JPS636017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、外装と密封袋とからなる二重構造の
紙箱に関するもので、外装の開封後において頂面
の蓋体を開閉して継続使用することができ、かつ
密封袋を内装したままそれを容易に開披できる紙
箱の提供を目的とするものである。

特に、本考案は、商品の充填工程において効率
の良いエンド・ローデイングタイプの紙箱として
好適なように案出したものである。

さらに加えて、本考案は、外装自体の堅牢性の
ついて配慮し、併せて外観上の見栄えに留意した
ことも特徴の一つとして挙げられる。

本考案の構成を実施例として示した図面に従い
説明すると次のとおりである。

第１図は外装の展開図で、１は方形な底面部で
あり、それを囲繞する折目６ａ，６ｂ，６ｃ，６
ｄを経て前面壁部３、後面壁部４、左側壁部５
ａ、右側壁部５ｂをそれぞれ連設してある。

７ａ，７ｂは折目８ａ，８ｂを経て前面壁部３
の両端に、また７ｃ，７ｄは折目８ｃ，８ｄを経
て後面壁部４の両端にそれぞれ設けてなる側端片
である。

２は底面部１と同形な表面部であり、その四囲
には折目９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄを設けてある。

表面部２は前記後面壁部４と折目９ａを経由し
て連設しており、また折目９ｂを経て先端に貼着
部を有する前面覆装片１０を、更に折目９ｃ，９
ｄを経て側蓋片１１ａ，１１ｂを連設してある。

１２は前面覆装片１０の両端に連設した翼片、
１３はミシン線m₁，m₂によつて区画形成された
帯状切除部である。

１４は開閉蓋の開閉軸となる折目であり、両端
には切取り案内１４ａ，１４ｂに連続する切込が
設けてある。この折目１４両端の切込がない場
合、切取り案内の終点が折目９ｃ，９ｄ上となる
ため、再閉蓋時に切取り案内の切断により形成さ
れた側蓋片１１ａ，１１ｂの角部が左右側壁部５
ａ，５ｂの上端面に当たるか、又は内側に入り込
んで閉蓋に支障をきたすこととなる。折目１４両
端の切込も設けたことにより、開蓋後に側蓋片１
１ａ，１１ｂ、特に角部が紙箱の自然弾性により
幾分、外側に開きぎみとなるため、前記したよう
な再閉蓋時の問題は生じない。

１５ａは切取り案内１４ａ，１４ｂの切断後、
補強片１５ｂ，１５ｃにより両側から固着されて
いる飾り縁で、この飾り縁の下面によつて内装密
封袋の開封時における飛び出しを防止し、開蓋時
でも紙箱を安定した状態に保つものである。

なお、１６は挿入片、１７は挿脱口を示す。

第２図中、Ａは粒状、紛状、液状または固形状
のごとき形態を有し、かつ防水性、防湿性の要請
される内容物を収納した既知の開封用ノツチｎを
背シール部に有する密封袋であり、この背シール
部を上面として外装に内装するものであつて、通
常セロフアンとアルミとのラミネートフイルムま
たはセロフアンとポリエチレンとのラミネートフ
イルムで構成されているものである。

図面上、網点模様で描出した部分は固着部分の
例示である。

本考案の構成に際しその外装の変形例として、
第５図および第６図に他の好ましい実施例を示し
た。

すなわち、左右側壁部５ａ，５ｂの前面壁部３
と隣接する側端上方に、翼片１２とほぼ同形のも
とに切欠部１８を形成したものである。

上記のとおりの構成を有する本考案は、以下の
組成要領によるものであり、後に述べる効果をも
たらすものである。

すなわち、本考案の組立てを実施する場合にお
ける一態様としては、まず、外装の折目６ａ，６
ｂ，９ａ，９ｂに従い、前面壁部３の表面に前面
覆装片１０先端の貼着部を固着し折目８ａ，８
ｂ，８ｃ，８ｄによつて、側端片７ａ，７ｂ，７
ｃ，７ｄを内側に位置せしめて、それらと左右側
壁部５ａ，５ｂを同じく固着する。

なお、前記所望の商品を充填した密封袋Ａは、
通常、前面覆装片１０先端の貼着部を前面壁部３
の表面に固着した角筒状態時（第２図参照）の開
放左右方向から内装された後、側面が閉鎖される
こととなる（エンド・ローデイングタイプ）。

かくしてから、各翼片１２を左右側壁部１１
ａ，１１ｂ上に折り込み、続いて左右側壁部１１
ａ，１１ｂを折り込んで、各翼片１２表面に、ま
た、補強片１５ｂ，１５ｃを左右側壁部５ａ，５
ｂの対応する部位にそれぞれ固着して組立てが完
了するものである。

なお、前述した第５図、６図の他の実施例によ
る場合は、組立てに際し、切欠部１８の形成によ
り、左右側壁部５ａ，５ｂの折り込み・固着と同
時に翼片１２についても折り込みを行うことがで
きるので、一工程を省略することができ、更に両
側からヒートシールする場合、翼片１２，１２と
左右側壁部５ａ，５ｂが側端片７ａ，７ｂ，７
ｃ，７ｄ面上で同一平面となり、均等な言わばム
ラなく熱を付与して好ましい貼着をもたらすこと
になるものである。

上記のとおり組立てを完了した本考案の紙箱の
開封要領は、まず、帯状切除部１３を左または右
側縁から引き剥がして、前面覆装片１０を引き上
げると、左右の切取り案内１４ａ，１４ｂが切断
されて、両端に切込を有する折目１４を開閉軸と
するかぶせ蓋形式の蓋体が構成され、前記蓋体を
開封した後、内装されている密封袋背シールの開
封用ノツチから開封を行なう。第４図の実施例で
は飾り縁１５ａ方向に背シール部を反転させて開
封し、内容物を取り出せるものである。

上記のとおりの構成並びに組成要領に従う本考
案は、 第１に、需要家において、前面覆装片１０にの
み設けた帯状切除部１３を引き剥がして前面覆装
片１０を引き上げると、左右の切取り案内１４
ａ，１４ｂが切断されて表面部２、周辺の前面覆
装片１１、側蓋片１１ａ，１１ｂからなる、所
謂、かぶせ蓋形式の蓋体として機能し、閉蓋時に
は、翼片１２と切欠部１８が合致して、確実で安
定した開閉蓋を行うことができ、また切取り案内
１４ａ，１４ｂの切断有無により不正に開封され
たか否かが視認でき、内容物の保証の目安とな
る。

第２に、開閉蓋時に飾り縁１５ａは、対向する
左右側壁部５ａ，５ｂの開口上縁相互間に架設さ
れていることから、箱体としての堅牢度の向上に
威力を発揮するものである。

また、この飾り縁１５ａは、蓋体の開閉軸を中
央に近づけることとなるため、開蓋時においても
箱体を安定した状態に保つもので、蓋体の開閉軸
が角部にある紙箱でしばしば発生する開蓋時の転
倒を防止することができる。

第３に、蓋体の開閉軸である折目１４の両端に
切取り案内１４ａ，１４ｂの先端に連続して切欠
が設けられているので、蓋体の開閉操作によつて
生ずる歪みを飾り縁１５ａで吸収でき、箱体を構
成する他の部材への悪影響を最小限に止めること
ができ、紙箱全体の耐久性を向上させる。

第４に、内装されている密封袋Ａは、その開封
時に前記飾り縁１５ａが密封袋Ａの押え縁として
作用するため、密封袋Ａの開封は、箱体内部から
取り出すことなく、そのままの状態で可能であ
り、開封に手間がかからず、かつ紙箱内で開封が
できるため、開封および内容物の取り出し時に内
容物を誤つて散乱、落下させるおそれもないもの
である。

第５に、側壁部５ａ，５ｂにより形成された切
欠部１８により、折り込んだ翼片１２と側壁部５
ａ，５ｂは同一平面となるため、側蓋片１１ａ，
１１ｂ及び補強片１５ｂ，１５ｃの固着が安定
し、箱体および蓋体からなる紙箱全体の堅牢度を
向上させ、特に蓋体を構成する側蓋片に歪みを与
えないため、切取り案内１４ａ，１４ｂの予期し
ない外力等に因る切離を防止できるものであり、
また厚みの不均衝による歪みによつて派生する外
形上の不体裁を回避することができるものであ
る。

加えて、上記した本考案の構成に従えば、紙箱
の形態に対応してそれに供する製造機械の変更も
簡単な調整で容易に行え、さらに、側壁部と翼片
を同時に折り込み、固着できるので、貼合工程の
省力という効用も期待できるものである。

以上のとおり、本考案は構成が簡易であると共
に組立てが簡単で商品の機械的充填工程において
まことに的確に対応できるものであり、また商品
包装上、強く要請される外観上の美観も極めて良
好なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る密封袋内装の紙箱の実施
例を示し、第１図は外装の展開図、第２図は密封
袋の挿入方法の一例を示す説明図、第３図ａない
しｃはそれぞれ密封袋内装後における組立順序を
示す説明図、第４図ａは組立完成斜視図、同図ｂ
は開封時の斜視図、第５図および第６図は他の実
施例を示し、第５図は一部切欠せる要部展開図、
第６図ａないしｃは密封袋内装後における組立順
序を示す説明図である。 １……底面図、２……表面部、３……前面壁
部、４……後面壁部、５ａ……左側面部、５ｂ…
…右側面部、７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ……側端
片、１０……前面覆装片、１１ａ，１１ｂ……側
蓋片、１２……翼片、１３……帯状切除部、１５
ａ……飾り縁、１５ｂ，１５ｃ……補強片、１８
……切欠部、Ａ……既知の密封袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折目を介して前面壁部３、底面部１、後面壁部
   ４、飾り縁１５ａを有する表面部２、帯状切除部
   １３を経て先端に貼着部を有する前面覆装片１０
   を順次連設し、それぞれの両端には、側端片７
   ａ，７ｂ、左右側壁部５ａ，５ｂ、側端片７ｃ，
   ７ｄ、補強片１５ｂ，１５ｃを有する側蓋片１１
   ａ，１１ｂ、翼片１２，１２を連設し、前面覆装
   片１０先端の貼着部を前面壁部３に固着してなる
   外装の左右方向から、開封用ノツチを施した背シ
   ール部を上面とし、しかも一側を前記飾り縁１５
   ａ下面で押えられるように密封袋Ａを内装した
   後、側端片７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ、左右側壁部
   ５ａ，５ｂ、翼片１２，１２、側蓋片１１ａ，１
   １ｂを順に折り込んで閉鎖する密封袋内装の紙箱
   において、左右側壁部５ａ，５ｂの前面壁部３と
   隣接する側端上方には予め翼片１２とほぼ同形の
   もとに切欠部１８を形成して翼片１２，１２と左
   右側壁部５ａ，５ｂとが同一平面に折り込まれる
   ようにし、またミシン線にて形成した帯状切除部
   １３を引き剥がし開蓋されるときに切断される切
   取り案内１４ａ，１４ｂを補強片１５ｂ，１５ｃ
   と側蓋片１１ａ，１１ｂの間に設け、さらに該切
   取り案内の先端に連続して折目１４の両端に切込
   を設け、残りの折目１４を境目として開閉蓋する
   ようなした密封袋内装の紙箱。