囲第1項記載の化合物薄膜の形成方法。
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