JPH04207162A - 植物組織への溶液浸透法及び調味漬の製造方法 - Google Patents

植物組織への溶液浸透法及び調味漬の製造方法

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JPH04207162A
JPH04207162A JP2336083A JP33608390A JPH04207162A JP H04207162 A JPH04207162 A JP H04207162A JP 2336083 A JP2336083 A JP 2336083A JP 33608390 A JP33608390 A JP 33608390A JP H04207162 A JPH04207162 A JP H04207162A
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plant
pressure
solute
solution
pickles
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JP2336083A
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Inventor
Mayumi Takeuchi
武内 真由美
Shoichi Koizumi
詔一 小泉
Tsuguaki Nishitani
紹明 西谷
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、植物体の組織中へ所望の溶液を浸透させる方
法および、その方法を応用した生野菜類の調味漬を製造
する方法に関する。
[従来の技術] 植物体組織は動物体組織と異なりその細胞は液胞と細胞
壁をもつ。又植物体細胞の原形質膜には表層と液胞膜が
あり、選択浸透性をもち、細胞の浸透圧調節を行ってい
る。細胞壁は過度な吸水等による膨張を防ぎ、吸水を制
限している。
ところで通常の細胞液は食塩濃度換算で0.85%の浸
透圧をもっており、これより高い浸透圧をもつ溶液と接
すると細胞液の水が細胞外に強制的に放出される。この
結果、脱水されることになるが、一方、水分が細胞外へ
放出する際細胞は原形質分離を起し、原形質膜と細胞膜
の間隙に溶液が侵入し分子量の比較的小さな溶質が原形
質中に拡散することとなる。このような浸透作用を利用
した代表的食品に漬物がある。生野菜の加工、調理品と
して漬物は日常食の中では副食の一部、保存食品として
、また、行事食としては香の物などとして食されてきた
漬物には塩漬、砂糖漬、酢漬の他、粕漬、麹漬、みそ漬
、しょうゆ漬、糠を用いたたくあん漬などその種類は多
い。又、−夜漬のように短時間で供卓されるものと、長
期に漬けこむものに分類される。
特に、比較的短時間で調製できる塩漬や酢漬等は幅広く
食されており、従来は味付けなしであったが近年では、
調味技術も発達し、味付けされるようになっている。い
わゆる調味漬である。
その代表的製造方法は、野菜類を洗浄後、20%程度の
食塩で一日程度塩蔵し、次に塩蔵前の40%まで圧搾、
塩抜きし調味液に投入、味を浸透させて完成するもので
ある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の方法によると塩蔵した野菜を塩抜き
する際、野菜素材の風味が流出してしまい、風味が損な
われるほか、栄養的に有効な成分の流出フレーバーの損
失、退色という問題がある。
さらに、昨今の低ナトリウムブームなと健康感覚を盛り
込んだ食品が望まれるようになるとともに、減塩漬物も
注目されるに至っている。
しかし、減塩することはかならずしも容易ではなく、塩
の作用効果として例えば、従来の漬物では塩蔵の工程を
とり、浸透圧の作用によって、水分をある程度除去する
とともに雑菌の発育を抑制する等有用性が高い。
その食塩は、5%以下であると雑菌を抑制する効用がな
いといわれることから、保存の面で7%〜10%の食塩
が使用されてきた。
又、塩蔵工程は、浸透圧により細胞組織を原形質分離さ
せ、破壊をおこし調味料を浸透させる作用があり、この
意味で本工程は調味漬製造上欠かせない。たとえば、な
す(1本80g)を食塩35%、グルタミン酸NaO,
5%の調味液にそのままっけこみ塩蔵処理を施さなかっ
た場合、塩蔵処理品して比へ、以下の表の通り、食塩は
時間経過に伴い幾分浸透するものの、グルタミン酸Na
は、はとんど増加しなかった。塩蔵工程なしでは調味液
浸漬期間をかなり長くしないと、物性、味の変化は起こ
らないと予測できる。
glu  :グルタミン酸 これは、分子量の小さい食塩は原形質膜を通過し内部へ
浸透していきやすいのに比べ、グルタミン酸は浸透しに
くく、−旦食塩が浸透すれば尚更内部への浸透は困難に
なるからである。通常、調理において、砂糖等を先に加
え食塩を後に加えるのはそのためである。従って調味漬
における塩蔵処理は細胞の原形質分離を起し細胞膜原形
質膜の半透性を破壊させ、その他の分子量の比較的大き
な溶質成分を細胞内に侵入させるという意味で、不可欠
な工程なのである。
一方、塩蔵処理により細胞組織の破壊が過度に進めば呈
味成分等の流出の他、漬物特有の歯ざわりも失われ漬物
としての価値を失うことになる。
食塩による細胞組織破壊の度合い、すなわち食塩濃度と
食塩浸漬時間の決定は、経験的になされているが、組織
全体を均一に破壊させることは、難しい。したがって、
調味料の浸透の制御も経験的なものであり、浸透量の確
保及び均一性の達成が課題である。
本発明は、上記従来技術の実情に鑑みなされたものであ
り、植物体の細胞組織内へ所望の溶質分を浸透させる新
規な技術を提供し、特に、該技術に基づく低塩調味漬、
その他の新しい生野菜加工食品を製造しうる方法を提供
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、1種又は2種以上の溶質を含む溶液の存在下
で自然の植物体に50MPa以上の圧力を加えることに
よって、該植物体の細胞組織内への上記それぞれの溶質
を浸透させることを特徴とする植物組織への溶液浸透法
であり、更に、この技術を利用した調味漬の製造方法で
あって、生野菜類を調味液に浸漬して、50MPa以上
の高圧処理を施す工程を包含することを特徴とする調味
漬の製造方法である。
本発明によれば、溶質の分子量による影響を著しく低減
させ、植物体の組織内へ植物体組織の構造性をある程度
保持したまま、所望の溶質成分を均一に浸透させること
が可能となり、かつ、その他の呈味成分の流出及び色の
変質等をほとんど起すことはない。更に、微生物制御も
付随的に可能となり、加熱殺菌等の処理を不要とじつる
以下、まず本発明の溶液浸透法について詳述する。
本発明の特徴は、植物体の細胞組織を完全には破壊する
ことなく、所望のバランスで溶質を細胞内へ浸透できる
ことである。従来は、植物体の構造性をある程度保持し
たままで2種以上の溶質を細胞内へとり込むには、■分
子量の小さい第1の溶質、例えば食塩を溶質として細胞
液の脱水を起すとともに、原形質分離を生じせしめるこ
とで、原形質膜の半透性を破壊し、つづいて分子量がさ
らに大きい第2の溶質を浸透させる方法、あるいは、■
まず第2の溶質(分子量が大きい方)を長時間かけて細
胞内へ浸透させた後、第1の溶質(小分子量)を浸透さ
せる方法、さらには■原料野菜の細胞壁、原形質膜等を
細胞液の冷凍による体積膨張や、乾燥により破壊したり
、緩和な加熱処理により破壊したり、又pHを調整して
浸透性を変化させる方法等の技術が知られている。
しかし、いずれの方法によっても、溶質の浸透濃度をバ
ランスすること、植物体の構造性をある程度保持するこ
と、比較的短時間かつ一つの操作で達成できること、濃
度分布が均一であること、その他変色等の悪影響を生じ
ないこと等の条件を実現できない。
即ち、第1の溶質の濃度が高くなりすぎる(■)、第1
の溶質と第2の溶質を別々に加えなければならない(■
)、又第2の溶質の浸透に長時間を要する(■、■)、
さらに、植物体の構造性が破壊され、組織自体が軟化し
すぎたり、変色を招く (■)、均一性に欠ける(■〜
■)等を生じ、溶質浸透量を調整するに足る程度に原形
質分離を起し、膜の半透性を破壊することは従来技術で
は困難である。
本発明の方法によれば、前述のすへての条件を満足し所
望の溶質濃度を達成することが可能となる。
本発明において、自然植物体とは、自然界に存在する組
織上の構造を保持している植物体をいい、細胞壁、原形
質膜、原形質等がすでに相当程度変性しているものは含
まない。具体的には、収穫され有意な変質をきたしてい
ない、いわゆる生野菜等であり、加熱処理等の加工、又
はすでに漬物となっているもの等は含まない。又、植物
体は原形を保持していなくとも、所望の形状に裁断され
ていてもよく、又外皮を除去したものや洗浄等の処理を
施したものでもよい。即ち、本発明は数細胞から成る小
片から原形まで処理対象の大きさを問わず適用できる。
1種又は2種以上の溶質を含む溶液とは、1種又は2種
以上の溶質を含む均一液相をいい、ナトリウム塩、カル
シウム塩、マグネシウム塩等の塩類、アルミニウム化合
物、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリミン等のアミ
ノ酸及びその塩、シュクロース、グルコース、フラクト
ースの糖類、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコ
ール、乳酸、コルク酸、酢酸等の溶質を1種又は2種以
上含有する。溶質の種類は特に制限されず、目的に応じ
て選択しつる。溶液の濃度は、基本的に細胞液の浸透圧
よりも高い浸透圧となる程度のものである。細胞組織の
浸透作用を利用するからである。多くの植物体の細胞液
の浸透圧が7.65atm程度であることを勘案すれば
、それ以上の浸透圧となるように溶液を調製するのが好
ましい。
溶液の存在下とは、上記溶液が植物体と接して存在して
おり、かならずしも植物体を包囲して存在する必要はな
く、その一部であってもよい。簡単には、植物体を溶液
中に浸漬する。溶液量は細胞内へ充分量の溶質が浸透で
きる程度は必要である。少なすぎれば細胞からの水分放
出が起った場合、希釈され高い浸透圧を保持できなくな
るし、浸透の不均一性の原因ともなる。
50MPa以上の圧力を加えるとは、50MPa以上の
静的圧力を均一に及ぼすということで、具体的には冷間
等方圧加圧装置等で実施できるものである。この処理に
より均一、安定な浸透性を実現しつる加圧時間は、圧力
の大きさと同様、溶質の種類、濃度、植物体の種類、形
状等を考慮し目的に応じて適宜設定する。表皮組織が堅
牢な例えば、ナスや人参等ではさらに高い圧力を採用す
るとよく、好ましくは200MPa以上である。圧力に
上限は特にないが、1000MPa以上の超高圧として
もよりよい効果は現れない。時間が長ければ、原形質膜
等の破壊が過度に進行し浸透する溶質量の調整が困難と
なり、短ければ充分な浸透を実現できない、一般的なレ
ンジとしては数分間〜数十分間程度でよい。温度は特に
調整する必要ななく、圧力に比べ影響は小さい。
このような圧力処理により、溶質の浸透速度を調整する
ことが可能となる。従来技術では2種類以上の溶質を浸
透させる場合、溶質の分子量に主に規定され、特に分子
量の大きい溶質の浸透を進行させることが困難であった
が、本発明によれば、分子量の大きさによる影響を大幅
に除去し、溶質量のバランスを図ることができる。細胞
組織の破壊の程度により膜の半透性の消失程度か異なり
、浸透する溶質の選択性が変化する。例えば、キュウリ
に400MPaの圧力を数十分間加えると、塩化ナトリ
ウムとグルタミンソーダに対する膜の選択的浸透性が有
効に消失する。即ち・当初の溶液の溶解割合に基づいて
、細胞内へ溶質を浸透させることが可能となる。従って
、所望の溶質比率で溶液を調製しておけば、その比率に
従って、溶質の浸透を実現しつる。
溶質の浸透は、加圧の開始とともに徐々にはじまるが、
実質的には加圧終了後、一定時間の放置により進行する
。放置時間は溶質の浸透量に影響するので、所望の量に
達するべく時間を調整すればよい。通常は数時間から数
日間放置する。放置時間が短かいと、充分量の溶質が浸
透せず、又2種以上の溶質のバランスも充分にとれない
ことがある。長ければ溶質濃度が増大する。
本発明によれば、上述したように溶質の種類による影響
を是正し均一な浸透が可能となるが、この効果は、溶質
分子量の比が最大で5倍以上の場合、顕著である。例え
ば塩化ナトリウム(23)とグルタミン酸(+47)で
は、147/23=6.4であり、この程度の差異があ
れば通常は完全に膜の選択性に規定されグルタミン酸は
浸透しにくい。又、シュクロース(342) とナトリ
ウムでは342/23冨14.9でシュクロースの浸透
はほとんど期待できない。本発明によればこのような溶
質の組合せにおいても有効な浸透バランスを実現しつる
このように所望の溶質を浸透させた植物体は、細胞の構
造性を保持している。即ち、細胞組成は完全には破壊さ
れていないので、組成は軟化しているものの外観、チフ
スシャー上に著しい変化は招いていない。加熱処理等を
施したものと対照をなす。又冷凍処理を施したものと比
べてもドリップ等の流出がほとんどない点も対照的であ
る。
以上説明した技術は、食品産業において好ましく適用す
ることができる。代表的には漬物産業であり、以下に説
明する調味漬においては、メリットが大きく、又新しい
加工食品の製造も可能となる。但し、本技術はこれらに
限定されることはない。
次に、上記技術に基づく調味漬の製造方法について説明
する。
本発明は、生野菜類を調味液に浸漬して、50MPa以
上の高圧処理を施す工程を包含することを特徴とする調
味漬の製造方法である。この方法によれば、塩と他の調
味料とのバランスがとれ、かつ食感上適度な硬さを有し
た、低塩分の調味漬を容易に製造でき、さらに、本方法
は均一性、製造安定性にも優れ殺菌効果も奏する。
生野菜類はその種類を問わず、更に、本発明では果実を
含む概念である。
効果の面から言えば、ナス、大根、梅、人参など細胞膜
の機能が浸透圧の高い溶液に入れるかまたは、加熱処理
によらないと破壊されないものにおいて、従来にない顕
著な効果を実現でき、有用性が高い。生野菜類は処理に
かける前に適宜、洗浄、皮むき、裁断等の前処理を施す
ことができる。
調味液は調味料を含有する溶液であり、特に限定されず
、漬物の種類により選択する。調味液は液状であるが、
沈澱物を有していても又懸濁液でも乳化状態でもよく、
少なくとも、一定の溶質が溶解しており流動性を有して
いればよい。粉状等であると均一処理が困難だからであ
る。代表的なものとしては食塩、MSG、砂糖、酢、し
ょう油等の水溶液を挙げることができるが、それらは細
胞液の浸透圧より高い浸透圧を有していれば混合溶液で
もよいし一種類の溶液でもよい。前述したように高圧処
理によれば溶質のバランスがとれるという効果を奏する
が、バランスだけでなく、−溶質の浸透も促進するとい
う効果もあるからである。
即ち、従来では、20%程度の食塩を用い塩蔵し、その
後塩抜きをする工程を通なければ、調味料及び食塩自体
も充分に浸透させることができなかったが、本発明によ
れば食塩自体の浸透も大幅に促進し、かつ調味成分も同
時に浸透させる。
従って、食塩水のみを用いて一夜漬タイブを製造しても
よく、この場合、処理時間の大幅な短縮、及び塩分濃度
、分布の均一性を達成することができる。表皮組織の硬
さの個体差に影響されることなく、均一、安定製造を可
能とする。
生野菜類を調味液に浸漬した後、50MPa以上、特に
好ましくは200MPa以上の圧力をかける。
50MPaより低い圧力ではほとんどの植物体組織にお
いて有効な選択浸透性の消失が起らない、更に、生野菜
、果実の加工品調製の観点から、調味液の選択浸透性を
考慮すれば、実用上は200MPaが好ましい。表皮の
細胞組織か比較的軟質なものではそれより低い圧力でも
有効であるが、例えばナス、人参など表皮の細胞組織が
硬質なものでは加圧圧力が低いと細胞破壊が十分起こら
ず、調味料に投入しても浸透しにくい。テクスチャーも
生のままで、殺菌効果も低減する。
一方、圧力が高くなると浸透の選択性がさらに低下する
傾向にあるカ月000MPaの超高圧処理でも特にメリ
ットはなく、コスト上の問題もある。加圧処理時間は、
調味料の浸透性を考慮し、設定する。通常所定の圧力に
達して後、数分間〜数十分間でもよい。長く処理を施せ
ば破壊は進むが、処理時間は処理圧力程影響しない。温
度は常温でよい。具体的には冷間等方圧加圧装置等によ
り圧力処理することができ、実際には野菜類を耐圧性の
ラミネートフィルム等に調味液とともに収納し、密封後
加圧するとよい。
適正加圧圧力は、対象となる植物体の表皮組織、用いる
調味液(即ち目的とする選択浸透の対象となる溶質)、
目的とする加工度等により適宜設定すれば良い。但し適
正圧力は対象ごとに臨界条件的に定まる場合が多い点を
考慮する。
こうした処理を施したことにより、数時間〜数十時間静
置して得た食品は、充分調味料液が浸透して好ましい味
覚に調整できるほか、テクスチャーは組織変化により軟
化し、水分のバランスも食するのに適正に加工できる。
また保存期間延長を可能とする。又、高圧処理の際に耐
圧性及び気密性の容器がラミネートフィルムに収納した
形態で処理すれば、処理後そのまま長時間保存すること
もできる。高圧処理により殺菌されるためである。従っ
て、この場合は、経時的浸透の影響も考慮して調味液の
配合及び量を設定しておくとよい。
生の野菜は高圧処理によって細胞膜の機能が破壊され、
調味液中の呈味成分は非常に浸透しゃすくなる。たとえ
ば下表に示すように、茄子を食塩3%・MSGo、5%
の液に投入し、高圧処理を行い、1日静置すると、溶液
に投入後、高圧処理をしないで静置した茄子に比べ、4
〜6倍のNaが浸透する。即ち、調味液中のNa/gl
u (ナトリウム/グルタミン酸)の濃度比は、概ね2
.5であるが高圧処理なしでは44とナトリウムの選択
浸透が著しく強く、この傾向は加圧圧力100MPaで
は変わらず、逆にナトリウムの浸透性を促進しているよ
うにも考えられる数値(比53)になっているが、圧力
200MPa 、400MPaで処理したものは、それ
ぞれ5.9 、4.5とナトリウムの選択浸透が大幅に
抑制されているのがわかる。
食感は、高圧処理をしないで静置した茄子が生に近いの
に対し、高圧処理を行い、1日静置した茄子は、好まし
い硬さに軟化する。
さらに、本発明によると殺菌が同時に行えるというメリ
ットがある。調味液は、通常、調味料浸漬後、分包、密
封し加熱殺菌をするが、素材によっては、加熱によりフ
レーバーの変化、退色、組織変化をおこし、それが品質
低下となりつる。
高圧による殺菌は、近年盛んに研究されているが本発明
においても、素材の特性を保ちながら殺菌が行えること
が明らかになった。
・サンプル、ナス・ ・glU−(グルタミン酸) mg/100g低塩の調
味漬を製造するには、調味液中の食塩濃度を調整する。
例えば、食塩濃度25〜4.0程度の範囲で用いれば充
分であり、この程度で美味な調味漬の食感、味等を付与
することができる。
又、例えばグルタミン酸とのバランスをとるためには、
その比率に応じて調味液を調整すればよく、調味液調製
的に設定したナトリウムとグルタミン酸との比率に基づ
き、野菜類中へ浸透させることができる。即ち調味液中
の濃度比率と調味漬中の濃度比率が大幅に変わることな
く、調味漬中の濃度を調整することができる低塩という
観点からすればナトリウムとグルタミン酸との濃度比が
1〜10程度の範囲にするようにすれば嗜好性の高い低
塩調味漬とすることができる。従来法で得た調味漬では
、該比率が20〜40にも達してもな゛お、グルタミン
酸濃度が低く、塩味の強いものしかできなかったのに比
べ、本発明によれば、簡単な操作でかつ短時間に低塩化
を達成することができる。
又、食塩としてにがり成分(マグネシウム塩、カリシラ
ム塩等)を含有する天然塩等を用いれば細胞間のペクチ
ン質が不溶性のペクチン酸カルシウム、ペクチン酸マグ
ネシウムを形成し、歯切れの改善をすることも可能であ
る。
上記ナトリウムとグルタミン酸の関係は、ナトリウムと
シュクロースとの関係等においても成立する。従って、
低塩たくわん漬等の他、漬物以外でも砂糖漬、はちみつ
漬、焼酎漬、ピクルスブリザーブ等の生野菜及び果実の
加工品を製造することができる。
[実施例コ 次に実施例を挙げ具体的に説明する。
実施例I  L1夏ユ本」 下記に示す配合により調味液を調製し、茄子3本(1本
50〜70g)と、調味液350m1をラミネートフィ
ルムに入れ、冷間等方圧加圧装置(三菱工業製)にセッ
トし、15分間かけて400MPaLで昇圧した。温度
は27℃±0.2℃であった。15分間、400MPa
を保持した後、降圧した。密封したまま1日静置し、製
品を評価した。
比較例として、従来法で得たものであって、塩蔵して脱
水、細胞膜の変化を起こさせた後、調味液に投入したも
の(比較例1)及び未高圧処理のものであって、生のま
ま調味液に投入したもの(比較例2)と比較した。処理
方法をまとめたのか・表2であり、表3に結果を示す(
表3中、磁1、患2とは、原料茄子入手が異なっており
、加えて比較例1の方法(塩蔵)については、塩蔵条件
を変えて行った。)。
(調味液) 食塩3.0%、MSGo、5%、イオン交換水96.5
表2 ;(刊l((デ 表3に示すように、本発明により得られた調味漬では、
グルタミン酸が充分に浸透し、かつNa/gluの比も
2回目で4.5と調味液のそれと大きな差異のないもの
で、低塩調味漬が実現できた。更に、官能評価等の評価
等を総合すると茄子の一本清における本発明の効果とし
ては以下のような特徴が評価された。
■塩蔵工程なくして、素材の食感を適度な硬さに改質で
きる。
■塩蔵工程なくして、素材に水分の吸収をさせ、漬物を
して適当なジューシー感を付与できる。
■塩蔵工程なくして、素材に調味することができる。低
Naで好みの旨味調味料が浸漬する。
■細胞組織の破壊の程度が全体均一であり、調味料浸漬
量が安定する。
実施例2及び3 庭土ΩI福」 茄子的200gを下記調味液(400ml)に生のまま
投入して後ラミネートフィルムを密封し、15分間かけ
て400MPaに昇圧した。温度は27℃±0.2℃で
あった。15分間400MPaで保持し、降圧した。
茄子の醤油漬用調味液は、食塩3.5%、醤油4.0%
、MSGo、7%1食酢0.2%、砂糖3.0%とした
比較例3として、塩蔵して脱水、細胞膜の変化を起こさ
せた後、調味液に投入したもの、比較例4として、生の
まま調味液に投入したものを対照とした。
以上のサンプルは密閉したまま1日静置し、評価した。
尚実施例2と3は圧力保持時間が相違するのみである。
結果は表4に示す。実施例1と同様低塩調味漬が得られ
、さらに色沢が改善されていた。
表4 1)2)  mg/100g 実施例4 二iL症」 生委(100g)の酢漬を下記調味液を用い実施例1と
同様にして製造した。
調味液は、食塩3,0%、MSGl、6%1食酢0.9
%、砂糖3.0%とした。
本実施例では、高圧処理後のラミネートフィルム内から
調味液を採取し、微生物検査を行った。
さらに、5℃に20日保存し、かびの発生により保存性
のちがいを判定した。
表5 調味液の微生物検査の結果は上表のとおりで、無処理で
は、酵母の検出があり加熱殺菌の必要性が示唆された。
一方、高圧処理をしたものは、特に問題のない結果を得
た。
20日後の製品のかびを判定した保存性評価は明らかに
高圧処理による効果が見られ保存性が改良されていた。
[発明の効果] 以上説明したように、植物体を溶液の存在下で高圧処理
することで、原形質膜等の選択透過性を所望により変化
させることができる効果、この技術を応用した調味漬で
は、低塩化、更に、それ以外の呈味成分の高濃度化を容
易に達成できる。この製造方法は簡易であり短時間化も
図ることができる。更に、高圧処理により殺菌効果も現
れるため、加熱殺菌等の別途の処理が不要となる。従っ
て、加熱処理により変質、変色をきたす食品にも本発明
が適用でき、保存性の向上が図れる。
得られる調味漬は、従来法によるものと比へ、多くの特
徴を有し、特に、低塩、高呈味成分であって、歯ざわり
、色沢等に優れている。
本発明の技術は調味漬製造に限らず、新規の野菜加工品
を製造に応用することができ、食品産業上非常に有用な
技術である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、1種又は2種以上の溶質を含む溶液の存在下で自然
    の植物体に50MPa以上の圧力を加えることによって
    、該植物体の細胞組織内への上記それぞれの溶質を浸透
    させることを特徴とする植物組織への溶液浸透法。 2、溶液が浸透圧以上である請求項1に記載の溶液浸透
    法。 3、生野菜類を調味液に浸漬して、50MPa以上の高
    圧処理を施す工程を包含することを特徴とする調味漬の
    製造方法。 4、調味液がナトリウムおよびグルタミン酸を含む請求
    項4に記載の製造方法。 5、生野菜類を調味液に浸漬した状態で包装密封し、高
    圧処理を施すことを特徴とする請求項4に記載の製造方
    法。
JP2336083A 1990-11-30 1990-11-30 植物組織への溶液浸透法及び調味漬の製造方法 Pending JPH04207162A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013518575A (ja) * 2010-02-05 2013-05-23 センス フォー テイスト 食品のフレーバーを変える方法
WO2017090008A1 (en) * 2015-11-27 2017-06-01 Instytut Wysokich Ciśnień Polskiej Akademii Nauk Method of food modification

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