JP2600977Y2 - 果実袋 - Google Patents

果実袋

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JP2600977Y2
JP2600977Y2 JP1992049369U JP4936992U JP2600977Y2 JP 2600977 Y2 JP2600977 Y2 JP 2600977Y2 JP 1992049369 U JP1992049369 U JP 1992049369U JP 4936992 U JP4936992 U JP 4936992U JP 2600977 Y2 JP2600977 Y2 JP 2600977Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、リンゴ、ナシ、モモ、
ビワ、ネクタリン、ブドウ等の果実の栽培に用いる果実
袋に関する。
【0002】
【従来の技術】リンゴ、ナシ、モモ、ビワ、ネクタリ
ン、ブドウ等の果樹の栽培においては、病害虫除去、果
実の外観の向上、割裂果実の防止等の目的で、果実に紙
袋をかけることが古くから行われている。この果実用の
紙袋は、夏期に1ヵ月以上果実に被ぶせるので、太陽光
線、雨、風に対する耐久性が要求される。紙袋の強度を
向上させるためには、蝋又は油を塗布したり、或いはパ
ラフィン紙等を素材にすることが知られている。また一
部の果実に対しては防水加工をした果実袋を用いること
もある。また果実袋は、果実の外観を向上させることも
目的とするが、そのためには果実袋の遮光率を高くする
必要がある。この遮光率を上げるために、色の濃い例え
ば黒、濃紺、濃緑の紙を内側に使用した果実袋が知られ
ている。更に病菌の発生を防ぐ為、防菌加工を施した果
実袋も知られている。
【0003】このように、果実袋は多種多様であるが、
果実袋を使用するとき現在一番問題とされているのは果
実袋内の多湿による病菌の発生と、果実袋表面の高温に
よる果実の蒸れにもとづく味の低下である。すなわち、
例えば、気温が32〜33℃の時、太陽光線の照射した
果実袋の表面温度は50℃前後になり、夕方になって日
が沈むと気温は急速に低下する。この昼と夜の温度差に
より果実袋の内部に結露が発生する。このようにして、
発生した結露が果実の表面に付着すると病菌が発生しや
すくなる。更に朝になり、太陽が昇り気温が上昇してく
ると、今度は結露が蒸発し、多湿になって、果実袋内部
は蒸れる状態になり、しかも昼には約50℃の高温にも
達するようになる。この結露と、蒸れと、高温とによっ
て、果実に病菌が発生しやすくなり、また果実の味が低
下する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、果実袋を被
せても、内部に結露が発生して多湿になるようなことが
なく、従って病菌が発生することの少ない、また果実が
外気温と著しく異なる高温になることのない遮熱性を有
し、且つ遮光性に優れた果実袋を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案者は、上記の従来
の果実袋の問題点を解消すべく種々検討した結果、果実
袋が親水性であること、また果実袋は太陽熱を遮断する
性質を有し、遮光性を有することが重要であることを知
見し、本考案を完成した。
【0006】すなわち、本考案は、ヒドロキシ基を有す
る熱可塑性合成樹脂からなるスプリット繊維ウェッブを
経緯交叉するように積層、接着してなる不織布で構成さ
れ、その表面に黒雲母粉末配合親水性樹脂層又はアルミ
ニウム粉末配合親水性樹脂層、及び二酸化チタン粉末配
合親水性樹脂層が順次設けられていることを特徴とする
果実袋である。
【0007】
【考案の実施の形態】図は本考案の果実袋の一例を示し
たものであり、図1はその平面図である。ここで1は果
実袋、2は折り目、3は周辺接着部、4は果実袋の開口
部である。図 2は、本考案の果実袋の開口部4を拡げた
ときの正面図の模式図である。果実袋の両面の各面に黒
雲母粉末配合親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親
水性樹脂層を設け、その上に二酸化チタン粉末配合親水
性樹脂層を設けた例であり、5は不織布、6は黒雲母粉
末配合親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性樹
脂層、7は二酸化チタン粉末配合親水性樹脂層である。
【0008】 本考案の果実袋を構成する不織布は、次の
ようにして製造する。ヒドロキシ基を有する熱可塑性合
成樹脂例えば平均重合度1400以上、鹸化度99%以
上のポリビニルアルコ−ルでフィルムを成形し、このフ
ィルムを一軸方向例えば縦方向に約5.5〜6.5倍程
度に熱延伸した後スプリット処理する。このスプリット
処理によって、フィルムに延伸方向に無数の割れ線が生
じ、フィルムは微細に分割されて扁平な繊維ウエッブ状
になる。このようにして得た扁平なスプリット繊維ウェ
ッブを無拡幅もしくは拡幅し、このスプリット繊維ウェ
ッブの複数枚を繊維方向が互いに交叉するよう、すなわ
ち経緯交叉するように積層し、接着して製造する。この
際の拡幅の程度によって、不織布すなわち果実袋の空隙
率を調整することができる。また接着は、例えばポリビ
ニルアルコ−ルなどの接着剤を付与して接着する。この
不織布自体は知られており、ベルタフ、ベルツ−キ等の
商標名で鐘紡株式会社から市販されている。
【0009】 この不織布は、ポリビニルアルコ−ル等の
ヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂でできているの
で、強度、耐久性が良いばかりでなく、親水性が良い。
したがって、この不織布で作った果実袋は、丈夫であ
り、また発生する結露を吸収してしまうので果実袋内に
結露が生じることがない。
【0010】 しかし、この不織布で作った果実袋は太陽
光線に対しての遮熱性、遮光性に乏しい。そこで本考案
においては、遮熱性、遮光性を高めるため、果実袋の
織布表面に内側から順次に黒雲母粉末配合親水性樹脂層
又はアルミニウム粉末配合親水性樹脂層、及び二酸化チ
タン粉末配合親水性樹脂層を形成する。すなわち、上記
不織布の表面に、まず黒雲母粉末配合親水性樹脂層又は
アルミニウム粉末配合 親水性樹脂層を設ける。これによ
って果実袋に95%以上もの遮光率を持たせることがで
きる。果実袋に遮光性を持たせておくと、果実の外観を
美しく仕上げることができる。この黒雲母粉末配合親水
性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性樹脂層は、親
水性樹脂液に黒雲母粉末又はアルミニウム粉末を3〜1
0重量%添加して調製した配合液に不織布を浸漬し、搾
液し、加熱乾燥して形成する。黒雲母粉末は鱗片状の黒
雲母粉末を用いるのが好ましい。親水性樹脂としては、
例えばポリビニルアルコ−ルが好ましい。樹脂液の濃度
は4〜10%程度でよい。黒雲母粉末配合親水性樹脂層
又はアルミニウム粉末配合親水性樹脂層は、果実袋を構
成する不織布の両面に設けても、また片面のみでもよ
い。
【0011】本考案においては、上記の黒雲母粉末配合
親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性樹脂層の
上に、二酸化チタン粉末配合親水性樹脂層を設ける。二
酸化チタン粉末配合親水性樹脂層 の白色によって太陽光
線を反射し、遮熱を行うことができる。この二酸化チタ
粉末配合親水性樹脂層は果実袋を構成する不織布の両
面に設けても、また片面のみでもよい。二酸化チタン
末配合親水性樹脂層は、上記の如くして表面に黒雲母粉
末配合親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性樹
脂層を設けた不織布を、親水性樹脂液に二酸化チタン粉
末を10〜40重量%添加して調製した配合液に浸漬
し、搾液し、加熱乾燥して形成する。樹脂液の濃度は4
〜10%程度でよく、親水性樹脂としては、例えばポリ
ビニルアルコ−ルが好ましい。この黒雲母粉末配合親水
性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性樹脂層、及び
二酸化チタン粉末配合親水性樹脂層は、不織布のときに
形成させるのが好ましいが、果実袋にした後に形成させ
てもよい。
【0012】 本考案においては、上記したように不織布
の空隙率を任意に変えることができ、また黒雲母粉末配
合親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性樹脂
層、及び二酸化チタン粉末配合親水性樹脂層の形成によ
って遮熱率、遮光率を任意に変えることができる。例え
ば遮光率は35%から95%まで、空隙率は0%から1
0%まで任意に変えることができる。そして、外気温3
2℃で太陽光線が照射している時、従来の通常の果実袋
においてはその表面温度が50℃前後になるが、本考案
の果実袋においては、例えば遮光率98%、空隙率0
%の場合、果実袋の表面温度は38℃前後となり、遮
熱効果が認められる。このように、本考案の果実袋にお
いては、空隙率、遮光率、ひいては遮熱率を任意に変え
ることができるので、果実の種類、使用時期、使用期間
等に応じ、それぞれに適した果実袋を得ることができ
る。またブドウ用等には撥水加工をして果実の割裂防止
をしてもよい。また本考案では、黒雲母粉末、アルミニ
ウム粉末、二酸化チタン粉末を親水性樹脂に配合してそ
れぞれの層を設けたので、それぞれの層は、ヒドロキシ
基を有する熱可塑性合成樹脂からなるスプリット繊維ウ
ェッブを経緯交叉するように積層、接着してなる不織布
と同様に親水性があるため、果実袋内に結露が生じるこ
とがない。
【0013】 不織布から果実袋を作成するには、通常の
方法で行える。そして周辺の接着は糊付け、ミシンかけ
等で行えるが、効率よく確実に行うためには、合成樹脂
の熱融着性を利用して超音波ミシンで行うのが最もよ
い。果実袋は1重でよく、2乃至3重にする必要はな
い。また従来使用されている紙製の果実袋は、1シ−ズ
ン毎の使い捨てであるが、本考案の果実袋は、シ−ズン
後に取外し、良く洗浄して付着ごみを取り除き白さを回
復させる処置を取ると、5年は継続して使用可能であ
る。また、従来の紙製の果実袋と同様に、果実袋を小枝
に止めるための止め金を、果実袋の側端部に付着させて
もよい。
【0014】
【考案の効果】本考案の果実袋は、ヒドロキシ基を有す
る熱可塑性合成樹脂からなるスプリット繊維ウェッブを
経緯交叉するように積層、接着してなる不織布で構成さ
れているので耐久性がある。またこの果実袋は親水性が
あるので果実袋内に結露が発生することがなく、そのた
め果実袋内の多湿にもとづく病菌の発生を防止すること
ができる。また果実袋の表面に二酸化チタン粉末配合親
水性樹脂層を設けたので、太陽光線についての遮熱性が
あり、そのため果実が高温になったり、蒸れたりするこ
とに起因する味の低下を防ぐことができる。また、黒雲
母粉末配合親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水
性樹脂層を設けるたので、場合によっては 95%以上も
遮光率を得ることができ、この遮光によって果実の外
観を向上させることができる。また、本考案の果実袋
は、耐久性に富むため5年ないしはそれ以上使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の果実袋の平面図。
【図2】本考案の果実袋の開口部を開いた状態を示す正
面図
【符号の説明】
1 果実袋、2 折り目部、3 接着部、4 開口部、
5 不織布、6 黒雲母粉末配合親水性樹脂層又はアル
ミニウム粉末配合親水性樹脂層、7 二酸化チタン粉末
配合親水性樹脂層

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドロキシ基を有する熱可塑性合成樹脂か
    らなるスプリット繊維ウェッブを経緯交叉するように積
    層、接着してなる不織布で構成され、その表面に黒雲母
    粉末配合親水性樹脂層又はアルミニウム粉末配合親水性
    樹脂層、及び二酸化チタン粉末配合親水性樹脂層が順次
    設けられていることを特徴とする果実袋。
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