JP2602366Y2 - 変速切換装置 - Google Patents

変速切換装置

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JP2602366Y2
JP2602366Y2 JP1992038147U JP3814792U JP2602366Y2 JP 2602366 Y2 JP2602366 Y2 JP 2602366Y2 JP 1992038147 U JP1992038147 U JP 1992038147U JP 3814792 U JP3814792 U JP 3814792U JP 2602366 Y2 JP2602366 Y2 JP 2602366Y2
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公浩 輿
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石川島芝浦機械株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、四輪駆動車両の高低変
速装置における前輪の高速、低速の切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トラクター等の四輪駆動車両にお
いて、前輪駆動部に高低速切換装置を設けて前輪の高
速、低速の切り換えを行う技術は、公知とされているの
であり、例えば、本出願と同一出願人による実願昭63
−44092号出願や実願昭63−44095号出願に
記載の技術の如くである。該従来技術において、通常の
低速駆動状態のときには、スプリングの付勢によりクラ
ッチ爪同士、カム爪同士が噛み合うようにし、高速駆動
状態のときには、クラッチ爪の頂部同士、カム爪の頂部
同士が当接するラップ代を構成することによりクラッチ
同士、カム同士が繰り返し噛み合わないようにして高速
駆動状態を維持する構造としている。そして、高速駆動
状態から低速駆動状態に戻す為には、前記ラップ代を無
くす必要があり、該方法としては、カム爪の頂部をギア
側のカム爪に当接させてラップ代を無くす方法と、スプ
リングの付勢によりカム爪を片側に寄せてラップ代を無
くす方法がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
において、カム爪の頂部をギア側のカム爪に当接させて
ラップ代を無くす方法は、該カム爪のオーバーランによ
る作動不良やつれ回りによる作動不良が生じるのであ
り、ギア側のカム爪の角部にカム爪の頂部を当接させる
為に、異常音の発生や磨耗の原因となるのである。ま
た、スプリングの付勢によりカム爪を片側に寄せてラッ
プ代を無くす方法は、該カム爪の頂部の片側に傾斜面を
設けた場合には、該傾斜面の反対方向にカム爪を寄せる
ことができるが、正回転及び逆回転に対応すべくカム爪
の頂部の両側に傾斜面を設けた場合には、カム爪を寄せ
ることができないのである。そこで、本考案は、カム爪
の頂部の両側に傾斜面を設け、前進及び後進時に高低速
の切り換えを行うことができ、高速から低速への切り換
えを確実に行うことができる高低速切換装置を構成する
ことを目的とするのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するための手段として、本考案は、次の如く構成したも
のである。高低変速切換装置において、低速駆動状態の
ときには、クラッチ爪体1をスプリング13により、低
速駆動用のギア3のクラッチ爪3aの方向に付勢するこ
とによりクラッチ爪同士が噛合し、またクラッチ爪体1
に係合嵌装されているカム爪体2のカム爪2aを、ギア
3のカム爪3bの方向に付勢することにより、カム爪同
噛み合うようにし、他の駆動系統による高速駆動状
態のときには、高低回転数の差によりスプリング13に
抗してカム爪体2によりクラッチ爪体1を押し戻して、
低速駆動側のカム爪同士の噛み合いを解除し、該低速駆
動側のクラッチ爪の頂部同士、カム爪の頂部同士が当接
するラップ代を構成することによりクラッチ同士、カム
同士が繰り返し噛み合わないようにして、低速駆動状態
に戻り難い構造とした変速切換装置において、前記カム
爪2aの頂部両側には、前進及び後進時における高低速
駆動の切換に対応する為に傾斜面2c・2cを設け、高
速変速された回転を伝達する筒状伝達部材6と、該筒状
伝達部材6の回転を出力軸に伝達する前記クラッチ爪体
1との間に、スプリング12を張設し、該スプリング1
2によりクラッチ爪体1のセンタリングを行い、前記筒
状伝達部材6とクラッチ爪体1とを、低速駆動状態の時
に所定位置に維持すべく構成したものである。
【0005】
【作用】作用について説明すると、先ず、通常の四輪駆
動状態の場合には、クラッチ爪体1のクラッチ爪1aが
ギア3のクラッチ爪3aと噛合するとともに、カム爪体
2のカム爪2aが前記ギア3のカム爪3bと噛合するこ
とにより、エンジンEからの動力によるギア3の回転が
クラッチ爪体1を介してドライブシャフト4に伝達され
ている。このとき前記クラッチ爪体1は、軸方向へ摺動
可能であり、該クラッチ爪体1と筒状伝達部材6は、ク
ラッチ爪体1と筒状伝達部材6との間に張設されている
スプリング12・12によるセンタリング機構により、
所定位置に維持されている。
【0006】次に、高速駆動状態の場合には、ソレノイ
ド49がONの状態となり、シフトリンク47を介して
高低速切換用シフトアーム39が回動し、シフタフォー
ク5にてクラッチ摺動体11のクラッチ爪11aとギア
10のクラッチ爪10aが噛合することにより、前記ギ
ア3、中間軸20上のギア21・22、ギア10、クラ
ッチ摺動体11、軸受けスリープ9を介して、筒状伝達
部材6に動力の伝達が行われ、該筒状伝達部材6のクラ
ッチ部Aを介してカム爪体2も一体的に回転駆動される
のであり、筒状伝達部材6とギア3との回転数の差によ
り、カム爪2a・3b同士が噛合を解除する方向の力が
作用し、カム爪体2がギア3から離反する方向に移動
し、該カム爪体2に押されてクラッチ爪体1もクラッチ
爪1a・3a同士が噛合を解除する方向に摺動するので
ある。そして、カム爪2a・3b同士及びクラッチ爪1
a・3a同士の噛合が解除された後、筒状伝達部材6と
カム爪体2とが設定角度進角すると、クラッチ部Aを介
してクラッチ爪体1が筒状伝達部材6と一体的に回転駆
動され、ドライブシャフト4が筒状伝達部材6の回転数
に応じて回転するのである。このとき前記筒状伝達部材
6の進角方向のスプリング12は収縮し、反対方向のス
プリング12は伸長している。
【0007】前記高速駆動状態において、ソレノイド4
9をOFFの状態にすると、シフタフォーク5が操作さ
れてギア10のクラッチ爪10aとクラッチ摺動体11
のクラッチ爪11aの噛合が解除され、筒状伝達部材6
を回転させていた駆動力が消滅し、該筒状伝達部材6が
軸受けスリープ9とクラッチ摺動体11とともに回転自
在な状態になり、スプリング12・12の付勢により、
カム爪体2とともに回転方向と逆の方向に戻され、前記
筒状伝達部材6とクラッチ爪体1が所定位置に維持され
て、クラッチ爪体1に対するカム爪体2の進角状態が解
消され、クラッチ爪体1のクラッチ爪1aとカム爪体2
のカム爪2aとの位相が一致し、クラッチ爪1aとカム
爪2aがそれぞれギア3のクラッチ爪3aとカム爪3b
に噛合可能を状態で対向したときに、スプリング13の
付勢によりクラッチ爪体1がカム爪体2とともにギア3
側に摺動し、クラッチ爪1a・3a同士、カム爪2a・
3b同士がそれぞれに噛合し、エンジンEからの動力が
ギア3、クラッチ爪体1を介してドライブシャフト4に
伝達され、通常の四輪駆動状態に戻るのである。
【0008】
【実施例】本考案の解決すべき課題及び解決する手段は
以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例につ
いて説明する。図1は、四輪駆動車両であるトラクター
Tの側面図一部断面図、図2は、本考案の実施例を示す
動力取出ケース30の平面断面図、図3は、同じく側面
図、図4は、クラッチ部Aが噛合している状態の断面
図、図5は、同じく切れている状態の断面図、図6は図
4に置けるX−X断面図、図7は図5における前進時の
高速駆動状態のY−Y断面図、図8は図5における後進
時の高速駆動状態のY−Y断面図、図9は図4における
展開図、図10は図5における展開図である。
【0009】本考案の変速切換装置の実施例を図1に示
す四輪駆動車両であるトラクターTにおいて説明する。
トラクターTには、前輪31及び後輪32が配設されて
おり、前部のボンネット33内には、エンジンEが配設
されている。前記ボンネット33の後部には、ステアリ
ング34が配設されており、該ステアリング34の後方
には、運転座席35が配設されている。該運転座席35
の下方には、ミッションケースMが配設されており、該
ミッションケースM下部に動力取出ケース30が配設さ
れている。
【0010】該動力取出ケース30内には、前輪駆動用
のドライブシャフト4の後端部が軸受け支持されてお
り、該ドライブシャフト4の前端部はアクスルフレーム
36に支持されているフロントアクスルケース37に挿
入されている。該フロントアクスルケース37の両端に
は、回動ケース38が配設されており、前記ドライブシ
ャフト4の回転は、フロントアクスルケース37内の前
輪駆動軸45、回動ケース38内のベベルギア等を介し
て前輪31に伝達されるのである。
【0011】図2において、前記動力取出ケース30に
は、ドライブシャフト4が軸受け24・25にて支持さ
れるとともに、該ドライブシャフト4と平行な中間軸2
0が軸受け26・27にて支持されており、該中間軸2
0には、小径のギア21と大径のギア22とが一体的に
形成され、第四の回転体として構成されている。前記ド
ライブシャフト4の一端側外周部には、前記ギア21と
噛合する第一の回転体であるギア3が軸受け28を介し
て支持されており、該ギア3の前側端面には、内周側に
位置するクラッチ爪3aと外周側に位置するカム爪3b
とが放射状に一体的に形成されている。
【0012】前記ドライブシャフト4上には、第三の回
転体であるギア10と軸受けスリープ9とが回転自在に
外嵌されるとともに、前記ギア3と軸受けスリープ9と
の間の位置にクラッチ爪体1が摺動自在にスプライン嵌
合されており、前記軸受けスリープ9上には、クラッチ
摺動体11と第二の回転体である筒状伝達部材6がスプ
ライン嵌合されている。前記ギア10とクラッチ摺動体
11には、互いに選択的に噛合するクラッチ爪10aと
クラッチ爪11aとが放射状に形成されており、前記ク
ラッチ摺動体11には、クラッチ爪10a・11a同士
を噛合させる方向にクラッチ摺動体11を摺動させるシ
フタフォーク5が設けられている。
【0013】前記筒状伝達部材6には、複数個の凸部6
aと該凸部6aの間に形成されている溝部6bとからな
るクラッチ部Aが形成されており、スプリング12・1
2の一端が係止孔6cに係止されている。前記クラッチ
爪体1には、外周方向に突出した第一の凸部1bと、該
第一の凸部1bの先端から突出した突起部1cと、前記
ギア3のクラッチ爪3aに係脱自在に噛合するクラッチ
爪1aとが形成されている。前記第一の凸部1bは、前
記筒状伝達部材6の溝部6b内に突出されており、第一
の凸部1bの側面と前記筒状伝達部材6の凸部6aの側
面との間には、クラッチ爪体1と筒状伝達部材6とが設
定角度内で相対的に回動可能なように所定寸法の隙間が
設けられている。図4、図6、図9に示す如く、前記ク
ラッチ爪体1の突起部1c・1cには、前記スプリング
12・12の他端が保持され、該スプリング12・12
は、クラッチ爪体1の突起部1c・1cと筒状伝達部材
6の係止孔6cとの間に張設されており、前記クラッチ
爪体1の凸部1bを筒状伝達部材6の溝部6b内の中央
部に位置(センタリング)するように維持している。
【0014】前記クラッチ爪体1には、カム爪体2が回
転自在に嵌合されており、該カム爪体2には、前記ギア
3のカム爪3bに係脱自在に噛合するカム爪2aが形成
されているとともに、前記筒状伝達部材6の溝部6b内
に延出する第二の凸部2bが形成されている。前記カム
爪2aの頂部両側には、前進及び後進時における高低速
駆動の切換に対応する為に傾斜面2c・2cが設けられ
ている。前記第二の凸部2bの回転方向の両側面は、筒
状伝達部材6の凸部6aの側面に常時当接されており、
前記筒状伝達部材6とクラッチ爪体1との間には、クラ
ッチ爪体1をギア3側に向けて付勢するスプリング13
が設けられている。
【0015】前記ドライブシャフト4の端面からは、牽
制用シャフト8が嵌挿されており、該牽制用シャフト8
は、スプリング14にて付勢されている。前記ドライブ
シャフト4には、孔部4aが、牽制用シャフト8には、
溝部8aがそれぞれ相対する位置に設けられており、該
孔部4aと溝部8aには、スチールボール7が嵌入され
ている。該スチールボール7は、牽制用シャフト8が摺
動することによりドライブシャフト4表面に押し出され
るのであり、該ドライブシャフト4にスプライン嵌合さ
れているクラッチ爪体1の嵌合部には、スチールボール
7が押し出されときに嵌入される溝部1dが設けられて
いる。
【0016】前記牽制用シャフト8の後端には、カム1
5が設けられており、該カム15は、回動軸16の一端
部にボルト43にて取付られている。該回動軸16の動
力取出ケース30側面の支持部材58から突出した他端
部には、牽制用シフトアーム17が固設されている。該
牽制用シフトアーム17の先端部には、図3に示す如
く、牽制用スプリング18が外嵌されているロッド19
の上端部がナット44にて係止されており、該ロッド1
9の下端部は、高低速切換用シフトアーム39に固設さ
れているピン56に枢結されている。高低速切換用シフ
トアーム39の一端部には、回動軸46が固設され、該
回動軸46には、前記シフタフォーク5が固設されてい
る。高低速切換用シフトアーム39の他端部に固設され
ているピン57には、シフトリンク47が枢結されてお
り、該シフトリンク47は、ターンバックル48を介し
てソレノイド49に連結されている。
【0017】以上のような構成において、先ず、通常の
四輪駆動状態の場合には、クラッチ爪体1のクラッチ爪
1aがスプリング13の付勢にてギア3のクラッチ爪3
aと噛合するとともに、カム爪体2のカム爪2aが前記
ギア3のカム爪3bと噛合することにより、エンジンE
からの動力によるギア3の回転がクラッチ爪体1を介し
てドライブシャフト4に伝達され、ドライブシャフト4
を介して前輪31が回転駆動されているのである。この
とき前記クラッチ爪体1は、軸方向へ摺動可能であり、
クラッチ爪体1と筒状伝達部材6との間に張設されてい
るスプリング12・12により、図6、図9に示す如
く、クラッチ爪体1と筒状伝達部材6は中立位置に維持
されており、前記ドライブシャフト4内の牽制用シャフ
ト8は、スチールボール7が溝部8aに嵌入しているの
で固定された状態である。
【0018】なお、前記クラッチ爪体1の第一の凸部1
bの回転方向前方側面が筒状伝達部材6の凸部6aの回
転方向後方側面に当接しているので、筒状伝達部材6
は、前記第一の凸部1bからの力を受けてクラッチ爪体
1と一体的に回転しており、該筒状伝達部材6をスプラ
イン嵌合している軸受けスリープ9は、クラッチ摺動体
11とともに回転している。前記ギア10は、中間軸2
0を介して回転しているが、クラッチ爪10a・11a
同士の噛合が解除された状態であるので空転している。
【0019】次に、図5、図7、図10に示す前進時に
おける高速駆動状態の場合には、ソレノイド49がON
の状態となり、シフトリンク47を介して高低速切換用
シフトアーム39が回動し、シフタフォーク5にてクラ
ッチ摺動体11のクラッチ爪11aとギア10のクラッ
チ爪10a噛合することにより、前記ギア3の回転が中
間軸20上のギア21・22、ギア10、クラッチ摺動
体11を介して、筒状伝達部材6に伝達され、該筒状伝
達部材6の凸部6aの側面には、カム爪体2の第二の凸
部2bの回転方向の両側面が常時当接されているので、
該カム爪体2も筒状伝達部材6と一体的に回転駆動され
るのである。そして、筒状伝達部材6とギア3との回転
数の差が発生すると、カム爪体2は 、筒状伝達部材6の
溝部6bの内部にピッタリとした嵌合状態であるので動
けないが、クラッチ爪体1の凸部1bの部分は、筒状伝
達部材6の溝部6bの部分に対して余裕があるので動け
るので、クラッチ爪1aの位置とカム爪2aの位置が円
周上でずれて齟齬した状態が発生するのである。この齟
齬により、カム爪体2の傾斜面2cの部分と、クラッチ
爪3aの部分の間で、カム爪2a・3b同士が噛合を解
除する方向の力が作用するのである。 これにより、カム
爪体2がギア3から離反する方向に移動し、該カム爪体
2に押されてクラッチ爪体1もクラッチ爪1a・3a同
士が噛合を解除する方向に摺動するのである。
【0020】前記の如くカム爪2a・3b同士及びクラ
ッチ爪1a・3a同士の噛合が解除された後、筒状伝達
部材6とカム爪体2とが設定角度進角すると、筒状伝達
部材6の凸部6aの回転方向前方側面がクラッチ爪体1
の第一の凸部1bの回転方向後方側面に当接し、クラッ
チ爪体1が筒状伝達部材6と一体的に回転駆動され、ド
ライブシャフト4が筒状伝達部材6の回転数に応じて回
転するのであり、該ドライブシャフト4の回転により前
輪31が回転駆動されるのである。このとき前記シフタ
フォーク5を操作する高低速切換用シフトアーム39の
回動に連動して、ロッド19を介して牽制用シフトアー
ム17が回動し、カム15が回動し、該カム15にて牽
制用シャフト8が摺動し、該牽制用シャフト8がドライ
ブシャフト4表面からスチールボール7を押し出してク
ラッチ爪体1の溝部1dに嵌入することにより、該クラ
ッチ爪体1は、軸方向へ摺動しないように固定されるの
である。
【0021】そして、前記スチールボール7のクラッチ
爪体1の溝部1dへの嵌入は、前記ロッド19の牽制用
スプリング18の付勢により、クラッチ爪体1が摺動
し、クラッチ爪1a・3a同士が噛合を解除した後に行
われるように時間差が設けられている。また、高速駆動
状態において、前記筒状伝達部材6は、クラッチ爪体1
に対して設定角度進角した状態に維持されているので、
前記クラッチ爪体1の突起部1c・1cと筒状伝達部材
6との間に張設されているスプリング12・12は、図
7に示す如く、前記筒状伝達部材6の進角方向のスプリ
ング12は収縮し、反対方向のスプリング12は伸長し
た状態であり、前記カム爪体2は、クラッチ爪体1より
設定角度進角した状態で回転している。
【0022】次に、前記高速駆動状態において、ソレノ
イド49をOFFの状態にすると、シフタフォーク5が
操作されてギア10のクラッチ爪10aとクラッチ摺動
体11のクラッチ爪11aの噛合が解除され、筒状伝達
部材6を回転させていた駆動力が消滅し、該筒状伝達部
材6が軸受けスリープ9とクラッチ摺動体11とともに
回転自在な状態になり、スプリング12・12の付勢に
より、カム爪体2とともに回転方向と逆の方向に戻され
ると同時に、カム15による押圧が解除され、牽制用シ
ャフト8がスプリング14の付勢にて牽制用シャフト8
の溝部8aとドライブシャフト4の孔部4aとが相対す
る位置まで戻される。
【0023】そして、筒状伝達部材6の側面がクラッチ
爪体1の第一の凸部1bの回転方向前方側面に当接する
位置に戻り、該筒状伝達部材6とクラッチ爪体1がスプ
リング12・12の付勢にて所定位置に維持されること
により、クラッチ爪体1に対するカム爪体2の進角状態
が解消され、クラッチ爪体1のクラッチ爪1aとカム爪
体2のカム爪2aとの位相が一致し、クラッチ爪1aと
カム爪2aがそれぞれギア3のクラッチ爪3aとカム爪
3bに噛合可能を状態で対向したときに、スプリング1
3の付勢によりクラッチ爪体1がカム爪体2とともにギ
ア3側に摺動し、クラッチ爪1a・3a同士、カム爪2
a・3b同士がそれぞれに噛合すると同時に、スチール
ボール7が牽制用シャフト8の溝部8aに嵌入されて、
エンジンEからの動力がギア3、クラッチ爪体1を介し
てドライブシャフト4に伝達され、通常の四輪駆動状態
に戻るのである。
【0024】また、カム爪2aの頂部の両側面に傾斜面
を設けているので、図8に示す如く、ギア3が逆回転す
る後進時においても、前記同様に高低速切換装置を作動
させて高低速の駆動の切換を行うことができるのであ
る。なお、図2において、ドライブシャフト4の中心線
の上側の部分は、通常の四輪駆動状態を示しており、中
心線の下側の部分は、高速駆動状態を示しているのであ
る。また、本実施例においては、高低速の駆動の切換を
クラッチ爪10a・11a同士の噛合により行っている
が、油圧式多板クラッチ等を用いてもよく、特に限定す
るものではないのである。
【0025】
【考案の効果】本考案は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するものである。第1に、筒状伝達部材
とクラッチ爪とをスプリングにて中立位置に維持し、カ
ム爪の頂部の両側面に傾斜面を設けたので、正回転及び
逆回転のいずれの回転においても、高低速切換装置を作
動させることができるのである。また、カム爪同士が噛
合することによる異常音の発生及び磨耗を防止すること
ができるのである。第2に、常にラップ代を無くすよう
にスプリングが付勢しているので、高速駆動状態から低
速駆動状態への切換時において、切換操作をスムーズ
に、かつ、確実に行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪駆動車両であるトラクターTの側面図一部
断面図である。
【図2】本考案の実施例を示す動力取出ケース30の平
面断面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】クラッチ部Aが噛合している状態の断面図であ
る。
【図5】同じく切れている状態の断面図である。
【図6】図4に置けるX−X断面図である。
【図7】図5における前進時の高速駆動状態のY−Y断
面図である。
【図8】図5における後進時の高速駆動状態のY−Y断
面図である。
【図9】図4における展開図である。
【図10】図5における展開図である。
【符号の説明】
1 クラッチ爪体 1a クラッチ爪 2 カム爪体 2a カム爪 3 ギア 3a クラッチ爪 3b カム爪 4 ドライブシャフト 5 シフタフォーク 6 筒状伝達部材 7 スチールボール 8 牽制用シャフト8 12 スプリング 15 カム 17 牽制用シフトアーム

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高低変速切換装置において、低速駆動状
    態のときには、クラッチ爪体1をスプリング13によ
    り、低速駆動用のギア3のクラッチ爪3aの方向に付勢
    することによりクラッチ爪同士が噛合し、またクラッチ
    爪体1に係合嵌装されているカム爪体2のカム爪2a
    を、ギア3のカム爪3bの方向に付勢することにより、
    カム爪同士噛み合うようにし、他の駆動系統による高
    速駆動状態のときには、高低回転数の差によりスプリン
    グ13に抗してカム爪体2によりクラッチ爪体1を押し
    戻して、低速駆動側のカム爪同士の噛み合いを解除し、
    該低速駆動側のクラッチ爪の頂部同士、カム爪の頂部同
    士が当接するラップ代を構成することによりクラッチ同
    士、カム同士が繰り返し噛み合わないようにして、低速
    駆動状態に戻り難い構造とした変速切換装置において、
    前記カム爪2aの頂部両側には、前進及び後進時におけ
    る高低速駆動の切換に対応する為に傾斜面2c・2cを
    設け、高速変速された回転を伝達する筒状伝達部材6
    と、該筒状伝達部材6の回転を出力軸に伝達する前記ク
    ラッチ爪体1との間に、スプリング12を張設し、該ス
    プリング12によりクラッチ爪体1のセンタリングを行
    い、前記筒状伝達部材6とクラッチ爪体1とを、低速駆
    動状態の時に所定位置に維持すべく構成したことを特徴
    とする変速切換装置。
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