JP2772793B2 - 細菌中に含まれるプラスミドの安定化方法及びこれにより得られる菌株 - Google Patents
細菌中に含まれるプラスミドの安定化方法及びこれにより得られる菌株Info
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Description
【発明の詳細な説明】
組換えDNAの技術を微生物による目的分子の生産に実
際に適用してみると、一般に組換えプラスミドが不安定
であるという問題がある。 実験室で通常用いられるクローニング及び発現ベクタ
ーは、通常マルチコピープラスミドであり、それらの後
代への安定した伝達は1つの細胞ゲノムあたりの多数の
プラスミドにより確保される(ジョーンズ(Jones)ら,
1980)。しかし、外来遺伝子のこれらのプラスミドへの
導入は、バクテリアの増殖サイクルの期間に種々の程度
の不安定性をもたらす。従って、工業的生産工程では、
1000の培養物が必要であり、50世代以上の世代交替後
の1016個以上の細胞が必要となる。従って、バクテリア
中のプラスミドの存在、惹いては外来分子(foreign mo
lecule)の発現を確実にするために、醗酵器内での培養
が終了するまでバクテリア中のプラスミドを安定化させ
ることが必須である。 抗生物質に対する耐性をコードを遺伝子を組み込むこ
とによりプラスミドを安定化させることは、実験室で通
常行なわれているが、下記の如き理由で、工業的スケー
ルでは適用できない。即ち、 抗生物質耐性菌株の使用は、環境に対して危険を呈す
る可能性がある。 培養中に必要な抗生物質の量は生産コストを有意に増
加させる。 構成物質の使用は、ヒト及び動物の治療で用いられる
物質の生産においては考えられない。 従って、組換えプラスミドを保有するバクテリアの選
択のために他の方法を開発することが必要である。既に
使用されている数種のモデルは、同一の原理に基づいて
いる。即ち、宿主の欠失を補う性質をコードするプラス
ミドの不存在下に宿主細胞が増殖することを防ぐため、
宿主細胞に突然変異(栄養素要求性突然変異又はバクテ
リアに対して致死的な遺伝子の導入)を起こさせるもの
である。 例えば、スコグマン(Skogman)及びニルソン(Nilso
n)(1984及び1985)はプラスミドにより保有されるval
S遺伝子による温度感受性val Sの突然変異の相補性(c
omplementation)を用いた。このモデルは、トリプトフ
ァンオペロンを保有するプラスミドの安定性は非許容温
度下で200世代後も完全である。一方、非選択温度条件
下(30℃)では、各世代に1.2%のプラスミドの消失が
観察される。 ミワ(Miwa)等(1984)は、宿主株として、ストレプ
トマイシン依存性(Smdを大腸菌(E.coil)突然変異
体、及び表現型Smdを不顕化してストレプトマイシン非
依存性株とする遺伝子を有するプラスミド(SmR株のrps
l)を用いて、99%以上のプラスミド安定性を確立し
た。 ハーシュバーガー(Hershberger)及びロステック(R
osteck)(1984)は、リプレッサーが欠失されているプ
ロファージλを溶原化するバクテリアを作った。該細胞
は、λc Iリプレッサーを有するプラスミドの存在下で
のみ細胞溶解を免れることができる。 新規な選択モデルを、dap+プラスミド遺伝子と染色体
突然変異体dep-との相補性に基づき、開発した。該モデ
ルはプラスミドを有する細胞のみの生存を確保するもの
である。 ジアミノピメリン酸(DAP)は、バクテリア細胞壁の
成分であり、又アスパラギン酸塩からリジンを生合成す
る過程での中間体でもある。DAP生合成のための酵素が
欠失している細胞株は、最少培地では増殖できない。リ
ジンを培地へ添加すると増殖を開始するが、しかし、細
胞膜にDAPを取り込まない細胞の溶解をすぐにもたらす
(ワーク(Work)1950−デービス(Davis)等、197
3)。 DAP生合成のための酵素の欠失は、プラスミド上に、
特に生産されるべき外来蛋白の発現ベクター上に、対応
する遺伝子を導入することにより補償することができ
る。バクテリアが該プラスミドを失う場合、該バクテリ
アはdap-となり、もはや増殖できなくなる。このモデル
は、DAPを含有しない任意の培地、即ち工業的スケール
の生産に使用される任意の培地或いはリジンが添加され
た任意の最少又は富培地にも適用できるという利点を有
する。 又、このシステムはDNA、RNA又は蛋白質の合成を妨げ
ないという利点がある。 dap D-株(テトラヒドロピコリン酸−N−コハク酸転
移酵素に対応する、リジンの生合成過程の9種の遺伝子
の1つ、遺伝子Dが欠失している)が構築され、通常用
いられる発現プラスミド(プロモーターPLのコントロー
ル下に発現する遺伝子を有する)上のdap D遺伝子が導
入される。選択条件下で該プラスミドは少くとも150世
代安定である。 リジンの生合成のための酵素をコードする他の遺伝子
(dap A)のプラスミド上でのクローニングは、リジン
の生産増加を目的として既に実施されている(ダウスー
ル レヴェレンド(Dauce Le Reverend)等1982)。し
かし、該文献の著者等は、プラスミドの安定性をコント
ロールすることは出来なかった。 大腸菌のdap D遺伝子は、プラスミドpBR322中に既に
クローン化されており、そのヌクレオチド配列はリチャ
ウド(Richaud)等(1984)により公表されている。し
かし、この研究の目的は遺伝子dap Dの調節を研究する
ことにのみあった。 この理由で、本発明はバクテリア中に含まれるプラス
ミドベクターを安定化させる方法であって、該バクテリ
アがdap-染色体変異を含み、上記プラスミドベクターは
dap+遺伝子を有することを特徴とする方法に関するもの
である。 dap-染色体変異の内でも、dap D-を用いることが望ま
しい。しかしDAP生合成のための酵素をコードする他の
遺伝子も、対応する遺伝子を保有するベクタープラスミ
ドを用いる限り使用できる。dap D-株の場合、プラスミ
ドに挿入されるべき遺伝子dap Dである。 dap安定化システムは、蛋白質の発現を妨げない。従
って、どのような発現ベクターをも用いることができ
る。 dap D+プラスミドと染色体の変異されたdap D遺伝子
との間の相同性組換えの可能性を回避するためには、da
p D遺伝子を染色体から実質的に欠失させることが望ま
しい。 従って、より詳しくは、本発明は、上述のようなバク
テリアに含まれるプラスミドベクターを安定化させる方
法であって、dap染色体変異がdap D遺伝子の少くとも一
部の欠失であり、プラスミドベクターがインタクトなda
p D遺伝子を有することを特徴とする方法に関するもの
である。 いかなる組換えをも回避するためには、dap D遺伝子
の完全な欠失が最も好ましい解決法であることは明らか
である。 しかし、選択システムは、それがいかに強力であって
も、プラスミドの内在的な不安定性を克服することはで
きない。このため、遺伝学的方法により発現ベクターの
安定性を増大させるためには、該ベクターをモノマー状
態に維持する配列、特に、“cer"配列をベクターに導入
することができる。 上記“cer"(サマーズ(Summers)及びシャーラット
(Sherrat),1984)は、いかなる蛋白質もコードせず、
これが存在するとプラスミドをモノマー状態に維持する
ことを促進させる要素である。プラスミドが多量体(mu
ltimer)を形成する場合、嬢細胞(daughter cells)に
分配され得るユニット数が減少し、プラスミドを持たな
い細胞が得られ易くなる。従って、cerはモノマー状態
にプラスミドを維持することにより、プラスミドを間接
的に安定化させる。 従って、本発明は産業上有用な蛋白質をコードする遺
伝子及び宿主バクテリア中で遺伝子を発現させる要素を
更に有するプラスミドベクターに関し、特に、ヒルジン
又はその天然或いは合成変異型(variant)の1つ、カ
テコール2,3−オキシゲナーゼ(以下、C2,3Oともい
う。)、インターフェロン−γ又はα−アンチトリプシ
ンをコードする遺伝子、これらの種々のベクターにより
形質転換された細胞株、及び該形質転換株を完全培地中
で培養し、培養後に蛋白質を回収することによる工業的
蛋白質の製造法に関する。 以下の記載において、発現システムはファージγの左
向きのプロモーターPLを含有する。しかし、本発明のバ
クテリア中で活性であるのは別のプロモーターであって
もよい。異種蛋白質(heterologous protein)の発現要
素について完全な記載を行なっていないのはこのためで
ある。この種のプラスミドは現在広く知られている。単
に、dap D又は他の遺伝子をプラスミドベクターの非本
質的部位に挿入することが望ましい。 本発明のプラスミドは、dap D-とされた任意の大腸菌
株を形質転換するのに使用することができる。 本発明の方法によれば、発現プラスミドが完全培地中
で、例えば抗生物質による選択圧、又は特定のアミノ酸
を含有しない培地を必要とせずに安定である細菌株が得
られる。更に、本発明の方法はプラスミドを失ってしま
ったバクテリアに対し、対向選択(counter selectio
n)を及ぼす。 従って、本発明は、また、dap+遺伝子及び産業上有用
な蛋白質の発現を確実にする要素を持つプラスミドベク
ターにより形質転換された菌株、特にdap-大腸菌株(E.
coli)に関するものでもある。 又、本発明は、バクテリアから産業上有用な蛋白質を
製造する方法であって、本発明のプラスミドにより形質
転換されたバクテリアを完全培地中で培養することを特
徴とする方法にも関する。該プラスミドは、更に該蛋白
質の遺伝子及び宿主パクテリア中でのこの蛋白質発現の
ための調節シグナルを有する。 下記実施例は、dap-バクテリア中でdap D遺伝子を有
するプラスミドの安定性を、Ampr遺伝子を有するプラス
ミドと比較して示すものである。 更に、dap D遺伝子を保有するこれらプラスミドは、
ヒルジン及びインターフェロン−γをコードする遺伝子
を発現するために用いることもできた。 これら2種の遺伝子はファージλプロモーターPLの制
御下に置かれており、宿主大腸菌は温度感受性リプレッ
サーCI857を有する。このシステムは、温度を挙げるこ
とにより、PLによりコントロールされた遺伝子の発現を
誘導(induce)する。 リプレッサーCI857を有する大腸菌株TGE900をdap D-
になるよう変異させ、菌株TGE7615又はTGE7214を得た。
また、株N5969を変異させ、TGE7303とした。 次いで、下記プラスミドを添付図面に従い調製した: 第6図は、pDB6のHind III−BamH Iフラグメントの制
限地図を示す。 第7図は、M13mp8におけるpDB6のPst I挿入物及び導
入されたEcoR I部位の概略図である。 第8図は、pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントの制限
地図を示す。 第9図は、種々の菌株の染色体DNAにおけるdapの遺伝
子の欠失を“サザンブロット(Southern blot)”オー
トラジオグラフィーにより示すものであり、 第9A図において、 プローブ=pTG47のEcoR Iフラグメントにより保有され
るKanR遺伝子 バンド6−9 Pst Iで切断されたDNA 10−14 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド6及び10=株GC4540 7及び11=TGE7213 8及び12=TGE7214 9及び13=TGE901 14=pDB6 15=分子量マーカー 第9B図において: プローブ=M13TG620のEcoR Iフラグメントにより保有さ
れたdap D遺伝子の5′側 バンド4−7 Pst Iで切断されたDNA 8−11 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド4及び8=株GC4540 5及び9=TGE7213 6及び10=TGE7214 7及び11=TGE901 バンド13=分子量マーカー 1及び12=Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断
されたpDB6 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM1STG597 第9C図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントによる保
有されるdap Dの遺伝子の側方(flanking)領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株GC4540 5= TGE7213 6= TGE7214 7= TGE901 バンド8=分子量マーカー 1=Pst Iで切断されたpDB6のBamH I−Hind III
断片 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM13TG597 第9D図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl II断片による保有される
dap D遺伝子の側方領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株RH5345 5=RL58 6=TGE7615 1,2及び3(第9C図におけると同様) 7=分子量マーカー 第10図は、pTG790についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第11図は、pTG792についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第12図は、pTG7922についてのダイアグラムと制限地
図を示す。 第13図は、pTG769についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第14図は、pTG7406についてのダイアグラムと制限地
図を示す。 第15図は、クーマシーブルー (Coomassie blue)で顕現化して行なった、TGE7213/pT
G7407により合成された蛋白質のSDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動を示す。 バンド1、8=分子量マーカー バンド2〜5=30℃で4時間(2及び3)又は7時間
(4及び5)の培養 バンド6−12=42℃で4時間(6,11及び12)又は7時間
(7,9及び10)の培養 C=不溶性フラクション;20μ S=可溶性フラクション;40μ 第16図は、pTG7675についてのダイアグラム及び制限地
図を示す。 第17図は、pTG7614についてのダイアグラム及び制限
地図を示す。 方 法 特に断らない限り、各種酵素は公知の方法に従って用
いられる。 形質転換 コンピテント細胞がハナハン(Hanahan)(1983)の
方法に従って製造された。その受容能は、細胞株RL58で
104〜105形質転換体/μgDNであり(ボレン(Bollen)
等、1979)、TGE7615、TGE7214又はTGE7303株で105〜10
6形質転換体/μgDNである。 一般に、細胞株に導入されるべきプラスミドを含有す
るDNA試料の適当に希釈された1〜10μ溶液を、コン
ピテント細胞株のストック0.2mlに添加する。該コンピ
テント細胞を0℃で、15分間DNAと反応させ、次いで37
℃で90秒間インキュベートする。5分間0℃に戻し、LB
培地0.8mlを添加する。細胞株RL58又はTGE7615について
は、該培地は8γ/mlの割合でDAPを含有していなければ
ならない。このことは、dap D-細胞の増殖に必要であ
り、dap D遺伝子を持つプラスミドを含有している細胞
についてさえも必要である。細胞は一般に強く撹拌しな
がら30℃でインキュベートされる。(但し、プラスミド
がプロモーターPLを有しない場合は37℃に保持され
る)。インキュベーション時間は60分間であるが、株TG
E7615を30℃で培養する挙培は90分間に延長できる。 次に、決められた容量(0.1ml)をLB固体培地上に塗
布する。アンピシリン耐性のための遺伝子を有するプラ
スミドの場合、クローンは10γ/mlのアンピシリンを添
加することにより選択される。dap D遺伝子を有するク
ローンは概してdap D-である培養物から、他の添加物を
含有しないLB培地上で選択される。ディッシュは、30℃
で24時間インキュベートされる。次いで、コロニーをつ
まようじで3mlのLB培地に移し、30℃で一夜増殖させた
後、プラスミドを単離し、適当な制限酵素で消化後、ア
ガロースゲル上でその構造を確認する。 dap D遺伝子を有するプラスミドは、dap D-変異を保
有する任意の大腸菌(例えばRL58、TGE7615、TGE7214又
はTGE7303)中で形質転換することができる。該プラス
ミドが更にバクテリアファジγプロモーターPLを有する
場合は、プラスミド上又は染色体のいずれかでバクテリ
アファジーγリプレッサーcI857或いはcI及びRec突然変
異(例えばRecA441)を発現するdap D-大腸菌株中で必
然的に形質転換されねばならない。 実施例1 大腸菌株TGE900における変異されたdap D-遺伝子の導入 大腸菌宿主TGE900を既知のdap D-変異株RL58と接合
(conjugation)させて、dap-とした。 株TGE900はゴッテスマン(Gottesman)等(1980)に
より記載された株N4830の誘導体であり、その特性は、
次の如くである: su- F- his ilv bio(λ cI857Δ Bam Δ HI)S
mr。該株は、外来遺伝子がγプロモーターPLの制御下に
おかれている発現ベクター用の宿主として一般に用いら
れている。これは、該バクテリアが有する温度感受性リ
プレッサー(λc I857)を不活性化させる温度上昇(37
℃以上)により、自由に発現を誘導できるものである。 dap-RL58(met B dapD2 met D279 Hfr P4 X)
株は、ボレン(Bollen)等(1979)により記載されてい
る。 この菌株を出発原料として、トリメトプリム耐性の自
然突然変異体が選択された(トリメトプリム2ガンマ/m
lを含有するデッシュ上に該菌株を塗り広げ、4ガンマ/
mlのトリメトプリムを含有する培地より選択されたコロ
ニーの耐性を確認した後に)。事実、この耐性をコード
する遺伝子は、dap D-突然変異に充分類似しているの
で、接合後、受容株がトリメトプリム耐性となった場合
は、それは同時にdap D-ともなる。 耐性菌株はTGE755と称された。その特徴はHfr dap D
- Tmprである。 TGE900株(F- Smres dap+)及びTGE755の接合後(1
5分間後に停止)、DAP、ストレプトマイシン及びトリメ
トプリムを含有する最少培地に塗布することにより、Sm
r Tmprコロニーが選択される。選択された株のdap-の
性質及びDAPを含有する最少培地中の親株(his ilv)
における栄養素要求性変異の存在が、LB培地上で確認さ
れる。 一つの菌株(his ilv dap-)が選択された: TGE7615。 実施例2 大腸菌dap D遺伝子を有するプラスミドベクターの構築
(第1図) a)12の制御部位をもつポリリンカーを有する多回使用
のクローニングプラスミドの構築 構築は、ヌクレオチド1089から2491を除去することに
より、pBR322から誘導されたpML2プラスミド(ラスキー
(Lusky)及びボッチャン(Botchan),1981)を出発物
質として開始した。該プラスミドはpBR322の複製起点及
びβ−ラクタマーゼ遺伝子(アシピシリン耐性)を有し
ていた。 Pst I酵素認識配列は、エタンスルホネートで誘発さ
れたPst I゜突然変異(ヴイエィラ(Vieira)及びメシ
ング(Messing)、1982)を有するpUC8のAha III−Aha
IIIフラグメントを、pML2の2つのAha III部位の間に挿
入することにより除かれた。これにより、pML2のから16
塩基対が欠質される。得られたプラスミドpTG190は、pU
C8のPst I゜変異を保有する Bgl IIリンカー(5′−dCAGATCTG−3′;コラボラ
テイブ リサーチ(Collaborative Research))を、
ラセ(Lathe)等(1984)により記載された“リンカー
テイリング”(linker tailing)法により、Nru I部
位にのみ挿入した。得られた構築物は、pTG191である。 pTG191を、EcoR ・I及びBgl IIで開環し(これはテ
トラサイクリン耐性遺伝子を欠失する)、12の制限酵素
認識配列を含有するポリリンカーを持つファージM13TG1
31(キーニー(Kieny)他、1983)のEcoR I−Bgl IIセ
グメントと再リゲートした。 得られたプラスミドは、pTG192である。 b)pTG192pTGにおけるdap D遺伝子のクローニング 大腸菌のdap D染色体遺伝子をプラスミドpACYC184内
に挿入し、pDB6を得た(ベンディアク(Bendiak)及び
フリーセン(Friesen)、1981)。該dap D遺伝子を、1.
3−kb Alu Iフラグメントの形でpDB6から回収し、pTG19
2のEcoR I部位に挿入した(EcoR I末端は、DNAポリメラ
ーゼIのクレノー(Klenow)フラグメントで予め処理さ
れ、修復されている)。 得られたプラスミドより、単一のEcoR I部位が再構築
されているpTG764を選択する。こうして、pTG764は、da
p D遺伝子及びpTG192の(当初はpUC8の)アシピシリン
耐性遺伝子を持つ。 実施例3 dap D及びAmpr遺伝子を有するヒルジンの発現プラスミ
ド(第2図) フランス国特許第84104755号に記載のpTG720のプラス
ミドは、λプロモーターPLのコントロール下にあるヒル
ジン遺伝子を本来有する。 プラスミドpTG720をBgl II及びBgl Iで消化し、ヒル
ジン遺伝子及びampr遺伝子の一部を保有する2.74−kbの
フラグメントを得る。該フラグメントをホスファターゼ
で処理し、dap D遺伝子及び上記ampr遺伝子のもう片方
のフラグメントをプラスミドpTG764のBgl II−Bgl Iフ
ラグメントと再リゲートする。得られたプラスミドpTG7
71は、再構築された完全なampr遺伝子、dap D遺伝子及
びヒルジンをコードする遺伝子を含有する。 該プラスミドにより形質転換されたTGE7615のコロニ
ーをLB培地(dap+性に対する選択)又はLB+アンピシリ
ン培地上で選択する。 誘導(induction)後、上記形質転換体は、ヒルジン
を産生する。 実施例4 dap D遺伝子を含有し、Ampr遺伝子を含有しないヒルジ
ンの発現プラスミド(第3図) 出発プラスミドはpTG771である。 Amprをコードする遺伝子の3′末端を含有する小さな
フラグメントを除去するため、Aha IIIで消化を行な
い、EcoR I“リンカー”(CCGAATTCGG)の存在下リゲー
ションによりプラスミドを再び閉じる。 こうして、プラスミドpTG775を得る。 EcoR I消化後、リゲーションにより、Amprをコードす
る遺伝子が完全に除去される。 こうしてプラスミドpTG776を得る。 このプラスミドにより形質転換されたバクテリアTGE7
615は、無添加のLB培地上で選択される(dap+に対する
選択)。 誘導後、この形質転換株はヒルジンを産生する。 実施例5 dap D遺伝子を有し、Amprを有しないプラスミドの構築
(第4図) 出発プラスミドは、プラスミドpTG192である。 Sma I及びAha IIIで消化し、ホスファターゼで処理
後、0.95−kbのベクターフラグメントを単離し、dap D
遺伝子を含有するpDB6の1.3−kb Alu Iフラグメントと
リゲートする。従って、ampr遺伝子は完全に欠失され
る。TGE7615株をこの新しいプラスミドで形質転換し、L
B培地上で選択を行ない、dap D遺伝子を保有するクロー
ンを得る。 2つのオリエンテーション(orientation)でdap遺伝
子を含有するプラスミドが得られる。挿入物のオリエン
テーションはPst Iによる消化により決定できる。選択
された下記2種のプラスミドについて: pTG766は1.34−kb及び0.9kbのフラグメントを遊離
し、 pTG767は、1.85−kb及び0.4−kbのフラグメントを遊
離する。 dap D遺伝子を保有するインターフェロン−γの発現プ
ラスミド(第5図) pTG40(PED)(EP−A−0146462)プラスミドは、1.2−
kbのHind IIIフラグメント上に、プロモーターPLのコン
トロール下にあるインターフェロン−γ遺伝子を持つ。 Hind IIIによる消化後、このフラグメントを回収し、フ
ォスファターゼで予め処理されたpTG767のHind III部位
に挿入する。リゲーション後、TGE7615を形質転換し、d
ap D遺伝子の存在に対する選択をLB培地上で行なう。反
対のオリエンテーションで挿入物を保有する2つのプラ
スミドが選択される: pTG7671(複製起点の近傍に且つ同一オリエンテーシ
ョンでPLを有する)及びpTG7672 これらプラスミドにより形質転換されたTGE7615バク
テリアは、無添加のLB培地上で選択できる(dap+性につ
いての選択)。 誘導後、上記形質転換株は、インターフェロン−γを
産生する。 下記実施例は、本発明に従って形質転換された菌株の
特性を示すものである。 dap D遺伝子を有する全てのプラスミドは、TGE7615株
中にあり、その他はTGE900株中にある。 種々のプラスミドの安定性が適当な培地中で試験され
た。 “選択培地”とは、本発明のプラスミドの場合はLB培
地のことであり、プラスミドpTG720及びpTG40の場合はL
B+アンピシリン培地である。 “非選択培地”とは、本発明のプラスミドの場合はLB
培地+DAPであり、他のプラスミドの場合はLB培地であ
る。 110世代に亘る安定性の試験を、バクテリアの希釈と
増殖を数度繰返し行なう。この増殖期の終わりに、プラ
スミドの安定性を下記のように測定する: 培養物中の生菌数を適当に希釈して、非選択性寒天培
地内の細胞を計数することにより測定する; 増殖時の後、これらコロニーの有意な試料を選択及び
非先端寒天培地に移し、プラスミドをロスしたコロニー
の百分率、即ち選択培地での増殖を測定する。 インターフェロン遺伝子を有するプラスミドについて
得られた結果を第1表に示す。 同様の試験を、LB培地中で170世代に亘るバクテリア
増殖後に、ヒルジンを遺伝子を有するプラスミド及びク
ローニングベクターpTG766について行なった。その結果
を下記に示す。 第1表及び第2表の結果は、下記のことを示す。 1)dapベクターの安定性は、ampr遺伝子を有するプラ
スミドに対して10のファクターで増加する; 2)選択培地と非選択培地との間での相異は最少であ
る; 3)クローニングベクターpTG766及びpTG767は5×10-5
p-/C/世代未満のロスである; 4)pTG40の安定性は、dap+ベクターの安定性よりも有
意に小さい。しかし、この減少は50世代後に特に顕著に
なり、培養の所期段階でのロスはわずか2.5×10-4p-/C/
世代である;及び 5)amprコントロールプラスミドpTG40及びpTG720(各
々インターフェロン及びヒルジン遺伝子を持つ)のロス
は同程度である。経時的なプラスミドのロスは、プラス
ミドがdap D遺伝子を有する場合に減少する(pTG766、7
67、7671及び776)。 しかし、dap D遺伝子及びアンピシリン耐性をコード
する遺伝子を持つプラスミド(pTG771)の安定性は他に
比べて低く、pTG720のそれと同等のままである。この結
果は、アガロースゲル中でプラスミド含量の分析をする
ことにより説明される。即ち、pTG771は四量体を形成す
ることが示され、この現像はプラスミドの分割(partit
ion)に影響を与えロスを増大させる(サマーズ(Summe
rs)とシャーラット(Sherratt)、1984)。更に、より
少ない数の世代(30)に亘る場合、この多量体化現象は
出現せず、計70世代に亘る場合のpTG771のロスは2.8×1
0-4p-/C/世代以下のままである。 従って、dap D遺伝子を有するプラスミドの安定性
は、ampr遺伝子を有するプラスミドに比し増大し、その
ロスは最小となる。 実施例7 37℃又は42℃におけるプラスミドの安定性 プラスミド類がプロモーターPLの制御下にある外来蛋
白質をコードする遺伝子を含む場合には、該蛋白質の発
現を誘導(induce)させることなく、これらプラスミド
類の安定性を調べることは出来ない。それにも拘らず、
作業条件下には、誘導に引き続いて、O.D.が0.3から3.6
に増大し、これは3.6世代に相当することを指摘してお
くべきである。従って、事実、バクテリアは、誘導に先
立って、先行の実施例で既に決定されたロスを伴って、
30℃で最大数の世代を形成しする。 外来蛋白質の発現が生じる場合(例えば、pTG720につ
いてはヒルジン、pTG40についてはインターフェロン−
γ)には、一定時間(2〜4時間)経過後に、90〜95%
の割合の大腸菌培養物の死滅率が観察された。これら
は、プラスミドを含む細胞群である(何故ならば、p-宿
主細胞は、37〜42℃で生育可能だからである)。必然的
に、この死滅率は、生存細胞に対するp-細胞の割合を10
乃至20のファクターで増大させる。生存細胞の全体数が
有意的に減少し、p-細胞が個体数の大きな割合を占める
様になると、p-細胞の増殖が決定され、これがp+/p-比
を有意的に減少させる(例えば、5時間30分及び7時間
後に得られた結果を示す第3表を参照)。 p-/細胞/世代というパラメーターは、p+細胞が最早
増殖しないので、この様な条件下では、その有意を失っ
ていることが明らかである。従って、以下のパラメータ
ーを提案する:即ち、各培養期間に於けるp-細胞のみを
測定するp-/ml/光学密度単位である。更に、これは、2
つの異なる培養物をそのプラスミドのロスについて比較
することを可能とする。このパラメーターは、以下の式
に従って計算される: p-/ml/OD={1-(%p+/100)}×生存細胞/ml/OD. 最後に、若し、このパラメーターが、細胞の全数(現
在の条件下では、4×108である)を基準として表現さ
れるならば、培地中の細胞パーセンテージ(Fp-)を得
ること、及び各期間に於けるp-細胞による培地の汚染度
合いを決定することが可能となる。Fp-は、以下のよう
にして計算される: Fp-=4×108c/ml/OD×100(p-/ml/OD) Fp-は、分子の生産のための培養物が十分に純粋でそ
れ以上の培養に値するか否かを決定することを可能と
し、且つ誘導条件下に異なるプラスミドを互いに比較す
ることを可能とする客観的パラメーターである。 以下の実施例に示す誘導において、生存細胞の数及び
p+のパーセンテージが決定され、次いで、p/ml/OD及びF
p-が計算される。これらのデータは、表として呈示され
る。 実施例8 ヒルジンの誘導 ヒルジン誘導の結果は、先ず、アンピシリン耐性遺伝
子を含むベクターに関して、次いで、dap D遺伝子を更
に含むベクターに関して、呈示する。 1)プラスミドの安定性 a)37℃のLB培地におけるアンピシリン耐性遺伝子を含
むベクター(TGE900/pTG720)内でのヒルジンの発現誘
導 TGE900/pTG720についての代表的な結果を第3表に示
す。 3時間後には、OD単位当たりの生存細胞の数は、p+細
胞の割合とともに、平行的に減少していることが明らか
である。5時間30分後には、Fp-(細胞の全数に対するp
-細胞の%)2.35%のオーダーである。7時間後には、
この数は、二倍となるであろう。おそらくこれは、p-の
成長のみよるものである。 b)37℃のLB培地におけるdap D遺伝子を含むベクター
(TGE7615/pTG771)内でのヒルジンの発現の誘導 第4表に示す結果は、pTG720について得られた結果を
比較し得るものである。 第4表から、以下のことが判る。即ちTGE900/pTG771
について記録された死滅率に匹敵する死滅率を呈してい
るにもかかわらず、プラスミド(%p+)のロスは低い
(5時間後に98%のp+)、これは、p-細胞の絶対量(p-
/ml/OD)についても同様である。5時間後のFp-の量
は、0.04%であり、これは、同一期間におけるpTG720の
割合の1/50以下である。このことは、pTG720に比して、
pTG771がより大きい安定性を有することを示している。
誘導実験において、pTG771は、四量体を形成せず、又、
そのロスは、30℃で170世代に亘り測定されたロス(第
2表参照)よりも小さいものと思われることを指摘して
おく。 結果は、pTG720に比して、プラスミドpTG771の安定性
がより大きいことを示している。 2)プラスミド含有量 誘導期間中に数回に亘り、プラスミドpTG720とpTG771
とを単離した。一般に、誘導の初期段階の対数増殖期
に、細胞当りプラスミド含有量が低いことが観察された
が、時間の経過とともに実質的に増大した。ヒルジン
は、この期間中に生成された。 興味深いことに、このプラスミド濃度の増大は、95%
以上の細胞が死滅した集団で生じていた。 3)誘導された活性 pTG720及びpTG771から得られたヒルジンの活性は、有
意差を示さなかった。その値(アンチトロンビン単位、
ATU)は、誘導5時間後に、pTG720については。2720ATU
/l/ODであり、pTG771については2380ATU/l/ODであっ
た。 結論として、pTG771は、pTG720に比して安定性が大き
く、同時に、対数増殖期の終わりに、pTG720と同じ生産
能及びそのコピー数増大と言う点で同じ特性を維持して
いると言うことができる。 実施例9 ガンマーインターフェロンの誘導 ガンマーインターフェロンの誘導についてのデータ
も、ヒルジンについてと同様にして提示されている。 1)プラスミドの安定性 a)42℃のLB培地におけるアンピシリン耐性遺伝子を含
むベクター(TGE900/pTG40)内でのガンマーインフーェ
ロンの発現誘導 第5表の結果は、プラスミドのロスは、pTG720のロス
と同等であり、5時間後にFp-は6%に増大することを
示している。しかしながら、pTG720とは異なって、生存
の低下は、より急速で、生存細胞数の最小値は、3時間
後にすでに生じている(これに対し、pTG720の場合には
5時間後に観察されている)。更に、培養物の中に存在
するp-細胞は、生存し続け、3時間後にはすでに著るし
く分裂しており、5時間後のこのFp-6%に貢献してい
る。 b)42℃のLB培地におけるdap D遺伝子を含むベクター
(TGE7615/pTG7671)内でのインターフェロンの発現誘
導 LB培地中42℃でのTGE7615/pTG7671発現データを第6
表に示す。第6表から以下のことが明らかである。5時
間が経過するまでは最大死滅率には達しない。この期間
中、%p+は、pTG40についての値(10%)に比肩し得る
がp-細胞の数(p-/ml/OD)は、pTG40について3時間後
に得られた値の1/5である。事実、5時間後には、Fp
-は、0.3%であるのに対し、pTG40についてはFp-は、す
でに6%となっている。従って、20倍にも達するい相違
があり、これは、pTG7671の増大した安定性を反映して
おり、30℃における安定性データを確認するものである
(第1表参照)。 42℃におけるTGE7615/pTG7671誘導条件下に、選択及
び非選択培地中で、プラスミドの安定性は実質上同一で
あった。一方、pTG7671の安定性は、選択の不存在下に
おいても極めて高いものであった。従って、プラスミド
のロスは、極めて満足すべき、工業的スケールでの生産
に適したレベルにまで下げられた。 2)プラスミド含有量 アガロースゲル上でのプラスミド含有量の分析は、プ
ラスミドpTG40及びpTG7671により形質転換された細胞株
が等量の材料を含んでいること、及びこの細胞当りのプ
ラスミド含有量が誘導期間中に時間とともに増大するこ
とを示している。pTG40は、二量体型で存在する(アガ
ロースゲルに示される通り)。 3)dap D遺伝子を含むp+細胞の選択 細胞の主要部分がその生存能力を大巾に低下させたら
直ちに発生しなくなるp-細胞の成育状況を考慮しつつ、
dap Dシステムの選択能を明らかにするために、誘導を
行なった。この誘導期間中に培養物は2時間毎に3回に
亘り5倍に希釈され、その後、定常期に達するまで放置
された。42℃におけるTGE7615/pTG7671誘導の結果は、
選択培地中での生育について第7表に、又非選択性LB+
DAP培地中で成育について第8表に示す。 第8表から、誘導開始9時間後に、選択的LB培地中で
は、全ての生存細胞は、プラスミドを含んでいることが
明らかである(プラスミドの存在は、LB培地中の全数60
のポジティブコロニー(positive colony)中の30コロ
ニーからのミニプレパレーション(mini preparation)
により確認され、アガロースゲル電気泳動によりプラス
ミドが同定される)。これとは対照的に、非選択性培地
中では、生存率は5倍よりも大きいが、培地では、プラ
スミド含有細胞を5%含むのみである。LB培地中よりも
BL+DAP培地中での生存率が高いということは、DAPが加
えられた培地中でのp-細胞の成育、並びにそれ以上に明
確に選択的培地中でのp-細胞の死滅率を示している。従
って、LB培地は、p-細胞の対抗選択を効率よく行なうも
のである。 4)インターフェロンの生産 pTG7671は、原プラスミドpTG40と同様のガンマーイン
ターフェロン産性能を保持している。 実施例10 細菌の染色体からのdap D遺伝子の欠失 2つのPst Iフラグメント上でのdap D遺伝子のサブ−
クローニング プラスミドpDB6とM13mp8をPst Iで切断し、リゲート
する。遺伝子の5′末端及び3′末端を含むM13をこの
領域に対して特異的なオルゴヌクレオチド、TG596(GCG
CTTAATAACGAGTTG)およびTG598(TGTGCATACTTTAGTC)に
より夫々スクリーニングする。候補体としてSB96及びSB
98を選び、所望のフラグメントの挿入を配列決定法によ
り確認する(第6図のダイアグラム参照のこと)。 dap D遺伝子の5′及び3′末端へのEcoR I部位の導
入 点変異によりSB96及びSB98中にEcoR I部位を導入す
る。 SB98には、オリゴヌクレオチドTG597:GTACGCAGGAATTC
CTTAATGCCGを使用する。これは、遺伝子末端の3′領域
と対合するが、推定される転写ターミネーター(assume
d transcription terminator)の前である。 SB96には、オリゴヌクレオチドTG620:AGAGGCCCGAATTC
CAAACGを使用する。これは、dap D遺伝子の推定される
プロモーターの上流側の5′領域と対合する。 形質転換体は、EcoR I部位を導入するに使用したもの
と同じプローブにより分析する。このEcoR Iの存在は、
DNAミニプレパレーションにより、次いて、選ばれたM13
候補体を配列決定することにより確認される(第7図参
照)。 欠失ベクター(deletion vector)の構築 プラスミドpUC−4K(ファルマシア社により市販)の
カナマイシン耐性遺伝子をEcoR Iフラグメントの形態で
回収する。M13TG597及び620をEcoR I及びPst Iにより切
断する。これにより、dap D遺伝子の3′末端(推定さ
れるターミネーターを有しない)及び遺伝子の5′末端
(推定されるプロモーターを有する)を遊離する。 クローニングベクターpTG192(実施例2a参照)をPst
Iにより切断する。 これら全てのフラグメントをリゲートする。5K細胞の
形質転換、及びLB培地+アンピシリン0.1μg/ml+カナ
マイシン0.02μg/ml上への塗布(spreading)後に、コ
ロニーをオリゴヌクレオチドTG596によりスクリーニン
グする。 一つの構築物pTG47を選択する。その構造をDNAミニプ
レパレーションにより分析し、Hind IIIによりプラスミ
ドを消化してカナマイシン耐性遺伝子のオリエンテーシ
ョンを決定する。かくして、5.3kb及び4.0kbの大きさの
2本のバンドが遊離される。pTG47中のカナマイシン耐
性遺伝子のオリエンテーションは、pDB6中のdap D遺伝
子のそれと同じである(他方のオリエンテーションで
は、4.9kb及び4.4kbの大きさのバンドが得られたはずで
ある)。 pTG47についてのダイアフラムを第8図に示す。 染色体からのdap D遺伝子の欠失 中間細胞株からの染色体からのdap D遺伝子の除去を
行なう。 RH5345細胞(その受容能力は、pTG47のDNAのμg当り
2.5×10-7形質転換体に達する)を、予めKpn I及びBgl
IIにより切断したプラスミドpTG47により形質転換させ
る(第8図参照)。 この消化により、dap D遺伝子の側方領域(flankig r
egions)を含むフラグメントが遊離される。該遺伝子自
身は、カナマイシン耐性遺伝子によって置き換えられ
る。 LB培地+DAP+カナマイシン0.01μg/mlへの塗布後置
に、9つの候補が選択される。即ち、TGE721からTGE729
までであり、そのdap-、kanR表現型が確認される。 dap D遺伝子の欠如は、pTG764によるこれら細胞株の
形質転換後に、そのLB培地中での増殖能力により確認さ
れた。 TGE901及びN5969株からのdap D遺伝子の欠失 細胞株TGE721のdap D欠失は、ファージトランスデュ
ーサーPlvir/TGE721により、細胞株TGE901及びN5969内
に形質導入され、dap-組換体は、カナマイシン0.01μg/
mlに対する耐性により選択される。 選ばれた候補、それぞれTGE7213、7214及びTGE7303で
ある。一つの候補、TGE7214については、dap-kanR特性
に加えて、親株TGE901のile、val及びhis要求(require
ments)が適当な培地上で確認された。 実施例11 種々の細胞株における染色体ブロッテイングによるdap
遺伝子の欠失の確認 下記の遺伝子を分析した: 親株TGE901及びrh5345、dap D+; 欠失株TGE7213及びTGE7214; TGE901にdap D-突然変異を導入するのに用いられた親
株RL58、及びそれにより得られたdap D-変異株をTGE761
5; Tn 5の組み込みによるカナマイシンに対し耐性を持つ
GC4540。これに対し、トランスジーン ソシエテ アノ
ニムの株においては、カナマイシン耐性遺伝子はTn 902
由来である(2つの遺伝子は相同性(homology)がない
ため、交差雑種形成(cross hybridization)を起こさ
ないはずである:ベック(Beck)等、1982)。 制限酵素の選択は、pDB6の配列に基づく: BamH IとHind IIIとによる切断は、野生株の場合、da
p D遺伝子及びその側方領域を含有する9−kbの染色体
フラグメントを遊離する。欠失株の場合、耐性遺伝子は
BamH Iによる消化で遊離し、Hind IIIによる消化で2つ
のフラグメントに切断される; Pst Iは、野生型株の場合、各々dap D遺伝子の一部を
含有する2つのフラグメント(5′領域から2.8kb及び
3′領域から3.4kb)を遊離する。欠失株の場合、Pst I
による消化は、カナマイシン耐性遺伝子及び2つの側方
領域(5′側上の2.4kbフラグメント及び3′側上の2.8
kbフラグメント)を遊離する(第6及び8図)。 dap D遺伝子又はその側方領域或いはkanR遺伝子を明
らかにするべく、プローブが選択された: カナマイシン耐性遺伝子を調べるために、該耐性遺伝
子のみを有するpTG47のEcoR I断片(第8図)を単離す
る; dap D遺伝子を調べるため、dap D遺伝子の5′領域の
みを有し、TGE721、7213及び7214中では完全に欠失され
るべきM13TG620の2.4kbEcoR I断片が用いられる(第7
図); 染色体dap D遺伝子及びその側方領域を調べるため、
カナマイシン耐性遺伝子及びdap D遺伝子の側方にある
染色体の2つの領域(5′及び3′側)を有するpTG47
のKpn I−Bgl II断片が用いられる。 従って、下記が明らかにされるものと期待される: 野生株においては、dap D遺伝子の5′領域に対応す
る2.8−kbバンド及び遺伝子の3′領域に対応する3.4−
kbバンド(第6図); 欠失株においては、カナマイシン耐性遺伝子、dap D
遺伝子の側方に尚存在する5′領域(2.4kb)及びdap D
遺伝子の側方に尚存在する3′領域(2.8kb)(第8
図) カナマイシン耐性遺伝子の取り込みの証明 Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断されたGC4540、T
GE7313、TGE7214及びTGE901の染色体DNAを比較し、pTG4
7のEcoR Iフラグメントをプローブとして調べた。 Pst Iは、1.3−kbバンドを遊離する。BamH I及びHind
III制限は、欠失株についてのみ0.7kb及び0.6kbの2つ
のフラグメントを与え得る。TGE901又はGC4540において
は、バンドは認められない(第9A図)。 これらの結果より、カナマイシン耐性遺伝子が欠失株
の染色体に組み込まれ、該遺伝子がpUC−4Kに由来する
ことがわかる。 dap D遺伝子の染色体からの欠失の証明 GC4540、TGE7213、7214及びTGE901の染色体のDNAを、
対照としてM13TG620、M13TG597、、pDB6のBamH I−Hind
IIIフラグメント及びPst Iで切断された同フラグメン
ト(第6図)を用いて、比較する。 染色体DNAは、Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断さ
れる。 EcoR Iで切断されたM13TG620は、dap D遺伝子の5′
側を特異的に含有するバンドから単離され、これをプロ
ーブとして使用する(第9B図)。 Pst Iで消化後、野生株においては、dap D遺伝子の
5′領域に対応する2.8−kbバンド及び予期しなかった
1.7−kbバンドが認められることが判る。 BamH I及びHind IIIで消化後、pDB6由来のバンド(9k
b)よりも大きい約12−kbのバンドが認められる。更
に、付加的な2.5−kbバンドも野生株に存在する(第9B
図)。 欠失株については、どの消化フラグメントにも有意な
相同性(homology)は認められない。 これらの観察により下記のことが判る: dap D遺伝子の5′部分をカバーするプローブは、株T
GE7213及び7214の染色体中のいかなるバンドも明らかに
しない。このことは該遺伝子の5′側の欠失を示す; 野生株においては、dap D遺伝子に特異的な第2のバ
ンドが、予測されたバンドの他にも認めらるため、該遺
伝子はこれらの菌株中では重複していると思われる。 dap D遺伝子の重複は予期されなかったことであった
ので、我々は数種の野生株においてこの重複を確認し、
5′側に加えて3′側からdap D遺伝子の欠失を確認し
た。 Pst Iで消化後、同じ染色体DNA及び対照DNAが用いら
れる(第8図)。 プローブはKpn I及びBgl IIで切断されたpTG47であ
る。上記予期されたバンドの他に、このプローブは少く
とも1.7−kbのバンドを認識するはずである。事実、pTG
47は5′及び3′側からのdap D遺伝子に対し相同性を
有する300bp及び100bpを各々有し、これ等は、欠失株で
も認められねばならない。 第9C図は下記のことを示す。: 2.8−kb及び2.4−kbのバンドは、欠失株で認められ、
3.4−kb及び2.8−kbバンドが野生株で認めらる。加え
て、カナマイシン耐性遺伝子に対応する13−kbバンドが
認められる。このことは、株TGE7213及び7214の欠失を
証明するものである; 重複したdap D遺伝子による2つの強度の弱いバンド
も又、野生株においてのみ現れる。1.7−kbバンドは
5′部について認められることが知られているので、2.
1−kbバンドは3′側より由来したものであるに違いな
い。このことは、これ等株が、欠失株では消失している
重複を有することを証明するものである。 株RH5345及びRL58のPst Iで切断された染色体のDNA
を、TGE901とRL58の接合により得られたdap D-変異株と
比較した。これらDNAは、Kpn I、カナマイシン耐性遺伝
子(何も明らかにしない)を有するpTG47より単離され
たBgl II断片及び遺伝子dap Dの側方にある領域を用い
て調べられた。第9D図は、RH5345において3.4及び2.8−
kbのバンドのみが認められ、GC4540及びTGE901に存在す
る遺伝子の重複によるバンドは認められないことを示
す。更に、7−kbバンドのみが、RL58及びTGE7615につ
いて認められ、このことはPst I部位の欠失を示す。こ
れにより、これら2つの変異株が同一であり、少くとも
dap D遺伝子のPst I部位において影響を受けることが証
明されている。 結論として、これらの実験は下記のことを示す: 株TGE7213及び7214は、dap D遺伝子を欠失き、カナマ
イシン耐性遺伝子を有する; RL58及びTGE7615のdap D-突然変異は少くともdap D遺
伝子のPst I部位に存在する; いくつかの大腸菌株はdap D遺伝子の重複があり、こ
の重複は欠失株では認められない。 受容株の2つのdap D遺伝子は、形質導入により欠失
するので、重複遺伝子は、第一のdap D遺伝子と近接
(大腸菌の染色体地図上の2′未満)している。 実施例12 cer遺伝のクローニング cer遺伝子をCol E1プラスミド(その配列はチャン
(Chan)等(1985)により公表されている)より1.85−
kb Hae IIフラグメントの形で回収する。 その後、Hae IIフラグメントをHpa IIで切断し、クレ
ノーで処理し、0.4−kbバンドを回収する。M13mp130をE
coR Vで切断し、ホスファターゼで処理する。Col E1の
0.4−kbフラグメントをM13mp130にリゲートし、株JM103
に導入する。Col E1cerフラグメントの存在は、Sma I
及びHind IIIで切断されて遊離した0.4−kbバンドの配
列決定により確認された。 M13mp131のポリリンカー中に挿入されたcer遺伝子
を、Sma I及びHind IIIによる消化後単離し、Bgl IIで
切断したpTG720ベクター(ヒルジン遺伝子を有する、第
2図)にリゲートし、クレノーで処理す。得られたプラ
スミドがpTG720cerである。 実施例13:cer遺伝子及びdap D遺伝子を含有するクロー
ニングベクターの構築 cerアンピシリン耐性をコードするベクターにおけるM
13mp131ポリリンカーのオリエンテーションの逆位(inv
ersion) pTG192(第1図)をEcoR I及びBgl IIで切断しM13mp1
31ポリリンカーを遊離させ、Hae III消化により短くす
る。例えば、pTG730(フランス特許86/16,723に記載
の、ヒルジンの発現ベクター)等のアンピシリン耐性遺
伝子を含むプラスミドを用いる;このプラスミドは、Bg
l II及びEcoR Iで切断され、pTG192のEcoR I−Bgl IIフ
ラグメントに結合(ligate)される。こうして、pTG730
のヒルジン構造遺伝子とPLを含有する発現ブロックが失
われ、M13mp131ポリリンカーで置換される。この新しい
プラスミドをpTG790と呼ぶ(第10図)。 フラグメントのクローニングベクターへの導入 pTG790をSst I及びKpn Iで切断し、ホスファターゼで
処理する。この消化により得られるフラグメントは、pT
G720cerにリゲートされ、Sst I及びKpn Iで切断され
(これにより、cerフラグメントが遊離される)、Bgl I
I消化により短くされる。得られるベクターpTG792は、c
erフラグメントを含有する(第11図)。 dap D遺伝子のcerフラグメント含有ベクターへの導入 pTG792をEcoR Iで切断し、クレノウ(Klenow)及びホ
スファターゼで処理する。得られるフラグメントと、da
p D遺伝子を含有するpDB6由来の1,3−kb Alu Iフラグ
メント(第6図)とをリゲートる。2つのプラスミドpT
G7922及びpTG7923が得られる。両者は、2つのEcoR I部
位間に位置するdap D遺伝子のオリエンテーションにお
いてのみ異なる。pTG7922に関しては、上記3つの遺伝
子即ち、複製起源、アンピシリン耐性及びdap Dの各遺
伝子用のプロモーターが同一方向に配向している(第12
図)。 アンピシリン耐性遺伝子の欠失 下記構築法は、複数の目的を有する。即ち、 −dap D遺伝子を含有するベクターからアンピシリン耐
性遺伝子を欠失させること、 −cer遺伝子を含有するdap Dクローニングベクターを得
ること、 −M13mp131ポリリンカー(cerのクローニングに用いら
れたEcoR Vがない)を含有するdap Dクローニングベク
ターを得ること、及び −単一EcoR Iを有するdap Dベクターを得ること。 Pst Iフラグメントを、夫々dap D遺伝子の3′及び
5′部分及びcer遺伝子を含有するpTG7922及びpT7923か
ら回収し、これを類似しているが、EcoR I又はAva I部
位又はcerを有しないフラグメントを含有するdapベクタ
ー中に導入する。この類似するベクターは、夫々前記pT
G767及びpTG766である。 即ち、pTG7922及びpTG7923をPst Iで切断し、Bgl II
消化により短かくし、Pst Iで切断されたホスファター
ゼで処理されたpTG767及びpTG766に夫々リゲートする。
得られるクローニングベクターは、夫々pTG769及びpTG7
68である(pTG769を第13図に示す)。 実施例14:カテコール2,3−オキシゲナーゼ(C2,3O)
用の発現ベクター構築へのdapモデルの応用 C2,3Oの上流のBamH Iを有しないベクター C2,3Oの構造遺伝子を上記dapベクターpTG7671中へ
導入すべく、pTG444から回収する。 pTG444は、非再生Xma III部位を除けばツコウスキー
(Zukowski)ら(1984)により記載されたpTG445と同一
である。pTG444をBamH I及びHind IIIで切断し、BamH I
及びHind IIIで切断されたホスファターゼで処理された
pTG769にリゲートする。得られるプラスミド、即ちpTG7
401は、C2,3Oの構造遺伝子を含有しない。 pTG7671は、2つのBgl II部位、即ち、ポリリンカー
のPL形成部の上流の部位及びリボソーム結合部位中に位
置するPLの下流でγ−インターフェロンの構造遺伝子の
上流の部位を有する。pTG7671をBgl IIで切断し、Kpn I
消化により短くする。得られる混合物をpTG7401にリゲ
ートし、Bgl II及びBamH Iにてそのポリリンカーにおい
て切断し、ホスファターゼで処理する。Bgl II部位は、
このリゲーションにより再構成されるが、Bgl II部位に
リゲートされたBamH I部位は失われる。C2,3Oの構造
遺伝子について、PLの2つのオリエンテーションが可能
である。C2,3OがPLの制御下にある構造を区別するた
めに、BamH I及びBgl IIを用いて切断を行なう(事実、
所望のオリエンテーションに関しては、BamH I部位がBg
l II部位の近傍に存在し、実際上、消化により4,3−kb
のバンドのみが得られるであろう。また、他のオリエン
テーションにおいては、消化により3,9−kbのバンドと
0,4−kbのバンドが遊離される。 PLの制御下にあるC2,3Oを有する、選択されたプラ
スミドpTG7407は、下記に示すpTG7406(第14図参照)と
近似した構造を有するが、C2,3Oの上流のBamH I部位
を失っている。 C2,3Oの上流のBamH Iを有するベクター pTG769をBgl II及びBamH Iで切断し、ホスファターゼ
で処理し、λの完全なN遺伝子及びPLを含有する任意の
発現プラスミド(pTG907)のBamH I−Bgl IIフラグメン
トにリゲートする。構築物pTG7400が得られるが、これ
はBamH I及びBgl II切断により2.6−kb及び1.3−kbの2
つのバンドを遊離することにより同呈される。この構築
物は、PL及び完全なN遺伝子を含有する。 次いで、上記pTG7400はHpa Iで切断し、リン酸化され
ハイブリダイズされたBamH Iリンカー、CCGGATCCGG(ベ
スセダ リサーチ ラボラトリー(Bethesda Research
Laboratory)により市販されている)をその中へ挿入す
る。こうして、Hpa I部位を失ったが2つのBamH I部位
を含有するpTG7402を得る。 該pTG7402をBamH Iで切断し、再リゲートとしてpTG74
04を得る。この方法により、1つのBamH I部位を除去
し、N遺伝子を切形(truncate)する。 C2,3O遺伝子のdap−cerベクターへの導入 上記pTG7402をBamH I及びHind IIIで切断し、ホスフ
ァターゼで処理し、pTG444のBgl II−Hind IIIフラグメ
ントをその中へ導入し、pTG7406を得る(第14図参
照)。これは、pTG7407と比べると、C2,3O遺伝子がBa
mH I−Hind III切断により除去されてpTG444から導入さ
れたフラグメントが回収される点において異なってい
る。 プラスミドpTG4707により形質転換されたdap-イー.
コリ(E.coli)株中でのC2,3Oの発現 バクテリアTGE7213/pTG7407中でのC2,3O遺伝子の発
現を、30℃にて4時間及び7時間培養後に及び4時間及
び7時間後に42℃にて誘導中に観察した。夫々の観察の
ため、サンプルを培養物から回収し、遠心分離し、ペレ
ットをリン酸塩緩衝液で洗浄し、同緩衝液中にとり(ツ
コウスキー(Zukowski)ら、1983に記載の方法に従
う)、次いて、超音波で3回20秒間処理する。 10,000gにて10分間遠心分離後のペレットを不溶性フ
ラクション(P)、上清を可溶性フラクション(S)と
する。 各フラクション中に存在する蛋白質をSDSポリアクリ
ルアミドゲル上での電気泳動により分析する。各バンド
は、クーマシーブルー(Coomassie blue)で染色するこ
とにより顕現化する。結果を第15図に示す。MW35,000の
バンドの強度が、特に42℃にて誘導7時間後に、観察さ
れる。ゲルの“スキャニング”により、フラクションS
及びPにおいて夫々約64%及び75%のC2,3Oが得られ
る。 よりリッチなサンプル(S,42℃にて7時間)におい
て、C2,3Oの特異的活性を、(ツコウスキー(Zukowsk
i)ら、1983記載の方法に従い)基質としてカテコール
を添加することにより測定する。28〜35U/mgの特異的活
性が測定される。 純粋な酵素組成物の特異的活性は280U/mgであり、分
析された抽出物は約12%の活性C2,3Oを含有する。 実施例15:cerフラグメントのγ−インターフェロン発現
ベクターへの導入 上記pTG7671をそのポリリンカーにおいてSst I(Sac
Iと同一)及びKpn Iで切断し、次いでホスファターゼで
処理し、Sst I及びKpn Iで切断されたpTG720cerをフラ
グメントにリゲートする。TGE7615中に形質転換後、1
つの候補pTG7675を選択する(第16図)。これはSst I及
びKpn Iで消化すると400bp及び3.4−kbの2つのフラグ
メントを遊離する。 実施例16:γ−インフーフェロン発現の誘導(inducttio
n)中のプラスミドの安定性の観察 a)アンピシリン耐性遺伝子含有ベクターについての42
℃でのLB培地中でのγ−インターフェロン発現の誘導
(induction):TGE901/pTG40 結果を第9表に示す。総細胞数/ml/ODユニットを測定
し、生存率(viability)のロス真実の現象であって、
例えば細胞体積の変化によるものではないことを確認す
る。これ等データを第9表に併記する。Fp-は、実施例
7で定義した通りであり、所定時刻に存在する総細胞数
に対するp-細胞の数である。 誘導7時間30分後のFp-が約2%に達することが判
る。従って、それは、前記実験(実施例9参照)におけ
るよりも低いものであり、これら2つの実験におけるプ
ラスミドpTG40の構造上の差にのみ起因し得る。即ち、
実際のところ、誘導の各時点においてプラスミドの量は
同一であるが、最初の実験においてはプラスミドはダイ
マーの形態であり、他方ここに記載の実験においては、
主としてモノマー形態にある(ゲル上の分析により示さ
れる)。プラスミドの形態(condition)は、γ−イン
ターフェロン産生に影響を与えないが、プラスミドのモ
ノマー形態が維持されない場合、結論として安定性が失
われるものと説明できる。 b)dap遺伝子について変異され、dap D遺伝子及びcer
遺伝子を含有するベクターで形質転換された菌株TGE761
5/pTG7675中でのγ−インターフェロン発現の誘導 結果を第10表に示す。総細胞数/ml/ODユニットを測定
する。TGE901/pTG40に比し大差は認められない。従っ
て、生存率の現実の消失(loss)が確認される:誘導7
時間30分後、培養物のわずか0.02%が生存し続けるに過
ぎない。この結果を、2.4%の値が得られたTGE901/pTG4
0についての結果と比較すべきである。このことは、Fp-
にも現れておき、TGE901/pTG40に比し、TGE615/pTG7675
の場合は1000分の1に減少している。しかし、いくつか
のp-細胞は生存し続け、誘導終期に現れる。プラスミド
含量は前記と同一の特徴を有し、換言すれば、増殖終期
にコピー数が増加するが、cerを有しないプラスミドと
共に変化し得る数で存在する多量体形態(multimeric f
orm)のものが、この場合は殆んど存在しない。γ−イ
ンターフェロン産生量は、pTG40の場合に比し、わずか
に大きい。 c)dap D遺伝子を欠失され、dap D遺伝子及びcerを含
有するベクターで形質転換された宿主細胞TGE7213/pTG7
675中でのγ−インターフェロン発現の誘導 結果を第11表に示す。結論は、TGE901/pTG40とTGE761
5/pTG7675との比較から導き出されたものと同一であ
る。即ち、死滅率(mortality)は、3.5×10-4のファク
ターに達し、総細胞率/ml/ODユニットの値は誘導中有意
に変化しない。これと対照的に、誘導7時間30分後であ
っても、p-細胞は現れない(24時間後、全培養物は、TG
E901/pTG40の場合はp-となり、TGE7213/pTG7675の場合
は100%p+のままであった)。プラスミド含量は、多量
体(multimer)の不存在下、TGE7615、/pTG7675のそれ
と同等である。γ−インターフェロン産生量は、TGE761
5/pTG7675により得られたよりもわずかに大きい。 実施例17:アルファ−1抗トリプシン用の発現ベクター
の構築へのdapモデルの適用 pTG2901(フランス国特許85/07,393号記載のpTG983の
切形された(truncated)誘導体)由来のアルファ−1
抗トリプシン発現ブロックを含有するPst Iフラグメン
ト、即ち、ファージラムダプロモーターPL、切形された
N遺伝子、リボソーム結合部位及びアルファ−1抗トリ
プシンの構造遺伝子(Arg358)を前記pTG792中へ導入
し、Pst Iで切断しホスファターゼで処理する。 得られる発現ベクターpTG7913を、次いで、Bgl II及
びSst Iで切断し、アルファ−1抗トリプシン及びcer遺
伝子を含有する発現ブロックヲンを、pTG767中へ導入
し、Bgl II及びSst Iで切断し、ホスファターゼで処理
する。 得られるプラスミドpTG7914は、dap D遺伝子、cer遺
伝子及びアルファ−1抗トリプシン発現ブロック(Arg
358)を含有する(第17図)。 また本発明は、下記の態様を包含するものである。 (1)dapD遺伝子の変異体を含む細菌であって、且つイ
ンタクトなdapD遺伝子、産業上有用な蛋白質をコードす
る遺伝子及び宿主細菌中で配現を確保するための要素を
包含するプラスミドベクターによって形質転換されてな
る細菌。 (2)dapD染色体の変異が、少なくともdapD遺伝子の一
部の欠失であり、プラスミドベクターがインタクトなda
pD遺伝子を含有するものであることを特徴とする(1)
記載の細菌。 (3)欠失がdapD遺伝子の全欠失であることを特徴とす
る(2)記載の細菌。 (4)プラスミドベクターがモノマー状態を保持する配
列を有するものである(1)乃至(3)のいずれかに記
載の細菌。 (5)上記配列が“cer"配列であることを特徴とする
(4)記載の細菌。 (6)宿主細菌がE.coli株であることを特徴とする
(1)乃至(5)のいずれかに記載の細菌。 (7)産業上有用な蛋白質が、ヒルジン、γ−インター
フェロン、カテコール2,3−オキシゲナーゼ及びα−ア
ンチトリプシンからなる群から選択されるいずれかであ
ることを特徴とする(5)又は(6)記載の細菌。 (8)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌を培養
し、産業上有用な蛋白質を回収することを特徴とする産
業上有用な蛋白質の製造方法。 (9)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌であっ
て、その産業上有用な蛋白質の発現をコードする遺伝子
がカテコール2,3オキシゲナーゼをコードする遺伝子で
ある細菌を、完全培地中で培養することを特徴とするカ
テコール2,3−オキシゲナーゼの製造方法。 (10)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌であっ
て、その産業上有用な蛋白質の発現をコードする遺伝子
がヒルジン又はその天然もしくは人工的な変異体のいず
れか一つをコードする遺伝子である細菌を完全培地中で
培養することを特徴とするヒルジン類の製造方法。 (11)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌であっ
て、その産業上有用な蛋白質の発現をコードする遺伝子
が、γ−インターフェロンをコードする遺伝子である細
菌を完全培地中で培養することを特徴とするγ−インタ
ーフェロンの製造方法。 本発明の代表的菌株の寄託 下記菌株は、パリ リュ デュ ドクトル ルー25の
コレクシオン・ナシオナル・ド・クルチュール・デ・ミ
クロオルガニスム(Collection Nationale de Cultures
des Microorganismes、National Collection of Micro
bial Cultures)に寄託された。 (1)TGE7615/pTG7671 寄託番号I−586 (2)TGE7615/pTG771 寄託番号I−585 (1)(2)いずれも寄託日は1986年7月25日であ
る。 (3)TGE7214、dap D遺伝子を欠失されたコリ(coli)
株 寄託番号I−652 (4)TGE7303、dap D遺伝子を欠失されたコリ株 寄託
番号I−653 (上記2つの菌株は、dap D及びcer遺伝子を含有する
プラスミドpTG768で形質転換されている。) (5)TGE7214/pTG7404、C2,3Oの発現プラスミドで形
質転換されたdap D株 寄託番号I−655 (3),(4)いずれも寄託日は1987年3月10日であ
り、(5)の寄託日は1987年4月3日である。 参考文献 1. ジョーンズ アイ.エム(Jones I.M.)、プリム
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f Bacilli)309−319(1984)。
際に適用してみると、一般に組換えプラスミドが不安定
であるという問題がある。 実験室で通常用いられるクローニング及び発現ベクタ
ーは、通常マルチコピープラスミドであり、それらの後
代への安定した伝達は1つの細胞ゲノムあたりの多数の
プラスミドにより確保される(ジョーンズ(Jones)ら,
1980)。しかし、外来遺伝子のこれらのプラスミドへの
導入は、バクテリアの増殖サイクルの期間に種々の程度
の不安定性をもたらす。従って、工業的生産工程では、
1000の培養物が必要であり、50世代以上の世代交替後
の1016個以上の細胞が必要となる。従って、バクテリア
中のプラスミドの存在、惹いては外来分子(foreign mo
lecule)の発現を確実にするために、醗酵器内での培養
が終了するまでバクテリア中のプラスミドを安定化させ
ることが必須である。 抗生物質に対する耐性をコードを遺伝子を組み込むこ
とによりプラスミドを安定化させることは、実験室で通
常行なわれているが、下記の如き理由で、工業的スケー
ルでは適用できない。即ち、 抗生物質耐性菌株の使用は、環境に対して危険を呈す
る可能性がある。 培養中に必要な抗生物質の量は生産コストを有意に増
加させる。 構成物質の使用は、ヒト及び動物の治療で用いられる
物質の生産においては考えられない。 従って、組換えプラスミドを保有するバクテリアの選
択のために他の方法を開発することが必要である。既に
使用されている数種のモデルは、同一の原理に基づいて
いる。即ち、宿主の欠失を補う性質をコードするプラス
ミドの不存在下に宿主細胞が増殖することを防ぐため、
宿主細胞に突然変異(栄養素要求性突然変異又はバクテ
リアに対して致死的な遺伝子の導入)を起こさせるもの
である。 例えば、スコグマン(Skogman)及びニルソン(Nilso
n)(1984及び1985)はプラスミドにより保有されるval
S遺伝子による温度感受性val Sの突然変異の相補性(c
omplementation)を用いた。このモデルは、トリプトフ
ァンオペロンを保有するプラスミドの安定性は非許容温
度下で200世代後も完全である。一方、非選択温度条件
下(30℃)では、各世代に1.2%のプラスミドの消失が
観察される。 ミワ(Miwa)等(1984)は、宿主株として、ストレプ
トマイシン依存性(Smdを大腸菌(E.coil)突然変異
体、及び表現型Smdを不顕化してストレプトマイシン非
依存性株とする遺伝子を有するプラスミド(SmR株のrps
l)を用いて、99%以上のプラスミド安定性を確立し
た。 ハーシュバーガー(Hershberger)及びロステック(R
osteck)(1984)は、リプレッサーが欠失されているプ
ロファージλを溶原化するバクテリアを作った。該細胞
は、λc Iリプレッサーを有するプラスミドの存在下で
のみ細胞溶解を免れることができる。 新規な選択モデルを、dap+プラスミド遺伝子と染色体
突然変異体dep-との相補性に基づき、開発した。該モデ
ルはプラスミドを有する細胞のみの生存を確保するもの
である。 ジアミノピメリン酸(DAP)は、バクテリア細胞壁の
成分であり、又アスパラギン酸塩からリジンを生合成す
る過程での中間体でもある。DAP生合成のための酵素が
欠失している細胞株は、最少培地では増殖できない。リ
ジンを培地へ添加すると増殖を開始するが、しかし、細
胞膜にDAPを取り込まない細胞の溶解をすぐにもたらす
(ワーク(Work)1950−デービス(Davis)等、197
3)。 DAP生合成のための酵素の欠失は、プラスミド上に、
特に生産されるべき外来蛋白の発現ベクター上に、対応
する遺伝子を導入することにより補償することができ
る。バクテリアが該プラスミドを失う場合、該バクテリ
アはdap-となり、もはや増殖できなくなる。このモデル
は、DAPを含有しない任意の培地、即ち工業的スケール
の生産に使用される任意の培地或いはリジンが添加され
た任意の最少又は富培地にも適用できるという利点を有
する。 又、このシステムはDNA、RNA又は蛋白質の合成を妨げ
ないという利点がある。 dap D-株(テトラヒドロピコリン酸−N−コハク酸転
移酵素に対応する、リジンの生合成過程の9種の遺伝子
の1つ、遺伝子Dが欠失している)が構築され、通常用
いられる発現プラスミド(プロモーターPLのコントロー
ル下に発現する遺伝子を有する)上のdap D遺伝子が導
入される。選択条件下で該プラスミドは少くとも150世
代安定である。 リジンの生合成のための酵素をコードする他の遺伝子
(dap A)のプラスミド上でのクローニングは、リジン
の生産増加を目的として既に実施されている(ダウスー
ル レヴェレンド(Dauce Le Reverend)等1982)。し
かし、該文献の著者等は、プラスミドの安定性をコント
ロールすることは出来なかった。 大腸菌のdap D遺伝子は、プラスミドpBR322中に既に
クローン化されており、そのヌクレオチド配列はリチャ
ウド(Richaud)等(1984)により公表されている。し
かし、この研究の目的は遺伝子dap Dの調節を研究する
ことにのみあった。 この理由で、本発明はバクテリア中に含まれるプラス
ミドベクターを安定化させる方法であって、該バクテリ
アがdap-染色体変異を含み、上記プラスミドベクターは
dap+遺伝子を有することを特徴とする方法に関するもの
である。 dap-染色体変異の内でも、dap D-を用いることが望ま
しい。しかしDAP生合成のための酵素をコードする他の
遺伝子も、対応する遺伝子を保有するベクタープラスミ
ドを用いる限り使用できる。dap D-株の場合、プラスミ
ドに挿入されるべき遺伝子dap Dである。 dap安定化システムは、蛋白質の発現を妨げない。従
って、どのような発現ベクターをも用いることができ
る。 dap D+プラスミドと染色体の変異されたdap D遺伝子
との間の相同性組換えの可能性を回避するためには、da
p D遺伝子を染色体から実質的に欠失させることが望ま
しい。 従って、より詳しくは、本発明は、上述のようなバク
テリアに含まれるプラスミドベクターを安定化させる方
法であって、dap染色体変異がdap D遺伝子の少くとも一
部の欠失であり、プラスミドベクターがインタクトなda
p D遺伝子を有することを特徴とする方法に関するもの
である。 いかなる組換えをも回避するためには、dap D遺伝子
の完全な欠失が最も好ましい解決法であることは明らか
である。 しかし、選択システムは、それがいかに強力であって
も、プラスミドの内在的な不安定性を克服することはで
きない。このため、遺伝学的方法により発現ベクターの
安定性を増大させるためには、該ベクターをモノマー状
態に維持する配列、特に、“cer"配列をベクターに導入
することができる。 上記“cer"(サマーズ(Summers)及びシャーラット
(Sherrat),1984)は、いかなる蛋白質もコードせず、
これが存在するとプラスミドをモノマー状態に維持する
ことを促進させる要素である。プラスミドが多量体(mu
ltimer)を形成する場合、嬢細胞(daughter cells)に
分配され得るユニット数が減少し、プラスミドを持たな
い細胞が得られ易くなる。従って、cerはモノマー状態
にプラスミドを維持することにより、プラスミドを間接
的に安定化させる。 従って、本発明は産業上有用な蛋白質をコードする遺
伝子及び宿主バクテリア中で遺伝子を発現させる要素を
更に有するプラスミドベクターに関し、特に、ヒルジン
又はその天然或いは合成変異型(variant)の1つ、カ
テコール2,3−オキシゲナーゼ(以下、C2,3Oともい
う。)、インターフェロン−γ又はα−アンチトリプシ
ンをコードする遺伝子、これらの種々のベクターにより
形質転換された細胞株、及び該形質転換株を完全培地中
で培養し、培養後に蛋白質を回収することによる工業的
蛋白質の製造法に関する。 以下の記載において、発現システムはファージγの左
向きのプロモーターPLを含有する。しかし、本発明のバ
クテリア中で活性であるのは別のプロモーターであって
もよい。異種蛋白質(heterologous protein)の発現要
素について完全な記載を行なっていないのはこのためで
ある。この種のプラスミドは現在広く知られている。単
に、dap D又は他の遺伝子をプラスミドベクターの非本
質的部位に挿入することが望ましい。 本発明のプラスミドは、dap D-とされた任意の大腸菌
株を形質転換するのに使用することができる。 本発明の方法によれば、発現プラスミドが完全培地中
で、例えば抗生物質による選択圧、又は特定のアミノ酸
を含有しない培地を必要とせずに安定である細菌株が得
られる。更に、本発明の方法はプラスミドを失ってしま
ったバクテリアに対し、対向選択(counter selectio
n)を及ぼす。 従って、本発明は、また、dap+遺伝子及び産業上有用
な蛋白質の発現を確実にする要素を持つプラスミドベク
ターにより形質転換された菌株、特にdap-大腸菌株(E.
coli)に関するものでもある。 又、本発明は、バクテリアから産業上有用な蛋白質を
製造する方法であって、本発明のプラスミドにより形質
転換されたバクテリアを完全培地中で培養することを特
徴とする方法にも関する。該プラスミドは、更に該蛋白
質の遺伝子及び宿主パクテリア中でのこの蛋白質発現の
ための調節シグナルを有する。 下記実施例は、dap-バクテリア中でdap D遺伝子を有
するプラスミドの安定性を、Ampr遺伝子を有するプラス
ミドと比較して示すものである。 更に、dap D遺伝子を保有するこれらプラスミドは、
ヒルジン及びインターフェロン−γをコードする遺伝子
を発現するために用いることもできた。 これら2種の遺伝子はファージλプロモーターPLの制
御下に置かれており、宿主大腸菌は温度感受性リプレッ
サーCI857を有する。このシステムは、温度を挙げるこ
とにより、PLによりコントロールされた遺伝子の発現を
誘導(induce)する。 リプレッサーCI857を有する大腸菌株TGE900をdap D-
になるよう変異させ、菌株TGE7615又はTGE7214を得た。
また、株N5969を変異させ、TGE7303とした。 次いで、下記プラスミドを添付図面に従い調製した: 第6図は、pDB6のHind III−BamH Iフラグメントの制
限地図を示す。 第7図は、M13mp8におけるpDB6のPst I挿入物及び導
入されたEcoR I部位の概略図である。 第8図は、pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントの制限
地図を示す。 第9図は、種々の菌株の染色体DNAにおけるdapの遺伝
子の欠失を“サザンブロット(Southern blot)”オー
トラジオグラフィーにより示すものであり、 第9A図において、 プローブ=pTG47のEcoR Iフラグメントにより保有され
るKanR遺伝子 バンド6−9 Pst Iで切断されたDNA 10−14 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド6及び10=株GC4540 7及び11=TGE7213 8及び12=TGE7214 9及び13=TGE901 14=pDB6 15=分子量マーカー 第9B図において: プローブ=M13TG620のEcoR Iフラグメントにより保有さ
れたdap D遺伝子の5′側 バンド4−7 Pst Iで切断されたDNA 8−11 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド4及び8=株GC4540 5及び9=TGE7213 6及び10=TGE7214 7及び11=TGE901 バンド13=分子量マーカー 1及び12=Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断
されたpDB6 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM1STG597 第9C図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントによる保
有されるdap Dの遺伝子の側方(flanking)領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株GC4540 5= TGE7213 6= TGE7214 7= TGE901 バンド8=分子量マーカー 1=Pst Iで切断されたpDB6のBamH I−Hind III
断片 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM13TG597 第9D図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl II断片による保有される
dap D遺伝子の側方領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株RH5345 5=RL58 6=TGE7615 1,2及び3(第9C図におけると同様) 7=分子量マーカー 第10図は、pTG790についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第11図は、pTG792についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第12図は、pTG7922についてのダイアグラムと制限地
図を示す。 第13図は、pTG769についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第14図は、pTG7406についてのダイアグラムと制限地
図を示す。 第15図は、クーマシーブルー (Coomassie blue)で顕現化して行なった、TGE7213/pT
G7407により合成された蛋白質のSDSポリアクリルアミド
ゲル電気泳動を示す。 バンド1、8=分子量マーカー バンド2〜5=30℃で4時間(2及び3)又は7時間
(4及び5)の培養 バンド6−12=42℃で4時間(6,11及び12)又は7時間
(7,9及び10)の培養 C=不溶性フラクション;20μ S=可溶性フラクション;40μ 第16図は、pTG7675についてのダイアグラム及び制限地
図を示す。 第17図は、pTG7614についてのダイアグラム及び制限
地図を示す。 方 法 特に断らない限り、各種酵素は公知の方法に従って用
いられる。 形質転換 コンピテント細胞がハナハン(Hanahan)(1983)の
方法に従って製造された。その受容能は、細胞株RL58で
104〜105形質転換体/μgDNであり(ボレン(Bollen)
等、1979)、TGE7615、TGE7214又はTGE7303株で105〜10
6形質転換体/μgDNである。 一般に、細胞株に導入されるべきプラスミドを含有す
るDNA試料の適当に希釈された1〜10μ溶液を、コン
ピテント細胞株のストック0.2mlに添加する。該コンピ
テント細胞を0℃で、15分間DNAと反応させ、次いで37
℃で90秒間インキュベートする。5分間0℃に戻し、LB
培地0.8mlを添加する。細胞株RL58又はTGE7615について
は、該培地は8γ/mlの割合でDAPを含有していなければ
ならない。このことは、dap D-細胞の増殖に必要であ
り、dap D遺伝子を持つプラスミドを含有している細胞
についてさえも必要である。細胞は一般に強く撹拌しな
がら30℃でインキュベートされる。(但し、プラスミド
がプロモーターPLを有しない場合は37℃に保持され
る)。インキュベーション時間は60分間であるが、株TG
E7615を30℃で培養する挙培は90分間に延長できる。 次に、決められた容量(0.1ml)をLB固体培地上に塗
布する。アンピシリン耐性のための遺伝子を有するプラ
スミドの場合、クローンは10γ/mlのアンピシリンを添
加することにより選択される。dap D遺伝子を有するク
ローンは概してdap D-である培養物から、他の添加物を
含有しないLB培地上で選択される。ディッシュは、30℃
で24時間インキュベートされる。次いで、コロニーをつ
まようじで3mlのLB培地に移し、30℃で一夜増殖させた
後、プラスミドを単離し、適当な制限酵素で消化後、ア
ガロースゲル上でその構造を確認する。 dap D遺伝子を有するプラスミドは、dap D-変異を保
有する任意の大腸菌(例えばRL58、TGE7615、TGE7214又
はTGE7303)中で形質転換することができる。該プラス
ミドが更にバクテリアファジγプロモーターPLを有する
場合は、プラスミド上又は染色体のいずれかでバクテリ
アファジーγリプレッサーcI857或いはcI及びRec突然変
異(例えばRecA441)を発現するdap D-大腸菌株中で必
然的に形質転換されねばならない。 実施例1 大腸菌株TGE900における変異されたdap D-遺伝子の導入 大腸菌宿主TGE900を既知のdap D-変異株RL58と接合
(conjugation)させて、dap-とした。 株TGE900はゴッテスマン(Gottesman)等(1980)に
より記載された株N4830の誘導体であり、その特性は、
次の如くである: su- F- his ilv bio(λ cI857Δ Bam Δ HI)S
mr。該株は、外来遺伝子がγプロモーターPLの制御下に
おかれている発現ベクター用の宿主として一般に用いら
れている。これは、該バクテリアが有する温度感受性リ
プレッサー(λc I857)を不活性化させる温度上昇(37
℃以上)により、自由に発現を誘導できるものである。 dap-RL58(met B dapD2 met D279 Hfr P4 X)
株は、ボレン(Bollen)等(1979)により記載されてい
る。 この菌株を出発原料として、トリメトプリム耐性の自
然突然変異体が選択された(トリメトプリム2ガンマ/m
lを含有するデッシュ上に該菌株を塗り広げ、4ガンマ/
mlのトリメトプリムを含有する培地より選択されたコロ
ニーの耐性を確認した後に)。事実、この耐性をコード
する遺伝子は、dap D-突然変異に充分類似しているの
で、接合後、受容株がトリメトプリム耐性となった場合
は、それは同時にdap D-ともなる。 耐性菌株はTGE755と称された。その特徴はHfr dap D
- Tmprである。 TGE900株(F- Smres dap+)及びTGE755の接合後(1
5分間後に停止)、DAP、ストレプトマイシン及びトリメ
トプリムを含有する最少培地に塗布することにより、Sm
r Tmprコロニーが選択される。選択された株のdap-の
性質及びDAPを含有する最少培地中の親株(his ilv)
における栄養素要求性変異の存在が、LB培地上で確認さ
れる。 一つの菌株(his ilv dap-)が選択された: TGE7615。 実施例2 大腸菌dap D遺伝子を有するプラスミドベクターの構築
(第1図) a)12の制御部位をもつポリリンカーを有する多回使用
のクローニングプラスミドの構築 構築は、ヌクレオチド1089から2491を除去することに
より、pBR322から誘導されたpML2プラスミド(ラスキー
(Lusky)及びボッチャン(Botchan),1981)を出発物
質として開始した。該プラスミドはpBR322の複製起点及
びβ−ラクタマーゼ遺伝子(アシピシリン耐性)を有し
ていた。 Pst I酵素認識配列は、エタンスルホネートで誘発さ
れたPst I゜突然変異(ヴイエィラ(Vieira)及びメシ
ング(Messing)、1982)を有するpUC8のAha III−Aha
IIIフラグメントを、pML2の2つのAha III部位の間に挿
入することにより除かれた。これにより、pML2のから16
塩基対が欠質される。得られたプラスミドpTG190は、pU
C8のPst I゜変異を保有する Bgl IIリンカー(5′−dCAGATCTG−3′;コラボラ
テイブ リサーチ(Collaborative Research))を、
ラセ(Lathe)等(1984)により記載された“リンカー
テイリング”(linker tailing)法により、Nru I部
位にのみ挿入した。得られた構築物は、pTG191である。 pTG191を、EcoR ・I及びBgl IIで開環し(これはテ
トラサイクリン耐性遺伝子を欠失する)、12の制限酵素
認識配列を含有するポリリンカーを持つファージM13TG1
31(キーニー(Kieny)他、1983)のEcoR I−Bgl IIセ
グメントと再リゲートした。 得られたプラスミドは、pTG192である。 b)pTG192pTGにおけるdap D遺伝子のクローニング 大腸菌のdap D染色体遺伝子をプラスミドpACYC184内
に挿入し、pDB6を得た(ベンディアク(Bendiak)及び
フリーセン(Friesen)、1981)。該dap D遺伝子を、1.
3−kb Alu Iフラグメントの形でpDB6から回収し、pTG19
2のEcoR I部位に挿入した(EcoR I末端は、DNAポリメラ
ーゼIのクレノー(Klenow)フラグメントで予め処理さ
れ、修復されている)。 得られたプラスミドより、単一のEcoR I部位が再構築
されているpTG764を選択する。こうして、pTG764は、da
p D遺伝子及びpTG192の(当初はpUC8の)アシピシリン
耐性遺伝子を持つ。 実施例3 dap D及びAmpr遺伝子を有するヒルジンの発現プラスミ
ド(第2図) フランス国特許第84104755号に記載のpTG720のプラス
ミドは、λプロモーターPLのコントロール下にあるヒル
ジン遺伝子を本来有する。 プラスミドpTG720をBgl II及びBgl Iで消化し、ヒル
ジン遺伝子及びampr遺伝子の一部を保有する2.74−kbの
フラグメントを得る。該フラグメントをホスファターゼ
で処理し、dap D遺伝子及び上記ampr遺伝子のもう片方
のフラグメントをプラスミドpTG764のBgl II−Bgl Iフ
ラグメントと再リゲートする。得られたプラスミドpTG7
71は、再構築された完全なampr遺伝子、dap D遺伝子及
びヒルジンをコードする遺伝子を含有する。 該プラスミドにより形質転換されたTGE7615のコロニ
ーをLB培地(dap+性に対する選択)又はLB+アンピシリ
ン培地上で選択する。 誘導(induction)後、上記形質転換体は、ヒルジン
を産生する。 実施例4 dap D遺伝子を含有し、Ampr遺伝子を含有しないヒルジ
ンの発現プラスミド(第3図) 出発プラスミドはpTG771である。 Amprをコードする遺伝子の3′末端を含有する小さな
フラグメントを除去するため、Aha IIIで消化を行な
い、EcoR I“リンカー”(CCGAATTCGG)の存在下リゲー
ションによりプラスミドを再び閉じる。 こうして、プラスミドpTG775を得る。 EcoR I消化後、リゲーションにより、Amprをコードす
る遺伝子が完全に除去される。 こうしてプラスミドpTG776を得る。 このプラスミドにより形質転換されたバクテリアTGE7
615は、無添加のLB培地上で選択される(dap+に対する
選択)。 誘導後、この形質転換株はヒルジンを産生する。 実施例5 dap D遺伝子を有し、Amprを有しないプラスミドの構築
(第4図) 出発プラスミドは、プラスミドpTG192である。 Sma I及びAha IIIで消化し、ホスファターゼで処理
後、0.95−kbのベクターフラグメントを単離し、dap D
遺伝子を含有するpDB6の1.3−kb Alu Iフラグメントと
リゲートする。従って、ampr遺伝子は完全に欠失され
る。TGE7615株をこの新しいプラスミドで形質転換し、L
B培地上で選択を行ない、dap D遺伝子を保有するクロー
ンを得る。 2つのオリエンテーション(orientation)でdap遺伝
子を含有するプラスミドが得られる。挿入物のオリエン
テーションはPst Iによる消化により決定できる。選択
された下記2種のプラスミドについて: pTG766は1.34−kb及び0.9kbのフラグメントを遊離
し、 pTG767は、1.85−kb及び0.4−kbのフラグメントを遊
離する。 dap D遺伝子を保有するインターフェロン−γの発現プ
ラスミド(第5図) pTG40(PED)(EP−A−0146462)プラスミドは、1.2−
kbのHind IIIフラグメント上に、プロモーターPLのコン
トロール下にあるインターフェロン−γ遺伝子を持つ。 Hind IIIによる消化後、このフラグメントを回収し、フ
ォスファターゼで予め処理されたpTG767のHind III部位
に挿入する。リゲーション後、TGE7615を形質転換し、d
ap D遺伝子の存在に対する選択をLB培地上で行なう。反
対のオリエンテーションで挿入物を保有する2つのプラ
スミドが選択される: pTG7671(複製起点の近傍に且つ同一オリエンテーシ
ョンでPLを有する)及びpTG7672 これらプラスミドにより形質転換されたTGE7615バク
テリアは、無添加のLB培地上で選択できる(dap+性につ
いての選択)。 誘導後、上記形質転換株は、インターフェロン−γを
産生する。 下記実施例は、本発明に従って形質転換された菌株の
特性を示すものである。 dap D遺伝子を有する全てのプラスミドは、TGE7615株
中にあり、その他はTGE900株中にある。 種々のプラスミドの安定性が適当な培地中で試験され
た。 “選択培地”とは、本発明のプラスミドの場合はLB培
地のことであり、プラスミドpTG720及びpTG40の場合はL
B+アンピシリン培地である。 “非選択培地”とは、本発明のプラスミドの場合はLB
培地+DAPであり、他のプラスミドの場合はLB培地であ
る。 110世代に亘る安定性の試験を、バクテリアの希釈と
増殖を数度繰返し行なう。この増殖期の終わりに、プラ
スミドの安定性を下記のように測定する: 培養物中の生菌数を適当に希釈して、非選択性寒天培
地内の細胞を計数することにより測定する; 増殖時の後、これらコロニーの有意な試料を選択及び
非先端寒天培地に移し、プラスミドをロスしたコロニー
の百分率、即ち選択培地での増殖を測定する。 インターフェロン遺伝子を有するプラスミドについて
得られた結果を第1表に示す。 同様の試験を、LB培地中で170世代に亘るバクテリア
増殖後に、ヒルジンを遺伝子を有するプラスミド及びク
ローニングベクターpTG766について行なった。その結果
を下記に示す。 第1表及び第2表の結果は、下記のことを示す。 1)dapベクターの安定性は、ampr遺伝子を有するプラ
スミドに対して10のファクターで増加する; 2)選択培地と非選択培地との間での相異は最少であ
る; 3)クローニングベクターpTG766及びpTG767は5×10-5
p-/C/世代未満のロスである; 4)pTG40の安定性は、dap+ベクターの安定性よりも有
意に小さい。しかし、この減少は50世代後に特に顕著に
なり、培養の所期段階でのロスはわずか2.5×10-4p-/C/
世代である;及び 5)amprコントロールプラスミドpTG40及びpTG720(各
々インターフェロン及びヒルジン遺伝子を持つ)のロス
は同程度である。経時的なプラスミドのロスは、プラス
ミドがdap D遺伝子を有する場合に減少する(pTG766、7
67、7671及び776)。 しかし、dap D遺伝子及びアンピシリン耐性をコード
する遺伝子を持つプラスミド(pTG771)の安定性は他に
比べて低く、pTG720のそれと同等のままである。この結
果は、アガロースゲル中でプラスミド含量の分析をする
ことにより説明される。即ち、pTG771は四量体を形成す
ることが示され、この現像はプラスミドの分割(partit
ion)に影響を与えロスを増大させる(サマーズ(Summe
rs)とシャーラット(Sherratt)、1984)。更に、より
少ない数の世代(30)に亘る場合、この多量体化現象は
出現せず、計70世代に亘る場合のpTG771のロスは2.8×1
0-4p-/C/世代以下のままである。 従って、dap D遺伝子を有するプラスミドの安定性
は、ampr遺伝子を有するプラスミドに比し増大し、その
ロスは最小となる。 実施例7 37℃又は42℃におけるプラスミドの安定性 プラスミド類がプロモーターPLの制御下にある外来蛋
白質をコードする遺伝子を含む場合には、該蛋白質の発
現を誘導(induce)させることなく、これらプラスミド
類の安定性を調べることは出来ない。それにも拘らず、
作業条件下には、誘導に引き続いて、O.D.が0.3から3.6
に増大し、これは3.6世代に相当することを指摘してお
くべきである。従って、事実、バクテリアは、誘導に先
立って、先行の実施例で既に決定されたロスを伴って、
30℃で最大数の世代を形成しする。 外来蛋白質の発現が生じる場合(例えば、pTG720につ
いてはヒルジン、pTG40についてはインターフェロン−
γ)には、一定時間(2〜4時間)経過後に、90〜95%
の割合の大腸菌培養物の死滅率が観察された。これら
は、プラスミドを含む細胞群である(何故ならば、p-宿
主細胞は、37〜42℃で生育可能だからである)。必然的
に、この死滅率は、生存細胞に対するp-細胞の割合を10
乃至20のファクターで増大させる。生存細胞の全体数が
有意的に減少し、p-細胞が個体数の大きな割合を占める
様になると、p-細胞の増殖が決定され、これがp+/p-比
を有意的に減少させる(例えば、5時間30分及び7時間
後に得られた結果を示す第3表を参照)。 p-/細胞/世代というパラメーターは、p+細胞が最早
増殖しないので、この様な条件下では、その有意を失っ
ていることが明らかである。従って、以下のパラメータ
ーを提案する:即ち、各培養期間に於けるp-細胞のみを
測定するp-/ml/光学密度単位である。更に、これは、2
つの異なる培養物をそのプラスミドのロスについて比較
することを可能とする。このパラメーターは、以下の式
に従って計算される: p-/ml/OD={1-(%p+/100)}×生存細胞/ml/OD. 最後に、若し、このパラメーターが、細胞の全数(現
在の条件下では、4×108である)を基準として表現さ
れるならば、培地中の細胞パーセンテージ(Fp-)を得
ること、及び各期間に於けるp-細胞による培地の汚染度
合いを決定することが可能となる。Fp-は、以下のよう
にして計算される: Fp-=4×108c/ml/OD×100(p-/ml/OD) Fp-は、分子の生産のための培養物が十分に純粋でそ
れ以上の培養に値するか否かを決定することを可能と
し、且つ誘導条件下に異なるプラスミドを互いに比較す
ることを可能とする客観的パラメーターである。 以下の実施例に示す誘導において、生存細胞の数及び
p+のパーセンテージが決定され、次いで、p/ml/OD及びF
p-が計算される。これらのデータは、表として呈示され
る。 実施例8 ヒルジンの誘導 ヒルジン誘導の結果は、先ず、アンピシリン耐性遺伝
子を含むベクターに関して、次いで、dap D遺伝子を更
に含むベクターに関して、呈示する。 1)プラスミドの安定性 a)37℃のLB培地におけるアンピシリン耐性遺伝子を含
むベクター(TGE900/pTG720)内でのヒルジンの発現誘
導 TGE900/pTG720についての代表的な結果を第3表に示
す。 3時間後には、OD単位当たりの生存細胞の数は、p+細
胞の割合とともに、平行的に減少していることが明らか
である。5時間30分後には、Fp-(細胞の全数に対するp
-細胞の%)2.35%のオーダーである。7時間後には、
この数は、二倍となるであろう。おそらくこれは、p-の
成長のみよるものである。 b)37℃のLB培地におけるdap D遺伝子を含むベクター
(TGE7615/pTG771)内でのヒルジンの発現の誘導 第4表に示す結果は、pTG720について得られた結果を
比較し得るものである。 第4表から、以下のことが判る。即ちTGE900/pTG771
について記録された死滅率に匹敵する死滅率を呈してい
るにもかかわらず、プラスミド(%p+)のロスは低い
(5時間後に98%のp+)、これは、p-細胞の絶対量(p-
/ml/OD)についても同様である。5時間後のFp-の量
は、0.04%であり、これは、同一期間におけるpTG720の
割合の1/50以下である。このことは、pTG720に比して、
pTG771がより大きい安定性を有することを示している。
誘導実験において、pTG771は、四量体を形成せず、又、
そのロスは、30℃で170世代に亘り測定されたロス(第
2表参照)よりも小さいものと思われることを指摘して
おく。 結果は、pTG720に比して、プラスミドpTG771の安定性
がより大きいことを示している。 2)プラスミド含有量 誘導期間中に数回に亘り、プラスミドpTG720とpTG771
とを単離した。一般に、誘導の初期段階の対数増殖期
に、細胞当りプラスミド含有量が低いことが観察された
が、時間の経過とともに実質的に増大した。ヒルジン
は、この期間中に生成された。 興味深いことに、このプラスミド濃度の増大は、95%
以上の細胞が死滅した集団で生じていた。 3)誘導された活性 pTG720及びpTG771から得られたヒルジンの活性は、有
意差を示さなかった。その値(アンチトロンビン単位、
ATU)は、誘導5時間後に、pTG720については。2720ATU
/l/ODであり、pTG771については2380ATU/l/ODであっ
た。 結論として、pTG771は、pTG720に比して安定性が大き
く、同時に、対数増殖期の終わりに、pTG720と同じ生産
能及びそのコピー数増大と言う点で同じ特性を維持して
いると言うことができる。 実施例9 ガンマーインターフェロンの誘導 ガンマーインターフェロンの誘導についてのデータ
も、ヒルジンについてと同様にして提示されている。 1)プラスミドの安定性 a)42℃のLB培地におけるアンピシリン耐性遺伝子を含
むベクター(TGE900/pTG40)内でのガンマーインフーェ
ロンの発現誘導 第5表の結果は、プラスミドのロスは、pTG720のロス
と同等であり、5時間後にFp-は6%に増大することを
示している。しかしながら、pTG720とは異なって、生存
の低下は、より急速で、生存細胞数の最小値は、3時間
後にすでに生じている(これに対し、pTG720の場合には
5時間後に観察されている)。更に、培養物の中に存在
するp-細胞は、生存し続け、3時間後にはすでに著るし
く分裂しており、5時間後のこのFp-6%に貢献してい
る。 b)42℃のLB培地におけるdap D遺伝子を含むベクター
(TGE7615/pTG7671)内でのインターフェロンの発現誘
導 LB培地中42℃でのTGE7615/pTG7671発現データを第6
表に示す。第6表から以下のことが明らかである。5時
間が経過するまでは最大死滅率には達しない。この期間
中、%p+は、pTG40についての値(10%)に比肩し得る
がp-細胞の数(p-/ml/OD)は、pTG40について3時間後
に得られた値の1/5である。事実、5時間後には、Fp
-は、0.3%であるのに対し、pTG40についてはFp-は、す
でに6%となっている。従って、20倍にも達するい相違
があり、これは、pTG7671の増大した安定性を反映して
おり、30℃における安定性データを確認するものである
(第1表参照)。 42℃におけるTGE7615/pTG7671誘導条件下に、選択及
び非選択培地中で、プラスミドの安定性は実質上同一で
あった。一方、pTG7671の安定性は、選択の不存在下に
おいても極めて高いものであった。従って、プラスミド
のロスは、極めて満足すべき、工業的スケールでの生産
に適したレベルにまで下げられた。 2)プラスミド含有量 アガロースゲル上でのプラスミド含有量の分析は、プ
ラスミドpTG40及びpTG7671により形質転換された細胞株
が等量の材料を含んでいること、及びこの細胞当りのプ
ラスミド含有量が誘導期間中に時間とともに増大するこ
とを示している。pTG40は、二量体型で存在する(アガ
ロースゲルに示される通り)。 3)dap D遺伝子を含むp+細胞の選択 細胞の主要部分がその生存能力を大巾に低下させたら
直ちに発生しなくなるp-細胞の成育状況を考慮しつつ、
dap Dシステムの選択能を明らかにするために、誘導を
行なった。この誘導期間中に培養物は2時間毎に3回に
亘り5倍に希釈され、その後、定常期に達するまで放置
された。42℃におけるTGE7615/pTG7671誘導の結果は、
選択培地中での生育について第7表に、又非選択性LB+
DAP培地中で成育について第8表に示す。 第8表から、誘導開始9時間後に、選択的LB培地中で
は、全ての生存細胞は、プラスミドを含んでいることが
明らかである(プラスミドの存在は、LB培地中の全数60
のポジティブコロニー(positive colony)中の30コロ
ニーからのミニプレパレーション(mini preparation)
により確認され、アガロースゲル電気泳動によりプラス
ミドが同定される)。これとは対照的に、非選択性培地
中では、生存率は5倍よりも大きいが、培地では、プラ
スミド含有細胞を5%含むのみである。LB培地中よりも
BL+DAP培地中での生存率が高いということは、DAPが加
えられた培地中でのp-細胞の成育、並びにそれ以上に明
確に選択的培地中でのp-細胞の死滅率を示している。従
って、LB培地は、p-細胞の対抗選択を効率よく行なうも
のである。 4)インターフェロンの生産 pTG7671は、原プラスミドpTG40と同様のガンマーイン
ターフェロン産性能を保持している。 実施例10 細菌の染色体からのdap D遺伝子の欠失 2つのPst Iフラグメント上でのdap D遺伝子のサブ−
クローニング プラスミドpDB6とM13mp8をPst Iで切断し、リゲート
する。遺伝子の5′末端及び3′末端を含むM13をこの
領域に対して特異的なオルゴヌクレオチド、TG596(GCG
CTTAATAACGAGTTG)およびTG598(TGTGCATACTTTAGTC)に
より夫々スクリーニングする。候補体としてSB96及びSB
98を選び、所望のフラグメントの挿入を配列決定法によ
り確認する(第6図のダイアグラム参照のこと)。 dap D遺伝子の5′及び3′末端へのEcoR I部位の導
入 点変異によりSB96及びSB98中にEcoR I部位を導入す
る。 SB98には、オリゴヌクレオチドTG597:GTACGCAGGAATTC
CTTAATGCCGを使用する。これは、遺伝子末端の3′領域
と対合するが、推定される転写ターミネーター(assume
d transcription terminator)の前である。 SB96には、オリゴヌクレオチドTG620:AGAGGCCCGAATTC
CAAACGを使用する。これは、dap D遺伝子の推定される
プロモーターの上流側の5′領域と対合する。 形質転換体は、EcoR I部位を導入するに使用したもの
と同じプローブにより分析する。このEcoR Iの存在は、
DNAミニプレパレーションにより、次いて、選ばれたM13
候補体を配列決定することにより確認される(第7図参
照)。 欠失ベクター(deletion vector)の構築 プラスミドpUC−4K(ファルマシア社により市販)の
カナマイシン耐性遺伝子をEcoR Iフラグメントの形態で
回収する。M13TG597及び620をEcoR I及びPst Iにより切
断する。これにより、dap D遺伝子の3′末端(推定さ
れるターミネーターを有しない)及び遺伝子の5′末端
(推定されるプロモーターを有する)を遊離する。 クローニングベクターpTG192(実施例2a参照)をPst
Iにより切断する。 これら全てのフラグメントをリゲートする。5K細胞の
形質転換、及びLB培地+アンピシリン0.1μg/ml+カナ
マイシン0.02μg/ml上への塗布(spreading)後に、コ
ロニーをオリゴヌクレオチドTG596によりスクリーニン
グする。 一つの構築物pTG47を選択する。その構造をDNAミニプ
レパレーションにより分析し、Hind IIIによりプラスミ
ドを消化してカナマイシン耐性遺伝子のオリエンテーシ
ョンを決定する。かくして、5.3kb及び4.0kbの大きさの
2本のバンドが遊離される。pTG47中のカナマイシン耐
性遺伝子のオリエンテーションは、pDB6中のdap D遺伝
子のそれと同じである(他方のオリエンテーションで
は、4.9kb及び4.4kbの大きさのバンドが得られたはずで
ある)。 pTG47についてのダイアフラムを第8図に示す。 染色体からのdap D遺伝子の欠失 中間細胞株からの染色体からのdap D遺伝子の除去を
行なう。 RH5345細胞(その受容能力は、pTG47のDNAのμg当り
2.5×10-7形質転換体に達する)を、予めKpn I及びBgl
IIにより切断したプラスミドpTG47により形質転換させ
る(第8図参照)。 この消化により、dap D遺伝子の側方領域(flankig r
egions)を含むフラグメントが遊離される。該遺伝子自
身は、カナマイシン耐性遺伝子によって置き換えられ
る。 LB培地+DAP+カナマイシン0.01μg/mlへの塗布後置
に、9つの候補が選択される。即ち、TGE721からTGE729
までであり、そのdap-、kanR表現型が確認される。 dap D遺伝子の欠如は、pTG764によるこれら細胞株の
形質転換後に、そのLB培地中での増殖能力により確認さ
れた。 TGE901及びN5969株からのdap D遺伝子の欠失 細胞株TGE721のdap D欠失は、ファージトランスデュ
ーサーPlvir/TGE721により、細胞株TGE901及びN5969内
に形質導入され、dap-組換体は、カナマイシン0.01μg/
mlに対する耐性により選択される。 選ばれた候補、それぞれTGE7213、7214及びTGE7303で
ある。一つの候補、TGE7214については、dap-kanR特性
に加えて、親株TGE901のile、val及びhis要求(require
ments)が適当な培地上で確認された。 実施例11 種々の細胞株における染色体ブロッテイングによるdap
遺伝子の欠失の確認 下記の遺伝子を分析した: 親株TGE901及びrh5345、dap D+; 欠失株TGE7213及びTGE7214; TGE901にdap D-突然変異を導入するのに用いられた親
株RL58、及びそれにより得られたdap D-変異株をTGE761
5; Tn 5の組み込みによるカナマイシンに対し耐性を持つ
GC4540。これに対し、トランスジーン ソシエテ アノ
ニムの株においては、カナマイシン耐性遺伝子はTn 902
由来である(2つの遺伝子は相同性(homology)がない
ため、交差雑種形成(cross hybridization)を起こさ
ないはずである:ベック(Beck)等、1982)。 制限酵素の選択は、pDB6の配列に基づく: BamH IとHind IIIとによる切断は、野生株の場合、da
p D遺伝子及びその側方領域を含有する9−kbの染色体
フラグメントを遊離する。欠失株の場合、耐性遺伝子は
BamH Iによる消化で遊離し、Hind IIIによる消化で2つ
のフラグメントに切断される; Pst Iは、野生型株の場合、各々dap D遺伝子の一部を
含有する2つのフラグメント(5′領域から2.8kb及び
3′領域から3.4kb)を遊離する。欠失株の場合、Pst I
による消化は、カナマイシン耐性遺伝子及び2つの側方
領域(5′側上の2.4kbフラグメント及び3′側上の2.8
kbフラグメント)を遊離する(第6及び8図)。 dap D遺伝子又はその側方領域或いはkanR遺伝子を明
らかにするべく、プローブが選択された: カナマイシン耐性遺伝子を調べるために、該耐性遺伝
子のみを有するpTG47のEcoR I断片(第8図)を単離す
る; dap D遺伝子を調べるため、dap D遺伝子の5′領域の
みを有し、TGE721、7213及び7214中では完全に欠失され
るべきM13TG620の2.4kbEcoR I断片が用いられる(第7
図); 染色体dap D遺伝子及びその側方領域を調べるため、
カナマイシン耐性遺伝子及びdap D遺伝子の側方にある
染色体の2つの領域(5′及び3′側)を有するpTG47
のKpn I−Bgl II断片が用いられる。 従って、下記が明らかにされるものと期待される: 野生株においては、dap D遺伝子の5′領域に対応す
る2.8−kbバンド及び遺伝子の3′領域に対応する3.4−
kbバンド(第6図); 欠失株においては、カナマイシン耐性遺伝子、dap D
遺伝子の側方に尚存在する5′領域(2.4kb)及びdap D
遺伝子の側方に尚存在する3′領域(2.8kb)(第8
図) カナマイシン耐性遺伝子の取り込みの証明 Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断されたGC4540、T
GE7313、TGE7214及びTGE901の染色体DNAを比較し、pTG4
7のEcoR Iフラグメントをプローブとして調べた。 Pst Iは、1.3−kbバンドを遊離する。BamH I及びHind
III制限は、欠失株についてのみ0.7kb及び0.6kbの2つ
のフラグメントを与え得る。TGE901又はGC4540において
は、バンドは認められない(第9A図)。 これらの結果より、カナマイシン耐性遺伝子が欠失株
の染色体に組み込まれ、該遺伝子がpUC−4Kに由来する
ことがわかる。 dap D遺伝子の染色体からの欠失の証明 GC4540、TGE7213、7214及びTGE901の染色体のDNAを、
対照としてM13TG620、M13TG597、、pDB6のBamH I−Hind
IIIフラグメント及びPst Iで切断された同フラグメン
ト(第6図)を用いて、比較する。 染色体DNAは、Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断さ
れる。 EcoR Iで切断されたM13TG620は、dap D遺伝子の5′
側を特異的に含有するバンドから単離され、これをプロ
ーブとして使用する(第9B図)。 Pst Iで消化後、野生株においては、dap D遺伝子の
5′領域に対応する2.8−kbバンド及び予期しなかった
1.7−kbバンドが認められることが判る。 BamH I及びHind IIIで消化後、pDB6由来のバンド(9k
b)よりも大きい約12−kbのバンドが認められる。更
に、付加的な2.5−kbバンドも野生株に存在する(第9B
図)。 欠失株については、どの消化フラグメントにも有意な
相同性(homology)は認められない。 これらの観察により下記のことが判る: dap D遺伝子の5′部分をカバーするプローブは、株T
GE7213及び7214の染色体中のいかなるバンドも明らかに
しない。このことは該遺伝子の5′側の欠失を示す; 野生株においては、dap D遺伝子に特異的な第2のバ
ンドが、予測されたバンドの他にも認めらるため、該遺
伝子はこれらの菌株中では重複していると思われる。 dap D遺伝子の重複は予期されなかったことであった
ので、我々は数種の野生株においてこの重複を確認し、
5′側に加えて3′側からdap D遺伝子の欠失を確認し
た。 Pst Iで消化後、同じ染色体DNA及び対照DNAが用いら
れる(第8図)。 プローブはKpn I及びBgl IIで切断されたpTG47であ
る。上記予期されたバンドの他に、このプローブは少く
とも1.7−kbのバンドを認識するはずである。事実、pTG
47は5′及び3′側からのdap D遺伝子に対し相同性を
有する300bp及び100bpを各々有し、これ等は、欠失株で
も認められねばならない。 第9C図は下記のことを示す。: 2.8−kb及び2.4−kbのバンドは、欠失株で認められ、
3.4−kb及び2.8−kbバンドが野生株で認めらる。加え
て、カナマイシン耐性遺伝子に対応する13−kbバンドが
認められる。このことは、株TGE7213及び7214の欠失を
証明するものである; 重複したdap D遺伝子による2つの強度の弱いバンド
も又、野生株においてのみ現れる。1.7−kbバンドは
5′部について認められることが知られているので、2.
1−kbバンドは3′側より由来したものであるに違いな
い。このことは、これ等株が、欠失株では消失している
重複を有することを証明するものである。 株RH5345及びRL58のPst Iで切断された染色体のDNA
を、TGE901とRL58の接合により得られたdap D-変異株と
比較した。これらDNAは、Kpn I、カナマイシン耐性遺伝
子(何も明らかにしない)を有するpTG47より単離され
たBgl II断片及び遺伝子dap Dの側方にある領域を用い
て調べられた。第9D図は、RH5345において3.4及び2.8−
kbのバンドのみが認められ、GC4540及びTGE901に存在す
る遺伝子の重複によるバンドは認められないことを示
す。更に、7−kbバンドのみが、RL58及びTGE7615につ
いて認められ、このことはPst I部位の欠失を示す。こ
れにより、これら2つの変異株が同一であり、少くとも
dap D遺伝子のPst I部位において影響を受けることが証
明されている。 結論として、これらの実験は下記のことを示す: 株TGE7213及び7214は、dap D遺伝子を欠失き、カナマ
イシン耐性遺伝子を有する; RL58及びTGE7615のdap D-突然変異は少くともdap D遺
伝子のPst I部位に存在する; いくつかの大腸菌株はdap D遺伝子の重複があり、こ
の重複は欠失株では認められない。 受容株の2つのdap D遺伝子は、形質導入により欠失
するので、重複遺伝子は、第一のdap D遺伝子と近接
(大腸菌の染色体地図上の2′未満)している。 実施例12 cer遺伝のクローニング cer遺伝子をCol E1プラスミド(その配列はチャン
(Chan)等(1985)により公表されている)より1.85−
kb Hae IIフラグメントの形で回収する。 その後、Hae IIフラグメントをHpa IIで切断し、クレ
ノーで処理し、0.4−kbバンドを回収する。M13mp130をE
coR Vで切断し、ホスファターゼで処理する。Col E1の
0.4−kbフラグメントをM13mp130にリゲートし、株JM103
に導入する。Col E1cerフラグメントの存在は、Sma I
及びHind IIIで切断されて遊離した0.4−kbバンドの配
列決定により確認された。 M13mp131のポリリンカー中に挿入されたcer遺伝子
を、Sma I及びHind IIIによる消化後単離し、Bgl IIで
切断したpTG720ベクター(ヒルジン遺伝子を有する、第
2図)にリゲートし、クレノーで処理す。得られたプラ
スミドがpTG720cerである。 実施例13:cer遺伝子及びdap D遺伝子を含有するクロー
ニングベクターの構築 cerアンピシリン耐性をコードするベクターにおけるM
13mp131ポリリンカーのオリエンテーションの逆位(inv
ersion) pTG192(第1図)をEcoR I及びBgl IIで切断しM13mp1
31ポリリンカーを遊離させ、Hae III消化により短くす
る。例えば、pTG730(フランス特許86/16,723に記載
の、ヒルジンの発現ベクター)等のアンピシリン耐性遺
伝子を含むプラスミドを用いる;このプラスミドは、Bg
l II及びEcoR Iで切断され、pTG192のEcoR I−Bgl IIフ
ラグメントに結合(ligate)される。こうして、pTG730
のヒルジン構造遺伝子とPLを含有する発現ブロックが失
われ、M13mp131ポリリンカーで置換される。この新しい
プラスミドをpTG790と呼ぶ(第10図)。 フラグメントのクローニングベクターへの導入 pTG790をSst I及びKpn Iで切断し、ホスファターゼで
処理する。この消化により得られるフラグメントは、pT
G720cerにリゲートされ、Sst I及びKpn Iで切断され
(これにより、cerフラグメントが遊離される)、Bgl I
I消化により短くされる。得られるベクターpTG792は、c
erフラグメントを含有する(第11図)。 dap D遺伝子のcerフラグメント含有ベクターへの導入 pTG792をEcoR Iで切断し、クレノウ(Klenow)及びホ
スファターゼで処理する。得られるフラグメントと、da
p D遺伝子を含有するpDB6由来の1,3−kb Alu Iフラグ
メント(第6図)とをリゲートる。2つのプラスミドpT
G7922及びpTG7923が得られる。両者は、2つのEcoR I部
位間に位置するdap D遺伝子のオリエンテーションにお
いてのみ異なる。pTG7922に関しては、上記3つの遺伝
子即ち、複製起源、アンピシリン耐性及びdap Dの各遺
伝子用のプロモーターが同一方向に配向している(第12
図)。 アンピシリン耐性遺伝子の欠失 下記構築法は、複数の目的を有する。即ち、 −dap D遺伝子を含有するベクターからアンピシリン耐
性遺伝子を欠失させること、 −cer遺伝子を含有するdap Dクローニングベクターを得
ること、 −M13mp131ポリリンカー(cerのクローニングに用いら
れたEcoR Vがない)を含有するdap Dクローニングベク
ターを得ること、及び −単一EcoR Iを有するdap Dベクターを得ること。 Pst Iフラグメントを、夫々dap D遺伝子の3′及び
5′部分及びcer遺伝子を含有するpTG7922及びpT7923か
ら回収し、これを類似しているが、EcoR I又はAva I部
位又はcerを有しないフラグメントを含有するdapベクタ
ー中に導入する。この類似するベクターは、夫々前記pT
G767及びpTG766である。 即ち、pTG7922及びpTG7923をPst Iで切断し、Bgl II
消化により短かくし、Pst Iで切断されたホスファター
ゼで処理されたpTG767及びpTG766に夫々リゲートする。
得られるクローニングベクターは、夫々pTG769及びpTG7
68である(pTG769を第13図に示す)。 実施例14:カテコール2,3−オキシゲナーゼ(C2,3O)
用の発現ベクター構築へのdapモデルの応用 C2,3Oの上流のBamH Iを有しないベクター C2,3Oの構造遺伝子を上記dapベクターpTG7671中へ
導入すべく、pTG444から回収する。 pTG444は、非再生Xma III部位を除けばツコウスキー
(Zukowski)ら(1984)により記載されたpTG445と同一
である。pTG444をBamH I及びHind IIIで切断し、BamH I
及びHind IIIで切断されたホスファターゼで処理された
pTG769にリゲートする。得られるプラスミド、即ちpTG7
401は、C2,3Oの構造遺伝子を含有しない。 pTG7671は、2つのBgl II部位、即ち、ポリリンカー
のPL形成部の上流の部位及びリボソーム結合部位中に位
置するPLの下流でγ−インターフェロンの構造遺伝子の
上流の部位を有する。pTG7671をBgl IIで切断し、Kpn I
消化により短くする。得られる混合物をpTG7401にリゲ
ートし、Bgl II及びBamH Iにてそのポリリンカーにおい
て切断し、ホスファターゼで処理する。Bgl II部位は、
このリゲーションにより再構成されるが、Bgl II部位に
リゲートされたBamH I部位は失われる。C2,3Oの構造
遺伝子について、PLの2つのオリエンテーションが可能
である。C2,3OがPLの制御下にある構造を区別するた
めに、BamH I及びBgl IIを用いて切断を行なう(事実、
所望のオリエンテーションに関しては、BamH I部位がBg
l II部位の近傍に存在し、実際上、消化により4,3−kb
のバンドのみが得られるであろう。また、他のオリエン
テーションにおいては、消化により3,9−kbのバンドと
0,4−kbのバンドが遊離される。 PLの制御下にあるC2,3Oを有する、選択されたプラ
スミドpTG7407は、下記に示すpTG7406(第14図参照)と
近似した構造を有するが、C2,3Oの上流のBamH I部位
を失っている。 C2,3Oの上流のBamH Iを有するベクター pTG769をBgl II及びBamH Iで切断し、ホスファターゼ
で処理し、λの完全なN遺伝子及びPLを含有する任意の
発現プラスミド(pTG907)のBamH I−Bgl IIフラグメン
トにリゲートする。構築物pTG7400が得られるが、これ
はBamH I及びBgl II切断により2.6−kb及び1.3−kbの2
つのバンドを遊離することにより同呈される。この構築
物は、PL及び完全なN遺伝子を含有する。 次いで、上記pTG7400はHpa Iで切断し、リン酸化され
ハイブリダイズされたBamH Iリンカー、CCGGATCCGG(ベ
スセダ リサーチ ラボラトリー(Bethesda Research
Laboratory)により市販されている)をその中へ挿入す
る。こうして、Hpa I部位を失ったが2つのBamH I部位
を含有するpTG7402を得る。 該pTG7402をBamH Iで切断し、再リゲートとしてpTG74
04を得る。この方法により、1つのBamH I部位を除去
し、N遺伝子を切形(truncate)する。 C2,3O遺伝子のdap−cerベクターへの導入 上記pTG7402をBamH I及びHind IIIで切断し、ホスフ
ァターゼで処理し、pTG444のBgl II−Hind IIIフラグメ
ントをその中へ導入し、pTG7406を得る(第14図参
照)。これは、pTG7407と比べると、C2,3O遺伝子がBa
mH I−Hind III切断により除去されてpTG444から導入さ
れたフラグメントが回収される点において異なってい
る。 プラスミドpTG4707により形質転換されたdap-イー.
コリ(E.coli)株中でのC2,3Oの発現 バクテリアTGE7213/pTG7407中でのC2,3O遺伝子の発
現を、30℃にて4時間及び7時間培養後に及び4時間及
び7時間後に42℃にて誘導中に観察した。夫々の観察の
ため、サンプルを培養物から回収し、遠心分離し、ペレ
ットをリン酸塩緩衝液で洗浄し、同緩衝液中にとり(ツ
コウスキー(Zukowski)ら、1983に記載の方法に従
う)、次いて、超音波で3回20秒間処理する。 10,000gにて10分間遠心分離後のペレットを不溶性フ
ラクション(P)、上清を可溶性フラクション(S)と
する。 各フラクション中に存在する蛋白質をSDSポリアクリ
ルアミドゲル上での電気泳動により分析する。各バンド
は、クーマシーブルー(Coomassie blue)で染色するこ
とにより顕現化する。結果を第15図に示す。MW35,000の
バンドの強度が、特に42℃にて誘導7時間後に、観察さ
れる。ゲルの“スキャニング”により、フラクションS
及びPにおいて夫々約64%及び75%のC2,3Oが得られ
る。 よりリッチなサンプル(S,42℃にて7時間)におい
て、C2,3Oの特異的活性を、(ツコウスキー(Zukowsk
i)ら、1983記載の方法に従い)基質としてカテコール
を添加することにより測定する。28〜35U/mgの特異的活
性が測定される。 純粋な酵素組成物の特異的活性は280U/mgであり、分
析された抽出物は約12%の活性C2,3Oを含有する。 実施例15:cerフラグメントのγ−インターフェロン発現
ベクターへの導入 上記pTG7671をそのポリリンカーにおいてSst I(Sac
Iと同一)及びKpn Iで切断し、次いでホスファターゼで
処理し、Sst I及びKpn Iで切断されたpTG720cerをフラ
グメントにリゲートする。TGE7615中に形質転換後、1
つの候補pTG7675を選択する(第16図)。これはSst I及
びKpn Iで消化すると400bp及び3.4−kbの2つのフラグ
メントを遊離する。 実施例16:γ−インフーフェロン発現の誘導(inducttio
n)中のプラスミドの安定性の観察 a)アンピシリン耐性遺伝子含有ベクターについての42
℃でのLB培地中でのγ−インターフェロン発現の誘導
(induction):TGE901/pTG40 結果を第9表に示す。総細胞数/ml/ODユニットを測定
し、生存率(viability)のロス真実の現象であって、
例えば細胞体積の変化によるものではないことを確認す
る。これ等データを第9表に併記する。Fp-は、実施例
7で定義した通りであり、所定時刻に存在する総細胞数
に対するp-細胞の数である。 誘導7時間30分後のFp-が約2%に達することが判
る。従って、それは、前記実験(実施例9参照)におけ
るよりも低いものであり、これら2つの実験におけるプ
ラスミドpTG40の構造上の差にのみ起因し得る。即ち、
実際のところ、誘導の各時点においてプラスミドの量は
同一であるが、最初の実験においてはプラスミドはダイ
マーの形態であり、他方ここに記載の実験においては、
主としてモノマー形態にある(ゲル上の分析により示さ
れる)。プラスミドの形態(condition)は、γ−イン
ターフェロン産生に影響を与えないが、プラスミドのモ
ノマー形態が維持されない場合、結論として安定性が失
われるものと説明できる。 b)dap遺伝子について変異され、dap D遺伝子及びcer
遺伝子を含有するベクターで形質転換された菌株TGE761
5/pTG7675中でのγ−インターフェロン発現の誘導 結果を第10表に示す。総細胞数/ml/ODユニットを測定
する。TGE901/pTG40に比し大差は認められない。従っ
て、生存率の現実の消失(loss)が確認される:誘導7
時間30分後、培養物のわずか0.02%が生存し続けるに過
ぎない。この結果を、2.4%の値が得られたTGE901/pTG4
0についての結果と比較すべきである。このことは、Fp-
にも現れておき、TGE901/pTG40に比し、TGE615/pTG7675
の場合は1000分の1に減少している。しかし、いくつか
のp-細胞は生存し続け、誘導終期に現れる。プラスミド
含量は前記と同一の特徴を有し、換言すれば、増殖終期
にコピー数が増加するが、cerを有しないプラスミドと
共に変化し得る数で存在する多量体形態(multimeric f
orm)のものが、この場合は殆んど存在しない。γ−イ
ンターフェロン産生量は、pTG40の場合に比し、わずか
に大きい。 c)dap D遺伝子を欠失され、dap D遺伝子及びcerを含
有するベクターで形質転換された宿主細胞TGE7213/pTG7
675中でのγ−インターフェロン発現の誘導 結果を第11表に示す。結論は、TGE901/pTG40とTGE761
5/pTG7675との比較から導き出されたものと同一であ
る。即ち、死滅率(mortality)は、3.5×10-4のファク
ターに達し、総細胞率/ml/ODユニットの値は誘導中有意
に変化しない。これと対照的に、誘導7時間30分後であ
っても、p-細胞は現れない(24時間後、全培養物は、TG
E901/pTG40の場合はp-となり、TGE7213/pTG7675の場合
は100%p+のままであった)。プラスミド含量は、多量
体(multimer)の不存在下、TGE7615、/pTG7675のそれ
と同等である。γ−インターフェロン産生量は、TGE761
5/pTG7675により得られたよりもわずかに大きい。 実施例17:アルファ−1抗トリプシン用の発現ベクター
の構築へのdapモデルの適用 pTG2901(フランス国特許85/07,393号記載のpTG983の
切形された(truncated)誘導体)由来のアルファ−1
抗トリプシン発現ブロックを含有するPst Iフラグメン
ト、即ち、ファージラムダプロモーターPL、切形された
N遺伝子、リボソーム結合部位及びアルファ−1抗トリ
プシンの構造遺伝子(Arg358)を前記pTG792中へ導入
し、Pst Iで切断しホスファターゼで処理する。 得られる発現ベクターpTG7913を、次いで、Bgl II及
びSst Iで切断し、アルファ−1抗トリプシン及びcer遺
伝子を含有する発現ブロックヲンを、pTG767中へ導入
し、Bgl II及びSst Iで切断し、ホスファターゼで処理
する。 得られるプラスミドpTG7914は、dap D遺伝子、cer遺
伝子及びアルファ−1抗トリプシン発現ブロック(Arg
358)を含有する(第17図)。 また本発明は、下記の態様を包含するものである。 (1)dapD遺伝子の変異体を含む細菌であって、且つイ
ンタクトなdapD遺伝子、産業上有用な蛋白質をコードす
る遺伝子及び宿主細菌中で配現を確保するための要素を
包含するプラスミドベクターによって形質転換されてな
る細菌。 (2)dapD染色体の変異が、少なくともdapD遺伝子の一
部の欠失であり、プラスミドベクターがインタクトなda
pD遺伝子を含有するものであることを特徴とする(1)
記載の細菌。 (3)欠失がdapD遺伝子の全欠失であることを特徴とす
る(2)記載の細菌。 (4)プラスミドベクターがモノマー状態を保持する配
列を有するものである(1)乃至(3)のいずれかに記
載の細菌。 (5)上記配列が“cer"配列であることを特徴とする
(4)記載の細菌。 (6)宿主細菌がE.coli株であることを特徴とする
(1)乃至(5)のいずれかに記載の細菌。 (7)産業上有用な蛋白質が、ヒルジン、γ−インター
フェロン、カテコール2,3−オキシゲナーゼ及びα−ア
ンチトリプシンからなる群から選択されるいずれかであ
ることを特徴とする(5)又は(6)記載の細菌。 (8)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌を培養
し、産業上有用な蛋白質を回収することを特徴とする産
業上有用な蛋白質の製造方法。 (9)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌であっ
て、その産業上有用な蛋白質の発現をコードする遺伝子
がカテコール2,3オキシゲナーゼをコードする遺伝子で
ある細菌を、完全培地中で培養することを特徴とするカ
テコール2,3−オキシゲナーゼの製造方法。 (10)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌であっ
て、その産業上有用な蛋白質の発現をコードする遺伝子
がヒルジン又はその天然もしくは人工的な変異体のいず
れか一つをコードする遺伝子である細菌を完全培地中で
培養することを特徴とするヒルジン類の製造方法。 (11)(1)乃至(7)のいずれかに記載の細菌であっ
て、その産業上有用な蛋白質の発現をコードする遺伝子
が、γ−インターフェロンをコードする遺伝子である細
菌を完全培地中で培養することを特徴とするγ−インタ
ーフェロンの製造方法。 本発明の代表的菌株の寄託 下記菌株は、パリ リュ デュ ドクトル ルー25の
コレクシオン・ナシオナル・ド・クルチュール・デ・ミ
クロオルガニスム(Collection Nationale de Cultures
des Microorganismes、National Collection of Micro
bial Cultures)に寄託された。 (1)TGE7615/pTG7671 寄託番号I−586 (2)TGE7615/pTG771 寄託番号I−585 (1)(2)いずれも寄託日は1986年7月25日であ
る。 (3)TGE7214、dap D遺伝子を欠失されたコリ(coli)
株 寄託番号I−652 (4)TGE7303、dap D遺伝子を欠失されたコリ株 寄託
番号I−653 (上記2つの菌株は、dap D及びcer遺伝子を含有する
プラスミドpTG768で形質転換されている。) (5)TGE7214/pTG7404、C2,3Oの発現プラスミドで形
質転換されたdap D株 寄託番号I−655 (3),(4)いずれも寄託日は1987年3月10日であ
り、(5)の寄託日は1987年4月3日である。 参考文献 1. ジョーンズ アイ.エム(Jones I.M.)、プリム
ローズ エス.ビー(Primrose S.B.)、ロビンソン
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ジェネラル ジェネテッイクス(Mol.Gen.Genet.)180,
574−584。 2. ニルソン ジェイ.(Nilson J.)、スコグマン
ジー.(Skogman G.)、(1985)欧州特許出願第84850
313.2号。 3. スコグマン ジー.(Skogman G.)、ニルソン
ジェイ.(Nilsson J.)、(1984)、ジーン(Gen
e)、31,117−122, 4. ミワ ケー.(Miwa K.)、ナカモリ エス.(Nak
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チ.(Momose H.)、(1984)、Agric.Biol.Chem、48,2
233−2237。 5. ミワ ケー.(Miwa K.)、ナカモリ エス.(Nak
amori S.)、サノ ケー.(Sano K.)、モモセ エイ
チ.(Momose H.)、(1984)、ジーン(Gene)、31,27
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per International、第72頁。 9. ダウスール リベレンド ビー.(Dauce−Le Reve
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プ エー.エム.(Dechamps A.M.)、ルボール ジェ
イ−エム.(Lebeault J−M.)、サノ ケー、(Sano
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Appl.Microbiol.Biotechnol.15,227−231。 10. リチャウド シー.(Richaud C.)、リチャウド
エフ.(Richaud F.)、マルチン シー.(Martin
C.)、ハジザ シー.(Haziza C.)、パッテ デェイ
−シー.(Patte J−C)、(1984)、ジャーナル
オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol,Che
m)、259,19824−14828。 11. ハナハン ディー.(Hanahan D.)、(1983)、
ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(J.Mo
l.Biol.),166,557−580。 12. ボレン エー.(Bollen A.)、ラセ アール.
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ニコート デイー.(Denicourt D.)、ルコック ジ
ェイ−ピー.(Lecocq J−P.)、デマレツ エル.(De
marez L.)、ラバレ アール.(Lavalle R.)、(19
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(J.Mol.Biol.)、132,219−233。 13. ゴッテスマン エム.イー.(Gottesman M.
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ム.(Botchan M.)、(1981)、ネイチャー(Natur
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ー(Kieny M.P.)、スコーリー エス(Skory S.)、
ルコック ジェイ−ピー.(Lecocq J−P.)、(198
4)、ディーエヌエイ(DNA)、3,173−182。 17. キーニー エム−ピー(Kieny M−P.)、ラセ
アール(Lathe R.)、ルコック ジェイ−ピー.(Lec
ocq J−P.)、(1983)、ジーン(Gene)26,91−99。 18. ベンデイアク ディー.エス.(Bendiak D.
S.)、フリーセン ジェイ.ディー.(Friesen J.
D.)、(1981)、モレキュラー アンド ジェネラル
ジェネテイクス(Mol.Gen.Genet)181,356−362。 19. サマーズ ディー.ジェイ.(Summers D.J.)、
シャーラット ディー.ジェイ(Sherat D.J.)、(198
4)、セル(Cell)36,1097−1103。 20. ベック イー.(Beck E.)、ルードウイッヒ ジ
ー.(Ludwig G.)、アウエルスヴァルト イー.エ
ー.(Auersward E.A.)、ライス ビー.(Reiss
B.)及びシャラー エム.(Schaller M.)、ジーン(G
ene)、19,327−336(1982)。 21 ベンデイアク ベイー.エス.(Bendiak D.S.)及
びフリーセン ジェイ.ディー.(Friesen J.D.)、
モレキュラー アンド ジェネラル ジェネティクス
(Mol.Gen.Genet)、181,356−362(1981)。 22. ボレン エー.(Bollen A.)、ラセ アール.
(Lathe R.)、ハーツォグ エー(Herzog A.)、デニ
コート ディー.(Denicourt D.)、ルコック ジェ
イ.ピー.(Lecocq.J.P.)、デスマレツ エル.(Des
marez L.)及びラバレ アール. Lavalle R.)、ジ
ャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(J.Mol.
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ラー エー.エル.(Taylor A.L.)、ジャーナル オ
ブ バクテリオロジー(J.Bacteriol.)、105,844−854
(1971)。 24. チャン ピー.ティー.(Chan P.T.)、オーモリ
エイチ.(Ohmori H.)、トミザワ ジェイ.アイ.
(Tomizawa J.I.)及びレボウィッツ ジェイ.ジェ
イ.(Lebowitz J.J.)、Biol.Chem.260,8925−8935(1
985)。 25. ダリ アール(D′Ari R.)及びフイスマン オ
ー.(Huisman O.)、ジャーナル オブ バクテリオ
ロジー(J.Bacteriol.)、156、243−250(1983)。 26. リチャウッド シー.(Richaud C.)、リチャウ
ッド エフ.(Richaud F.)、マルチン シー.(Mar
tin C.)、ハジザ シー.(Haziza C.)及びパッテ
ジェイ.シー.(Patte J.C.)、ジャーナル オブ
バイオロジカル ケミストリー(J.Biol,Chem.)、259,
14824−14828)、1984。 27. サーマーズ ディー,ケー.(Summers D.K.)及
びスファーラット(Spherratt)、セル(Cell)、36,10
97−1103(1984)。 28. ツコウスキー エム.エム.(Zukowski M.M.)、
ガフリー ディー.エフ.(Gaffney D.F.)、スペッ
ク ディー(Speck D.)、カウフマン エム.(Kauff
man M.)、フィンデリ エー.(Findeli A.)、ワイ
ズカップ エー.(Wisecup A.)及びトルコック ジ
ェイ.ピー.(Lecocq J.P.)、プロシーディングス
オブ ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンス
オブ ザ ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)
80,1101−1105(1983)。 29. ツコウスキー エム.エム.(Zukowski M.M.)ス
ペック ディー.(Speck D.)、カウフマン エム.
(Kauffmann M.)及びルコック ジェイ ピー.(Lec
ocq J.P.)、ジェネティクス アンド バイオテクノ
ロジー オブ バシリ(Genetics and Biotechnoligy o
f Bacilli)309−319(1984)。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図は下記のプラスミドの構築を示す。
第6図は、pDB6のHind III−BamH Iフラグメントの制限
地図を示す。 第7図は、M13mp8におけるpDB6のPst I挿入物及び導入
されたEcoR I部位の概略図である。 第8図は、pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントの制限地
図を示す。 第9図は、種々の菌株の染色体DNAにおけるdap遺伝子の
欠失を“サザンブロット(Southern blot)”オートラ
ジオグラフィーにより示すものであり、 第9A図において、 プローブ=pTG47のEcoR Iフラグメントにより担持され
るKanR遺伝子 ハンド6−9 Pst Iで切断されたDNA 10−14 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド6及び10=株GC4540P 7及び11=TGE7213 8及び12=TGE7214 9及び13=TGE901 14=pDB6 15=分子量マーカー 第9B図において: プローブ=M13TG620のEcoR Iフラグメントにより担持さ
れたdap D遺伝子の5′側 バンド4−7 Pst Iで切断されたDNA 8−11 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド4及び8=株GC4540 5及び9=TGE7213 6及び10=TGE7214 7及び11=TGE901 バンド13=分子量マーカー 1及び12=Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断されたp
DB6 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM13TG597 第9C図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントにより保
有されるdap D遺伝子の側方(flanking)領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株GC4540 バンド5=TGE7213 6=TGE7214 7=TGE901 バンド8=分子量マーカー 1=Pst Iで切断されたpDB6のBamH I−Hind III断片 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM13TG597 第9D図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl II断片により保有される
dap D遺伝子の側方領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株RH5345 5=RL58 6=TGE7615 1,2,3(第9C図におけると同様) 7=分子量マーカー 第10図は、pTG790についてのダイアグラムと制限地図を
示す。 第11図は、pTG792についてのダイアグラムと制限地図を
示す。 第12図は、pTG7922についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第13図は、pTG769についてのダイアグラムと制限地図を
示す。 第14図は、pTG7406についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第15図は、クーマシーブルー(Coomassieblue)で顕現
化して行なった、TGE7213/pTG7407により合成された蛋
白質のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。 バンド1及び8=分子量マーカー バンド2〜5=30℃で4時間(2及び3)又は7時間
(4及び5)の培養 バンド6−12=42℃で4時間(6,11及び12)又は7時間
(7,9及び10)の培養 C=不溶性フラクション;20μ S=可溶性フラクション;40μ 第16図は、pTG7675についてのダイアグラム及び制限地
図を示す。 第17図は、pTG7914についてのダイアグラム及び制限地
図を示す。
地図を示す。 第7図は、M13mp8におけるpDB6のPst I挿入物及び導入
されたEcoR I部位の概略図である。 第8図は、pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントの制限地
図を示す。 第9図は、種々の菌株の染色体DNAにおけるdap遺伝子の
欠失を“サザンブロット(Southern blot)”オートラ
ジオグラフィーにより示すものであり、 第9A図において、 プローブ=pTG47のEcoR Iフラグメントにより担持され
るKanR遺伝子 ハンド6−9 Pst Iで切断されたDNA 10−14 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド6及び10=株GC4540P 7及び11=TGE7213 8及び12=TGE7214 9及び13=TGE901 14=pDB6 15=分子量マーカー 第9B図において: プローブ=M13TG620のEcoR Iフラグメントにより担持さ
れたdap D遺伝子の5′側 バンド4−7 Pst Iで切断されたDNA 8−11 BamH I及びHind IIIで切断されたDNA バンド4及び8=株GC4540 5及び9=TGE7213 6及び10=TGE7214 7及び11=TGE901 バンド13=分子量マーカー 1及び12=Pst I又はBamH I及びHind IIIで切断されたp
DB6 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM13TG597 第9C図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl IIフラグメントにより保
有されるdap D遺伝子の側方(flanking)領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株GC4540 バンド5=TGE7213 6=TGE7214 7=TGE901 バンド8=分子量マーカー 1=Pst Iで切断されたpDB6のBamH I−Hind III断片 2=Pst Iで切断されたM13TG620 3=Pst Iで切断されたM13TG597 第9D図において: プローブ=pTG47のKpn I−Bgl II断片により保有される
dap D遺伝子の側方領域 Pst Iで切断された染色体DNA バンド4=株RH5345 5=RL58 6=TGE7615 1,2,3(第9C図におけると同様) 7=分子量マーカー 第10図は、pTG790についてのダイアグラムと制限地図を
示す。 第11図は、pTG792についてのダイアグラムと制限地図を
示す。 第12図は、pTG7922についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第13図は、pTG769についてのダイアグラムと制限地図を
示す。 第14図は、pTG7406についてのダイアグラムと制限地図
を示す。 第15図は、クーマシーブルー(Coomassieblue)で顕現
化して行なった、TGE7213/pTG7407により合成された蛋
白質のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。 バンド1及び8=分子量マーカー バンド2〜5=30℃で4時間(2及び3)又は7時間
(4及び5)の培養 バンド6−12=42℃で4時間(6,11及び12)又は7時間
(7,9及び10)の培養 C=不溶性フラクション;20μ S=可溶性フラクション;40μ 第16図は、pTG7675についてのダイアグラム及び制限地
図を示す。 第17図は、pTG7914についてのダイアグラム及び制限地
図を示す。
フロントページの続き
微生物の受託番号 CNCM I−655
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.dapD染色体遺伝子の変異を含む細菌であって、イン
タクトなdapD遺伝子、産業上有用な蛋白質をコードする
遺伝子及び宿主細菌中での発現を確保するための要素を
含有するプラスミドベクターによって形質変換されてな
る細菌。 2.dapD染色体の変異がdapD遺伝子の少なくとも一部の
欠失であり、プラスミドベクターがインタンクトなdapD
遺伝子を含有するものであることを特徴とする請求項1
記載の細菌。 3.欠失がdapD遺伝子の全欠失であることを特徴とする
請求項2記載の細菌。 4.プラスミドベクターがモノマー状態を保持する配列
を有するものであることを特徴とする請求項1乃至3の
いずれかに記載の細菌。 5.モノマー状態を保持する配列が“cer"配列であるこ
とを特徴とする請求項4記載の細菌。 6.宿主細菌がE.coli株であることを特徴とする請求項
1乃至5のいずれかに記載の細菌。 7.産業上有用な蛋白質が、ヒルジン、γ−インターフ
ェロン、カテコール2,3−オキシゲナーゼ及びα−アン
チトリプシンからなる群から選択されるいずれかである
ことを特徴とする請求項5又は6記載の細菌。
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR8611311A FR2602792B1 (fr) | 1986-08-05 | 1986-08-05 | Procede de stabilisation d'un plasmide contenu dans une souche bacterienne et souche obtenue |
FR8611311 | 1987-07-15 | ||
FR8709935 | 1987-07-15 | ||
FR8709935A FR2618159B2 (fr) | 1987-07-15 | 1987-07-15 | Procede de stabilisation d'un plasmide contenu dans une souche bacterienne et souche obtenue |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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