JPS6021639Y2 - 燃焼設備の炉圧制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃焼設備の炉圧制御装置に関し、特に炉内に流
入する燃料流量の設定信号で炉圧制御系の操作出力を補
正し、これによって炉圧制御系の応答遅れを改善した炉
圧制御装置に関する。

一般に加熱炉等の燃焼設備においては、炉内に設置した
炉圧検出器によって炉圧を検出し調節器を介して煙道の
ダンパー開度を制御する炉圧制御系と、炉内の温度を検
出し流量調節器を介して流量制御弁の開度を制御する流
量制御系とを有している。

第１図はこの場合の両制御系を概略的に示したものであ
る。

燃料供給管８を通してバーナ６から供給された燃料およ
び空気は燃焼室４で燃焼して室内の圧力および温度を上
げ、その排ガスが煙道７を通って排出される。

燃料室４に供給される燃料は、温度計１２の検出温度と
流量設定値Ｑｓとから流量調節器９で流量制御出力が出
され、流量制御弁１１および流量検出器１０によって燃
料流量のフィードバック制御がなされる。

また、燃焼室内の圧力〔炉圧）は、同様に、炉圧検出器
５による炉圧実測値が炉圧設定値Ｐｓに一致するように
炉圧調節器１によって炉圧制御出力が出され、操作器２
を介してダンパー３の制御がなされる。

このようにして燃料流量の変動があってもそれに対して
常に最適な炉内圧力がもたらされるように、燃料流量制
御系に対し炉圧制御系が設置されている。

しかし、燃料流量の変化が炉圧の変化として現われるま
でには炉の容量その他の燃焼条件によって成る一定の時
間的な遅れがあり、バーナ６に供給される燃料および空
気の流量変化による炉圧変動を炉端の炉圧検出器５て検
知して炉圧を制御するには、無駄時間と時定数が大きく
、流量変動中の炉圧の過渡応答を改善しようとすると、
定常特性が不安定になるという問題があった。

本考案はこのような問題を解決し、燃料および空気の流
量変化に即応できかつ安定した炉圧制御をなし得る炉圧
制御装置を提供することを目的とする。

本考案による炉圧制御装置は、燃料流量および／または
空気流量の設定信号を入力して目標炉圧に対応した煙道
ダンパー開度を演算する演算器と、前記演算器の出力に
対して炉圧制御系と燃料流量制御系との応答性の差を補
償する補償器とを有することを特徴とするものである。

前記演算器によってダンパー開度を演算する場合に、ま
ず炉圧と燃料流量とダンパー開度との関係について説明
する。

第２図はバーナに供給される燃料流量Ｑと炉圧との関係
をダンパー開度Ａをパラメータにとって図示したもので
ある。

即ち、ダンパー開度Ａ＝Ａ１のときは炉圧Ｐは燃料流量
Ｑに応じて曲線イのように変化する。

また燃料流量ＱがＱ工、 Ｑ２． Ｑ、、Ｑ４に変化す
るときに炉圧Ｐを一定値ＰＳ１に制御するためには、ダ
ンパー開度Ａを、曲線イ９９ロ、ハ二のそれぞれの前記
燃料流量Ｑ、、 Ｑ２・・・・・・におけるｐ＝Ｐｓの
点に対応する値Ａ、、 Ａ２． Ａ３． Ａ４に調節す
ればよい。

例えば、燃料流量９１に対して炉圧をＰｓｌにするには
ダンパー開度をＡ１とすればよい。

また、燃料流量Ｑとダンパー開度Ａとの関係を、炉圧Ｐ
をパラメータにとって示すと、第３図のようになる。

第３図では、例えば燃料流量Ｑ１でダンパー開度Ａ１の
ときには炉圧はＰｓｌになることを示している。

このことから、希望する炉ＩＥＰＳ１．ＰＳ２．ＰＳ３
・・・・・・を得るためには燃料流量Ｑに応じてダンパ
ー開度Ａを第３図の曲線ａ、ｂ、ｃ・・・・・・に沿っ
て変化するように調節すればよい。

前記演算器はこのようにしてダンパー開度Ａを演算する
ものである。

次に、本考案に係る炉圧制御装置の実施例を、第４図を
参照して説明する。

炉内温度調節器１５には目標温度設定値τＳと温度計１
２からの炉内温度実測１ｍとが入力され、流量設定信号
Ｑｓが出力される。

この実施例では、この炉内温度調節器１５によって燃料
流量と空気流量とが同時に制御されるが、炉内温度調節
器１５の出力信号Ｑｓで燃料流量制御弁１９の開度を直
接調節し、燃料流量の測定値に理論空気量と空気比とを
乗じた信号を空気流量の設定値とすることもできる。

図示実施例において、炉内温度調節器１５の出力信号は
、燃料流量調節器１７の燃料流量設定値となる一方、比
率設定器１６において理論空気量Ａｏと空気比ｍとを乗
じられて後、空気流量調節器１８の空気流量設定値とな
り、これらの流量制御系によって燃料流量と空気流量と
が制御される。

また、炉内温度調節器１５の出力信号ＱＳは演算器２０
および補償器１３を経て加算器１４において炉圧調節器
１の操作出力に加えられる。

演算器２０は、前記調節器１５で算出された流量設定値
Ｑｓと目標炉圧Ｐｓの設定値とに対応したダンパー開度
Ａを、第３図に関して説明した関数にしたがって算出す
る機能を有する。

補償器１３にはこの算出ダンパー開度Ａおよび時定数が
入力される。

この補償器１３は燃料流量と空気流量との変動に対する
炉圧変動の時間遅れを補償する機能を有する。

つまり、燃料および／または空気の流量変化から炉圧が
変化するまでの時間遅れをγ１とすれば、 Ｓ−Ｌ Ｓ−Ｌ Ｓ−Ｌ τｇ＝蔦−扁で電【 ただし、Ｓ；炉内断面積、 Ｌ；流路長、 Ｑ、；燃料流量、 Ｑパ空気流量、 Ｑｇ；廃ガス流量、 一方、燃料流量制御系と炉圧制御系のそれぞれの系のル
ープ全体の時定数、即ち設定値の変化からプロセスの実
際値の対応する変化までの時間遅れをτｆ９ ’ｒｄと
すると、燃料および／または空気の流量制御系に対する
設定値が変化した時の燃料および／または空気の流量変
化による炉圧の変動を防止するためには、炉圧制御系の
ダンパーの開度を燃料および／または空気の流量制御系
の時定数丁、と、燃料および／または空気の流量変化の
炉圧変化におよぼす遅れτ、との和（τ、十τｇ）と、
炉圧制御系の時定数７ｄとの差、即ちτ＝ｒｆ＋τｇ−
ｆｄ の時間だけ時間的に遅らせて燃料および／または空気の
流量設定値変化に対応した値を炉圧制御ダンパーの開度
指令信号として出力する。

なお、演算器２０および補償器１３に対して設定すべき
値は、実測または計測により求めて設定する。

このように、バーナ６に供給される燃料および（または
）空気の流量が炉内温度調節器１５の制御動作により変
化する場合には該調節器１５の出力信号に応じて演算し
たダンパー開度信号により前記補償器を介して操作器２
およびダンパー３を調節し、その結果を炉圧検出器５で
検出して炉圧調節器１にフィードバックして微調整する
。

また、燃料または空気の流量がその供給圧の変動等によ
って変化する場合には、検出器５による実測値によって
炉圧調節器１により修正する。

即ち、炉圧調節器１においては炉圧設定値Ｐｓと検出器
５による実測値との差に対応した操作信号（差信号）を
出力する。

一方、補償器１３においては燃料および／または空気流
量もと炉圧設定値Ｐｓとに対応した煙道ダンパー補正量
を上記の時間Ｔだけ遅らせて出力するものであり、また
加算器１４においては炉圧調節器１の操作出力と補償器
１３の出力とを加算し、この加算出力信号により操作器
２を駆動する。

これにより煙道ダンパー（炉圧ダンパー）は燃料および
／または空気の流量変化に遅れることなく動作し得、こ
の結果過渡的な制御不良は解消され、安定な炉圧制御が
もたらされる。

このような制御系においては、大きな変動要因である炉
内温度調節器１５の出力の変化に基づく変動を時間遅れ
なく制御し得る上に、定常状態においては安定した制御
性が確保される。

従来は、炉内温度調節器の設定変更時、あるいは被加熱
材が炉内を急に移動する時などの過渡状態には、２〜３
分間にわたり±０．７ＴＩｒＩ！ＬＨ２０の炉圧変動が
生じ、かつ定常状態においても±０．３ｒｒａｎ）（２
０の炉圧変動が生じていたが、本考案による制御装置を
設置した後は、過渡状態、定常状態のいずれの場合にも
炉圧変動は±ｏ、２ｍｍＨ２Ｏ以内におさめることがで
きた。

なお、本考案は、加熱炉、熱処理炉、ボイラー炉など負
荷変動をともなう一般の燃料設備に共通に適用し得るこ
とは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の炉圧制御系および流量制御系の１例を示
した概略図、第２図はダンパー開度をパラメータとした
燃料流量と炉圧との関係を示す図、第３図は炉圧をパラ
メータとした燃料流量とダンパー開度との関係を示した
図、第４図は本考案の実施例に係る炉圧制御装置を系統
的に示した概略図である。 １・・・・・・炉圧調節器、４・・・・・・炉、５・・
・・・・炉圧検出器、６・・・・・・バーナ、７・・・
・・・ダンパー、１２・・・・・・温度計、１３・・・
・・・補償器、１５・・・・・・炉内温度調節器、２０
・・・・・・演算器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉内に設置した炉圧検出器によって炉圧を検出し調節器
   を介して煙道のダンパー開度を制御する炉圧制御系と、
   炉内の温度を検出し流量調節器を介して流量制御弁の開
   度を制御する流量制御系とをもつ燃焼設備の炉圧制御装
   置において、燃料流量および／または空気流量の設定信
   号を入力し炉圧をパラメータにとった燃料流量−ダンパ
   ー開度の関係から目標炉圧に対応した煙道ダンパー開度
   を演算する演算器と、前記演算器の出力に対して前記炉
   圧制御系と前記流量制御系との応答性の差を補償する補
   償器と、目標炉圧の設定信号と炉圧検出信号との差信号
   を出力する炉圧調節器と、前記炉圧調節器の出力と前記
   補償器の出力とを加算する加算器とを有し、前記補償器
   は前記演算器で演算された煙道ダンパー開度信号を入力
   し該ダンパー開度信号を炉圧制御系と流量制御系との応
   答性の時間差に相当する時間だけを遅らせて前記加算器
   へ出力するように構成され、前記加算器による加算出力
   信号により炉圧を制御することを特徴とする炉圧制御装
   置。