JP3112857B2 - 銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法 - Google Patents

銀の電解剥離液及びそれを用いた電解剥離方法

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JP3112857B2 JP09108485A JP10848597A JP3112857B2 JP 3112857 B2 JP3112857 B2 JP 3112857B2 JP 09108485 A JP09108485 A JP 09108485A JP 10848597 A JP10848597 A JP 10848597A JP 3112857 B2 JP3112857 B2 JP 3112857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀の電解剥離液及びそ
れを用いた電解剥離方法に関し、特に、光沢度のコント
ロールが容易な電解剥離液及び電解剥離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICリードフレームやコネクタ
ーピン等の電子部品に銀めっきを施す場合、めっき不要
部をマスキングすることによって必要な部分にのみ部分
めっきを施すようにしている。しかし、このようなマス
キングを施しても、往々にして必要めっきエリア以外の
部分にはみ出してめっきされる場合がある。このため、
後処理として、この不必要なめっき被膜を剥離する必要
があり、一般的には、剥離処理対象物を剥離液に浸漬
し、この剥離処理対象物を陽極とした電解処理を行うこ
とによって不要なめっき被膜を剥離するようにしてい
る。
【0003】このような電解剥離液としては、従来よ
り、コハク酸イミド及び/又はフタル酸イミドとアルカ
リ金属水酸化物を主成分とする非シアン系のものが提案
されていたが、この種の電解剥離液は液が不安定で管理
が難しいため、本出願人は先に液が安定し管理が容易な
電解剥離液を提案した。すなわち、コハク酸イミド等に
代えて、ヒダントイン化合物を主成分とした銀の電解剥
離液を提案したものである(特開平7−243100号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電解剥離液も、液の安定性及び管理の面では有利で
あるものの、光沢度の調整が面倒であった。すなわち、
電解剥離液の浴温や他の条件を変化させることにより光
沢度の調整を行う必要があった。特に、光沢度に関して
は、不要膜を電解剥離した後の物の光沢が、最終めっき
製品の光沢となるため、電解剥離工程における銀光沢調
整は重要である。
【0005】本発明はこのような従来の技術に着目して
なされたものであり、光沢度の調整が容易な銀の電解剥
離液及びそれを用いた電解剥離方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の銀の電解剥離液は、錯形成剤としてヒダン
トイン化合物を含有し、光沢調整剤として分子量100
〜70000の高分子窒素化合物を、0.1〜200m
l/l含有してなるものである。
【0007】即ち、この発明に係る電解剥離液は、錯形
成剤として、一般式
【化3】 〔式中、R1 、R3 、R5 はそれぞれ水素、又は1〜5
個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカノール基
を表す〕又は一般式
【化4】 〔式中、R1 、R3 、R5 、R5 ′はそれぞれ水素、又
は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカ
ノール基を表す〕で表されるヒダントイン化合物の少な
くともいずれかを含有している。
【0008】このヒダントイン化合物は、銀に対し特異
的に錯体を形成するという特性を有し、この化合物を用
いることによって、均一で下地金属の腐食等のない安定
した電解剥離を行えることになる。ヒダントイン化合物
としては、例えば、1−メチルヒダントイン、1,3−
ジメチルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン
等を採用でき、液中に10〜300g/l(好ましくは
40〜100g/l)含有するものとしている。
【0009】ヒダントイン化合物が10g/lより少な
い場合、安定した剥離が行えなくなるとともに電流密度
の上限が小さくなって実用に供することが難しくなる。
ヒダントイン化合物が300g/lより多い場合、飽和
の状態になって溶解しにくくなるとともに、コストが高
価となり実用上不適となる。
【0010】光沢調整剤として添加される高分子窒素化
合物は分子量100〜70000の範囲である。分子量
が100未満では、添加する量が増加し、コストが高価
になり、分子量が70000を超えると、添加量をコン
トロールするのが難しくなる。
【0011】この高分子窒素化合物の具体例としては、
ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンイミン−
アルキルイミン共重体(PAI)、ポリブレン(P
B)、ポリアリルアミン(PAA)等が好適である。
【0012】この光沢調整剤の添加量は0.1〜200
ml/lで、0.1ml/l未満では光沢調整の効果が
現れず、200ml/lを超えて添加しても光沢の変化
が小さくコストの面で不利となる。
【0013】光沢度は光沢調整剤の添加量だけで調整す
ることができ、液温やその他の条件を変更する必要がな
いため、調整が容易である。また、電流密度の影響を受
けにくく、特に添加量が50ml/l付近で最も電流密
度の影響を受けなくなる。
【0014】この発明に係る電解剥離方法としては、上
記組成の電解剥離液を、以下の操作条件、即ち、pH4
〜14、好ましくはpH7〜12、より好ましくはpH
10.5〜11.5、液温10〜90℃、好ましくは液
温20〜60℃、より好ましくは液温30〜50℃、電
流密度0.5〜10A/dm2 、好ましくは電流密度1
〜8A/dm2 、より好ましくは電流密度2〜7A/d
2 の操作条件で用いるものとしている。
【0015】pH4〜14としたのは、pHが4より低
いと液中に銀塩が沈殿し易くなるとともに剥離効率が極
端に低下し、pHが14より高いと均一な剥離が行われ
にくくなるためである。なお、pHの調整は、水酸化カ
リウム、水酸化ナトリウム又は硫酸を用いて行なうよう
にしている。液温が10℃より低い場合は、剥離が均一
に行われなくなり、液温が90℃より高い場合は、液が
分解しやすくなって不安定となる。電流密度が0.5A
/dm2 より低い場合は、剥離速度が遅くなって実用的
でなくなり、10A/dm2 より高い場合は、水素の発
生が起こって剥離が行えなくなってしまう。
【0016】このように、本発明による電解剥離液は、
pH、温度、電流密度の範囲を比較的広くとることが可
能であり、これにより、浴の管理が極めて容易となると
ともに液管理のための設備も簡略化できることになる。
例えば、一般に電解槽には液循環ポンプ等の機器が備え
られているため、これらの機器からの放熱によって液温
がかなり高くなることが多いが、このように温度が上が
っても本発明では問題なく、冷却装置等も不要である。
【0017】なお、この電解剥離液に用いるpH緩衝剤
及び電導塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、塩化カリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属水
酸化物あるいはアルカリ金属塩を用いるようにしてい
る。その量は10〜150g/l、好ましくは20〜5
0g/l添加するものとし、10g/lより少ない場合
は液のpHを安定させ且つ液に電導性を与える役割を果
たしづらく、150g/lより多い場合は均一な剥離が
行われにくくなる。尚、pH緩衝剤として、水酸化カリ
ウムや水酸化ナトリウムを用いる場合は、これが電導塩
も兼ねるものである。
【0018】
【実施例】次に実施例によってこの発明を更に詳細に説
明する。
【0019】表面を研磨した2cm×4cmサイズの銅
基板に、先ず、部分的な銀ストライクめっき層を形成
し、次いでこの銀ストライクめっき層の上に、更に小さ
いサイズで膜厚5μmの銀めっき層を重ねて形成するこ
とによって、銅表面、銀ストライクめっき層表面、銀め
っき層表面がそれぞれ露出された試験片を得た。そし
て、銀ストライクめっき層を「はみ出しめっき」とし、
これを剥離する試験をした。
【0020】すなわち、この試験片について、下記のよ
うな組成の組成浴を8種類用意し、これを用いて電解処
理を施した。尚、操作条件は、液温40℃、pH10、
電流密度3、5、7A/dm2 、電解時間30秒とし、
陰極はステンレススチール製とした。
【0021】 *5,5−ジメチルヒダントイン …………………… 75g/l *水酸化カリウム………………………………………… 30g/l *ポリエチレンイミン(PEI)……………………… 0〜100ml/l
【0022】以上に示す各々の組成及び操作条件で電解
剥離を行ったところ、全ての組成浴において、銀ストラ
イクめっき被膜は完全に除去されており、銀めっき被膜
は、下記の表1、及び図1のグラフに示すような半光沢
が得られた。光沢状態はどれも色ムラ等のない良好なも
のであった。光沢評価は、光沢度計(GAM)を用いて
測定した。
【0023】
【表1】
【0024】この実施例から明らかなように、各電流密
度において、PEIの添加量により光沢度が変化する。
このように、PEIの添加量だけで、光沢度を変化させ
ることができるため、光沢度の調整が容易である。ま
た、図1から明らかなように、各電流密度での光沢度が
概ね同じ傾向で変化し、電流密度の影響をあまり受けな
いことが分かる。特に、添加量が50ml/l付近では
最も電流密度の影響を受けなくなる。
【0025】更に、代表としてNo.2の組成浴を電解時間
36時間(銀剥離量36g/l)までテストしたが、光
沢状態及び剥離速度ともに良好であった。尚、この間、
濃度調整及びpH調整は必要なかった。
【0026】尚、PEI以外の高分子窒素化合物、5,
5−ジメチルヒダントイン以外のヒダントイン化合物に
ついても実験したみたが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0027】
【発明の効果】この発明に係る銀の電解剥離液及びそれ
を用いた電解剥離方法は、光沢調整剤の添加量だけで光
沢度を調整で且つ電流密度の影響は受けにくいため、光
沢度の調整が容易である。
【0028】また、錯形成剤としてヒダントイン化合物
を用いているため、分解し易いコハク酸イミドを用いた
液に比べて液が安定し液寿命が長くなってコスト的に有
利になる。
【0029】更に、液の管理が容易となって、作業性が
大幅に向上するとともに、液管理のための設備や施設も
不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光沢度に関する光沢調整剤の添加量と電流密度
との関係を示すグラフ。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀の電解剥離液において、錯形成剤とし
    て、 一般式 【化1】 〔式中、R1 、R3 、R5 はそれぞれ水素、又は1〜5
    個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカノール基
    を表す〕又は一般式 【化2】 〔式中、R1 、R3 、R5 、R5 ′はそれぞれ水素、又
    は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルカ
    ノール基を表す〕で表されるヒダントイン化合物の少な
    くともいずれかを含有し、 光沢調整剤として分子量100〜70000の高分子窒
    素化合物を、0.1〜200ml/l含有してなること
    を特徴とする電解剥離液。
  2. 【請求項2】 高分子窒素化合物が、ポリエチレンイミ
    ン(PEI)、ポリエチレンイミン−アルキルイミン共
    重体(PAI)、ポリブレン(PB)、ポリアリルアミ
    ン(PAA)のいずれかである請求項1記載の銀の電解
    剥離液。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電解剥離液を、p
    H4〜14、液温10〜90℃、電流密度0.5〜10
    A/dm2 の操作条件で用いる銀の電解剥離方法。
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