JP2603800C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法に関し、特に、シア
ン化合物を用いない電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、ICリードフレームやコネクターピン等の電子部品に銀めっきを施す
場合、めっき不要部をマスキングすることによって必要な部分にのみ部分めっき
を施すようにしている。しかし、このようなマスキングを施しても、往々にして
必要めっきエリア以外の部分にはみ出してめっきされる場合がある。このため、
後処理として、この不必要なめっき被膜を剥離する必要があり、一般的には、剥
離処理対象物を剥離液に浸漬し、この剥離処理対象物を陽極とした電解処理を行
うことによって不要なめっき被膜を剥離するようにしている。 【0003】 このような電解剥離液としては、古くはシアン化カリやシアン化ナトリウムを
主成分としたもの等が知られている。これらの液は、シアン化合物の特性である
、銀イオンとの高い錯安定性を利用するものである。しかし、シアン化合物は強
い毒性を有するため、排水処理、毒物管理、作業上の安全対策等の問題を避けら
れない。加えて、シアン化合物を用いた電解剥離液は、下地金属の腐食や必要め
っき部分表面の粗度を増加させて光沢むらや光沢劣化の原因となることもある。
このため、シアン化合物を用いない電解剥離液として、コハク酸イミド及び/又
はフタル酸イミドとアルカリ金属水酸化物を主成分とするものが提案されている (特開平2−104699号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような組成の電解剥離液にあっては、液が不安定で設定が
難しいという別の不具合がある。つまり、コハク酸イミドは、電解又は自然放置
によって容易に酸化・還元分解されるため、これを用いた液は不安定で液寿命が
短かくなってしまう。また、この液を使用する際のpH範囲は、9.0±0.2
とかなり狭いため、液の管理が非常に難しくなる。加えて、この液は、電流密度
の設定も難しく、例えばICリードフレームにめっきを施す場合、そのめっき面
のサイズやパターンに応じて電流密度をその都度細かく設定する必要があり、改
善が望まれていた。 【0005】 本発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、有害なシアン
化合物を使用せず、液の管理が容易で安定して使用することのできる、銀の電解
剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 この発明の発明者は、この種の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を開
発するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すような非シアン系の化合物がこ
の目的に適合することを見いだし、その知見に基づいてこの発明をなすに至った
。 【0007】 即ち、この発明に係る電解剥離液は、錯形成剤として、 一般式 【化3】 〔式中、R1、R3、R5はそれぞれ水素、又は1〜5個の炭素原子を持つアル
キル基あるいはアルカノール基を表す〕 又は 一般式 【化4】 〔式中、R1、R3はそれぞれ水素、又は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基
あるいはアルカノール基を表す。R5、R5′は1〜5個の炭素原子を持つアルキ
ル基あるいはアルカノール基を表す。〕 で表されるヒダントイン化合物の少なくともいずれかを含有してなるものとして
いる。 【0008】 このヒダントイン化合物は、銀に対し特異的に錯体を形成するという特性を有
し、この化合物を用いることによって、均一で下地金属の腐食等のない安定した
電解剥離を行えることになる。ヒダントイン化合物としては、例えば、1−メチ
ルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイ
ン等を採用でき、液中に10〜300g/l、好ましくは40〜100g/l含
有するものとしている。 【0009】 ヒダントイン化合物が10g/lより少ない場合、安定した剥離が行えなくな
るとともに電流密度の上限が小さくなって実用に供することが難しくなる。ヒダ
ントイン化合物が300g/lより多い場合、飽和の状態になって溶解しにくく
なるとともに、コストが高価となり実用上不適となる。 【0010】 また、この発明に係る電解剥離方法は、上記組成の電解剥離液を、以下の操作
条件、即ち、pH4〜14、好ましくはpH7〜12、より好ましくはpH10
.5〜11.5、液温10〜90℃、好ましくは液温20〜60℃、より好まし
くは液温30〜50℃、電流密度0.5〜10A/dm2、好ましくは電流密度
1 〜8A/dm2、より好ましくは電流密度2〜7A/dm2の操作条件で用いるも
のとしている。 【0011】 pH4〜14としたのは、pHが4より低いと液中に銀塩が沈殿し易くなると
ともに剥離効率が極端に低下し、pHが14より高いと均一な剥離が行われにく
くなるためである。なお、pHの調整は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又
は硫酸を用いて行なうようにしている。液温が10℃より低い場合は、剥離が均
一に行われなくなり、液温が90℃より高い場合は、液が分解しやすくなって不
安定となる。電流密度が0.5A/dm2より低い場合は、剥離速度が遅くなっ
て実用的でなくなり、10A/dm2より高い場合は、水素の発生が起こって剥
離が行えなくなってしまう。 【0012】 このように、本発明による電解剥離液は、pH、温度、電流密度の範囲を比較
的広くとることが可能であり、これにより、浴の管理が極めて容易となるととも
に液管理のための設備も簡略化できることになる。例えば、一般に電解槽には液
循環ポンプ等の機器が備えられているため、これらの機器からの放熱によって液
温がかなり高くなることが多い。このため、適正温度範囲が20〜30℃である
コハク酸イミドを用いた従来の液では、冷却装置が必要になるが、この発明によ
る電解剥離液では、このような冷却装置等を不要とできるものである。 【0013】 なお、この電解剥離液に用いるpH緩衝剤及び電導塩としては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属水酸化
物あるいはアルカリ金属塩を用いるようにしている。その量は10〜150g/
l、好ましくは20〜50g/l添加するものとし、10g/lより少ない場合
は液のpHを安定させ且つ液に電導性を与える役割を果たしづらく、150g/
lより多い場合は均一な剥離が行われにくくなる。尚、pH緩衝剤として、水酸
化カリウムや水酸化ナトリウムを用いる場合は、これが電導塩も兼ねるものであ
る。 【0014】 【実施例】 次に実施例によってこの発明をさらに詳細に説明する。 【0015】 表面を研磨した2cm×4cmサイズの銅基板に、先ず、部分的な銀ストライ
クめっき層を形成し、次いでこの銀ストライクめっき層の上に、さらに小さいサ
イズで膜厚5μmの銀めっき層を重ねて形成することによって、銅表面、銀スト
ライクめっき層表面、銀めっき層表面がそれぞれ露出された試験片を得た。 【0016】 この試験片について、以下の表に示すようなNo.1〜No.9の組成浴を用いて電解
処理を施した。なお、操作条件は、液温40℃、電流密度5A/dm2、電解時
間30秒とし、陰極はステンレススチール製とした。 【0017】 【表1】 【0018】 以上に示す各々の組成及び操作条件で電解剥離を行ったところ、全ての組成浴
において、銀ストライクめっき被膜は完全に除去されており、銀めっき被膜には
光沢むらや変色・はがれ等が全く見られず、銅基板の銅表面が露出した部分にも
腐食や変色等が見られなかった。 【0019】 そして、代表としてNo.1の組成浴と比較例としてのコハク酸イミド浴について
ライフテストを行ったところ、コハク酸イミド浴は電解時間18時間(銀剥離量
18g/l)以上で銀表面が不均一となり黄味を帯びてきた。さらに、この間に
、2時間ごとにコハク酸イミドの濃度調整及びpH調整が必要であった。本発明
によるNo.1の浴は、電解時間36時間(銀剥離量36g/l)までテストしたが
、銀表面状態及び剥離速度ともに良好であった。なお、この間、濃度調整及びp
H調整は必要なかった。 【0020】 【発明の効果】 この発明に係る銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法は、有毒のシア
ン化合物を使用しないため、排水処理施設や毒物管理施設が不要となり、作業現
場における安全性も確保される。 【0021】 また、錯形成剤としてヒダントイン化合物を用いているため、分解し易いコハ
ク酸イミドを用いた液に比べて液が安定し液寿命が長くなってコスト的に有利に
なる。 【0022】 そしてまた、この電解剥離液は、コハク酸イミドを用いた液よりも電流密度、
温度、pHにおいて許容範囲が広いので、液組成や操作条件の細かい設定作業が
不要となる。このため、液の管理が容易となって、作業性が大幅に向上するとと
もに、液管理のための設備や施設も不要になる。
ン化合物を用いない電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、ICリードフレームやコネクターピン等の電子部品に銀めっきを施す
場合、めっき不要部をマスキングすることによって必要な部分にのみ部分めっき
を施すようにしている。しかし、このようなマスキングを施しても、往々にして
必要めっきエリア以外の部分にはみ出してめっきされる場合がある。このため、
後処理として、この不必要なめっき被膜を剥離する必要があり、一般的には、剥
離処理対象物を剥離液に浸漬し、この剥離処理対象物を陽極とした電解処理を行
うことによって不要なめっき被膜を剥離するようにしている。 【0003】 このような電解剥離液としては、古くはシアン化カリやシアン化ナトリウムを
主成分としたもの等が知られている。これらの液は、シアン化合物の特性である
、銀イオンとの高い錯安定性を利用するものである。しかし、シアン化合物は強
い毒性を有するため、排水処理、毒物管理、作業上の安全対策等の問題を避けら
れない。加えて、シアン化合物を用いた電解剥離液は、下地金属の腐食や必要め
っき部分表面の粗度を増加させて光沢むらや光沢劣化の原因となることもある。
このため、シアン化合物を用いない電解剥離液として、コハク酸イミド及び/又
はフタル酸イミドとアルカリ金属水酸化物を主成分とするものが提案されている (特開平2−104699号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような組成の電解剥離液にあっては、液が不安定で設定が
難しいという別の不具合がある。つまり、コハク酸イミドは、電解又は自然放置
によって容易に酸化・還元分解されるため、これを用いた液は不安定で液寿命が
短かくなってしまう。また、この液を使用する際のpH範囲は、9.0±0.2
とかなり狭いため、液の管理が非常に難しくなる。加えて、この液は、電流密度
の設定も難しく、例えばICリードフレームにめっきを施す場合、そのめっき面
のサイズやパターンに応じて電流密度をその都度細かく設定する必要があり、改
善が望まれていた。 【0005】 本発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、有害なシアン
化合物を使用せず、液の管理が容易で安定して使用することのできる、銀の電解
剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 この発明の発明者は、この種の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法を開
発するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すような非シアン系の化合物がこ
の目的に適合することを見いだし、その知見に基づいてこの発明をなすに至った
。 【0007】 即ち、この発明に係る電解剥離液は、錯形成剤として、 一般式 【化3】 〔式中、R1、R3、R5はそれぞれ水素、又は1〜5個の炭素原子を持つアル
キル基あるいはアルカノール基を表す〕 又は 一般式 【化4】 〔式中、R1、R3はそれぞれ水素、又は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基
あるいはアルカノール基を表す。R5、R5′は1〜5個の炭素原子を持つアルキ
ル基あるいはアルカノール基を表す。〕 で表されるヒダントイン化合物の少なくともいずれかを含有してなるものとして
いる。 【0008】 このヒダントイン化合物は、銀に対し特異的に錯体を形成するという特性を有
し、この化合物を用いることによって、均一で下地金属の腐食等のない安定した
電解剥離を行えることになる。ヒダントイン化合物としては、例えば、1−メチ
ルヒダントイン、1,3−ジメチルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイ
ン等を採用でき、液中に10〜300g/l、好ましくは40〜100g/l含
有するものとしている。 【0009】 ヒダントイン化合物が10g/lより少ない場合、安定した剥離が行えなくな
るとともに電流密度の上限が小さくなって実用に供することが難しくなる。ヒダ
ントイン化合物が300g/lより多い場合、飽和の状態になって溶解しにくく
なるとともに、コストが高価となり実用上不適となる。 【0010】 また、この発明に係る電解剥離方法は、上記組成の電解剥離液を、以下の操作
条件、即ち、pH4〜14、好ましくはpH7〜12、より好ましくはpH10
.5〜11.5、液温10〜90℃、好ましくは液温20〜60℃、より好まし
くは液温30〜50℃、電流密度0.5〜10A/dm2、好ましくは電流密度
1 〜8A/dm2、より好ましくは電流密度2〜7A/dm2の操作条件で用いるも
のとしている。 【0011】 pH4〜14としたのは、pHが4より低いと液中に銀塩が沈殿し易くなると
ともに剥離効率が極端に低下し、pHが14より高いと均一な剥離が行われにく
くなるためである。なお、pHの調整は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又
は硫酸を用いて行なうようにしている。液温が10℃より低い場合は、剥離が均
一に行われなくなり、液温が90℃より高い場合は、液が分解しやすくなって不
安定となる。電流密度が0.5A/dm2より低い場合は、剥離速度が遅くなっ
て実用的でなくなり、10A/dm2より高い場合は、水素の発生が起こって剥
離が行えなくなってしまう。 【0012】 このように、本発明による電解剥離液は、pH、温度、電流密度の範囲を比較
的広くとることが可能であり、これにより、浴の管理が極めて容易となるととも
に液管理のための設備も簡略化できることになる。例えば、一般に電解槽には液
循環ポンプ等の機器が備えられているため、これらの機器からの放熱によって液
温がかなり高くなることが多い。このため、適正温度範囲が20〜30℃である
コハク酸イミドを用いた従来の液では、冷却装置が必要になるが、この発明によ
る電解剥離液では、このような冷却装置等を不要とできるものである。 【0013】 なお、この電解剥離液に用いるpH緩衝剤及び電導塩としては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属水酸化
物あるいはアルカリ金属塩を用いるようにしている。その量は10〜150g/
l、好ましくは20〜50g/l添加するものとし、10g/lより少ない場合
は液のpHを安定させ且つ液に電導性を与える役割を果たしづらく、150g/
lより多い場合は均一な剥離が行われにくくなる。尚、pH緩衝剤として、水酸
化カリウムや水酸化ナトリウムを用いる場合は、これが電導塩も兼ねるものであ
る。 【0014】 【実施例】 次に実施例によってこの発明をさらに詳細に説明する。 【0015】 表面を研磨した2cm×4cmサイズの銅基板に、先ず、部分的な銀ストライ
クめっき層を形成し、次いでこの銀ストライクめっき層の上に、さらに小さいサ
イズで膜厚5μmの銀めっき層を重ねて形成することによって、銅表面、銀スト
ライクめっき層表面、銀めっき層表面がそれぞれ露出された試験片を得た。 【0016】 この試験片について、以下の表に示すようなNo.1〜No.9の組成浴を用いて電解
処理を施した。なお、操作条件は、液温40℃、電流密度5A/dm2、電解時
間30秒とし、陰極はステンレススチール製とした。 【0017】 【表1】 【0018】 以上に示す各々の組成及び操作条件で電解剥離を行ったところ、全ての組成浴
において、銀ストライクめっき被膜は完全に除去されており、銀めっき被膜には
光沢むらや変色・はがれ等が全く見られず、銅基板の銅表面が露出した部分にも
腐食や変色等が見られなかった。 【0019】 そして、代表としてNo.1の組成浴と比較例としてのコハク酸イミド浴について
ライフテストを行ったところ、コハク酸イミド浴は電解時間18時間(銀剥離量
18g/l)以上で銀表面が不均一となり黄味を帯びてきた。さらに、この間に
、2時間ごとにコハク酸イミドの濃度調整及びpH調整が必要であった。本発明
によるNo.1の浴は、電解時間36時間(銀剥離量36g/l)までテストしたが
、銀表面状態及び剥離速度ともに良好であった。なお、この間、濃度調整及びp
H調整は必要なかった。 【0020】 【発明の効果】 この発明に係る銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法は、有毒のシア
ン化合物を使用しないため、排水処理施設や毒物管理施設が不要となり、作業現
場における安全性も確保される。 【0021】 また、錯形成剤としてヒダントイン化合物を用いているため、分解し易いコハ
ク酸イミドを用いた液に比べて液が安定し液寿命が長くなってコスト的に有利に
なる。 【0022】 そしてまた、この電解剥離液は、コハク酸イミドを用いた液よりも電流密度、
温度、pHにおいて許容範囲が広いので、液組成や操作条件の細かい設定作業が
不要となる。このため、液の管理が容易となって、作業性が大幅に向上するとと
もに、液管理のための設備や施設も不要になる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 銀の電解剥離液において、 錯形成剤として、 一般式 【化1】 〔式中、R1、R3、R5はそれぞれ水素、又は1〜5個の炭素原子を持つアル
キル基あるいはアルカノール基を表す〕 又は 一般式 【化2】 〔式中、R1、R3はそれぞれ水素、又は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基
あるいはアルカノール基を表す。R5、R5′は1〜5個の炭素原子を持つアルキ
ル基あるいはアルカノール基を表す。〕 で表されるヒダントイン化合物の少なくともいずれかを含有してなることを特徴
とする電解剥離液。 【請求項2】 請求項1に記載のヒダントイン化合物を、10〜300g/l
含有してなる請求項1記載の電解剥離液。 【請求項3】 請求項1又は2記載の電解剥離液を、pH4〜14、液温10
〜90℃、電流密度0.5〜10A/dm2の操作条件で用いる銀の電解剥離方
法。
Family
ID=
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