JP2601689Y2 - シャッターカーテンのガイドレール構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、シャッターカーテンの
ガイドレール構造に関し、特に、ガイドレールの摺動溝
内にあって、シャッターカーテンのガイド面に位置し、
シャッターカーテンの摺動に際しての、ガイドレールへ
の振動を防止するための防振帯を装備したシャッターカ
ーテンのガイドレール構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のシャッターカーテンには、硬質塩
化ビニルなどの摩擦摺動に対して滑りのよい材料を用い
た略チューブ状の構造や、帯状ベースにモヘアを起毛さ
せた構造の消音帯が採用されており、この消音帯は、ア
ルミ製あるいはスチール製のガイドレールの摺動溝内側
に形成された取付溝などに固定される。そして、シャッ
ターカーテンの昇降移動に際しての、ガイドレールとシ
ャッターカーテンとの間の衝撃音や、シャッターカーテ
ンからガイドレールに伝わる振動や、シャッターカーテ
ンが閉鎖された状態での風の煽りによる風打音を消す働
きをしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の消音帯は、シャッターカーテンの開閉の際に摺
動接触することで、その開閉方向すなわち上下方向に移
動しないようにするため、ガイドレールに形成された取
付溝の所定箇所をかしめて固定したり、あるいは、接着
などの手段で固定している。

【０００４】このため、シャッターカーテンの開閉が繰
返される過程で、モヘア構造の消音帯の場合では、その
モヘアが摩耗したり、モヘアが変形、すなわち「へた
り」を起こし、十分な消音効果を維持できなくなるとい
う欠点がある。そのため、ガイドレールとシャッタース
ラットとが直に接触してしまい、金属同士が触れる接触
音を発生させてしまい、これを防止するために、この消
音帯を交換する必要がある。

【０００５】ところが、上述のように、消音帯はガイド
レール内側の取付溝内に固定されており、この消音帯の
交換のために、建物躯体よりガイドレールを取り外さな
ければならず、消音帯の交換が容易に出来ないという不
具合がある。

【０００６】また、シャッタースラットの移動の際に起
こる振動などは、上記消音帯では防止できず、この振動
がガイドレール側へ伝達されてしまい雑音が発生してし
まうという問題がある。

【０００７】そこで本考案は、上記事情に基いてなされ
たもので、摩耗等を起こした消音帯などの交換が、建物
躯体にガイドレールが固定されてあっても、その状態の
まま、容易に交換実行できるように改良するとともに、
風打音やシャッタースラットからのガイドレールへの振
動などを発生させないシャッターカーテンのガイドレー
ル構造を提供しようとすることを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】次に、上記の目的を達成
するための手段を、実施例に対応する図１乃至図７を参
照して説明する。この考案のシャッターカーテンのガイ
ドレール構造は、ガイドレールの摺動溝内にあって、シ
ャッターカーテンの摺動面に位置し、シャッターカーテ
ンの摺動に際しての、ガイドレールへの振動を防止する
ための防振帯を装備したシャッターカーテンのガイドレ
ール構造において、摺動溝１ａを有した断面略コ字形状
のガイドレール本体１と、前記ガイドレール本体１の摺
動溝１ａの開放１ｄ側における前記シャッターカーテン
３との摺動面１ｃに、該ガイドレール本体１の略全長に
わたって突設される一対の係止爪６と、前記一対の係止
爪６にそれぞれ係合する一対の取付爪１１を有し、これ
ら取付爪１１を可撓性を有する橋梁部１２で連結して断
面略コ字状に形成するとともに、該橋梁部１２の外側面
に前記シャッターカーテン３の摺動面と当接する弾性を
有した接触部１３が突設されている防振帯１０と、を具
備したことを特徴としている。

【０００９】また、この考案のシャッターカーテンのガ
イドレール構造は、ガイドレールの摺動溝内にあって、
シャッターカーテンの摺動面に位置し、シャッターカー
テンの摺動に際しての、ガイドレールへの振動を防止す
るための防振帯を装備したシャッターカーテンのガイド
レール構造において、摺動溝１ａを有した断面略コ字形
状のガイドレール本体１と、前記ガイドレール本体１の
摺動溝１ａの開放１ｄ側における前記シャッターカーテ
ン３との摺動面１ｃに、該ガイドレール本体１の略全長
にわたって突設されるとともに、摺動溝１ａの奥方１ｅ
側を長尺側（６Ａ）とする長短一対の係止爪６Ａ，６Ｂ
と、前記長短一対の係止爪６Ａ，６Ｂの長尺な係止爪６
Ａに係合する短尺爪１１Ａと短尺な係止爪６Ｂに係合す
る長尺爪１１Ｂとを有し、これら長尺および短尺爪１１
Ａ，１１Ｂを可撓性を有する橋梁部１２で連結して断面
略コ字状に形成するとともに、該橋梁部１２の外側面に
前記シャッターカーテン３の摺動面と当接する弾性を有
した接触部１３が設けられている防振帯１０と、を具備
したことを特徴としている。

【００１０】

【作用】防振帯１０が摩耗などによって、機能低下し、
交換の必要が生じた場合には、シャッターカーテン３を
開放した状態で、防振帯１０の取付爪１１を係止爪６よ
り抜脱させ互いの係合を解けば、各係止爪６より防振帯
１０は外されることとなり、摺動溝１ａの開放１ｄ側か
ら取出すことができ、また、防振帯１０をガイドレール
１側に取り付ける際には、取付爪１１係止爪６へ押圧さ
せることで係合し、各係止爪６に取り付けられる。

【００１１】そして、この防振帯１０がガイドレール本
体１に取り付けられた状態では、弾性を有した接触部１
３がシャッターカーテンの摺動面に当接するので、防振
帯１０にこのシャッターカーテン３の振動が伝わって
も、接触部１３の弾性力によりその振動が吸収され、振
動音が発生することがない。

【００１２】また、係止爪を長短一対とし、防振帯の爪
を長短の爪１１Ａ，１１Ｂとする場合では、防振帯１０
が摩耗などによって、機能低下し、交換の必要が生じた
場合に、シャッターカーテン３を開放した状態で、防振
帯１０の長尺爪１１Ｂを短尺な係止爪６Ｂより抜脱させ
互いの係合を解き、短尺爪１１Ａと長尺な係止爪６Ａと
の係合位置を回転中心として摺動溝１ａの奥方向１ｅへ
回転させれば、各係止爪６Ａ，６Ｂより防振帯１０は外
されることとなり、摺動溝１ａの開放１ｄ側から取出す
ことができ、また、防振帯１０をガイドレール１側に取
り付ける際には、短尺爪１１Ａを摺動溝１ａの奥方１ｅ
の長尺係止爪６Ａに掛け、ここを中心に回転させるとと
もに橋梁部１２を撓ませ、長尺爪１１Ｂを短尺係止爪６
Ｂへ押圧させることで、長尺爪１１Ｂは弾性復帰力によ
って短尺係止爪６Ｂに係合し、各係止爪６Ａ，６Ｂに係
合され、取り付けられる。

【００１３】そして、この防振帯１０がガイドレール本
体１に取り付けられた状態では、弾性を有する接触部１
３がシャッターカーテンの摺動面に当接するので、防振
帯１０にシャッターカーテン３の振動が伝わっても、接
触部１３の弾性力によりその振動が吸収され、振動音が
発生することがない。

【００１４】

【実施例】以下、本考案を図示の実施例に基いて具体的
に説明する。図１において、符号１は建物躯体（図示せ
ず）の開口部分Ａの左右両縁部に取付けられたガイドレ
ール本体であり、シャッターケース２から引出されたシ
ャッターカーテン３の両側縁部を、その対向する摺動溝
１ａ内に案内している。

【００１５】ガイドレール本体１は、図２に示すよう
に、断面形状が略コ字状に形成され、その摺動溝１ａの
開放部１ｄ両側に互いに外方に延出する縁面部１ｂ，１
ｂが形成されている。

【００１６】また、摺動溝１ａ内の前記シャッターカー
テン３との摺動面、すなわち対向する内側面１ｃ側に
は、この摺動溝１ａの開放側１ｄに位置してそれぞれ取
付ブラケット４が固定されている。

【００１７】この取付ブラケット４は、図３に示すよう
に、基板５に対して両縁端部にそれぞれ折曲段部が形成
され、各段部を一対の係止爪６とするとともに、この係
止爪６の先端からさらに延出して先端がＬ字状に折曲形
成された支持部８が一体に設けられている。

【００１８】そして、この取付ブラケット４は、摺動溝
１ａに固定されるとともに、前記ガイドレール本体１の
略全長にわたって、図２に示すようにネジ９などの固定
手段で、基板５がガイドレール本体１の内側面（摺動
面）１ｃに固定されている。

【００１９】また、この取付ブラケット４には、防振帯
１０が取り付けられている。この防振帯１０は、図３に
示すように、一対の取付爪１１を有し、これら爪１１を
可撓性を有する橋梁部１２で連結した断面略コ字状に形
成されるとともに、この橋梁部１２の外側面に片持ち状
に延出され、この外側面に沿った接触部１３が形成され
ている。この接触部１３は弾性力を有しており、先端縁
に接触凸部１３ａが形成されている。

【００２０】そして、この防振帯１０は、図２および図
４に示すように、各取付爪１１が前記取付ブラケット４
の一対の係止爪６に係合されてこの取付ブラケット４に
取り付けられるとともに、内側面１０ａがこの係止爪６
に一体に形成された支持部８にそれぞれ当接するように
なっている。

【００２１】なお、この防振帯１０のガイドレール本体
１の開放側１ｄに位置する一方の取付爪１１は、取付ブ
ラケット４の支持部８に対して、取付爪１１の外側より
ネジ１５などの固定手段にて固定される。

【００２２】さて、この防振帯１０を取付ブラケット４
に取り付ける手順としては、図３に示すように、一対の
係止爪６に対し、この防振帯４を嵌合させ、圧入させる
ことで、図４に示すように互いの爪６，１１を係合させ
取り付ける。

【００２３】そして、図２に示すように、ガイドレール
１の摺動溝１ａ内に挿入されたシャッターカーテン３の
側縁の前後面に、防振帯１０の接触部１３の接触凸部１
３ａが摺動自在に当接される。

【００２４】従ってこのように構成されたシャッターカ
ーテンのガイドレール構造によれば、防振帯１０が摩耗
によって、機能低下し、交換の必要が生じた場合、シャ
ッターカーテン３を全て開放した状態で、防振帯１０の
両爪１１の互いの係合を解けば、各係止爪６より防振帯
１０は外されることとなり、摺動溝１ａの開放１ｄ側か
ら取出すことができ、防振帯１０の交換が容易となる。

【００２５】そして、この防振帯１０がガイドレール本
体１に取り付けられた状態では、弾性を有した接触部１
３がシャッターカーテンの摺動面に当接しているので、
この防振帯１０にシャッターカーテン３の振動が伝わっ
ても、接触部１３の弾性力によりその振動が吸収され、
振動音が発生することがない。

【００２６】なお、上述した実施例では、接触部１３を
橋梁部１２の外側面に片持ち状に延出させ、この外側面
に沿った形状とした例について述べたが、これに限定さ
れることはない。

【００２７】また、上述した実施例では一対の係止爪６
を取付ブラケット４に形成し、この取付ブラケット４を
ガイドレール本体１に固定させる構成とした例について
述べたが、これら一対の係止爪６を、ガイドレール本体
１と一体に形成させてもよい。

【００２８】さらに、上述した実施例では、支持部８を
各係止爪６と一体に形成した例について述べたが、それ
ぞれ別体で構成し形成してもよい。

【００２９】また、上述した実施例では、一対の係止爪
６を同尺に形成し，防振帯の取付爪も同尺に形成させた
例について述べたが、図５に示すように、取付ブラケッ
ト４の各係止爪を長短一対に形成し、各係止爪の長尺な
係止爪６Ａをガイドレール本体１の摺動溝１ａの奥方１
ｅ側とするようにこの摺動溝１ａに固定させるととも
に、防振帯１０の各取付爪１１も短尺爪１１Ａと長尺爪
１１Ｂとで構成し、長尺な係止爪６Ａに短尺爪１１Ａを
係合させ、短尺な係止爪６Ｂに長尺爪１１Ｂを係合させ
る構成としてもよい。

【００３０】この防振帯１０の場合、図６に示すよう
に、まず、短尺爪１１Ａを摺動溝１ａの奥方１ｅ側の長
尺係止爪６Ａに掛け、ここを中心に回転させる（図６中
矢線Ｒ）とともに、橋梁部１２の中央を撓ませ、長尺爪
１１Ｂを短尺係止爪６Ｂ側へ押圧させることで、長尺爪
１１Ｂは弾性復帰力によって短尺係止爪６Ｂに係合し、
図７に示すように、この取付ブラケット４に取り付けら
れる。

【００３１】そして、この防振帯１０が機能低下等を起
こし交換する場合では、シャッターカーテン３を全て開
放した状態で、防振帯１０の長尺爪１１Ｂを短尺な係止
爪６Ｂより抜脱させ互いの係合を解き、短尺爪１１Ａと
長尺な係止爪６Ａとの係合位置を回転中心として摺動溝
１ａの奥方向（１ｅ）へ回転させれば（図６中矢線
Ｓ）、各係止爪６Ａ，６Ｂより防振帯１０は外されるこ
ととなり、摺動溝１ａの開放１ｄ側から取出すことがで
き、防振帯１０の交換が行える。

【００３２】そして、この防振帯１０がガイドレール本
体１に取り付けられた状態では、前述した実施例と同様
に、接触部１３の接触凸部１３ａがシャッターカーテン
の摺動面に当接するので、防振帯１０に振動が伝わって
も、接触部１３の弾性力によりその振動が吸収され、振
動音が発生することがない。

【００３３】

【考案の効果】以上説明したように本考案による、請求
項１のシャッターカーテンのガイドレール構造は、防振
帯が摩耗によって、機能低下し、交換の必要が生じた場
合に、シャッターカーテンを開放した状態で、防振帯の
取付爪を係止爪より抜脱させ互いの係合を解けば、各係
止爪より防振帯は外されることとなり、摺動溝の開放側
から取出すことができ、また、防振帯をガイドレール側
に取り付ける際には、取付ブラケットの各取付爪を摺動
溝の各係止爪へ押圧させることで係合させることで取り
付けることができるので、ガイドレールに対する防振帯
の交換が、建物側にガイドレールが固定されている場合
でも、その状態のまま、容易に交換実行できるという実
用上の効果が得られる。

【００３４】また、この防振帯がガイドレール本体に取
り付けられた状態においては、接触部がシャッターカー
テンの摺動面に当接しているので、防振帯にシャッター
カーテンの振動が伝わっても、接触部の弾性力によりそ
の振動が吸収され、振動音が発生することがないという
効果がある。

【００３５】また、本考案による請求項２のシャッター
カーテンのガイドレール構造では、防振帯が摩耗によっ
て、機能低下し、交換の必要が生じた場合に、シャッタ
ーカーテンを開放した状態で、防振帯の長尺爪を短尺な
係止爪より抜脱させ互いの係合を解き、短尺爪と長尺な
係止爪との係合位置を回転中心として摺動溝の奥方向へ
回転させれば、各係止爪より防振帯は外されることとな
り、摺動溝の開放側から取出すことができ、また、防振
帯をガイドレール側に取り付ける際には、短尺爪を摺動
溝の奥方の長尺係止爪に掛け、ここを中心に回転させる
とともに橋梁部の中央を撓ませ、長尺爪を短尺係止爪へ
押圧させることで、長尺爪は弾性復帰力によって短尺係
止爪に係合し、この取付ブラケットの各係止爪に係合さ
れ、取り付けることができるので、ガイドレールに対す
る防振帯の交換が、建物側にガイドレールが固定されて
いる場合でも、その状態のまま、容易にかつ素早く交換
実行できるという実用上の効果が得られる。

【００３６】また、この防振帯がガイドレール本体に取
り付けられた状態においては、接触部がシャッターカー
テンの摺動面に当接しているので、防振帯にシャッター
カーテンの振動が伝わっても、接触部の弾性力によりそ
の振動が吸収され、振動音が発生することがないという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるシャッターカーテンのガイドレー
ル構造が備えられたシャッターの全体正面図

【図２】図１におけるガイドレール構造のII−II線断面
図

【図３】同実施例におけるガイドレール構造の要部拡大
分解断面図

【図４】同実施例におけるガイドレール構造の要部拡大
断面図

【図５】他の実施例におけるガイドレール構造の要部拡
大分解断面図

【図６】同他の実施例におけるガイドレール構造の防振
帯の取り付け又は取り外し状態を示す拡大断面図

【図７】同他の実施例によるガイドレール構造の要部拡
大断面図

【符号の説明】 １…ガイドレール本体 １ａ…摺動溝 １ｃ…摺動面（内側面） １ｄ…開放側 １ｅ…奥方側 ３…シャッターカーテン ６…係止爪 ６Ａ…長尺係止爪 ６Ｂ…短尺係止爪 １０…防振帯 １１…取付爪 １１Ａ…短尺爪 １１Ｂ…長尺爪 １２…橋梁部 １３…接触部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドレールの摺動溝内にあって、シャ
   ッターカーテンの摺動面に位置し、シャッターカーテン
   の摺動に際しての、ガイドレールへの振動を防止するた
   めの防振帯を装備したシャッターカーテンのガイドレー
   ル構造において、 摺動溝を有した断面略コ字形状のガイドレール本体と、 前記ガイドレール本体の摺動溝の開放側における前記シ
   ャッターカーテンとの摺動面に、前記ガイドレール本体
   の略全長にわたって突設される一対の係止爪と、 前記一対の係止爪にそれぞれ係合する一対の取付爪を有
   し、これら取付爪を可撓性を有する橋梁部で連結して断
   面略コ字状に形成するとともに、該橋梁部の外側面に前
   記シャッターカーテンの摺動面と当接する弾性を有した
   接触部が突設されている防振帯と、 を具備したことを特徴とするシャッターカーテンのガイ
   ドレール構造。
2. 【請求項２】 ガイドレールの摺動溝内にあって、シャ
   ッターカーテンの摺動面に位置し、シャッターカーテン
   の摺動に際しての、ガイドレールへの振動を防止するた
   めの防振帯を装備したシャッターカーテンのガイドレー
   ル構造において、 摺動溝を有した断面略コ字形状のガイドレール本体と、 前記ガイドレール本体の摺動溝の開放側における前記シ
   ャッターカーテンとの摺動面に、該ガイドレール本体の
   略全長にわたって突設されるとともに、摺動溝の奥方側
   を長尺側とする長短一対の係止爪と、 前記長短一対の係止爪の長尺な係止爪に係合する短尺爪
   と短尺な係止爪に係合する長尺爪とを有し、これら長尺
   および短尺爪を可撓性を有する橋梁部で連結して断面略
   コ字状に形成するとともに、該橋梁部の外側面に前記シ
   ャッターカーテンの摺動面と当接する弾性を有した接触
   部が設けられている防振帯と、 を具備したことを特徴とするシャッターカーテンのガイ
   ドレール構造。