JP2601974Y2 - 緩衝材 - Google Patents

緩衝材

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JP2601974Y2
JP2601974Y2 JP1993057964U JP5796493U JP2601974Y2 JP 2601974 Y2 JP2601974 Y2 JP 2601974Y2 JP 1993057964 U JP1993057964 U JP 1993057964U JP 5796493 U JP5796493 U JP 5796493U JP 2601974 Y2 JP2601974 Y2 JP 2601974Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は緩衝材に関する。すなわ
ち、緩衝対象物の梱包に使用される緩衝材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図5は、このような従来例の緩衝材の1
例を示す正断面説明図であり、梱包当初の状態を示し、
図6は、従来例の緩衝材の他の例を示す正断面説明図で
あり、(1)図は梱包当初の状態を示し、(2)図は隙
間が生じた状態を示す。これらの図面にも示すように、
機械,製品,果物,野菜,その他各種の物品等の緩衝対
象物Aの梱包用の緩衝材1として、ハニカムコア2が用
いられているが、このようなハニカムコア2は従来、そ
のセル軸方向3を緩衝対象物Aに向けると共に、何ら加
工されることなくそのまま、外箱Bと緩衝対象物A間に
介装されていた。そして、外部から衝撃荷重が加わった
際には、緩衝材1たるハニカムコア2が座屈することに
より、衝撃荷重を緩和,吸収し、緩衝対象物Aを保護し
ていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1
に、梱包された緩衝対象物Aや外部からの衝撃荷重によ
り、使用時において緩衝材1たるハニカムコア2が、部
分的に座屈してしまうことが多々あり、特に緩衝対象物
Aの形状や重量に対応して、例えば下位のハニカムコア
2が局部的な荷重を受け、部分的に座屈しやすかった。
そして図6の(2)図に示すように、このように形成さ
れた座屈部4に対応しその空間に見合った分、緩衝対象
物Aとハニカムコア2との間に、隙間Cが発生してい
た。もって、このような隙間Cに起因して、例えば運搬
中に全体的な重心ずれが生じる、外部からの衝撃荷重の
ハニカムコア2による緩和,吸収がスムースに行われな
くなる、等々により緩衝対象物Aが損傷,破損し欠陥が
生じやすく、問題となっていた。
【0004】第2に、図4の(2)図は、このような従
来のハニカムコア2を用いた緩衝材1について、緩衝能
力テストを実施したグラフである。すなわち同図は、ハ
ニカムコア2の座屈進行状態つまり衝撃荷重の緩和,吸
収状況を、時間的経過に従って表わしたものであり、従
来は、まず、高い初期荷重Pの値が示され、次に、低い
平均した値の波打ち荷重Qで推移し、最後に、全部座屈
されると再び高い最終荷重Rの値へと上昇していた。さ
て、このように従来の緩衝材1は、ハニカムコア2が座
屈を開始する初期荷重Pの値が非常に高いので、緩衝対
象物Aが衝撃発生初期に大きな衝撃荷重を受けやすく、
もって、この面から緩衝対象物Aが損傷,破損し欠陥が
生じやすい、という問題も指摘されていた。
【0005】本考案は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、請求
項1では、金属製のハニカムコアと非金属製のハニカム
コアとを、所定の位置関係にて組み合わせると共に、両
ハニカムコアのセル壁の一部を予め座屈しておいたこと
により、又、請求項2では、セル壁の一部を予め座屈し
ておいたハニカムコアと未座屈のハニカムコアとを、所
定の位置関係にて組み合わせたことにより、第1に、ハ
ニカムコアの部分的な座屈により緩衝対象物との間に隙
間が生じることが大幅に減少し、第2に、緩衝対象物が
衝撃発生初期に大きな衝撃荷重を受けることも防止され
ると共に、第3に、大小各種大きさの衝撃荷重に容易に
対応可能である、緩衝材を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本考
案の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1
については次のとおり。すなわち、この請求項1の緩衝
材は、中空柱状のセルの平面的集合体であるハニカムコ
アを用いた緩衝材であって、該緩衝材は、外箱と緩衝対
象物との間に該緩衝対象物の梱包用に介装され、外部や
該緩衝対象物からの衝撃荷重を緩和,吸収すべく用いら
れる。該ハニカムコアは、セル軸方向を該緩衝対象物に
向けてなると共に、初期荷重値を軽減,除去すべくセル
壁が予め一部座屈され、かつ金属製の該ハニカムコアと
非金属製の該ハニカムコアとが、組み合わせて用いられ
ている。つまり各該ハニカムコアは、該緩衝対象物と外
側との間に、2段等複数段に重ねて用いられている。そ
して、剛性・強度が高い金属製の該ハニカムコアが、該
緩衝対象物側と外側のうち、より大きな衝撃荷重が加わ
る側に位置すべく配される。これと共に、剛性・強度が
低い非金属製の該ハニカムコアが、該緩衝対象物側と外
側のうち、より小さな衝撃荷重が加わる側に位置すべく
配されていること、を特徴とする。次に、請求項2につ
いては次のとおり。すなわち、この請求項1の緩衝材
は、中空柱状のセルの平面的集合体であるハニカムコア
を用いた緩衝材であって、該緩衝材は、外箱と緩衝対象
物との間に該緩衝対象物の梱包用に介装され、外部や該
緩衝対象物からの衝撃荷重を緩和,吸収すべく用いられ
る。該ハニカムコアは、セル軸方向を該緩衝対象物に向
けてなると共に、初期荷重値を軽減,除去すべくセル壁
が予め一部座屈された該ハニカムコアと、これとは別の
未座屈の該ハニカムコアとが、組み合わせて用いられて
いる。つまり各該ハニカムコアは、該緩衝対象物と外側
との間に、2段等複数段に重ねて用いられている。そし
て、剛性・強度が高い未座屈の該ハニカムコアが、該緩
衝対象物側と外側のうち、より大きな衝撃荷重が加わる
側に位置すべく配される。これと共に、剛性・強度が低
い一部座屈された該ハニカムコアが、該緩衝対象物側と
外側のうち、より小さな衝撃荷重が加わる側に位置すべ
く配されていること、を特徴とする。
【0007】
【作用】本考案は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。まず、請求項1の緩衝材では、緩衝対
象物と外側のうち、より大きな衝撃荷重が加わる側に、
金属製よりなることにより剛性・強度が高いハニカムコ
アが配され、次に、非金属製のハニカムコアが配されて
いる。そして、このようにセル軸方向を緩衝対象物に向
けたハニカムコアが複数段、組み合わせて用いられると
共に、各ハニカムコアのセル壁がそれぞれ一部座屈さ
れ、もって初期荷重値が予め軽減,除去されている。
又、請求項2の緩衝材では、緩衝対象物と外側のうち、
より大きな衝撃荷重が加わる側に、セル壁が全く座屈さ
れていない未座屈よりなることにより剛性・強度が高い
ハニカムコアが配され、次に、セル壁が一部座屈される
ことにより初期荷重値が予め軽減,除去されたハニカム
コアが配されている。このように、セル軸方向を緩衝対
象物に向けたハニカムコアが、複数段組み合わせて用い
られている。この請求項1,2の緩衝材では、それぞれ
2種類のハニカムコアを用いて、緩衝対象物を梱包して
なる。そして使用に際しては、初期荷重値以下の衝撃荷
重によって、セル壁が一部座屈されていたハニカムコア
の座屈が進行し、緩衝対象物への衝撃荷重が緩和,吸収
される。
【0008】そこで第1に、この緩衝材では、少なくと
も一部のハニカムコアについて、このようにセル壁の一
部が予め座屈され、初期荷重値が軽減,除去されてい
る。そこで使用時に、例えば下位のハニカムコアが、梱
包された緩衝対象物や外部からの衝撃荷重により、特に
緩衝対象物の形状や重量に対応して局部的な荷重を受
け、部分的に座屈してしまうことは大幅に減少する。つ
まり、この緩衝材では、ハニカムコアの座屈しやすい箇
所が予め座屈されており、事後の衝撃発生初期に座屈し
にくくなってるので、このような座屈に伴う緩衝対象物
とハニカムコア間の隙間の発生も、最小限に抑えられ
る。第2に、同様にこの緩衝材の少なくとも一部のハニ
カムコア7は、セル壁の一部が予め座屈され、初期荷重
値が軽減,除去されている。従って、この緩衝材では、
梱包された緩衝対象物が衝撃発生初期に大きな衝撃荷重
を受けることなく、より低い平均した値の波打ち荷重を
受けるに止まる。第3に、この緩衝材では、梱包された
緩衝対象物と外側のうち、より大きな衝撃荷重が加わる
側に、金属製や未座屈よりなり剛性・強度がより高いハ
ニカムコアが配され、より小さな衝撃荷重が加わる側
に、非金属製や一部座屈されてなり剛性・強度がより低
いハニカムコアが配されている。この緩衝材は、このよ
うに2種類のハニカムコアを複数段、所定の位置関係で
組み合わせて用いたことにより、大小各種大きさの衝撃
荷重に対し、容易に対応可能となっている。
【0009】
【実施例】以下本考案を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1は、本考案には属さない参
考例の正断面説明図であり、(1)図は緩衝対象物Aや
外箱Bと共に示したもの、(2)図はその要部を示し、
(3)図は変形例を示す。図2は、本考案に係る緩衝材
の第1,2,3実施例の正断面説明図であり、(1)図
は第1実施例を、(2)図は第2実施例を、(3)図は
第3実施例を示す。図3は、これらにシート材5を付設
した例の正断面説明図であり、(1)図は参考例に片面
面材として付設したものを、(2)図は参考例に両面面
材として付設したものを、(3)図は本考案の第2実施
例に中仕切板として付設したものを示す。図4は緩衝能
力テストのグラフであり、(1)図は本考案に係る緩衝
材6に関するもの、(2)図は従来例の緩衝材1(図
5,図6参照)に関するものである。図7は、ハニカム
コア7の斜視図である。
【0010】本考案の緩衝材6は、中空柱状のセル8の
平面的集合体であるハニカムコア2,7を用いてなる。
まず、これらについて詳述すると、緩衝材6の緩衝対象
物Aとしては、機械,製品,果物,野菜,その他各種の
物品が考えられ、この緩衝材6は、その梱包用として用
いられ、ダンボールケースたる外箱Bと緩衝対象物Aと
の間に、介装される。
【0011】本考案の緩衝材6のハニカムコア2,7と
しては、アルミ,スチール,鉛,その他の金属製のもの
や、非金属製のもの、例えばガラス,ケブラー,カーボ
ン,その他の繊維強化プラスチック(FRP)製のも
の、アクリル,塩化ビニール,その他の樹脂製のもの、
紙や繊維を主成分としたもの、その他各種のものが用い
られる。ハニカムコア2,7は、図7にも示したよう
に、セル壁9により各々独立空間に区画された中空柱状
のセル8の平面的集合体よりなり、セル壁9そしてセル
8の断面形状は、図示の正六角形のほか、三角形,四角
形,台形,その他各種形状のものが可能である。そして
ハニカムコア2,7は、一般的に重量比強度に優れ、軽
量であると共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果,
平面精度,保温性,遮音性等にも優れ、単位容積当りの
表面積が大である、等々の特性が知られている。そし
て、このようなハニカムコア2,7は、母材シートを切
断,接着剤塗布,重積,接着,展張する展張方式か、又
は、母材シートを波板にコルゲート加工した後、切断,
接合,積層するコルゲート方式により、成形される。
【0012】そして、梱包用に用いられる本考案の緩衝
材6において、少なくとも一部のハニカムコア7は、そ
のセル軸方向3を緩衝対象物Aに向けてなると共に、加
えられる初期荷重値を軽減,除去すべく、そのセル壁9
が予め一部座屈されている。これらについて詳述する
と、このハニカムコア7は各図中に示したように、ま
ず、剛性・強度に優れたその厚み方向つまりセル軸方向
3を、緩衝対象物Aに向け、そのセル端面を緩衝対象物
Aに当接させている。
【0013】ところで、図1の(1)図に示した参考例
では、上下2個のハニカムコア7が縦向きに用いられ、
それぞれ上下のセル端面の中央部が、緩衝対象物Aの形
状に合わせて大きく切り欠かれている。勿論、本考案の
緩衝材6のハニカムコア7は、その他各種の個数や向き
にて用いられ、例えば前述した図5のように、左右の横
向きのものと下位の縦向きのものの計3個が用いられる
場合、前述した図6のように、左右の横向きのものと上
下の縦向きのものの計4個が用いられる場合、等々が考
えられる。いずれにしても、このハニカムコア7は、外
部からの衝撃荷重が加わる緩衝対象物Aの外側を、覆っ
ている。
【0014】これと共に、このハニカムコア7は、セル
壁9が予め一部座屈され、座屈部10が形成されてい
る。すなわち各図にも示したように、このハニカムコア
7は、衝撃発生初期の初期荷重P(前述した図4の
(2)図参照)に相当する圧縮力が加えられ、セル壁9
の一部が予め座屈されており、その初期荷重Pの値が軽
減,除去されている。図4の(1)図は、このようにセ
ル壁9が予め一部座屈されたハニカムコア7の事後の座
屈進行状態、つまり衝撃荷重の緩和,吸収状況を、時間
的経過に従って表わしたものである。そして、この図4
(1)図のハニカムコア7では、図4の(2)図の従来
のハニカムコア2のように、高い初期荷重Pの値は軽
減,除去されており、より低い平均した値の波打ち荷重
Qにて推移し、最終荷重Rに至っている。なお、図示例
の座屈部10は、図2の(3)図の第3実施例を除き、
ハニカムコア7が緩衝対象物Aに当接するセル端面に形
成されている。
【0015】ところで、図1の(1)図,(2)図に示
した参考例では、このように一部座屈されたハニカムコ
ア7が、本考案のように2段等の複数段ではなく、上下
でそれぞれ単品の1段にて用いられている。なお、図1
の(3)図に示した参考例では、このような単品たるハ
ニカムコア7が、途中に空間を存しつつ左右に分割され
ている。
【0016】さて、図2の(1)図に示した本考案の第
1実施例の緩衝材6では、この一部座屈されたハニカム
コア7が、それぞれ、2段等の複数段に重ねられて用い
られている。これと共に、この第1実施例の緩衝材6で
は、その一方側、例えば緩衝対象物A側のハニカムコア
7が金属製よりなり、他方側、例えば外側のハニカムコ
ア7が非金属製よりなる。勿論、これらを逆に配した組
み合わせ例、つまり、緩衝対象物A側のハニカムコア7
を非金属製とし、外側のハニカムコア7を金属製とし
た、組み合わせも可能である。
【0017】次に、図2の(2)図,(3)図に示した
本考案の第2,3実施例の緩衝材6では、このように一
部座屈されたハニカムコア7と、これとは別の全く座屈
されていない未座屈のハニカムコア2(従来例のものと
同一のもの)とが、それぞれ、2段等の複数段に重ねら
れて用いられている。そして、図2の(2)図の第2実
施例では、緩衝対象物A側に一部座屈されたハニカムコ
ア7が位置し、図2の(3)図の第3実施例では、緩衝
対象物A側に未座屈のハニカムコア2が位置しており、
これらのハニカムコア2の緩衝対象物Aに対応する端面
の中央部が、その形状に合わせて大きく切り欠かれてい
る。
【0018】なお、図3はこれらにシート材5が付設さ
れた例が示されている。そして、図3の(1)図では、
前述した図1の(1)図,(2)図の参考例のハニカム
コア7について、緩衝対象物A側のセル端面に、シート
材5が片面面材として付設されている。図3の(2)図
では、同参考例のハニカムコア7について、両セル端面
にシート材5が両面面材として付設されている。そし
て、図3の(3)図の緩衝材6では、前述した図2の
(2)図の本考案の第2実施例の2段に組み合わせたハ
ニカムコア7とハニカムコア2間に、シート材5が中仕
切板として介装されている。勿論、このような中仕切板
としてのシート材5は、前述した図2の(1)図の本考
案の第1実施例や、図2の(3)図の本考案の第3実施
例についても、同様に介装可能である。なお、このよう
なシート材5は、緩衝対象物A,外箱B,更にはハニカ
ムコア7,ハニカムコア2等が、相互間の接触により損
傷することを防止すべく機能する。
【0019】本考案は、以上のように構成されている。
そこで以下のようになる。すなわちこの緩衝材6では、
ハニカムコア2,7が、セル軸方向3を緩衝対象物Aに
向けて配されると共に、ハニカムコア7は、予め衝撃発
生初期の初期荷重P(図4の(2)図参照)に相当する
圧縮力が加えられ、そのセル壁9の一部が座屈されて座
屈部10が形成されており、初期荷重Pの値が予め軽
減,除去されている(図4の(1)図参照)。そこで、
事後の使用に際しては、このような初期荷重Pの値以下
の衝撃荷重によって、ハニカムコア7のセル壁9の座屈
が進行し、緩衝対象物Aへの衝撃荷重を緩和,吸収す
る。そしてこの緩衝材6は、緩衝対象物Aの梱包用とし
て外箱Bと緩衝対象物A間に介装され、次の第1,第2
のようになる。
【0020】第1に、この緩衝材6のハニカムコア7
は、このようにセル壁9の一部が予め座屈され、初期荷
重Pの値が軽減,除去されている。そこで使用時におい
て、ハニカムコア7が、梱包された緩衝対象物Aや外部
からの衝撃荷重により、特に緩衝対象物Aの形状や重量
に対応して局部的な荷重を受け、部分的に座屈してしま
うことは大幅に減少する。つまりこのハニカムコア7
は、座屈しやすい箇所が予め座屈されているので、事後
の衝撃発生初期に座屈しにくくなっている。従って、こ
の緩衝材6では各実施例を通じ、このような座屈に伴う
緩衝対象物Aとハニカムコア7間の隙間C(図6の
(2)図参照)の発生も、最小限に抑えられる。つま
り、前述した図5や図6の従来例の緩衝材1にて指摘さ
れていた、座屈部4による隙間Cの発生がほとんど回避
される。第2に、同様にこの緩衝材6のハニカムコア7
は、セル壁9の一部が予め座屈され、初期荷重Pの値が
軽減,除去されている。従って、この緩衝材6では各実
施例を通じ、緩衝対象物Aが衝撃発生初期に大きな衝撃
荷重を受けることなく、より低い平均した値の波打ち荷
重Qを受けるに止まる(図4の(1)図参照)。
【0021】更に、図2の(1)図の第1実施例の緩衝
材6では、このように一部座屈されたハニカムコア7と
して、金属製のものと非金属製のものとが、組み合わせ
て用いられている。又、図2の(2)図,(3)図の第
2,第3実施例の緩衝材6では、このように一部座屈さ
れたハニカムコア7と、これとは別の未座屈のハニカム
コア2とが、組み合わせて用いられている。そこで、上
述と共に、更に相乗的に次のようになる。
【0022】すなわち第3に、第1実施例の緩衝材6で
は、大きな衝撃荷重が加わる部位(図示例では緩衝対象
物A側のもの)には、剛性・強度が高い金属製の一部座
屈されたハニカムコア7が配され、より小さな衝撃荷重
が加わる部位(図示例では外側のもの)には、非金属製
の一部座屈されたハニカムコア7が配されている。又、
第2,第3実施例の緩衝材6では、大きな衝撃荷重が加
わる部位(第2実施例では外側のもの、第3実施例では
緩衝対象物A側のもの)には、剛性・強度が高い未座屈
のハニカムコア2が配され、より小さな衝撃荷重が加わ
る部位(第2実施例では緩衝対象物A側のもの、第3実
施例では外側のもの)には、一部座屈されたハニカムコ
ア7が配されている。これらの緩衝材6は、このように
して大小各種大きさの衝撃荷重に対し、容易に対応可能
となっている。
【0023】
【考案の効果】本考案に係る緩衝材は、以上説明したよ
うに、請求項1では、金属製のハニカムコアと非金属製
のハニカムコアとを、所定の位置関係にて組み合わせて
用いると共に、ハニカムコアのセル壁の一部を予め座屈
しておいたことにより、又、請求項2では、セル壁の一
部を予め座屈しておいたハニカムコアと未座屈のハニカ
ムコアとを、所定の位置関係にて組み合わせて用いたこ
とにより、次の効果を発揮する。
【0024】まず第1に、使用時にハニカムコアが部分
的に座屈して緩衝対象物との間に隙間を生じることは、
大幅に減少する。このようにこの緩衝材では、梱包され
た緩衝対象物との間の隙間の発生が、最小限に抑えられ
るので、例えば運搬中における全体的な重心ずれが防止
され、外部からの衝撃荷重もスムースに緩和,吸収さ
れ、もって、緩衝対象物が損傷,破損しにくく欠陥も生
じにくく、確実に保護されるようになる。第2に、緩衝
対象物が衝撃発生初期に、大きな衝撃荷重を受けること
も防止される。もって、この緩衝材では、この面からも
緩衝対象物が損傷,破損しにくく欠陥も生じにくく、確
実に保護される。
【0025】第3に、大小各種大きさの衝撃荷重に対
し、容易に対応可能である。そこで、この緩衝材では、
この面からも、緩衝対象物が損傷,破損しにくく欠陥も
生じにくく、確実に保護される。本考案の緩衝材では、
このように第1,第2,第3の各点が、共にいずれも実
現され、もって緩衝対象物の梱包,保護が、初めて確実
に実現されるようになる。このように、この種従来例に
存した問題点が一掃される等、本考案の発揮する効果
は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案には属さない参考例の正断面説明図であ
り、(1)図は緩衝対象物や外箱と共に示したもの、
(2)図はその要部を示し、(3)図は変形例を示す。
【図2】本考案に係る緩衝材の第1,2,3実施例の正
断面説明図であり、(1)図は第1実施例を、(2)図
は第2実施例を、(3)図は第3実施例を示す。
【図3】シート材を付設した例の正断面説明図であり、
(1)図は、参考例に片面面材として付設したものを、
(2)図は、参考例に両面面材として付設したものを、
(3)図は、本考案の第2実施例に中仕切板として付設
したものを示す。
【図4】緩衝能力テストのグラフであり、(1)図は、
本考案に係る緩衝材に関するもの、(2)図は、従来例
の緩衝材に関するものである。
【図5】従来例の緩衝材の1例を示す正断面説明図であ
り、梱包当初の状態を示す。
【図6】従来例の緩衝材の他の例を示す正断面説明図で
あり、(1)図は、梱包当初の状態を示し、(2)図
は、隙間が生じた状態を示す。
【図7】ハニカムコアの斜視図である。
【符号の説明】
1 緩衝材(従来例のもの) 2 ハニカムコア 3 セル軸方向 4 座屈部(従来例のもの) 5 シート材 6 緩衝材(本考案のもの) 7 ハニカムコア 8 セル 9 セル壁 10 座屈部 A 緩衝対象物 B 外箱 C 隙間 P 初期荷重 Q 波打ち荷重 R 最終荷重

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空柱状のセルの平面的集合体であるハ
    ニカムコアを用いた緩衝材であって、該緩衝材は、外箱
    と緩衝対象物との間に該緩衝対象物の梱包用に介装さ
    れ、外部や該緩衝対象物からの衝撃荷重を緩和,吸収す
    べく用いられ、 該ハニカムコアは、セル軸方向を該緩衝対象物に向けて
    なると共に、初期荷重値を軽減,除去すべくセル壁が予
    め一部座屈され、かつ金属製の該ハニカムコアと非金属
    製の該ハニカムコアとが、組み合わせて用いられてお
    り、 各該ハニカムコアは、該緩衝対象物と外側との間に2段
    等複数段に重ねて用いられ、 剛性・強度が高い金属製の該ハニカムコアが、該緩衝対
    象物側と外側のうち、より大きな衝撃荷重が加わる側に
    位置すべく配されると共に、 剛性・強度が低い非金属製の該ハニカムコアが、該緩衝
    対象物側と外側のうち、より小さな衝撃荷重が加わる側
    に位置すべく配されていること、を特徴とする緩衝材。
  2. 【請求項2】 中空柱状のセルの平面的集合体であるハ
    ニカムコアを用いた緩衝材であって、該緩衝材は、外箱
    と緩衝対象物との間に該緩衝対象物の梱包用に介装さ
    れ、外部や該緩衝対象物からの衝撃荷重を緩和,吸収す
    べく用いられ、 該ハニカムコアは、セル軸方向を該緩衝対象物に向けて
    なると共に、初期荷重値を軽減,除去すべくセル壁が予
    め一部座屈された該ハニカムコアと、これとは別の未座
    屈の該ハニカムコアとが、組み合わせて用いられてお
    り、 各該ハニカムコアは、該緩衝対象物と外側との間に2段
    等複数段に重ねて用いられ、 剛性・強度が高い未座屈の該ハニカムコアが、該緩衝対
    象物側と外側のうち、より大きな衝撃荷重が加わる側に
    位置すべく配されると共に、 剛性・強度が低い一部座屈された該ハニカムコアが、該
    緩衝対象物側と外側のうち、より小さな衝撃荷重が加わ
    る側に位置すべく配されていること、を特徴とする緩衝
    材。
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