JP2602337B2 - 有機塩素化合物の分解燃焼処理方法 - Google Patents

有機塩素化合物の分解燃焼処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は有機塩素化合物を燃焼処理する方法に関し、
詳しくは、有機塩素化合物中の塩素をHClに転化し、更
には該HClを塩基性物質により吸収除去して完全燃焼さ
せる有機塩素化合物の分解燃焼処理方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 有機塩素化合物を燃焼処理する方法としては、有機塩
素化合物を800℃以上で燃焼する方法が知られている。
しかしこの方法は800℃以上の高熱が必要であり、多量
の燃料を必要とし、また操作条件によっては毒性の強い
塩素ガスを発生する危険を含み、二次公害を引き起こす
という問題がある。
また有機塩素化合物を遷移金属酸化物触媒を用いて酸
化分解する方法も知られている(特開昭51−22699
号)。この方法は前記燃焼法よりも低温で処理できるも
のの、毒性の強い塩素ガスが発生する点については依然
として問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、有機塩素化合物を燃焼処理するにあ
たり、有機塩素化合物を低温で効率よく、且つ毒性の強
い塩素ガスを発生させずに燃焼処理する方法を提供する
ことにある。
[課題を解決する為の手段] 本発明者等は、上記目的に沿って研究した結果、特定
の複合酸化物触媒を用いることにより有機塩素化合物を
効率良く酸化分解でき、更には分解して発生したHClを
塩基性物質によって吸収除去することにより、上記目的
を達成し得ることを見いだし、更に鋭意検討を重ねて本
発明を完成した。即ち本発明は、有機塩素化合物を酸素
含有ガスとともに、チタン−珪素からなる二元系複合酸
化物、チタン−ジルコニウムからなる二元系複合酸化
物、チタン−珪素−ジルコニウムからなる三元系複合酸
化物触媒の中から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物
触媒と接触、燃焼させて有機塩素化合物中の塩素を選択
的にHClに転化させることを要旨とする有機塩素化合物
の分解燃焼処理方法である。更には引続き該HClを塩基
性物質により吸収除去することによって、以後の反応で
有害な二次塩素化合物が生成する可能性を除き、ついで
ガス中に残存する不完全燃焼分を完全燃焼させる方法で
ある。また更には有機塩素化合物を触媒と接触させるに
際して水素源の存在下に接触させる方法である。
[作用] 本発明において処理の対象となる有機塩素化合物は、
分子内に少なくとも1個以上の塩素原子を有する有機化
合物であり、例えば、塩化メチル,塩化エチル,ジクロ
ロエチレン,トリクロロエチレン,塩化ビニル等の脂肪
族有機塩素化合物、モノクロロベンゼン,ジクロロベン
ゼン等の芳香族有機塩素化合物、塩化アセチル、クロロ
酢酸等、各種の有機塩素化合物が挙げられる。また、F1
1,F12,F13,F22,F113,F114等の略称で知られるフロンガ
ス類も本発明において処理の対象となる。この場合、フ
ロン中の塩素のみならず弗素も触媒によって分解され、
HFに転化して以下HClと同様に塩基性物質によって吸収
除去される。更に、PCB、2,4,5−トリクロロフェノキシ
酢酸などの固体有機塩素化合物を無触媒燃焼させる場
合、該燃焼後の排ガスに対して本接触燃焼法を適用し、
処理を確実にすることもできる。
本発明における酸素含有ガスは、有機塩素化合物を燃
焼させるのに十分な酸素を供給するものであればよく、
通常の空気、酸素濃度を高めた空気などが用いられる。
本発明においては、チタン−珪素からなる二元系複合
酸化物、チタン−ジルコニウムからなる二元系複合酸化
物、チタン−珪素−ジルコニウムからなる三元系複合酸
化物の中から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物触媒
を使用することが必須である。該触媒を用いることによ
り、低温で効率よく有機塩素化合物中の塩素をHClに転
化することができ、しかも炭化物が触媒表面に析出する
ことがないので触媒活性が長く持続する。他の触媒、例
えば前述した遷移金属酸化物触媒を用いる場合には、前
述したとおり、有機塩素化合物から毒性の強い塩素ガス
が発生し、また、他のシリカ−アルミナ、モルデナイ
ト、ゼオライト等の通常よく用いられる固体酸触媒を用
いる場合には、分解率が低下したり、あるいは炭化物が
触媒表面に析出して触媒活性が低下したりする。
一般に、チタン−珪素からなる二元系複合酸化物、チ
タン−ジルコニウムからなる二元系複合酸化物、チタン
−珪素−ジルコニウムからなる三元系複合酸化物はいず
れも固体酸として知られ、構成する各々単独の元素の酸
化物を混合したものには見られない顕著な酸性と高表面
積を有する。即ち、単に各々単独の元素の酸化物を混合
したものとは異なり、複合していることによって特異な
性質が発現しているのである。この特異な性質によって
有機塩素化合物を低温でも効率よく分解し、有機塩素化
合物中の塩素を選択的にHClに転化するものと思われ
る。かくして、有機塩素化合物中の塩素を選択的にHCl
に転化することによって、その後塩基性物質によって容
易に吸収除去でき、処理が容易になる。
複合酸化物触媒としては、TiO2が20〜95モル%であ
り、かつSiO2,ZrO2若しくはSiO2とZrO2の和が5〜80モ
ル%(いずれもTiO2+SiO2+ZrO2=100モル%として)
の範囲の組成が好ましい。また表面積は30m2/g以上が好
ましい。該複合酸化物は例えば以下のようにして調製で
きる。
(1)四塩化チタンをシリカゾルとともに混合し、アン
モニアを添加して沈殿を生成せしめ、この沈殿を洗浄、
乾燥後300〜650℃で焼成せしめてチタン−珪素からなる
二元系複合酸化物を得る。
(2)四塩化チタンに珪酸ナトリウム水溶液を添加し、
反応せしめて沈殿を生成させ、この沈殿を洗浄、乾燥後
300〜650℃で焼成せしめてチタン−珪素からなる二元系
複合酸化物を得る。
(3)四塩化チタンの水−アルコール溶液にエチルシリ
ケートを添加し、加水分解反応せしめて沈殿を生成さ
せ、この沈殿を洗浄、乾燥後300〜650℃で焼成せしめて
チタン−珪素からなる二元系複合酸化物を得る。
(4)酸化塩化チタン(TiOCl2)とエチルシリケートの
水−アルコール溶液にアンモニアを加えて沈殿を生成さ
せ、この沈殿を洗浄、乾燥後300〜650℃で焼成せしめて
チタン−珪素からなる二元系複合酸化物を得る。
これらの方法の中では、(1)の方法が好ましい。ま
たチタン−ジルコニウムからなる二元系複合酸化物、チ
タン−珪素−ジルコニウムからなる三元系複合酸化物
も、ジルコニウム源として塩化ジルコニウム、硫酸ジル
コニウムなどの無機シルコニウム化合物や蓚酸ジルコニ
ウムなどの有機ジルコニウム化合物を用いて、同様の方
法で調製できる。
このようにして得られた複合酸化物を、例えば、粉末
にして成形助剤とともに適量の水を添加しつつ混練し、
押出成形機でペレット状やハニカム状等に成形し、成形
物を50〜120℃で乾燥した後、300〜800℃、好ましくは3
50〜600℃にて1〜10時間、好ましくは2〜6時間、空
気気流中で焼成して完成触媒が得られる。
本発明においては、まず有機塩素化合物を酸素含有ガ
スとともに、チタン−珪素からなる二元系複合酸化物、
チタン−ジルコニウムからなる二元系複合酸化物、チタ
ン−珪素−ジルコニウムからなる三元系複合酸化物の中
から選ばれる少なくとも1種の複合酸化物触媒と接触、
燃焼させて有機塩素化合物中の塩素をHClに転化する。
該接触、燃焼させる温度は300〜700℃が好ましい。
次に、接触分解後の生成物を塩基性物質と接触させ、
生成したHClを吸収除去する。従来行なわれたように、
有機塩素化合物が分解して塩素ガスに転化している場合
には、塩基性物質と接触させても吸収除去は十分できな
かった。しかし本発明においては、前記のように有機塩
素化合物中の塩素は選択的にHClに転化しており、塩基
性物質と接触させることによって容易にHClが吸収除去
され、該工程を経た後には塩素は無くなっている。
塩基性物質としては、酸化カルシウム,酸化マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属の酸化物;水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物などが
挙げられる。
更に、HCl除去後のガスを完全燃焼させてガス中に残
存する一酸化炭素を炭酸ガスに転化する。この場合、酸
化用触媒を用いると低温で処理できるので、好ましい。
酸化用触媒としては、白金、パラジウムなどの貴金属;
鉄、コバルト、ニッケル、銅、マンガンなどの遷移金属
などが挙げられる。
これまでの説明では有機塩素化合物中に水素原子を十
分に含んでいる場合を想定して述べてきたが、有機塩素
化合物中に水素原子を含まない場合や有機塩素化合物中
の水素原子が塩素原子に比べて少ない場合等において
は、水素源の存在下に有機塩素化合物と触媒を接触させ
ることも有効である。即ち有機塩素化合物中の塩素をHC
lに転化するには水素原子が必要となるが、水素源を外
部から積極的に導入することによってHClの転化反応を
促進できる。但し、このことは有機塩素化合物中に水素
原子を含んでいる場合においては水素源を導入しなくて
もよいことを意味するのではなく、この様な場合におい
てもHCl転化反応を促進するという観点からすれば水素
源の積極導入は極めて効果的である。水素源としては水
蒸気,水素,アンモニア等が用いられるが、水蒸気の使
用は安全性,コスト,効果の面でもっとも有利である。
添加する水素源の量は、有機塩素化合物中の塩素原子に
対して全水素量が当モル以上となる量であれば効果を発
揮するが、あまり多すぎても経済的ではないので、10倍
モル以下が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明は下記実施例のみに限定されるものではな
い。尚有機塩素化合物の転化率、CO収率、CO2収率はガ
スクロマトグラフにより、HCl,HF収率はVolhard法によ
り、またCl2,F2収率はヨウ素滴定法により測定した。
[実施例] 実施例1 (a)複合酸化物触媒の調製 チタン−珪素からなる複合酸化物を以下述べる方法に
より調製した。
チタン源として以下の組成の硫酸チタニルの硫酸水溶
液を用いた。
TiOSO4(TiO2換算) 250g/ 全H2SO4 1100g/ 別に水40に25重量%アンモニア水28を添加し、こ
れにスノーテックス−NCS−30(日産化学製シリカゾル;
SiO2として約30重量%含有)2.4kgを加えた。得られた
溶液中に、上記硫酸チタニルの硫酸水溶液15.3を水30
に添加し希釈したチタン含有硫酸水溶液を撹拌下徐々
に滴下してTiO2−SiO2共沈ゲルを生成させ、更に15時間
静置した。得られたゲルを濾過、水洗後、200℃で10時
間乾燥した。
次いで、550℃で6時間空気雰囲気下で焼成し、粉砕
して得られた粉体をペレット状に成型し、チタン−珪素
複合酸化物触媒(モル比、TiO2:SiO2=4:1)を得た。こ
の触媒のBET表面積は185m2/gであった。
(b)有機塩素化合物の分解燃焼処理 1,2−ジクロロエタン10,000ppmを含む空気を上記チタ
ン−珪素複合酸化物触媒に400℃、空間速度360hr-1にて
通じた。排出されるガスを酸化カルシウムに通じた後、
白金触媒(Pt0.2重量%担持アルミナ触媒)に400℃で通
じた。
条件および結果を後記第1表に示した。尚白金触媒処
理後の排ガス中にはHClは検出されなかった。
比較例1 チタン−珪素複合酸化物触媒の代わりにモルデナイト
を用いた他は実施例1と同様に有機塩素化合物の分解燃
焼処理を行なった。条件および結果を第1表に示した。
尚モルデナイト処理後のガス中にはCl2は検出されなか
ったものの、白金触媒処理後の排ガス中にはCl2が検出
され、更にこれを除去する工程が必要であった。これは
モルデナイト処理で分解されずに残った1,2−ジクロロ
エタンが白金触媒処理によって分解してCl2を生成した
ものである。また分解燃焼処理後、モルデナイトの表面
には炭化物の析出が認められた。
比較例2 チタン−珪素複合酸化物触媒の代わりにシリカ−アル
ミナを用いた他は実施例1と同様に有機塩素化合物の分
解燃焼処理を行なった。条件および結果を第1表に示し
た。尚シリカ−アルミナ処理後のガス中にはCl2は検出
されなかったものの、白金触媒処理後の排ガス中にはCl
2が検出され、更にこれを除去する工程が必要であっ
た。これは比較例1と同様に、シリカ−アルミナ処理で
分解されずに残った1,2−ジクロロエタンが白金触媒処
理によって分解してCl2を生成したものである。また分
解燃焼処理後、シリカ−アルミナの表面には炭化物の析
出が認められた。
実施例2 (a)複合酸化物触媒の調製 チタン−ジルコニウムからなる複合酸化物を以下に述
べる方法により調製した。
水100にオキシ塩化ジルコニウム[ZrOCl2・8H2O]
1.93kgを溶解させ、実施例1で用いたのと同じ組成の硫
酸チタニルの硫酸水溶液7.8を添加しつつよく混合し
た。これを温度約30℃に維持してよく撹拌しながらアン
モニウム水をpHが7になるまで徐々に滴下し、更に15時
間静置した。得られたゲルを濾過、水洗後、200℃で10
時間乾燥した。
次いで、550℃で6時間空気雰囲気下で焼成し、粉砕
して得られた粉体をペレット状に成型し、チタン−ジル
コニア複合酸化物触媒(モル比、TiO2−ZrO2=4:1)を
得た。この触媒のBET表面積は140m2/gであった。
(b)有機塩素化合物の分解燃焼処理 塩化エチル10,000ppmを含む空気を上記チタン−ジル
コニア複合酸化物触媒に400℃、空間速度3600hr-1にて
通じた。排出されるガスを酸化カルシウムに通じた後、
白金触媒(Pt0.2重量%担持アルミナ触媒)に400℃で通
じた。
条件および結果を第1表に示した。尚白金触媒処理後
の排ガス中にはHClは検出されなかった。
実施例3 (a)複合酸化物触媒の調製 実施例1および実施例2の方法に準じて、チタン−珪
素−ジルコニウムからなる複合酸化物(モル比、TiO2:S
iO2:ZrO2=7:2:1)を調製した。
(b)有機塩素化合物の分解燃焼処理 ジクロロベンゼン10,000ppmを含む空気を上記チタン
−珪素−ジルコニウム複合酸化物触媒に500℃、空間速
度3600hr-1にて通じた。排出されるガスを酸化カルシウ
ムに通じた後、白金触媒(Pt0.2重量%担持アルミナ触
媒)に400℃で通じた。
条件および結果を第1表に示した。尚白金触媒処理後
の排ガス中にはHClは検出されなかった。
実施例4 トリクロロエチレン10,000ppm(v/v)を含む空気に水
5容量%添加しながら、実施例1で得られたチタン−珪
素複合酸化物触媒に500℃、空間速度3600hr-1にて通じ
た。排出されるガスを酸化カルシウムに通じた後、白金
触媒(Pt0.2重量%担持アルミナ触媒)に400℃で通じ
た。
条件および結果を後記第2表に示した。尚白金触媒処
理後の排ガス中にはHClは検出されなかった。
実施例5 トリクロロエチレン5000ppm(v/v)を含む空気に水素
1.2容量%添加しながら、実施例1で得られたチタン−
珪素複合酸化物触媒に500℃、空間速度3600hr-1にて通
じた。排出されるガスを酸化カルシウムに通じた後、白
金触媒(Pt0.2重量%担持アルミナ触媒)に300℃で通じ
た。
条件および結果を後記第2表に示した。尚白金触媒処
理後の排ガス中にはHClは検出されなかった。
実施例6 1,2−ジクロロエタン10,000ppmを含む空気に水2容量
%添加しながら、実施例1で得られたチタン−珪素複合
酸化物触媒に400℃、空間速度3600hr-1にて通じた。排
出されるガスを酸化カルシウムに通じた後、白金触媒
(Pt0.2重量%担持アルミナ触媒)に400℃で通じた。
条件および結果を後記第2表に示した。尚白金触媒処
理後の排ガス中にはHClは検出されなかった。
実施例7 (a)複合酸化物触媒の調製 実施例1と同じ方法でチタン−珪素複合酸化物触媒
(モル比TiO2:SiO2=4:1)を得た。
(b)有機塩素化合物の分解燃焼処理 フロン31(CH2ClF)5000ppm(v/v)を含む空気を、上
記チタン−珪素複合酸化物触媒に温度550℃、空間速度2
000hr-1の条件下で流した。排出されるガスを酸化カル
シウム充填層に通した。
ガス流通開始後2時間目にチタン−珪素複合酸化物触
媒出口部のガス分析を行い、フロン分解率および生成物
の分析を行った後、触媒を抜き出してその強度を測定
し、調製直後の新品触媒の強度と比較した。
触媒強度の測定には木屋式強度計を用い、サンプル10
個の平均圧壊強度を測定した。表示は新品触媒に対する
比で表わしたガス分析及び圧壊強度比を第3表に示す。
尚フロン分解反応中は、酸化カルシウム充填層出口部
排ガス中にはHCl,HFは検出されなかった。
実施例8 (a)複合酸化物触媒の調製 実施例1と同じ方法で−チタン珪素複合酸化物触媒
(モル比TiO2:SiO2=4:1)を得た。
(b)有機塩素化合物の分解燃焼処理 フロン12(CF2Cl2)5000ppm(v/v)を含む空気に水分
5vol%添加しながら、上記チタン−珪素複合酸化物触媒
に温度550℃、空間速度2000hr-1の条件で流した。排出
されるガスを酸化カルシウム充填層に通した。
実施例7−(b)と同様の手順でガス分析及び触媒の
圧壊強度を測定した。得られた測定値を第3表に示す。
尚フロン分解反応中は、酸化カルシウム充填層出口部
排ガス中にはHCl,HFは検出されなかった。
実施例9 (a)複合酸化物触媒の調製 実施例1と同じ方法で−チタン珪素複合酸化物触媒
(モル比TiO2:SiO2=4:1)を得た。
(b)有機塩素化合物の分解燃焼処理 フロン12(CF2Cl2)2000ppm(v/v)を含む空気にH2
5000ppm(v/v)添加しながら、上記チタン−珪素複合酸
化物触媒に温度550℃、空間速度2000hr-1の条件で流し
た。排出されるガスを酸化カルシウム充填層に通した。
実施例7−(b)と同様の手順でガス分析及び触媒の
圧壊強度を測定した。得られた測定値を第3表に示す。
尚フロン分解反応中は、酸化カルシウム充填層出口部
排ガス中にはHCl,HFは検出されなかった。
[発明の効果] 以上述べた如く本発明によれば、有機塩素化合物を低
温で効率よく、且つ毒性の強い塩素ガスを発生させずに
燃焼処理できる様になった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 21/08 7106−4H C07C 19/00 C07C 19/00 B01D 53/34 134A (72)発明者 西川 和良 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社触媒研 究所内 (72)発明者 井上 明 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社触媒研 究所内 (56)参考文献 特開 昭51−26852(JP,A) 特開 昭51−22699(JP,A) 特表 昭64−500330(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機塩素化合物を燃焼処理する方法におい
    て、有機塩素化合物を酸素含有ガスとともに、チタン−
    珪素からなる二元系複合酸化物、チタン−ジルコニウム
    からなる二元系複合酸化物、チタン−珪素−ジルコニウ
    ムからなる三元系複合酸化物の中から選ばれる少なくと
    も1種の複合酸化物触媒と接触、燃焼させて有機塩素化
    合物中の塩素をHClに転化させることを特徴とする有機
    塩素化合物の分解燃焼処理方法。
  2. 【請求項2】有機塩素化合物を燃焼処理する方法におい
    て、有機塩素化合物を酸素含有ガスとともに、チタン−
    珪素からなる二元系複合酸化物、チタン−ジルコニウム
    からなる二元系複合酸化物、チタン−珪素−ジルコニウ
    ムからなる三元系複合酸化物の中から選ばれる少なくと
    も1種の複合酸化物触媒と接触、燃焼させて有機塩素化
    合物中の塩素をHClに転化し、該HClを塩基性物質により
    吸収除去し、ガス中に残存する不完全燃焼分を完全燃焼
    させることを特徴とする有機塩素化合物の分解燃焼処理
    方法。
  3. 【請求項3】有機塩素化合物を水素源の存在下に触媒と
    接触させる請求項(1)または(2)に記載の有機塩素
    化合物の分解燃焼処理方法。
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