JP2600777B2 - 湯温制御装置 - Google Patents

湯温制御装置

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JP2600777B2
JP2600777B2 JP63075455A JP7545588A JP2600777B2 JP 2600777 B2 JP2600777 B2 JP 2600777B2 JP 63075455 A JP63075455 A JP 63075455A JP 7545588 A JP7545588 A JP 7545588A JP 2600777 B2 JP2600777 B2 JP 2600777B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は水を加熱して湯として供給する給湯装置の湯
温制御装置に関する。
従来の技術 従来の給湯装置及びその湯温制御装置は、例えば特公
昭61−57529号公報に示されているように、第4図のよ
うな構成となっている。
すなわち、給水路中に設けられ給水温を検知する水温
センサ1、給湯量を検知する流量センサ2と、水を加熱
する加熱部3と、給湯路中に設け湯温を検知する湯温セ
ンサ4と、湯温を設定する設定部5と、各センサ及び設
定湯温とに基づき加熱部3の加熱量を湯温が設定温度と
等しくなるよう制御する加熱量制御部6とで構成する。
ここで加熱部3の典型的な例は、ガスバーナ、熱交換
器、ガス流量を制御する流量制御弁とで構成されたガス
給湯機である。湯温制御装置7は、各センサ1,2,4と、
設定部5と、加熱量制御部6とで構成する。加熱量制御
部6は、設定部5からの設定湯温TRと、湯温センサ4か
らの湯温Toとを入力とし所要加熱量を演算するフィード
バック制御部(以下FB部と略記)8と、設定湯温TRと、
水温センサ1からの給水温Tiと、流量センサ2からの給
湯量Fwを入力とし所要加熱量を演算するフィードフォワ
ード制御部(以下FF部と略記)9と、FB部8、FF部9の
両出力を加算出力する加算部10とで構成する。FB部8の
演算の典型的なものは、設定湯温TRと湯温Toの差(TR
To)を比例,微分,積分するいわゆるPiD則である。FF
部9の演算の典型的なものは、設定湯温TRと給水温Tiの
差に給湯量Fwを乗じたもの、すなわち(TR−Ti)×Fwで
ある。このように、湯温を、FB部8によるフィードバッ
ク制御に、FF部9によるフィードフォワード制御を付加
することにより、一般に速い過疫応答特性と共に安定な
湯温制御性能を得ることができる。
発明が解決しようとする課題 しかし、このような構成のものでも、第5図に示すよ
うに、給湯流量変更時に、過大なオーバシュート、アン
ダシュートが発生し、またその整定時間も長いという課
題があった。このオーバシュート量、整定時間は、フィ
ードバック制御のみの場合に比し、小さくはなっている
が、使用者が湯温の変化を認識できる程度の大きさであ
る。第5図で、時間t1の時点で給湯量流FをF1からF2
増すと、湯温制御装置7の出力すなわち加熱部3の加熱
量Qは、FF部9の動作によりQ1からQ2に増加する。一方
温度Toは、加熱部3の熱的応答遅れにより、時間t2で変
化を開始しそれまでは変化しない。従って時間t1からt2
の間に加熱量QがQ1からQ2に増すのは、FF部9の動作の
みによる。時間t2で湯温Toが変化し始めると、これに応
じてFB部8が動作してFB部の出力が増す。すなわち、流
量FがF1からF2に増加したことによって生ずる湯温Toの
アンダーシュートを補償するよう、FB部の出力が増すの
である。従って時間t2以降の加熱量Qの変化は、FB部8
の出力の変化によるものである。これにより最終的に湯
温Toは最終的に設定温度TRと等しくなり、またその時の
加熱量QはQ3となる。時間t3で給湯流量Fを、F2からF3
に減少させると、加熱量Qは、FF部9の動作によりQ3
らQ4に減少し、時間t4で湯温Toに変化が表れると、FB部
8がこの上昇を打消すように動作を開始し、最終的に加
熱量Q5にて湯温Toが設定湯温TRに等しくなる。ここで、
一般に給湯装置に於ける加熱部の加熱量に対する湯温の
応答は、(多次系+むだ時間)で表すことができ、第5
図の場合、時間t1からt2までの時間Δt1がむだ時間であ
る。このように、フィードフオワード制御を用いること
で、湯温Toが変化を開始する以前の流量Fが変化した時
点で加熱量Qをある程度制御できるため、フィードバッ
ク制御のみを用いる場合に比しオーバシュート、整定時
間は小さくなるものの、流量変更時点でのフィードフォ
ワード制御が不充分なため、従来の装置にあっては、比
較的大きなオーバシュート、整定時間が依然として存在
するのである。
本発明はかかる従来の課題を解消するもので、給湯流
量変更時の湯温のオーバシュート、整定時間を小さくす
る湯温制御装置を提供するものである。
課題を解決するための手段 そして上記課題を解決する本発明の技術的手段は、給
湯流量変更前後の流量の比を求め、この比に基づいて補
正係数を演算し出力する補正係数発生部と、この補正係
数発生部からの補正係数に基づいてFF部の演算結果を補
正しその結果を加熱部に出力する補正部とを備えた構成
である。
作用 この技術手段による作用は次のようになる。
すなわち、補正係数発生部は、給湯流量Fの変化前の
流量Fbと、変化後の流量Faの比(Fa/Fb)を演算し、こ
の比(Fa/Fb)に基づいて補正係数αを発生する。この
αは、例えば(Fa/Fb)の値そのものでもよいし、また
この比を2乗した値等でもよい。前者の方法であれば、
例えばFb=5/min、Fa=10/minであれば、α=2と
なる。補正部は、FF部からの所要加熱量QFを、この補正
係数αに基づいて補正する。例えば、給水温Ti=10℃、
設定湯温TR=40℃、Fb=5/min、Fa=10/min、補正
係数α=(Fa/Fb)=10/5=2とすると、FF部の演算に
上述した式を用いれば、給湯流量変更前の出力QFb=(T
R−Ti)×F=(40℃−10℃)×5/min×60min=9000
kcal/h。給湯流量変更後の出力QFa=(TR−Ti)×F=
(40℃−10℃)×10/min×60min=18,000kcal/h。補
正部を例えば乗算器で構成すれば、補正部の出力QFa
=QFa×α=18000×2=36000kcal/hとなる。この結
果、加熱部の加熱量は給湯流量変更時に、湯温に変更が
表れる前に、FF部で演算する所要加熱量よりも大きな加
熱量を与えられ、これによりFF部の出力をそのまま加熱
量にする場合に比し、そのオーバシュートを小さくでき
る。
実 施 例 以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図において、11は湯温制御装置で、水温センサ
1、流量センサ2、湯温センサ4、設定部5、加熱量制
御部12とで構成する。加熱量制御部はFB部8、FF部9、
加算部10、流量センサ2からの給湯流量Fを入力とし、
給湯流量Fが変化した場合、変化前の流量Fbと、変化後
の流量Faの比(Fa/Fb)を演算するとともに、この比が
1より大なる場合、この比の平方根 を演算し、この比が1より小なる場合この比の2乗(Fa
/Fb)を演算し、結果を補正係数αとして出力する補
正係数発生部13、FF部9の出力QFと補正係数発生部13か
らの補正係数αを乗じ結果を加算部に補正部としての乗
算器14とで構成する。なお補正係数発生部13は、湯温セ
ンサ4からの湯温Toを入力とし、給湯流量Fの変更後湯
温Toが所定値変化すると、補正係数αを1にリセットす
る。
次にこの実施例の構成における作用を第2図の特性図
を参照しつつ説明する。第2図で、破線は、第5図と同
じもので、従来の装置の特性を示し、実線は本発明一実
施例の特性を示す。変更前の給湯流量FをF1、時間t1
て変更した後の給湯流量FをF2、変更前の加熱量QをQ1
とする。時間t1で給湯流量FをF1からF2に増す。FF部9
は、これに応答して変更前のQF1から変更後のQF2に増
す。一方、補正係数発生部13は、時間t1で給湯流量Fが
変化すると、変化前後の比(F2/F1)を演算し、さらに
この比が1よりも大なので、補正係数αとして を演算し出力する。乗算器14は、αとQF1を乗じ、 を出力する。加算部10はFB部の出力QB2と、乗算器14の
出力α×F2を加算し、加算結果Q2′を加熱部3に出力す
る。当然ながら、αは1よりも大きくなるので、補正前
の加熱量、すなわち従来装置の加熱量Q2に比し、補正後
の加熱量Q2′は大きくなる。時間t2で、湯温Toが下降し
はじめ、時間t1以前の湯温よりもΔTだけ下降すると、
補正係数発生部13はこれを検知して、αを1にリセット
し、これにより乗算器14の出力はFF部9の出力に等しく
なり、Q2となる。しかし、この時点で湯温Toが下降しは
じめているので、FB部8はこれを打消すためにその出力
を増す。以降最終的に加熱量Q3にて湯温Toが設定温度TR
に等しくなる。ここで、時間t1から時間t2に於ける加熱
量Qは、Q2′>Q2なので、従来装置に比し加熱量が大き
く、その加熱量を湯温Toの変化が表れる時間t2以前に出
力するために、湯温Toの時間t2以降に表れるオーバシュ
ートは、従来装置に比し小さくなる。それによって整定
時間も短かくなる。時間t3で、給湯流量FをF2からF3
減ずると、補正係数発生部13は、比(F3/F2)を演算
し、この比が1より小さいので、比の2乗(F3/F2
をαとして出力する。乗算器14はこのαとFF部9の出力
QF3を乗じ、結果α×QF3を出力する。加算部10は、FB部
8の出力QB3と、乗算器14の出力α×QF3を加算し、結果
をQ4′として出力する。ここで、αは1よりも小さいの
で、加熱量Q4′は、補正しない従来装置の加熱量Q4より
も小さい。時間t4で、湯温Toが上昇しはじめ、時間t3
での湯温よりもΔTだけ上昇すると、この変化を補正係
数発生部13が検知して、αを1にリセットする。以降最
終的には加熱量Q5にて、湯温Toが設定湯温に等しくな
る。ここで、上述のように、時間t3からt4の間は、加熱
量Q4′<Q4となり、従来装置の加熱量よりも小さくなる
ので、時間t4以降に生ずるオーバシュート、整定時間は
小さくなる。
補正係数発生部13は、例えばマイクロコンピュータの
ような情報処理素子によって容易に実現でき、この場合
のフローチャートを第3図に示す。第3図での流れは、
上述した作用そのものである。
以上述べた実施例では、補正係数αを流量の比に基づ
いて、比が1より大なる場合平方根、1より小なる場合
2乗としたが、どのような演算により補正係数αを算出
するかは、個々の加熱装置に応じて、本発明の主旨を変
えることなく変更可能であり、単なる設計的事項であ
る。また、補正係数αを、湯温Toの変化が所定値ある場
合に1にリセットしたが、これは他の方法、例えば、流
量変更が発生してから所定時間後にαを1にリセットす
る、この所定時間を変更後の流量に基づいて決定し、こ
のようにして決定した所定時間にαを1にリセットする
等の方法が考えられ、いずれの方法であっても、本発明
の主旨に沿って、αをリセットすればよい。
発明の効果 このように本発明によれば従来装置に比し、給湯流量
変更時の湯温のオーバシュート、整定時間が小さい湯温
制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例の湯温制御装置の構成図、第2
図は同特性図、第3図は同装置の補正係数発生部の動作
を示すフローチャート、第4図は従来の湯温制御装置の
構成図、第5図は同特性図である。 1……水温センサ、2……流量センサ、3……加熱部、
4……湯温センサ、5……設定部、9……フィードフォ
ワード部、10……加算部、11……湯温制御装置、12……
加熱量制御部、13……補正係数発生部、14……補正部
(乗算器)。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】給湯装置の給水路中に設け給水温を検知す
    る水温センサと、前記給水路中に設け給湯流量を検知す
    る流量センサと、湯温を設定する設定部と、前記水温セ
    ンサからの給水温と前記流量センサからの給湯流量と前
    記設定部からの設定湯温に基づき給湯装置の加熱部の加
    熱量を制御する加熱量制御部を有し、前記加熱量制御部
    は、設定湯温と給水温と給湯流量とに基づき所要加熱量
    を演算するフィードフォワード部と、前記流量センサか
    らの給湯流量の変化前と変化後の給湯流量の比に基づき
    補正係数を演算し出力する補正係数発生部と、前記フィ
    ードフォワード部にて演算した給湯流量変化後の所要加
    熱量を前記補正係数発生部からの補正係数に応じて補正
    し加熱部に出力する補正部を備える構成とした湯温制御
    装置。
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