JP2599585B2 - ヒトα▲下1▼−アンチトリプシン誘導体及びその製造法 - Google Patents

ヒトα▲下1▼−アンチトリプシン誘導体及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ヒトα−アンチトリプシンアナローグ、
その製造法及びそれら化合物を含有する医薬組成物に関
する。
本出願人名義のフランス特許出願No.8300909及び対応
するヨーロツパ特許No.84400126に記載のように、遺伝
子工学技術によりヒトα−アンチトリプシンを製造す
ることができる。
本特許出願は、該化合物の応用の可能性を著るしく増
大させるものである。
ヒトα−アンチトリプシン活性に関するより詳細な
研究により、この生成物のアナローグが提供し得る利点
を確立することができた。
α−アンチトリプシンの最も重要な生理学的役割
は、気道下部における好中球エラスターゼの阻害であ
る。
健常な肺においては、α−アンチトリプシンとエラ
スターゼとは、バランスよく作用して、異物のまわりに
液化域を作り、それらを排出する。
この平衡がくずれてエラスターゼが優勢になると、プ
ロテアーゼの作用は制御されず、組織にかなりの障害を
与える。こうして、臨床的には気腫となる。
このようなアンバランスは、遺伝性α−アンチトリ
プシン欠乏症例に認められる。
非遺伝性気腫の最も多い原因は、喫煙である。この場
合には、種々の因子の相互作用により、肺胞のプロテア
ーゼ/抗プロテアーゼはアンバランスになる。α−ア
ンチトリプシン活性は、酸化により、例えば喫煙自体に
より直接にあるいは汚染煙粒子の存在のため肺に生じる
マクロフアージにより放出される酸素ラジカルにより低
下する。さらに、これらマクロフアージ(これ自体エラ
スターゼを産生する)は、化学走性因子を分泌し、その
部位で好中球エラスターゼを遊離する。
また、α−アンチトリプシンはおそらく蛋白分解切
断による非可逆性不活性化に反応しやすくなる。即ち、
ヘビースモーカーの肺には、肺の破壊的疾患に導き得る
エラスターゼの混入が存在する。
もし、先述のフランス特許出願に記載のように、前記
のあらゆる種類のアンバランスを処置するのに細菌性の
α−アンチトリプシン(以下α−ATと称する)を使
用できるとしても、インビボでの安定性が改善されたα
−ATアナローグを提供することは興味あることと思わ
れる。
このことが、本発明が、特にインビボでの安定性が改
善された、特に酸化に対する耐性が増大したα−ATア
ナローグを提供している理由である。
多くの研究により、α−ATの不活性化は、おそら
く、エラスターゼ固定部位に位置することが明らかにさ
れている第358位のメチオニン残基の酸化によるもので
あることが判明している。
本発明は、従って、358位の天然のメチオニン残基を
置換したロイシン残基を含むヒトα−ATの、細菌中、
特に大腸菌中での製造に関する。
種々の基質へのエラスターゼの固定に関する研究によ
り、メチニオンをバリンに変えるとα−ATとエラスタ
ーゼ間の結合定数は改善され、アナローグの活性は増大
することが明らかにされている。
さらに、α−ATは、エラスターゼ、トリプシン、キ
モトリブシン、プラスミン及びトロンビンを含む大量の
セリンプロテアーゼを阻害する。その最も重要な機能
は、前述のように、気道中の好中球エラスターゼの阻害
である。
凝固過程におけるα−ATの役割は、そのトロンビン
阻害能により示唆される。この酵素は、血液凝固カスケ
ードにおける最終段階であるフイブリノーゲンのフイブ
リンへの切断に関与する。
トロンビンは、また、血小板凝集をトリガーし、第
V、第VIII及び第XIII因子の活性化を触媒する。
α−ATによるトロンビンの不活性化は、複雑な過程
である。モル比1:1:では、不活性化は弱く不完全である
が、α−アンチトリプシンをモル過剰にすると、阻害
率は増大し、トロンビンは完全に阻害される。しかし、
α−アンチトリプシン欠乏ホモ接合体の場合には、凝
固亢進症状は観察されないので、α−アンチトリプシ
ンは、血液凝固の制御において重要な役割を演じていな
いことが確実であると思われる。
ヒト血漿中のアンチトロンビン活性レベルは、アンチ
トロンビンIII(AT−III)及びα2−マクログロブリン
の活性に完全に帰因する。
最近の或る刊行物には、α−アンチトリプシン変異
体〔α−ATピツツバーグ(Pittsburgh)〕が記載され
ており、これは分子の第358位反応性部位のレベルでメ
チオニンをアルギニンで置換した単一ヌクレオチドを装
入を含んでいる。このα−AT変異体は、破壊的障害を
起こし、14才の患者を死亡せしめた。このα−AT変異
体は、もはやエラスターゼ阻害因子としては作用せず、
数百倍増大した抗トロンビン活性を示す。この活性は、
ヘバリンの作用とは無関係である。
これらの観察は、α−AT及びAT−IIIのアミノ酸配
列を比較することにより説明されるかもしれない。これ
らプロテアーゼ阻害因子は、構造の29%が共通してお
り、両者がある共通蛋白に由来していることを示してい
る。
それらの反応中心は、類似の配列を示している:α
−アンチトリプシンの中心部分にはメチオニン残基が見
られ、これはエラスターゼにとつて好ましい切断部位で
あり、一方、同じ場所にAT−IIIはアルギニン残基を有
しており、これはトロンビンにとつて好ましい部位であ
る。
このように、α−ATピツツバーグにおいて、メチオ
ニンのアルギニンによる置換は、エラスターゼに対する
阻害特異性をトロンビンに対するそれに変化させる。
従つて、本発明は第一に、α−ATの全部又は一部に
相応する蛋白において第358位のアミノ酸(通常はメチ
オニン)がロイシン残基によって置換されているヒトα
−ATアナローグに関するものである。
本明細書の記載において、「α−AT」とは、それら
の構造は完全には知られていないがこの蛋白の種々の自
然変異体であるものの1つであることを意味している。
アミノ酸の番号付けは、通常採用されているものであ
り、第1アミン酸はクラチら及びチヤンドラらの刊行物
にあるグルタミンである(第1図)。
更に詳しくは、第358アミノ酸は、エラスターゼ固定
領域にあり、本発明の化合物においては、この領域は下
記の構造を有することが好ましい: ala−ile−pro−leu−ser−ile。
勿論、「α−AT」という表現もまた、非反応性部位
で突然変異を起こし得る点変異体を示している:この変
異は、特に、遺伝子の点変異の技術によるアナローグの
製造において起こるかもしれない。
更に、最近の研究により、通常の血漿α−ATは、2
つの形、即ち1つは既述の形で、もう1つは5つのアミ
ノ酸のN末端欠失を含む形で存在することが明らかにさ
れている。
このことが、本発明が、α−AT又はそのアナローグ
の配列がその5つのN末端アミノ酸だけ切り取られてい
ることを特徴とする、前述のようなα−ATアナローグ
に関する理由である。
現在進行中の研究によれば、この截頭形又は切断形
は、血漿中の天然分子の再配列に由来するものと思われ
る。この截頭形は、天然形より約10倍低い濃度で存在す
る。
これら截頭変異体に関する試験により、これらが天然
蛋白のようなエラスターゼの有効な阻害因子であること
が明らかにされている。
本発明は、また、宿主細胞、特に、成熟蛋白の第358
アミノ酸に相応するコドンがロイシンをコードするかま
たはα−ATあるいはそのアナローグをコードするDNA
配列が5′末端で15個の塩基を欠失しているα−ATを
コードするDNA配列の発現ベクターを含有する微生物を
培養することを特徴とする、α−ATアナローグの製造
法に関する。
発現ベクターの性質は、明らかに使用される微生物に
依存している。
微生物が最近、特に大腸菌である場合、ベクターは大
腸菌中に複製開始点、例えばpBR322の複製開始点を含ん
であるプラスミドであることが好ましい。
細菌中でのα−AT遺伝子に対する発現プラスミド
は、本出願人によるヨーロツパ特許NO.84 400126並び
にベルギー特許No.895961に記載されている。
細菌性ベクタープラスミドのうち、λフアージのプロ
モーター、PLプロモーター及びλの蛋白c IIリボソーム
(c IIλrbs)固定部位又はヨーロツパ特許No.84 4001
26に記載されているような合成部位を含むものを使用す
るのが好ましい。
さらに、これらプラスミドは、N遺伝子の全部又は一
部を含有することができる。これらブラスミドのその他
の特徴は、実施例及び前記引用特許に明らかにされてい
る。
微生物が酵母である場合、ヨーロツパ特許No.0103409
に記載のベクターをベクタープラスミドとして使用する
ことができる。該酵母がサツカロミセス・セレビシエ株
である場合、該ベクターは、2μプラスミドの複製開始
点及び前記ヨーロツパ特許出願に記載のもののうち酵母
プロモーターを含んでいることが好ましい。
一般に、発現ベクターの正確な構造は、本発明の本質
的特徴を構成しない。
α−ATアナローグをコードする配列は、クローンの
天然α−AT配列から既知の方法により製造してもよ
い。
制限/ライゲーシヨンにより、修飾することが望まれ
る遺伝子部分を、所望のアナローグをコードする配列を
含む合成遺伝子で置換することができる。
しかしながら、特にアナローグのコドンがメチオニン
コドンATGに比し、またクレオチド1個だけ異なつてい
る場合、点突然変異により行なうこともできる;これ
は、例えばバリンの場合GTG、アルギニンの場合AGG、又
はロイシン、イソロイシン又はフエニルアラニンの場合
である。
この点変異法は実施例に詳細に記載する。
α−ATのクローンならびにそれらの製造は既知であ
り、クラチら及びチヤンドラらの刊行物、並びに種々の
特許や前記特許出願に記載されている。
これらの製造法において使用されている方法は、原則
として既知であり、及び/又は、引用資料に記載されて
いる。
α−ATアナローグを得るため、ベクターにより菌株
を形質転換すること、並びに形質転換体の培養条件も既
知であり、使用される微生物に依存する。
本発明のα−ATアナローグは、切り取られているか
いないかにかかわらず、薬物として、特にα−ATの代
りに、遺伝性又は非遺伝性α−AT欠乏の治療に、例え
ば肺気腫の治療及び予防に用いることができる。
本発明の種々の変異体は、特に好中球エラスターゼの
分析に、生物学的試薬としても使用できる。
特に、変異体〔Leu358〕α−ATは、カテプシンGの
阻害剤として有用である。
使用量は、勿論、治療疾患の種類及び使用アナローグ
の正確な性質に大きく依存しており、当業者にとつて既
知の方法により適応させなければならない。
同様に、医薬組成物の正確な性質は、予定される投与
経路に依存しており、本発明の特徴の1つを構成するも
のではない。
最後に、これら種々の化合物は、例えばビーズ又はチ
ユーブのような適当な支持体に固定した形で使用しても
よい。
以下の実施例は、本発明のその他の特徴や利点を明ら
かにするために示すものである。
付図は次の通りである: ・第1図は、α−ATをコードするコト遺伝子のcDNA配
列である。
・第2図は、大腸菌/pTG999から得た生成物の抗エラス
ターゼ活性を示す。
・第3図は、大腸菌/pTG1900抽出物の抗エラスターゼ活
性を示す。
・第4図は、大腸菌/pTG1900抽出物の抗トロンビン活性
を示す。
・第5図は、大腸菌/pTG1900抽出物、AT−III及びヘパ
リン存在下でのAT−IIIの抗トロンビン活性の比較を示
す。
・第6図は、pTG920の調製図を示す。
・第7図は、pTG929の調製図を示す。
・第8図は、pTG926の調製図を示す。
・第9図には、α−AT遺伝子内での適当なDNA断片の
置換による変異体の調製法を図示する。
・第10図は、ヒト好中球エラスターゼの種々の変異体に
対する阻害率(%)の変化を示す。
・第11図は、ヒトカテプシンGの種々の変異体に対する
阻害率(%)の変化を示す。
・第12a〜12e図は、CNS処理後のエラスターゼの種々の
変異体に対する阻害の役割(%)を示す。
・第13図は、截頭変異体の調製図を示す。
参考例1−〔Val358〕α−AT ヒトα−AT遺伝子のインビトロにおける直接変異誘発 メチオニンをバリンで置換する変異は、単一塩基の装
入が必要である(ATGはGTGを生じる)。該部位の直接変
異誘発は、まず単鎖遺伝子のモデルとハイブリツド化さ
れ、次いでDNAポリメラーゼにより補助鎖合成用のイニ
シエーターとして作用してもよい合成オリゴヌクレオチ
ド(変異した配列を有する)を用いることにより得るこ
とができる。
このようにして、二重鎖配列が得られ、この鎖のうち
の1つは野生型に相応する配列を含んでおり、もう1つ
は変異した配列を含んでいる。
一本鎖α−AT遺伝子を含むM13のゲノムをモデルと
して用いれば、得られた二重鎖分子は、大腸菌宿主細胞
を形質転換するのに用いることができるであろう。また
変異体遺伝子を含有するフアージは、プレートをスクリ
ーニングすることにより同定できるであろう。
ヒトα−ATのcDNAクローニング及びその大腸菌内で
の発現は、既に、例えば前記特許に開示され、更にコー
トニー(Courtney)ら(1984)によつて既述されてい
る。
α−ATを生産するクローンpTG983は、大腸菌の総細
胞蛋白の約1%に相当するレベルで生物学的に活性なα
−ATを生産する。
α−AT配列を変えるえるため、pTG983から得た、遺
伝子を含むCla I−Pst I断片をM13ベクター(M13mp70
1)中にAcc I及びPst I部位間に導入する。
次いで、一本鎖コードDNAを、宿主細胞coli JM1
03の感染後に得られるフアージ粒子から分離する。オリ
ゴヌクレオチド5′−ATAGACACGGTATG−3′(化学的に
合成した)をモデルDNAと100倍モル過剰において、100
℃で5分間加熱し、続いてゆつくりと4℃に冷却するこ
とによりハイブリツド化する。このオリゴヌクレオチド
は、α−ATの活性部位領域と相補性であるが、メチオ
ニンコドンの代りにバリンコドンを含んでいる: もとの配列: ala ile pro met ser ile GCC ATA CCC ATG TCT ATC 変異した配列: ala ile pro val ser ile GCC ATA CCC GTG TCT ATC 次に、第2鎖の合成を、試料(一本鎖DNA0.5p mol)
を室温で2時間、DNAポリメラーゼ(クレノウ断片)200
μg/ml、T4DNAリガーゼ40μ/ml、三リン酸デオキシヌク
レオチド0.5mM、及びATP1mMと共に緩衝液〔8mMTris−HC
l(pH7.5)/8mMMgCl2/40mMNaCl/6mMβ−メルカプトエタ
ノール〕中で培養することにより行なう。
続いて、試料を65℃で10分間加熱し、リガーゼ1単位
及びATP1mMを加え、再び4℃で16時間培養する。反応混
合物の一部を用い、coli JM103適格細胞を形質転
換する。フアージ領域をLBプレート上に標定し、得られ
たコロニーをニトロセルロースフイルタに吸着させ、T4
ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、32Pで標識した変
異オリゴヌクレオチドとのハイブリデーシヨンにより変
異体フアージを明らかにするために選択する。
適切な条件下では、オリゴヌクレオチドは、完全に相
同な配列を用いる場合にのみ安定なハイブリツドを形成
する、即ち、変異がおこる。この場合、3×ssc、1×
デンハルト(Denhardt)、0.5%ピロリン酸ナトリウ
ム、0.1%SDS中50℃でのハイブリデーシヨンを行なう
と、効果的に選択することができる。
フアージDNAは、ポジテイブなコロニーの培養物から
調製され、JM103細胞を形質転換するのに用いられる。
次に、得られたプレート由来のDNAは、ジデオキシ鎖の
停止法により配列決定される。ヌクレオチド配列によ
り、遺伝子の所望の部位に変異が得られたことが確認さ
れる。
変異したα−AT遺伝子の断片、Bgl II−Pst I、はM
13ゲノムから切断され、Bgl II/Pst I断片の切除後、発
現プラスミドpTG983中に導入される。この操作により、
pTG983と類似のプラスミドpTG999が得られるが、前者は
α−ATをコードする遺伝子がエラスターゼ固定部位レ
ベルで変異を含むことだけが異なる。
大腸菌での〔Val358〕α−ATの発現 エラスターゼ固定部位レベルの変異体(pTG999)の発
現を直接pTG983と比較する。α−ATの合成レベル及び
生物活性は、2種のクローンにおいて同等であることが
明らかにされる。
28℃で発育させたpTG983、pTG999及びpTG951(α
ATをコードする遺伝子でのpTG983に相応する陰性対照)
の半対数培養期(約108個/ml)を37℃で5時間加熱する
ことにより誘導する。このことにより、低温でpLプロモ
ーターからの転写を阻止することにより、α−AT遺伝
子の発現を抑制する宿主によりコードされるレプレツサ
ーc I857は不活性化される。細胞を集めた後、再懸濁細
胞を超音波により粉砕し、残屑を遠心分離により除去
し、上澄液の蛋白濃度を標準法(バイオラド)により測
定する。各抽出物中のα−AT濃度は、放射免疫拡散法
(RID)によりキツト(カルビオケム−ベーリング)を
用い測定する。免疫沈降リングの直径は、標準血清稀釈
シリーズとの比較により算出される試料中の抗原濃度に
比例する。
このテストにより、pTG983及びpTG999は、総細胞蛋白
の0.65及び0.55%のレベルでα−ATを生産することが
明らかとなる。
また、超音波処理後に得られた上澄液の一部を用い、
pTG983及びpTG999により産生したα−ATの抗エラスタ
ーゼ活性を比較する。これは、ヒト白血球エラスターゼ
(エラスチン・ブロダクツ社)によるメトキシ−スクシ
ニル−ala−ala−pro−val−ニトロアリニドの切断を抽
出物が阻害する可能性をテストすることにより行なう。
エラスターゼの阻害曲線は、第1図に示されており、pT
G983及びpTG999がα−ATの活性形を産生していること
が明らかにわかる。この観察は、エラスターゼ固定部位
レベルにメチオニンの代りにバリンを有するα−ATの
変異形が天然分子と同様に活性であることが立証されて
いるため、重要である。
これらの曲線から、pTG983及びpTG999は、α−ATを
それぞれ0.8%及び0.7%生産すると計算できる(但し、
この条件下では、エラスターゼ50ngは、α−AT50ngに
より50%阻害させるものと仮定する)。
参考例2−〔Arg358〕α−AT α−AT遺伝子におけるargによるmetコドンの置換
は、前記と同じ方法で行なう。Metからargへの変換には
ヌクレオチドの置換を必要とする(ATGはAGCを生じ
る): もとの配列: ala ile pro MET ser ile GCC ATA CCC ATG TCT ATC 変異した並列: ala ile pro ARG ser ile GCC ATA CCC AGG TCT ATC この変異誘発を行なうのに使用したオリゴヌクレオチ
ドは、5′−ATAGACCTGGGTATG−3′である。このオリ
ゴヌクレオチドはα−ATの反応性領域と相補的である
が、メチオニンコドンの代りにアルギニンコドンを含有
する。
該部位の直接変異誘発は、前述のように、M13mp701に
おいてクローン化されたα−AT遺伝子で行なわれる。
前記オリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーシヨンを行
なうことにより変異体を同定した後、変異はDNAの配列
決定を行なうことにより確認する。
次にBgl II−Pst I断片上のα−ATの変異遺伝子をM
13ゲノムから取り出し、Bgl II/Pst I断片を切除後発現
ベクターpTG983中に導入する。このことにより、反応性
部位における変異した配列以外はpTG983と同一のプラス
ミドpTG1900が得られる。
大腸菌での修飾〔Arg358〕α−ATの発現 pTG1900により産生されたα−ATを、pTG983を介し
て得られたα−ATと直接比較する。これら2つのクロ
ーンは、α−ATのための放射免疫拡散試験(RID)に
おいて同じ様式で反応する蛋白を生産せしめることが明
らかにされた。
α−AT変異体は、検出し得る抗エラスターゼ活性を
全く示さず、非常に有効なトロンビンの阻害剤である。
pTG1900及びpTG983を含有するcoliTGE900の誘導
培養物において超音波処理に付した抽出物を調製し、各
抽出物のα−ATの割合をRIDにより測定する。各抽出
物は免疫反応性物質を含有し、試験により、いずれの場
合も発現率は大腸菌の総細胞蛋白の約1%であることが
明らかとなる。
また、これら抽出物の一部を用い、各場合において産
生したα−ATの抗エラスターゼ及び抗トロンビン活性
を比較する。抗エラスターゼ活性は、抽出物がヒト白血
球エラスターゼによるメトキシ−スクシニル−ala−ala
−pro−val−p−ニトロアニリドの切断を阻害する可能
性を測定することにより測定する。エラスターゼの阻害
曲線は、pTG983で観察されたこととは反対に、pTG1900
が抗エラスターゼ活性を全く示さないことを示していた
(第3図)。
抗トロンビン活性は、ウシトロンビンによるクロモチ
ームTH(トシル−gly−pro−arg−p−ニトロアニリド
−アセテート)(ベーリンガー/マンハイム)切断の阻
害率を測定することにより測定する。トロンビン4μg
を細菌抽出物の一部と37℃で20分間予備培養し、その後
基質を0.1mMまで添加する。反応速度は410nmでの吸光度
の変化率を測定することにより測定する。結果(第4
図)は、この条件下では、pTG983の抽出物は検出可能な
抗トロンビン活性を全く含まず、一方pTG1900の抽出物
はトロンビンを効果的に不活性化することを示してい
る。
これらデータとAT−III阻害曲線を比較すると、α
−AT変異体の抗トロンビン活性は、ヘパリン非存在下で
のAT−IIIのそれより約15〜20倍高く、ヘパリン存在下
でのAT−IIIのそれとほぼ同じ活性(モルで)であるこ
とがわかる(第5図)。
pTG983の調製 プラスミドpTG983の調製は、ヨーロツパ特許出願第84
400126号に記載されており、以下に要約する。
ブラスミドpTG983の調製はプラスミドpTG907及びフア
ージM13tg912から出発し、その調製自体は本出願人名義
のヨーロツパ特許第0094887号に記載されている。
pTG907のBamH I/Spn II断片、M13tg912のc II rbs及
びlacZ′を担持するBgl II/Hpa I断片及びリン酸化アダ
プターHga I/Sph Iはモル比1:2:1であらかじめハイブリ
ツド化し、次いでT4リガーゼで処理した。一部を用い61
50株のコンビテント細胞を30℃で形質転換する。
興味ある細胞は、P32で標識したc II rbs/lacZ′断片
で形質転換体を選択することにより同定し、得られた構
造は酵素制限研究により確認する。
発現系の諸要素が所望のように働いていることを示す
最初の手掛かりを得るため、得られたプラスミドpTG908
を、c I857及び該プラスミドによりコードされるα断片
を相補するβ−ガラクトシダーゼのω断片の両者を有す
るN6437宿主株中に導入する。
得られた系質転換体をIPTG+Xgal含有の皿に置くと28
℃で白色であり、それらを42℃に移すと約30分後に青色
に変る。
このプラスミドpTG908を用い、前述の公知方法により
得たヒトα−AT遺伝子を発現させる。
使用したヒトα−ATのcDNAクローンpTG603は、成熟
蛋白の第1アミノ酸のコドンのすぐ後に単一制限部位Ba
mH Iを含有する。全成熟ポリペプチドのコード化能は、
最初のグルタミン酸を除き、発現ペクターpTG920上でク
ローン化されたBamH I/Pst I断片に含まれる;この構築
において、転写は左側λプロモーターPLから起り、翻訳
は、リボソーム固定部位及びλc II遺伝子の最初の39の
bpを伴い、図示されているように、lacZ′遺伝子の先頭
に融合するλc II rbsのATGで開始する。
単一制御部位を含む結合領域はc IIとlacZ′配列の接
合部にある。プラスミドpTG920は先に調製したpTG908の
誘導体であり、このpTG920においては、第6図に示すよ
うに、pTG908におけるc IIのATGから40bp下流にある元
BamH I/Pst I断片はM13tg115のBgl II/Pst Iにより置
換されている。
この過程により、α−AT遺伝子のBamH I部位と同じ
翻訳相にあるBamH I部位が得られる。
第6図にはプラスミドpTG908及びフアージM13tg115か
らプラスミドpTG920を調製するクローニング法及びpTG6
03のクローン化さるべき断片が示されている。実線は蛋
白をコードする配列を示しており、pTG603の場合には、
α−ATの成熟ポリペプチドをコードする配列を示して
いる。ハツチングされた部分は、最終的にα−ATを融
合するc IIの13個のN−末端アミノ酸をコードする領域
を示す。
このように、pTG920のBamH IとPst I部位との間にpTG
603のBamH I/Pst I断片を挿入すれば、末端NH2のグルタ
ミン酸を除き、c II蛋白の(末端NH2由来)13個のアミ
ノ酸、アダプター配列由来の4個のアミノ酸及びα
ATの成熟ポリペプチドを含有する融合ポリペプチドが発
現するであろう。
BamH I/Pst I及びアルカリホスフアターゼで処理した
pTG920をpTG603と結合させ、BamH I及びPst Iで消化す
る。α−AT断片を担持する形質転換TGE900細胞を酵素
制限研究後に分離する。これらクローンの1つがpTG922
である。このクローンの詳細な調製法はコートニー(Co
urtoney)等(1984)の論文に記載されている。
プラスミドpTG922を、制限酵素Nde I(ニユー・イン
グランド・バイオラブズ)及びBamH I(ベセスダ・リサ
ーチ・ラブス)を用い、メーカー指示の条件で完全制限
に付す。
既知の方法により、下記構造を有する非リン酸化相補
性アダプターオリゴヌクレオチドを合成する: 5′−dTATGGAG−3′及び 5′−dGATCCTCCA−3′ これらオリゴヌクレオチドをあらかじめハイブリツド
化し、次いで、酵素制限に付したプラスミドpTG922とモ
ル比50:1で、既知条件下にDNAリガーゼを用い、4℃で
ライゲーシヨンさせる(第7図)。
ライゲーシヨン混合物を用い、TGE900株のコンピテン
ト細胞を形質転換させ、得られた形質転換体をアンピシ
リンの存在下に培養培地上に広げる。
コロニーは、T4ポリヌクレオチドキナーゼ5′−dCCT
GGGATCCTCCA−3′標識プローブとのハイブリデーシヨ
ンによりニトロセルロースフイルター上に選択する。こ
のプローブは選択しない非融合構築物を完全に相補する
が、親プラスミドpTG922のヌクレオチドのうち7つを相
補するだけであり、これはハイブリダイゼイシヨンを起
こさしめるには不充分である。
こうして、6つの可能性のある候補が得られ、そのう
ちの1つをpTG929と称する。
プラスミドpTG929は少量のα−AT(総細胞蛋白の0.
1%以下)を生じるだけである。発現レベルを増大する
にはc II rbsを合成rbs部位により置換する: この交換は第8図に示すように行なう。
pTG929のHpa I及びBgl II部位は、合成挿入片を用い
それぞれCla I及びXho I部位で置換される。
次いで、合成rbs(synth rbs)を、Nde I部位とN遺
伝子中に作られた新しいCla I部位との間に挿入する。
この操作によりc II rbsは排除され、截頭N遺伝子を
生じ、すぐに合成rbsが続く。合成rbsへの翻訳停止コド
ン(TAA)はNの翻訳を阻止する、得られたプラスミド
はpTG956である。
プラスミドpTG956において、α−ATのもとの配列は
変異した配列で置換される: もとの配列: met glu asp pro glu gly ATG GAG GAT CCC CAG GGA asp ala GAT GCT 変異した配列: 各変化(※印)はコドンの第3位で起り、コードされ
たアミノ酸を修飾しない。α−AT遺伝子は、特定塩基
の変化を決定する合成オリゴヌクレオチドを用いる部位
に向けられた変異誘発法により修飾された。
選択された配列変化は、大腸菌遺伝子の先頭に隣接す
るいくつかの部位においてある種の塩基が好ましいこと
を明らかにする統計研究に由来する。
これらの変化はまた、α−ATのmRNA配列にあらわれる
かもしれない二次構造に相応する領域を不安定にする。
変異誘発のためのオリゴヌクレオチドは: 5′−AGCATCGCCTTGAGGATCTTCCAT−3′ である。
この配列はもとの配列と比べ4つの違いがあり、α−
AT遺伝子において前記で示した修飾を生じる。
得られたプラスミド、pTG983、は前記変化以外はpTG9
56と同一である。
参考例3 変異体〔Gly358〕α−ATの調製 この変異体は、参考例1に記載のように、合成オリゴ
ヌクレオチドを用い、部位の直接変異誘発により構築さ
れる。
この場合、所望の変異を有する使用オリゴヌクレオチ
ドは下記のものである: 5′GATAGAACCGGGTATGGC3′ これは変異ATG→GGT(Met→Gly)を生じる。
参考例1に記載のように、変異誘発はM13mp701におい
てサブクローン化したα−AT遺伝子を用い行なう。変
異後、変異した遺伝子を含むBal II−Pst I断片を主特
許に記載の発現プラスミドpTG983に導入する。
前記のようにこのプラスミドを用いて大腸菌を形質転
換することにより、変異体〔Gly358〕α−ATの発現が
得られる。
実施例1及び参考例4 変異体〔Leu358〕、〔Ala358〕、〔Ile358〕及び〔Phe
358〕α−ATの調製 前述の種々の変異体は、α−AT遺伝子のDNAの適当
な断片を置換することにより調製される。
本法の原理を第9図に記載する。
変異体は、第358アミノ酸をコードする領域レベルで
小さなDNAセグメントを適当な変異を有する二重鎖合成
断片で置換することにより構築する。
小さな断片は、α−ATの活性部位をコードする領域
の各側で切断する制限酵素Nde I及びAva Iを用い、遺伝
子から切断する。
Ava I部位は既にもとの遺伝子に存在するが、新しいN
de I部位は該工程を行なうために作らねばならない。こ
れは合成オリゴヌクレオチドにより部位に向けられた変
異により行なう(参考例1)。
制限酵素処理後、活性部位をコードする領域を欠失し
たプラスミドを分取用ゲル電気泳動により分離し、仔ウ
シ腸ホスフアターゼで処理し、この調製物をT4リガーゼ
を用い、所望の変異並びにNde I及びAva Iで切断された
遺伝子の配列に相応する一本鎖5′伸長部を形成する配
列を含む小さな合成DNA断片と結合させる。
この方法により、活性部位レベルでの変異以外はpTG9
83のそれと同一構造がもたらされる。
各変異体は、放射免疫拡散試験から示されるように、
主特許に記載のpTG983の場合に得られるものの付近にあ
るレベルで、即ち、大腸菌の総細胞蛋白の約1%の割合
で、大腸菌において生産される。
超音波処理し、澄明にした抽出物は、ヒト好中球エラ
スターゼ又はカテプシンGの阻害活性が存在するかどう
か試験する。
得られた結果は第10及び11図に示す。エラスターゼの
阻害は、参考例2に記載のようにして測定し、カテプシ
ンG活性は、色素産生基質、N−スクシニル−ala−ala
−pro−phe−p−ニトロアニリドを用い測定する。
変異体〔Leu358〕、〔Ala358〕及び〔Ile358〕は、変
異体〔Met358〕及び〔Val358〕と同様にエラスターゼ活
性を阻害し、一方変異体〔Gly358〕及び〔Arg358〕は阻
害しない。
試験したすべての変異体のうち、変異体〔Leu358〕及
び〔Met358〕のみがカテプシンGを阻害する。
10mMN−クロロスクシンイミド(CNS)で処理すると
(結果は第12図に示す)変異体〔Met358〕(第12a図)
が酸化により完全に不活性化される条件下において、変
異体〔Leu358〕(第12b図)、〔Ala358〕(第12c図)、
〔Ile358〕(第12d図)及び〔Val358〕(第12e図)は、
好中球エラスターゼに対し十分活性なままであることを
示している。
実施例2 切断α−AT変異体の生産 これら変異体は、第13図に示す、以下の方法で調製さ
れる。
プラスミドpTG983から出発し、合成オリゴヌクレオチ
ドを用いて変異させ、第7コドンの2つのCTヌクレオチ
ドをGGヌクレオチドで置換することにより第8コドンの
付近に単一Apa I部位を作る。
次に、そのプラスミドをさらに変異させ、翻訳開始コ
ドンのレベルにNde I部位を作る。
得られたプラスミドを酵素Apa I及びNde Iで処理し、
切り取りたいアミノ酸に相応する部分を欠失させる。
この欠失断片は、α−ATの第6コドンを開始コドン
に融合せしめる合成オリゴヌクレオチドで置換される。
截頭蛋白の発現レベルを改善するために、pTG983に存
在するリボソーム固定部位を、第5図に示される構造を
示し、制限部位Cla IとNde Iの間に挿入されているR1と
名付けた合成リボソーム固定部位で置換した。
得られたプラスミド(pTG1904R1T2と命名)を用いて
大腸菌を形質転換することにより、N末端の最初の5個
のアミノ酸を欠くα−ATが得られる;その発現率は大
腸菌の総細胞蛋白の約15%である。
この発現を、クマシー青(Coomassie blue)で発色
した電気泳動ゲルをデンシトメーターで読み取ることに
より測定する。
誘発細胞の超音波処理し澄明化した上澄液は、截頭α
−ATを含んでいる;後者はヒト好中球エラスターゼを
効果的に阻害する。
放射免疫拡散による測定とうエラスターゼ活性との間
にはよい相関が認められる。
ある種の截頭誘導体にこの活性が明らかにされたこと
を考慮すると、本発明はまた、これらを含む医薬組成物
及び生物学的試薬、特に好中球エラスターゼに有用な試
薬にも関するものである。
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Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】358位の天然のメチオニン残基がロイシン
    残基で置換されることを特徴とするヒトα−アンチト
    リプシンアナローグ。
  2. 【請求項2】α−アンチトリプシンの配列が、5個の
    N−端末アミノ酸を切り取られていることを特徴とする
    請求の範囲第1項記載のα−アンチトリプシンアナロ
    ーグ。
  3. 【請求項3】α−アンチトリプシンがグリコシル化さ
    れていないことを特徴とする請求の範囲第1項または第
    2項に記載のアナローグ。
  4. 【請求項4】宿主細胞、特に、成熟蛋白の第358アミノ
    酸に相当するコドンがLeuをコードする、α−アンチ
    トリプシンをコードするDNA配列の発現ベクターを含む
    微生物を培養することを特徴とするヒトα−アンチト
    リプシンアナローグの製造法。
  5. 【請求項5】宿主細胞、特に、5′端末の15個の塩基が
    欠失したα−ATアナローグをコードするDNA配列の発
    現ベクターを含む微生物を培養することを特徴とする請
    求の範囲第4項記載のアナローグの製造法。
  6. 【請求項6】微生物が細菌であることを特徴とする請求
    の範囲第4項または第5項記載の製造法。
  7. 【請求項7】細菌が、発現ベクターを構成するプラスミ
    ドで形質転換された大腸菌株であることを特徴とする請
    求の範囲第6項記載のアナローグの製造法。
  8. 【請求項8】プラスミドが、大腸菌中に複製開始点を含
    み、プロモーターPLがα−ATアナローグをコードする
    DNA配列を促進せしめることを特徴とする請求の範囲第
    7項記載の製造法。
  9. 【請求項9】微生物が酵母であることを特徴とする請求
    の範囲第4項または第5項記載の製造法。
  10. 【請求項10】358位の天然のメチオニン残基がロイシ
    ン残基で置換されているヒトα−アンチトリプシンア
    ナローグを含むことを特徴とする好中球エラスターゼ測
    定試薬。
  11. 【請求項11】358位の天然のメチオニン残基がロイシ
    ン残基で置換されているヒトα−アンチトリプシンア
    ナローグを含む抗カテプシンG剤。
  12. 【請求項12】358位の天然のメチオニン残基がロイシ
    ン残基で置換されているヒトα−アンチトリプシンア
    ナローグを含むエラスターゼインヒビター。
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