JP2601536Y2 - 洗剤用紙製容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、粉末洗剤を収容する紙
製容器の改良、特に開封および使用済容器の廃棄処理の
容易な粉末洗剤の容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、図１１、図１２に示すように、１
枚のブランクから組立てて正面および両側面を外箱と内
胴の二重構造とし、外箱の正面１および両側面２ａ，２
ｂにわたって設けた開封ジッパー１３を介して背面４に
ヒンジ部５を形成した容器本体を開閉自在の開閉蓋部６
と内胴７とに二分した角筒状の洗剤用紙製容器が使用さ
れていた（特許庁発行、周知・慣用技術集（包装産
業）、第２９１頁参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の洗剤用紙製容器は、使用後の空箱は嵩張るために底
部の接着部を切り剥すなどして板状に潰して廃棄処理し
ており、その作業は面倒であった。また、開封ジッパー
１３は全体に平行であり、開封ジッパー１３の終端部の
切断に力を要するといった問題点もあり、更に開閉蓋部
６と内胴７との切断部は、図１２に示すように内胴７の
開閉蓋部６との切断部に円弧状の断続的な切込み８を設
けたのみであったため、開閉蓋部６の強制開封による切
込み８の引裂きに大きな力を要し、開閉蓋部６を内胴７
から分割するのに手間を要するばかりか容器の変形につ
ながることも多かった。本考案は、前記従来の問題点を
解消し、使用後の容器の廃棄処理を容易にし、また開封
が容易であり、開封後の閉蓋も良好で粉漏れのない洗剤
用紙製容器を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、前記課題を解
決するための手段として、１枚のブランクから組立てて
正面および両側面を外箱と内胴の二重構造とし、外箱の
正面および両側面にわたって設けた開封ジッパーを介し
て、背面にヒンジ部を形成した開閉蓋部と残りの箱体胴
部とに二分され、前記開封ジッパーの開封により前記開
閉蓋部が内胴の上部で開閉自在な印籠式の角筒状の洗剤
用紙製容器において、前記開封ジッパーを介して背面に
ヒンジ部を形成した開閉蓋部を容器の上下にそれぞれ形
成し、前記開閉ジッパーの終端を外箱の側面と内胴側面
との未接着端部における開閉蓋部のヒンジ部に至る先細
りとし、内胴側面のヒンジ部寄りの隅部と前記開閉蓋部
との接着部である切断部を断続した円弧状切込みとした
洗剤用紙製容器である。また前記円弧状切込みの下端に
Ｕ字状切込みの一端をそれぞれ連接し、他端を隣接する
円弧状切込みの上端近傍下側に設定することも好まし
い。

【０００５】

【作用】本考案の洗剤用紙製容器は、容器の上下のいず
れからも開封して使用でき、使用後は上下両開封ジッパ
ーの切除、開蓋（図９参照）により簡単に容器を板状に
（図１０参照）潰し、廃棄処理を容易にすることができ
る。また、開封ジッパーは終端を先細りとしたので、開
封時に開封ジッパーを引裂くと容易に開封ジッパーが除
去されて、開閉蓋部と残りの箱体胴部とに二分され、更
に開閉蓋部と内胴側面との接着切断部の特異形状によっ
て引裂き時の抵抗が小で切断が容易であり、変形を生ず
ることなく開閉蓋部が分離され、閉蓋状態も良好で粉漏
れもほとんどない。

【０００６】

【実施例】本考案の実施例を図面に基づいて説明すれ
ば、図１は展開図を示し、外箱となる正面１、両側面２
ａ，２ｂが折線を介して連接され、側面２ａには折線を
介して背面４が連接されている。背面４には、側面２ｂ
の内側に重なる内胴側面７ｃ、正面１の内側に重なる内
胴正面７ａ、側面２ａの内側に重なる内胴側面７ｂが順
次折線を介して連接され、内胴側面７ｃと側面２ｂとが
接着されることによって箱体胴部が形成される。外箱と
なる正面１、側面２ａ，２ｂの上下にわたって開封ジッ
パー３，３が設けられるが、この開封ジッパー３，３は
容器の組立時に外箱となる側面２ａと内胴側面７ｂとの
未接着端部における上下の開閉蓋部６，６のヒンジ部
５，５に至る先細りとするのが好ましい。また、開閉蓋
部６，６は正面１と背面４に折線を介して連接され、組
立時には二重に貼着される。１０，１０は内側の各開閉
蓋部６，６の貼着片である。図１中、１１，１１は内胴
側面７ｃと開閉蓋部６，６との補強片を示す。しかし
て、組立状態を図２、図３に示す。

【０００７】更に、開閉蓋部６，６と内胴側面７ｃとを
切離すために内胴側面７Ｃに形成される各切断部は、図
５に示すように開閉蓋部６を強制的に切断、開封される
が、この切断部は図６に示すように断続した円弧状切込
み１５とし、上部の円弧状切込み１５の下端にＵ字状切
込み１６の一端を連接し、その他端を隣接する円弧状切
込み１５の上端近傍の下側に設定したものとし、矢印方
向の力により図６のように容易に縦裂きが可能になる。
この切断部について更に説明すれば、図７に示すよう
に、断続する円弧状切込み１５の下端に一端が連接する
Ｕ字状切込み１６の他端Ａ点は隣接する円弧状切込み１
５の上端近傍のＢ点の下側に近接させてあり、Ｂ点は円
弧状切込み１５の上端Ｃ点より内側にある。従って、引
裂き力が加えられると、図８のようにＡ点から裂け始め
てＢ点付近の円弧状切込み１５に容易に達し引裂き方向
は安定し、従来のような大きな力を要することなく容易
に開封される。なお、円弧状切込み１５の長さおよびＵ
字状切込み１６の数は容器の大きさ、厚さ等により任意
に定められる。

【０００８】従って、使用に際しては、上下いずれかの
開封ジッパー３を切除して開閉蓋部６を開封し、使用済
後は他の開封ジッパー３を切除して他の開閉蓋部６を開
封して図９の状態にすれば、図１０の如く容器を板状に
潰すことが簡単で、廃棄処理を容易にすることができ
る。

【０００９】

【考案の効果】以上説明したように本考案の洗剤用紙製
容器は、上下の２箇所に開封機構を設けてあるから上下
いずれかからも開封でき、また開封作業は容易であり、
使用済後は簡単に板状に潰すことができて廃棄処理を容
易にし、開封ジッパーの終端は先細りとすることによっ
て開封終了が的確かつ容易であり、隣接する開閉蓋部の
ヒンジ部に悪影響を与えることなく、また開閉蓋部は開
封ジッパーにより残りの箱体胴部から容易にかつ安定し
た方向に切断することもでき、内胴との閉蓋状態も良好
で粉漏れもなく、また、開封した開閉蓋部を再び閉蓋す
ると、開封時に切断された切断部がＵ字状切込みにより
形成された凸部が対応する凹部に嵌合して再閉蓋が可能
となり、未使用時の不用意な開蓋を防止することができ
る。さらに、開閉蓋部と内胴側面との切断部が開閉蓋部
の内側にあるため、切断跡が外から視認できないため、
再閉蓋後の見栄えを良好にする。またオール紙製である
ので環境問題に悪影響を与えることのないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すブランクの展開図であ
る。

【図２】図１の組立斜視図てある。

【図３】図１の組立斜視図てある。

【図４】使用状態を示す要部の側面図である。

【図５】内胴側面の切断部の説明図である。

【図６】内胴側面の切断部の説明図である。

【図７】内胴側面の切断部の拡大説明図である。

【図８】内胴側面の切断部の拡大説明図である。

【図９】使用済容器の廃棄処理説明図である。

【図１０】使用済容器の廃棄処理説明図である。

【図１１】従来容器の斜視図である。

【図１２】図１１の開封状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 正面 ２ａ 側面 ２ｂ 側面 ３，３ 開封ジッバー ４ 背面 ５，５ ヒンジ部 ６，６ 開閉蓋部 ７ａ 内胴正面 ７ｂ 内胴側面 ７ｃ 内胴側面 ８ 切込み １３ 開封ジッパー １５ 円弧状切込み １６ Ｕ字状切込み

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １枚のブランクから組立てて正面（１）
   および両側面（２ａ），（２ｂ）を外箱と内胴の二重構
   造とし、外箱の正面（１）および両側面（２ａ），（２
   ｂ）にわたって設けた開封ジッパー（３）を介して、背
   面（４）にヒンジ部（５）を形成した開閉蓋部（６）と
   残りの箱体胴部とに二分され、前記開封ジッパー（３）
   の開封により前記開閉蓋部（６）が内胴の上部で開閉自
   在な印籠式の角筒状の洗剤用紙製容器において、前記開
   封ジッパー（３），（３）を介して背面（４）にヒンジ
   部（５），（５）を形成した開閉蓋部（６），（６）を
   容器の上下にそれぞれ形成し、前記開閉ジッパー
   （３），（３）の終端を外箱の側面（２ａ）と内胴側面
   （７ｂ）との未接着端部における開閉蓋部（６），
   （６）のヒンジ部に至る先細りとし、内胴側面（７ｃ）
   のヒンジ部（５），（５）寄りの隅部と前記開閉蓋部
   （６），（６）との接着部である切断部を断続した円狐
   状切込み（１５），（１５）としたことを特徴とする洗
   剤用紙製容器。
2. 【請求項２】 前記円弧状切込み（１５），（１５）の
   下端にＵ字状切込み（１６），（１６）の一端をそれぞ
   れ連接し、他端を隣接する円弧状切込み（１５），（１
   ５）の上端近傍下側に設定したことを特徴とする請求項
   １記載の洗剤用紙製容器。