JP2599303B2 - コンテナー用内装バッグ - Google Patents

コンテナー用内装バッグ

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JP2599303B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、後部に貨物の搬入出用の開閉扉を備えた汎
用型コンテナーの内部に装備し、穀物等の粒状や粉状の
貨物をバラ積みする場合に有効に使用されるコンテナー
用内装バッグに関する。
[従来の技術とその問題点] 一般に工業用原料等の粒状物や粉状の貨物を運搬する
場合、専用のコンテナーが使用されるが、専用コンテナ
ーは貨物の運搬を終ると、他の貨物の運搬には適さない
ため発送地には空の状態で戻されることになる。このた
め、専用コンテナーを利用する輸送はコストの上で当然
高くなる。そこで近年輸送する貨物が穀物の様に一般貨
物と同様に特別危険性のな粒状物,粉状物を輸送するの
に汎用型コンテナーが使用される場合が多くなった。
汎用型コンテナーを使用する場合一般に貨物の密封を
図るためコンテナー内部に同一型状に形成したシート製
の内装バッグを吊設し、貨物をこのバッグ内に収めるよ
うにしている。そして、一般に小麦等穀物類の積み込み
の場合はコンテナーの後部開口部を開いてバッグの後面
部上半部に設ける投入口から吹き込むようにして積み込
む方法が採られているが、投入した貨物が前方から堆積
してバッグの後面部に達するようになると、その重量に
よって開口部の外に向って後面部自体が膨れ出し、バッ
グだけではこれを支えられなくなり扉の閉塞が出来なく
なる問題があった。
そこで、従来は第7図に示した様にコンテナー1の後
部開口部2に適宜間隔をおいて水平状に複数本の支持バ
ー3を横設し、バッグ後面部4の膨出を抑えるようにし
ているが、横設する支持バー3によって支持する方法は
シート製バッグを単にコンテナー内部に吊設支持するに
過ぎず、また後面部にも予じめ余裕があって弛みがある
ため多くの支持バーを横設しても支持バーの間から後面
部の一部が膨れ出し完全にこれを回避できなかった。勿
論、支持バーの間隔を詰めることによって抑えることは
可能であるが、この様に多数本の支持バーを使用すると
セットに手間がかかるばかりか装備のコストを上げるこ
とにもなる。更に大きな問題は荷降しの際この支持バー
が邪魔になり迅速な積み降し作業の妨げとなることであ
る。即ち、汎用型コンテナーを使用して穀物類を輸送す
る場合、一般には10数トンから30数トンに及ぶ多量の穀
物をサイロから数分間の内(通常3分乃至5分程度)に
投入し荷積みする方法が採られるが、取出しに当っては
コンテナーを台車ごと後傾姿勢に保持してバッグ後面部
の下方部分を横一文字にカッターで切り裂き、この切り
裂き口から一気に流出させることにより貨物を降す方法
が採られている。従って、前述した様に多数本の支持バ
ーを使用する場合、最も荷加量のかゝる下方部分にも当
然に支持バーを横設することになるため、切り裂き口を
設ける部所がなくなり、また切り裂いても充分な広さに
開口できず、これがため荷降作業に多くの時間を要する
ことになるのである。
[発明の目的] 本発明は、この様な汎用型コンテナーに使用される
粉,粒状貨物の運搬に供せられる内装バッグの取扱いに
おいて問題となる後面部の膨出に鑑み、これを有効に回
避するため研究開発されたものである。特にこの発明は
内装バッグの後面部膨出を抑えるため使用される支持バ
ーによっては充分な膨出防止策とならないこと、またこ
の支持バーを使用することによって貨物の取り出しに邪
魔となること、そして輸送コスト高となること、等に鑑
みこれらを改善するためなされた新規なコンテナー用内
装バッグの提案を目的としたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、上述発明の目的に基づき開発されたもの
で、その特徴とするところはコンテナー内部に吊設装備
される内装バッグの主体の後面部を緊張させ、これによ
ってこの後面部の膨出を防止するようにしたことにあ
る。
更に詳述すると、バッグ主体の後面部の少なくとも両
側縁部から左右の差し込み片を延設し、これをコンテナ
ー内部に装備するバッグ主体の両側面部の外側面に添わ
せて貨物の積み込みによって堆積する貨物の重量圧を利
用してこの差し込み片をバッグ主体の側面部とコンテナ
ー側壁面内面との間に挟持し、摩擦力でコンテナー側壁
面に固定するものである。この固定によってバッグ主体
の後面部をコンテナーの左右側壁面間に張設した状態に
保って後方への膨出を防止するようにしたものである。
換言すれば、本発明の内装バッグは後面部をバッグ内
に積み込む貨物の重量に基づく圧力、つまり内圧を利用
してこれに備える差し込み片をコンテナーの構成体たる
壁面部に固定し、これによって後面部自体の膨出を抑制
するものであり、従来使用された支持バーを排除、若し
くは削減するものである。
本発明の内装バッグは更に後面部の下縁に下方の差し
込み片を加え、この差し込み片をバッグ主体の底面部の
下に差し入れ、この底面部に作用する貨物の重量でコン
テナーの床面に押圧固定してバッグ主体の後面部の膨出
を抑えることにある。
上記バッグ主体,特に後面部は伸度の小さい強靭な合
成繊維製の延伸シートのようなものが適当であり、また
面摩擦力の大きなシートが適当である。
また、前記差し込み片は後面部と同様の伸度の小さい
強靭なシート状物が適当である。一方、差し込み片の各
自由端縁は自由の状態のまゝにしても、また予じめバッ
グ主体の面部の所定位置に対して止着しておいてもよ
い。
上記差し込み片を止着する場合にはバッグ主体の夫々
添えあわせる面部、つまり側面部或は底面部に対してこ
れらの面部の後部がたぐり寄られて正規の長さより縮少
した状態となるように止着することが好ましい。また自
由端縁を自由のままにする場合にはその自由端縁とこれ
が接面する各面部の対応する部所に着脱自由に止着する
止着手段,例えば面ファスナーや接着テープ等を備える
とよい。
更に上記左右の差し込み片については上部より下部幅
員が大になるように形成して各側面部に対する重なり幅
が下方において大になるようにすると、後面部の下部に
集中する圧力に対して大きな支持力を発揮することがで
きるので有利となる。
尚、後面部の上縁部に沿って支持バーの装着部を設
け、コンテナーの開口部の左右の支柱間に渡す支持バー
に掛け止めるようにすると、貨物投入時の位置固定に有
効であると共に、差し込み片による支持に加えて上縁部
を固定できるので一層安定した支持を得ることができ
る。
以下、本発明の内装バッグにつき図示する実施例を基
に更に詳述し、その特徴とするところを明らかにする。
[実施例] 第1図は本発明に係る内装バッグをコンテナー内部に
セットするときの姿を示した説明斜視図で、第2図は上
図の内装バッグを後方からみた要部の正面図、第3図は
使用状態の縦断面図である。図面において10はバッグ主
体であり、このバッグ主体10は強靭なシート、例えばポ
リエチレン製のシート等を素材にしてコンテナー11の内
法寸法に適合させて全体が前後方向に長い立方体形をな
すよう形成してあり、コンテナー11の内部にセットした
とき各面部がコンテナーの各壁面の内面に対面するよう
にしてある。そして、このバッグ主体は後面部10aの上
部に貨物の投入口12を開口させ、上面部10bの後縁から
この投入口を被うカバー13を垂下させてある。
上記バッグ主体の後面部10aの上縁部に沿った外側面
には支持バー14を挿通する筒形に形成した装着部15が一
体に設けてあり、その両側縁部16,16からは左右の差し
込み片17,18がそれぞれ側方に張り出す如く延設し、更
にここでは下縁部19に沿って下方の差し込み片20が延設
してある。
左右の差し込み片17,18は側縁部16の長さに沿って略
全長に亘り延設してあり、それぞれは所要の幅員を有し
ている。そして、この実施例では上部の幅員に対して下
部の幅員が大になるように台形状に形成してあり、更に
自由端縁の一面には所要の間隔で複数個の止着手段たる
接着テープ21が設けてある。
一方、下方の差し込み片20は後面部10aの横幅に揃え
てその下縁部19の全長から垂下するように設けてあり、
垂れ下げた状態でバッグ主体10の下方に下る長さに形成
してある。そして、その自由端縁の一面には前記接着テ
ープ21と同様の接着テープ22が設けてある。
これら左右の差し込み片17,18並びに下方の差し込み
片20はバッグ主体の両側面部10c、10cと底面部10dの各
外側面と下面に添わせてコンテナー11の内壁面との間に
挟み込み、これによって固定し、後面部10aを固定する
ものである。
次にこの関係を内装バッグの使用の実際を通して説明
する。
コンテナー11に対するバッグ主体の装着は各隅角部に
備える吊り紐23のフック24をコンテナー内部に各角部に
備える係止部(図示せず)に掛け止めることによって行
われる。この掛け止めよって吊設したのち、後面部10a
の左右の側縁部から延設する差し込み片17,18をそれぞ
れ左右の側面部10c,10cの外側面に添わせる如くコンテ
ナーの側壁面に沿って折り込みこの両者間に差し入れ
る。このとき、両差し込み片17,18は自己の幅員を越え
る深さに差し入れ、この差し込み片が重なる主体の側面
部10cの後部に弛みが生じ、ひだ25が発生する程度に差
し入れ接面させる(第5図参照)。
図中、26はこの様にして差し込まれた差し込み片に設
ける接着テープ21を受けるため、各側面部10cの外側面
に備えた他方の止着手段たる接着テープである。
この接着テープ26は差し込まれた差し込み片17,18を
定位置に仮止めするためのものであり、上述した様に差
し込み片を差し入れたとき、各側面部10cの後部に自動
的にひだ25が発生するように接着テープ21との対面位置
より前方に設けてある。即ち、この接着テープ26は差し
込み片17,18を側面部10cに沿って自然に折り込んだと
き、差し込み片の接着テープ21が対面する位置より前方
に設けることによって、両接着テープ21と26を接着すれ
ば自動的にひだ25が形成できるようにしてあるのであ
る。
この様にして左右の差し込み片17,18を止め付けたの
ち、同様に下方の差し込み片20を底面部10dの下面に差
し入れ、この底面部10dの後部をたぐってひだ27を作
り、その自由端縁に備える接着テープ22を前記同様の位
置に設ける接着テープ28に接着し、これを仮止め状に止
め付ける。
尚、ここではバッグ主体10をコンテナー内部に吊設し
たのち、左右並びに下方の差し込み片17,18,20を側面部
10c並びに底面部10dに添わせる手順で説明しているが、
上記接着テープを利用してコンテナー内部に吊設する前
に予じめこれらの差し込み片を側面部及び底面部に接面
状に添わせ接着させて仮止めしておいてもよい。
ところで、各差し込み片の差し込みに当ってこれを仮
止め状態に止め付けているが、これは後述の様に貨物を
投入する際、或は取り出し時等において後面部等に不測
の内圧が作用したとき、止め付け解除してバッグ主体が
破袋するのを防止するための仮止めである。
かくして、各差し込み片を所定位置に差し込んだの
ち、コンテナー後部開口部29に渡す支持バー14を装着部
15に挿通し、バッグのセットを完了する。尚、支持バー
14は端部をコンテナー後部開口部29の支柱30に設けられ
る縦と溝31に嵌め入れ、上方から下げる吊り紐32に止め
て吊設し、後面部10aを吊り下げ状に保持することにな
る。
バッグ主体をコンテナー内部にセットしたのち、投入
口12を通して穀物等の貨物を吹き込み投入する。
貨物の投入積み込みを受けた内装バッグは先ず底面部
10dに重量を受け、この重量でその下面に差し入れた下
方差し込み片20をコンテナー床面に押圧し両者間で挟持
する如く固定することになる。そして、貨物の堆積に伴
って側方への圧力を加えることから側面部の外側面に添
わせた左右の差し込み片17,18に対しても同様の固定作
用が働き両差し込み片は差し入れたまゝの姿に固定され
ることになる。
内装バッグはこの様にして貨物の投入を受け、その貨
物の重量で各面部をコンテナー内壁面に押圧し、各差し
込み片を固定する。そして、この固定によって後面部を
開口部に臨む左右の側壁間に張設した状態に保つことに
なる。このため、最終的に貨物がバッグの後部に溜って
後面部10aを圧迫するに至ったとき、その緊張力によっ
て後面部10aは後方への膨出を阻止されることになる。
また併せて、左右及び下方の差し込み片の差し込みによ
って側面部10c、底面部10dの各後縁部近くに出来たひだ
25,27は貨物の重量圧を受けて伸長が阻止され、後面部1
0aの緊張状態を作り、後方への膨出を阻止すべく作用す
ることになる。
尚、本発明内装バッグを20トン積汎用型コンテナー用
としてバッグ主体の前後の長さを5800mm,横幅2300mm、
高さ2170mmに形成し、更に各差し込み片は長さを1000mm
としてこれをそれぞれ200mmの長さ分深く差し入れた状
態で穀物運搬のため使用したところ、後面部の膨出は抑
制され、コンテナーの後部開口部を閉ざす扉に接触する
までに突出することはなかった。
[発明の効果] 以上説明の様に、本発明によれば貨物の重量圧によっ
てバッグ主体の後面部から延設される各差し込み片が固
定され、この固定によってバッグ主体の後面部が緊張し
て後方への膨出が阻止されることから、貨物の積み込み
後における扉の閉塞、積み降し時の開放が容易に且つ安
全に行えることになり、また一部の支持バーを除いて従
来の様に後面部の中央部から下部に至る範囲に支持バー
を渡す必要がなくなることから、カッターによる切り裂
き口を自由に選択することができ、また充分な広さに切
り開くことが可能となった。
更に、本発明は支持バーの使用を大幅に削減できたこ
とから輸送コストを下げる上で有利であり、またコンテ
ナーに対する装備作業が簡略化したことから作業が大幅
に軽減される利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る内装バッグをコンテナー内部にセ
ットするときの姿を示した説明斜視図で、第2図は上図
の内装バッグを後方からみた要部の正面図、第3図は使
用状態を示す縦断面図、第4図は使用状態における要部
の拡大縦断面図、第5図は同じく要部の拡大横断平面
図、第6図はコンテナーの後部開口部を示す説明斜視
図、第7図は従来例を示す斜視図である。 10……バッグ主体、10a……後面部 10b……上面部、10c……側面部 10d……底面部、11……コンテナー 14……支持バー 15……保持部 17,18……左右の差し込み片 20……下方の差し込み片 21,22,26,28……接着テープ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンテナーの内部形状に適合した立方体形
    に形成してなるバッグ主体の後面部の両側縁部からバッ
    グ主体の左右側面部の外側面に添わせる左右の差し込み
    片を夫々延設したことを特徴とするコンテナー用内装バ
    ッグ。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載において、左右
    の差し込み片は上部から下部に向けて差し込み幅を大に
    したことを特徴とするコンテナー用内装バッグ。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載において、左右
    の差し込み片の自由端縁には一方の止着手段を、バッグ
    主体の側面部の外側面には他方の止着手段を備えて、両
    止着手段を着脱自由に接着することを特徴としたコンテ
    ナー用内装バッグ。
  4. 【請求項4】コンテナーの内部形状に適合した立方体形
    に形成してなるバッグ主体の後面部の左右両側縁部と下
    縁部のそれぞれからバッグ主体の両側面部の外側面と底
    面部の下面に沿って差し込む差し込み片を各延設したこ
    とを特徴とするコンテナー用内装バッグ。
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