JP2601928Y2 - ピン歯車減速機 - Google Patents

ピン歯車減速機

Info

Publication number
JP2601928Y2
JP2601928Y2 JP1992064751U JP6475192U JP2601928Y2 JP 2601928 Y2 JP2601928 Y2 JP 2601928Y2 JP 1992064751 U JP1992064751 U JP 1992064751U JP 6475192 U JP6475192 U JP 6475192U JP 2601928 Y2 JP2601928 Y2 JP 2601928Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
gear
case
pin gear
internal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1992064751U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0628394U (ja
Inventor
和典 小川
陽次 浅野
定幸 田辺
Original Assignee
帝人製機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 帝人製機株式会社 filed Critical 帝人製機株式会社
Priority to JP1992064751U priority Critical patent/JP2601928Y2/ja
Publication of JPH0628394U publication Critical patent/JPH0628394U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2601928Y2 publication Critical patent/JP2601928Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ピン歯車減速機、特に
差動歯車減速機構を構成するピン歯車を有するピン歯車
減速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のピンを短円筒状のケース内
に等ピッチ配列したピン歯車と、このピン歯車と歯数が
僅かに異なりその内歯に噛合する外歯歯車と、によっ
て、所謂遊星歯車減速機構を構成したピン歯車減速機が
知られている。この種のピン歯車減速機においては、前
記外歯歯車と噛合したピン(内歯)と前記ケースとの摩
擦の良否が減速機性能を大きく左右するため、ピン取り
付け溝を有するケース内周部に表面処理(例えば二硫化
モリブデンコーティング処理)を施してそのケース内周
部に潤滑性の高い硬質被膜を形成する一方、ピンには外
周面の鏡面仕上げ等を施し、更に、これらピンとケース
の間に潤滑剤を用いて、前記外歯歯車との摩擦時におけ
るピンの回転を容易にするとともに、このピンおよびケ
ースが摩耗するのを抑制するようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のピン歯車減速機にあっては、大物部品である
ケースにかなり時間のかかる表面処理を施す必要があ
り、製造コストが高くなるという問題があった。また、
ピン歯車減速機の使用状態によっては前記複数のピンと
ケースの圧接部位に潤滑剤が十分に入り込まない場合が
あり、耐久性の低下を招き易いという問題があった。
【0004】そこで本考案は、複数のピンとケースの間
の潤滑性を高めることにより、ケースに面倒な表面処理
を施す必要を無くし、低コストでしかも耐久性に優れた
ピン歯車減速機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
考案は、入力軸から出力軸までの伝動経路中に、内周部
に略半円形断面の複数のピン取り付け溝を形成したケー
スおよび該ケースのピン取り付け溝に装着された複数の
円柱状のピンからなる内歯ピン歯車と、内歯ピン歯車の
歯数とわずかに異なる歯数を有し該内歯ピン歯車に噛合
した状態で内歯ピン歯車の中心軸線に対し所定偏心量を
保って回転可能な外歯歯車と、外歯歯車を前記所定偏心
量を保って回転させるクランク軸と、を配したピン歯車
減速機において、前記複数のピン(41)のそれぞれの表面
、表面粗さのパラメータであるSk値を−1以下とす
るよう、深さ数ミクロンの多数の微小凹部(41a)をラン
ダムに形成し、該ピンの微小凹部と前記ケースとの間に
潤滑剤を介在させたことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本考案では、複数のピンのそれぞれの表面に多
数の微小凹部が形成され、その微小凹部とケースとの間
に形成される微小空隙に潤滑剤を介在させることで、ケ
ースと複数のピンとの潤滑性が高められる。したがっ
て、ケースに面倒な表面処理を施さなくとも耐久性に優
れたピン歯車減速機となり、製造コストが低減される。
【0007】
【実施例】以下、本考案を図面に基づいて説明する。図
1〜図3は本考案に係るピン歯車減速機の一実施例を示
す図である。図1、図2において、10はロボットアーム
等の支持部材、11はこの支持部材に支持された円筒状の
ケース、12はケース11の一端に同軸に連結されたモータ
(詳細は図示していない)である。このモータ12は減速
機入力軸13を回転させるもので、入力軸13の回転は公知
の第1減速部14および第2減速部15を介して減速され、
出力軸16から図示しない外部の回転体に出力される。
【0008】具体的には、入力軸13から出力軸16までの
伝動経路となる第1減速部14は、入力軸13に固着された
小歯車17とこれに等間隔に噛合する複数(3つ)の大歯
車18とからなり、大歯車18の回転が第2減速部15に取り
込まれる。第2減速部15は、大歯車18がそれぞれ連結さ
れた複数のクランク軸19と、これらクランク軸19の両端
部を回転自在に支持する回転ブロック20と、複数のクラ
ンク軸19に支持された所定歯数の外歯歯車30と、外歯歯
車30の歯数よりわずかに歯数の多い内歯ピン歯車40とか
らなる。ここで、回転ブロック20は、ケース11の軸方向
に対向する一対のプレート部21、22とこれら一対のプレ
ート部21、22をボルト23aにより一体的に連結する複数
の支柱部23とを有し、プレート部21、22の外周部で図示
しない針状コロ軸受を介しケース11に回転自在に支持さ
れている。また、外歯歯車30はクランク軸19に支持され
ることにより内歯ピン歯車40の内歯ピン41に噛合した状
態で内歯ピン歯車40の中心軸線に対し所定偏心量を保っ
て回転(公転および自転)可能である。したがって、外
歯歯車30が内歯ピン歯車40と噛合しながら偏心運動(公
転)するとき、内歯ピン歯車40と外歯歯車30との歯数差
に応じて外歯歯車30が自転することにより回転ブロック
20がゆっくりと回転し、回転ブロック20と一体に連結さ
れた出力軸16が回転するようになっている。
【0009】また、内歯ピン歯車40は、内周部に略半円
形断面の複数のピン取り付け溝11aを形成した前記ケー
ス11と、このケース11のピン取り付け溝11aに装着され
た複数の円柱状のピン41とから構成されており、ケース
11のピン取り付け溝11aは、例えばケース11の素材を切
削又は研削・研磨したままの素材露出面となっている。
複数のピン41は、予め所定の径寸法に加工(例えば所定
表面粗さに研磨)された後、その表面を特殊表面加工す
ることによって、図3に示すような所定深さ(数μm以
下)の微小凹部41aをランダムに多数形成したものとな
っている。そして、そのピン41の表面に図示しない潤滑
剤(例えばギヤオイルやグリース)を塗布することで、
多数の微小凹部41aとケース11のピン取り付け溝11aの
表面との間にこの潤滑剤を介在させている。なお、前記
特殊表面加工としは、例えば特殊なバレル研磨、或はシ
ョットピーニングを用いることができ、微小凹部41aを
形成したピン41の表面粗さのパラメータであるSk値を
−1以下程度とするのが好ましい。このパラメータSk
値とは、表面粗さの分布曲線の歪度(Skewness)を示す
値であり、ガウス分布のような対称分布はSk値がゼロ
となる。このパラメータSk値を−1以下程度とするの
は、微小凹部41aの形状、分布が加工条件により油膜形
成に有利な範囲であるためである。
【0010】上述のように構成された本実施例では、複
数のピン41のそれぞれの表面に多数の微小凹部41aが形
成され、その微小凹部41aとケース11のピン取り付け溝
11aの表面との間に形成される微小空隙に潤滑剤を介在
させることで、ケース11と複数のピン41との潤滑性が高
められる。したがって、ケース11に面倒な従来のような
表面処理を施さず、ケース11のピン取り付け溝11aを素
材露出面にしても、ピン41とケース11との摩耗を抑制す
ることができ、耐久性に優れた低コストのピン歯車減速
機を得ることができる。
【0011】特に、ピン41の表面粗さパラメータSk値
を上述のように設定して、ピン41とケース11の間の潤滑
油膜の形成に適した微小凹部41を定量的に管理して形成
するようにすれば、ピン11およびケース11の潤滑性を十
分に高めることができるとともに、その潤滑性能のばら
つきを無くすことができ、ピン歯車減速機の信頼性を向
上させることができる。
【0012】なお、ケース11のピン取り付け溝11aを前
記素材露出面とせずに適当な表面処理を施したものとし
ても良いことは言うまでもなく、それらの組み合せによ
ってより耐久性の高い減速機を実現することもできる。
【0013】
【考案の効果】本考案によれば、複数のピンのそれぞれ
の表面に多数の微小凹部を形成し、その微小凹部とケー
スとの間に形成される微小空隙に潤滑剤を介在させるこ
とで、ケースと複数のピンとの潤滑性を高めるようにし
ているので、ケースに面倒な表面処理を施さなくとも耐
久性に優れたピン歯車減速機とすることができ、製造コ
ストを低減させることができる。また、ケース側のピン
取付け溝の表面を適宜処理してより耐久性に優れたピン
歯車減速機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るピン歯車減速機の一実施例の全体
構成を示す正面断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】そのピンを示す図で、(a)はその斜視図、(b)
はその微小凹部を模試的に示す図である。
【符号の説明】
11 ケース 11a ピン取り付け溝 13 入力軸 16 出力軸 19 クランク軸 30 外歯歯車 40 ピン歯車 41 ピン 41a 微小凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−244940(JP,A) 特開 昭62−7972(JP,A) 実開 平4−56254(JP,U) 特公 平2−36825(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 1/32

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸(13)から出力軸(16)までの伝動経路
    中に、内周部に略半円形断面の複数のピン取り付け溝(1
    1a)を形成したケース(11)および該ケース(11)のピン取
    り付け溝(11a)に装着された複数の円柱状のピン(41)か
    らなり該複数のピン(41)により内歯が形成された内歯ピ
    ン歯車(40)と、内歯ピン歯車(40)の歯数とわずかに異な
    る歯数を有し該内歯ピン歯車(40)に噛合した状態で内歯
    ピン歯車(40)の中心軸線に対し所定偏心量を保って回転
    可能な外歯歯車(30)と、外歯歯車(30)を前記所定偏心量
    を保って回転させるクランク軸(19)と、を配したピン歯
    車減速機において、前記複数のピン(41)のそれぞれの表面に、表面粗さのパ
    ラメータであるSk値を−1以下とするよう、深さ数ミ
    クロンの多数の微小凹部(41a)をランダムに形成し、 該ピン(41)の微小凹部(41a)と前記ケース(11)との間に
    潤滑剤を介在させたことを特徴とするピン歯車減速機。
JP1992064751U 1992-09-17 1992-09-17 ピン歯車減速機 Expired - Lifetime JP2601928Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992064751U JP2601928Y2 (ja) 1992-09-17 1992-09-17 ピン歯車減速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992064751U JP2601928Y2 (ja) 1992-09-17 1992-09-17 ピン歯車減速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0628394U JPH0628394U (ja) 1994-04-15
JP2601928Y2 true JP2601928Y2 (ja) 1999-12-13

Family

ID=13267191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992064751U Expired - Lifetime JP2601928Y2 (ja) 1992-09-17 1992-09-17 ピン歯車減速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2601928Y2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4614709B2 (ja) * 2004-08-04 2011-01-19 ナブテスコ株式会社 外歯歯車の製造方法
JP5483156B2 (ja) * 2008-09-10 2014-05-07 Ntn株式会社 可変バルブタイミング装置
JP5797131B2 (ja) * 2012-03-06 2015-10-21 住友重機械工業株式会社 遊星歯車減速機
JP5878851B2 (ja) * 2012-09-12 2016-03-08 住友重機械工業株式会社 減速装置
JP6663202B2 (ja) * 2015-10-30 2020-03-11 日本電産シンポ株式会社 歯車変速機
JP6890563B2 (ja) * 2018-03-13 2021-06-18 住友重機械工業株式会社 偏心揺動型減速装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61244940A (ja) * 1985-04-24 1986-10-31 Sumitomo Heavy Ind Ltd 遊星歯車機構における内歯歯車装置
JP2591616Y2 (ja) * 1990-09-21 1999-03-10 エヌティエヌ株式会社 歯 車

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0628394U (ja) 1994-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3703685B2 (ja) 偏心揺動型減速機及びこれを備えた産業用機械の関節
JP6811634B2 (ja) 遊星歯車装置
JPH07243486A (ja) 内接噛合遊星歯車構造
JP2013061038A (ja) 歯車装置
CN108253090A (zh) 偏心摆动减速装置
JP2003088935A (ja) 外歯歯車の製造方法
US5507703A (en) Differential drive
JP2601928Y2 (ja) ピン歯車減速機
KR100415734B1 (ko) 외치기어의 연마방법 및 연마장치
JPH0627532B2 (ja) 遊星歯車増減速機
JP2002120116A (ja) 外歯歯車の製造方法
JP3557355B2 (ja) 内接噛合歯車機構の内歯歯車用ピン保持リングの製造方法
JPH0236825B2 (ja)
JP3897924B2 (ja) 内接噛合型遊星歯車装置
JP6890563B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP6399951B2 (ja) 駆動装置
JP5797131B2 (ja) 遊星歯車減速機
CN110425256B (zh) 齿轮传动装置
JP2594602Y2 (ja) ピン歯車式減速機
JP2005330981A (ja) 偏心揺動型遊星歯車装置
TWI820817B (zh) 共軛凸輪式減速機
JP7433769B2 (ja) 偏心揺動型減速装置
JP2012189202A (ja) 遊星歯車装置
JP3220154U (ja) マルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機
JPH0678747B2 (ja) 遊星歯車減速式スタ−タ

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R323111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term