JP2602525B2 - 食品の製造法 - Google Patents
食品の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食品の製造法に関する。
従来技術 生鮮食品、例えば魚、いか、魚卵、魚内蔵、海草、野
菜、果実等は保存のため、食塩、砂糖、醤油等によって
脱水し、同時に調味される。例えば魚肉類は水分が40〜
50%程度になると腐敗し難くなるため、魚肉中の水分を
食塩によって滲出せしめて保存する塩蔵技術が古くから
知られている。塩蔵法には魚体に食塩をふりかけて塩漬
けするふり塩漬と、魚体を濃厚食塩水に浸漬する立て塩
漬とがある。ふり塩漬では脱水量は多いが食塩の魚肉へ
の浸透量が不均一となり易く、また多量の食塩を必要と
する。立て塩漬は脱水効率が低い。ふり塩漬に加圧を併
用する提案もなされている(日水会誌、22、429(195
6)。それによると、圧力が高くなる程脱水量が高く、
塩漬後の重量/原重量(20日後)が、加圧をしない場合
71%程度であるのに対し、100g/cm2の加圧を併用した場
合は61%に減少する。即ち、脱水に加圧が有効であるこ
を示している。
菜、果実等は保存のため、食塩、砂糖、醤油等によって
脱水し、同時に調味される。例えば魚肉類は水分が40〜
50%程度になると腐敗し難くなるため、魚肉中の水分を
食塩によって滲出せしめて保存する塩蔵技術が古くから
知られている。塩蔵法には魚体に食塩をふりかけて塩漬
けするふり塩漬と、魚体を濃厚食塩水に浸漬する立て塩
漬とがある。ふり塩漬では脱水量は多いが食塩の魚肉へ
の浸透量が不均一となり易く、また多量の食塩を必要と
する。立て塩漬は脱水効率が低い。ふり塩漬に加圧を併
用する提案もなされている(日水会誌、22、429(195
6)。それによると、圧力が高くなる程脱水量が高く、
塩漬後の重量/原重量(20日後)が、加圧をしない場合
71%程度であるのに対し、100g/cm2の加圧を併用した場
合は61%に減少する。即ち、脱水に加圧が有効であるこ
を示している。
同様に野菜類も塩蔵される。代表的には漬物であり、
これも脱水を効果的に行なうため、重しが用いられる。
これも脱水を効果的に行なうため、重しが用いられる。
果実類は脱水のため砂糖漬される。この場合、濃厚砂
糖液を用いるとその高い浸透圧により脱水されるが同時
に組織硬化を生じて砂糖が植物組織内部に入り難いと云
う問題がある。
糖液を用いるとその高い浸透圧により脱水されるが同時
に組織硬化を生じて砂糖が植物組織内部に入り難いと云
う問題がある。
食品への味つけや着色等を効率的に行なう方法として
減圧を採用することが数多く提案されている。例えば特
開昭55−111750号後方は漬物用材料を減圧処理して、材
料を脱気し、脱気した後の気孔を通して酵素や調味料を
浸透させる方法を開示している。特開昭54−132258号公
報には減圧によって果実に糖液を浸透させる方法、特開
昭61−268142号公報には食品原料を減圧処理して多孔性
にし、食品の吸水性等を向上させる方法、特開昭59−16
9470号公報には卵を着色液中に浸漬し、減圧処理するこ
とにより、卵殻の空気を脱気し、次いで常圧に戻すこと
により、着色液が卵殻内に浸透する原理を用いた卵の着
色方法、特開昭53−86050号公報には減圧により、材料
中に調味料を浸透させる即席食品の具の製造法、特公昭
55−15193号公報には食品材料の組織および細胞からガ
スを除去し、次いでその間隙に水溶液を浸透させる方法
がそれぞれ開示されている。いずれも、減圧と高吸水性
調味料の共同作用による脱水について教示していない。
減圧を採用することが数多く提案されている。例えば特
開昭55−111750号後方は漬物用材料を減圧処理して、材
料を脱気し、脱気した後の気孔を通して酵素や調味料を
浸透させる方法を開示している。特開昭54−132258号公
報には減圧によって果実に糖液を浸透させる方法、特開
昭61−268142号公報には食品原料を減圧処理して多孔性
にし、食品の吸水性等を向上させる方法、特開昭59−16
9470号公報には卵を着色液中に浸漬し、減圧処理するこ
とにより、卵殻の空気を脱気し、次いで常圧に戻すこと
により、着色液が卵殻内に浸透する原理を用いた卵の着
色方法、特開昭53−86050号公報には減圧により、材料
中に調味料を浸透させる即席食品の具の製造法、特公昭
55−15193号公報には食品材料の組織および細胞からガ
スを除去し、次いでその間隙に水溶液を浸透させる方法
がそれぞれ開示されている。いずれも、減圧と高吸水性
調味料の共同作用による脱水について教示していない。
発明が解決しようとする課題 前述したごとく、食塩や砂糖等、高吸水性調味料を用
いて、生鮮食品を脱水しその保存性を高める技術は古く
から知られているが、従来法では多量の高吸水性調味料
を必要とし、かつ脱水に時間を要し、加えて、調味料、
例えば食塩の食品への吸収が局部的に生じて、表面のみ
が特に塩辛いと云った現象を生ずる。本発明は上記の課
題を解決することを目的とする。
いて、生鮮食品を脱水しその保存性を高める技術は古く
から知られているが、従来法では多量の高吸水性調味料
を必要とし、かつ脱水に時間を要し、加えて、調味料、
例えば食塩の食品への吸収が局部的に生じて、表面のみ
が特に塩辛いと云った現象を生ずる。本発明は上記の課
題を解決することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は魚介類または魚介類の内臓からなる食品材料
を食塩の存在下に減圧処理する工程において、食塩の使
用量が食品材料100重量部に対し5〜10重量部であり、
減圧処理を−500〜−760mmHgで行うことを特徴とする食
品の製造法に関する。
を食塩の存在下に減圧処理する工程において、食塩の使
用量が食品材料100重量部に対し5〜10重量部であり、
減圧処理を−500〜−760mmHgで行うことを特徴とする食
品の製造法に関する。
本発明の適用できる食品材料は含水食品材料、例えば
生鮮食品、特にかつお、さけ、さば、かれい、まいわ
し、あじ、はたはた、いか、このわた(なまこ)、めふ
ん(さけ、ますの腎臓)、うるか(あゆの内臓)等の魚
介類またはその内臓等が例示される。
生鮮食品、特にかつお、さけ、さば、かれい、まいわ
し、あじ、はたはた、いか、このわた(なまこ)、めふ
ん(さけ、ますの腎臓)、うるか(あゆの内臓)等の魚
介類またはその内臓等が例示される。
食品材料に対する食塩の使用量は、対象食品の種類に
より異なるが、食品材料100重量部に対し、食塩5〜10
重量部である。
より異なるが、食品材料100重量部に対し、食塩5〜10
重量部である。
減圧処理は−500〜−760mmHgで行う。温度は、常温で
よく、処理時間は所望の脱水率が達成されるまでであ
り、目的とする食品により異なる。
よく、処理時間は所望の脱水率が達成されるまでであ
り、目的とする食品により異なる。
の塩辛では、30〜60分程度である。
本発明を適用する上で特に好ましい食品の例は、いか
の塩辛、かつをの塩辛(酒盗)、このわた、うるか、め
ふん等である。
の塩辛、かつをの塩辛(酒盗)、このわた、うるか、め
ふん等である。
以下、実施例をあげて本発明を説明する。
実施例1 いかの脱水: 原料いか(紋甲いか)(10kg)の胴肉および脚肉を回
転式減圧容器に仕込み、食塩600gを加え−750mmHgに減
圧し、13r.p.mで回転しながら脱水した。5分ごとに回
転方向を逆にし、1時間20分にわたり経時的に処理いか
を採取してその含水量と塩分を測定した。水分はケット
水分計を用い、塩分はモール法で測定した。結果を第1
図に示す。
転式減圧容器に仕込み、食塩600gを加え−750mmHgに減
圧し、13r.p.mで回転しながら脱水した。5分ごとに回
転方向を逆にし、1時間20分にわたり経時的に処理いか
を採取してその含水量と塩分を測定した。水分はケット
水分計を用い、塩分はモール法で測定した。結果を第1
図に示す。
比較例1 実施例1と同じ紋甲いか10kgに食塩800gを加えよく混
合した後、網目状のトレイに並べて脱水した。脱水率お
よび塩分を8時間にわたって測定した。測定は実施例1
と同様に行なった。結果を第1図に示す。
合した後、網目状のトレイに並べて脱水した。脱水率お
よび塩分を8時間にわたって測定した。測定は実施例1
と同様に行なった。結果を第1図に示す。
第1図中、実線(1)および(2)は本発明方法、お
よび点線(3)および(4)は常圧下での脱水処理にお
けるいか中の水分と塩分を示す。各線によって囲まれた
部分は処理時間に対する塩または水分量のばらつきを示
す。
よび点線(3)および(4)は常圧下での脱水処理にお
けるいか中の水分と塩分を示す。各線によって囲まれた
部分は処理時間に対する塩または水分量のばらつきを示
す。
実施例1および比較例1で得られたいかの塩辛を比較
すると、実施例1で示された塩辛の方が同じ濃度でも味
がマイルドであった。
すると、実施例1で示された塩辛の方が同じ濃度でも味
がマイルドであった。
発明の効果 含水食品の脱水に高吸水性調味料に加えて減圧を併用
すると高吸水性調味料単独の場合に比べて著しく脱水時
間を短縮することができる。加えて、得られた食品には
調味料が均一に含浸される。
すると高吸水性調味料単独の場合に比べて著しく脱水時
間を短縮することができる。加えて、得られた食品には
調味料が均一に含浸される。
第1図は脱水時間に対する原料いかの水分と塩分の変化
を示すグラフである。 (1)は減圧処理併用時の水分、 (2)は減圧処理併用時の塩分、 (3)は常圧処理時の水分、 (4)は常圧処理時の塩分を示す。
を示すグラフである。 (1)は減圧処理併用時の水分、 (2)は減圧処理併用時の塩分、 (3)は常圧処理時の水分、 (4)は常圧処理時の塩分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−132258(JP,A) 特開 昭55−162947(JP,A) 特開 昭64−71462(JP,A) 食品科学便覧編集委員会編「食品科学 便覧」(昭53−5−10)共立出版 P. 365−367
Claims (1)
- 【請求項1】魚介類または魚介類の内臓からなる食品材
料を食塩の存在下に減圧処理する工程において、食塩の
使用量が食品材料100重量部に対し5〜10重量部であ
り、減圧処理を−500〜−760mmHgで行うことを特徴とす
る食品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63062896A JP2602525B2 (ja) | 1988-03-16 | 1988-03-16 | 食品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63062896A JP2602525B2 (ja) | 1988-03-16 | 1988-03-16 | 食品の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01235540A JPH01235540A (ja) | 1989-09-20 |
JP2602525B2 true JP2602525B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=13213466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63062896A Expired - Fee Related JP2602525B2 (ja) | 1988-03-16 | 1988-03-16 | 食品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2602525B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW200744482A (en) * | 2006-04-20 | 2007-12-16 | Calbee Foods Co | Topping material adhering apparatus |
JP6461479B2 (ja) * | 2014-03-26 | 2019-01-30 | 元司 堀 | 浸漬物への水分移行防止方法 |
FR3039766B1 (fr) * | 2015-08-03 | 2018-09-07 | Lvmh Recherche | Composition cosmetique exfoliante |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54132258A (en) * | 1978-04-03 | 1979-10-15 | Shinka Shiyokuhin Kk | Rapidly impregnating of liquid saccharide into fruits and jam production |
JPS6471462A (en) * | 1987-09-04 | 1989-03-16 | Haku Kouun | Method and apparatus for manufacturing salted guts containing little salt |
-
1988
- 1988-03-16 JP JP63062896A patent/JP2602525B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
食品科学便覧編集委員会編「食品科学便覧」(昭53−5−10)共立出版 P.365−367 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01235540A (ja) | 1989-09-20 |
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Legal Events
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