JP2599154B2 - 豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療剤 - Google Patents
豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療剤並
びに予防及び治療方法に関する。
びに予防及び治療方法に関する。
さらに詳しくは、本発明はHaemophilus suis,H.paras
uis,H.parainfluenzae及びH.pleuropneumoniaeによる豚
の感染症であるヘモフィルス感染症の生薬を用いる予防
及び治療剤並びに予防及び治療方法に関する。
uis,H.parainfluenzae及びH.pleuropneumoniaeによる豚
の感染症であるヘモフィルス感染症の生薬を用いる予防
及び治療剤並びに予防及び治療方法に関する。
[従来の技術] 豚のヘモフィルス感染症とは、豚の細菌性伝染病の1
つであって、Haemophilus suis,H.parasuis,H.parainfl
uenzaeまたはH.pleuropneumoniaeを病原菌とするもので
ある。発生率、死亡率ともに高く、養豚業に与える産業
的被害も大きいことから、豚の数ある疾病の中でも防除
対策の確立が急がれる最も重要な疾病の1つである。
つであって、Haemophilus suis,H.parasuis,H.parainfl
uenzaeまたはH.pleuropneumoniaeを病原菌とするもので
ある。発生率、死亡率ともに高く、養豚業に与える産業
的被害も大きいことから、豚の数ある疾病の中でも防除
対策の確立が急がれる最も重要な疾病の1つである。
本病は、線維素性漿膜炎と関節炎を主徴とするものと
線維素性胸膜肺炎を主徴とするものとがあり、一般にグ
レーサー病と呼ばれている。特徴的な症状としては、突
然の発熱と元気食欲の喪失及び呼吸異常があり、死亡率
は非常に高い。H.suis及びparasuisによる感染症の場合
には、漿液線維素胸膜炎、心嚢炎、腹膜炎、関節炎及び
髄膜炎が見られ、H.parainfluenzae感染の場合には、そ
れらに肺炎を伴うことが多く、さらに、H.pleuropneumo
niae感染では壊死性の線維素性胸膜肺炎と肺の硬塞性病
変が特徴的である。
線維素性胸膜肺炎を主徴とするものとがあり、一般にグ
レーサー病と呼ばれている。特徴的な症状としては、突
然の発熱と元気食欲の喪失及び呼吸異常があり、死亡率
は非常に高い。H.suis及びparasuisによる感染症の場合
には、漿液線維素胸膜炎、心嚢炎、腹膜炎、関節炎及び
髄膜炎が見られ、H.parainfluenzae感染の場合には、そ
れらに肺炎を伴うことが多く、さらに、H.pleuropneumo
niae感染では壊死性の線維素性胸膜肺炎と肺の硬塞性病
変が特徴的である。
このような重大な伝染病であるにもかかわらず、有効
な対策は殆んどなく、適切な飼育管理を行なうことなど
が採られているが、実際には予防できないことが多い。
な対策は殆んどなく、適切な飼育管理を行なうことなど
が採られているが、実際には予防できないことが多い。
また、最近ではワクチンによって本病を防御する試み
もなされているが、その安全性の面で問題があり、しか
もワクチン抗体上昇以前に野外感染を受けて発症してし
まう事も少くない。
もなされているが、その安全性の面で問題があり、しか
もワクチン抗体上昇以前に野外感染を受けて発症してし
まう事も少くない。
さらに、これまでに本病を予防及び治療するために、
例えば抗生物質やその他の抗菌剤を飼料と共に投与する
方法も行なわれている。しかし、近年特に耐性菌の発生
や動物への抗生物質等の残留性の問題などがあって、抗
生物質などの投与を家畜等の動物に対して行なうことは
適当でないという気運が高まりつつある。従って、抗生
物質などを用いない本病の予防及び治療方法と予防及び
治療剤の開発が望まれている。
例えば抗生物質やその他の抗菌剤を飼料と共に投与する
方法も行なわれている。しかし、近年特に耐性菌の発生
や動物への抗生物質等の残留性の問題などがあって、抗
生物質などの投与を家畜等の動物に対して行なうことは
適当でないという気運が高まりつつある。従って、抗生
物質などを用いない本病の予防及び治療方法と予防及び
治療剤の開発が望まれている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の問題点を解決すべく研究した結
果、ある種の生薬に本疾病を抑制する効果がある事を見
出し、本発明を完成させた。
果、ある種の生薬に本疾病を抑制する効果がある事を見
出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の目的は、豚のヘモフィルス感染症の予
防及び治療並びに同症の予防及び治療方法を提供するこ
とにある。
防及び治療並びに同症の予防及び治療方法を提供するこ
とにある。
本発明は、ダイオウ、オウレン、ギュウタン、ゴバイ
シ、チョウジ、ウバイ、オウバウ、サンシュユ、タンジ
ン及びアロエからなる群から選択された1種または2種
以上の生薬を含有する豚のヘモフィルス感染症の予防及
び治療剤を提供するものである。
シ、チョウジ、ウバイ、オウバウ、サンシュユ、タンジ
ン及びアロエからなる群から選択された1種または2種
以上の生薬を含有する豚のヘモフィルス感染症の予防及
び治療剤を提供するものである。
本発明はまた原末の形態の生薬、有機溶剤、有機溶剤
と水との混合物または水で抽出して得られる生薬エキ
ス、または生薬有効成分を含有する上記の豚のヘモフィ
ルス感染症の予防及び治療剤を提供するものである。
と水との混合物または水で抽出して得られる生薬エキ
ス、または生薬有効成分を含有する上記の豚のヘモフィ
ルス感染症の予防及び治療剤を提供するものである。
更に本発明は、ダイオウ、オウレン、ギュウタン、ゴ
バイシ、チョウジ、ウバイ、オウバク、サンシュユ、タ
ンジン及びアロエからなる群から選択された1種または
2種以上の生薬の有効量を投与することからなる豚のヘ
モフィルス感染症の予防及び治療方法を提供するもので
ある。
バイシ、チョウジ、ウバイ、オウバク、サンシュユ、タ
ンジン及びアロエからなる群から選択された1種または
2種以上の生薬の有効量を投与することからなる豚のヘ
モフィルス感染症の予防及び治療方法を提供するもので
ある。
本発明はまた、原末の形態の生薬、有機溶剤、有機溶
剤と水との混合物または水で抽出して得られる生薬エキ
ス、または生薬有効成分の形態で投与することからなる
豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療方法を提供する
ものである。
剤と水との混合物または水で抽出して得られる生薬エキ
ス、または生薬有効成分の形態で投与することからなる
豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療方法を提供する
ものである。
本発明はまた、生薬を飼料中に配合して投与すること
からなる豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療方法を
提供するものである。
からなる豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療方法を
提供するものである。
ダイオウ(大黄)は、ダイオウ(Rheumpalmatum Linn
またはR.officinale Baillon)および近縁植物の根茎
の皮部をほとんど除去して縦割したものである。このも
のは成分として、アントラキノン誘導体としての、クリ
ソファノール、エモジン、エモジンモノメチルエーテル
等を含み、ヒトの健胃苦味、緩下、消炎薬として慢性胃
腸病、消化不良、便秘症の治療に用いられている。
またはR.officinale Baillon)および近縁植物の根茎
の皮部をほとんど除去して縦割したものである。このも
のは成分として、アントラキノン誘導体としての、クリ
ソファノール、エモジン、エモジンモノメチルエーテル
等を含み、ヒトの健胃苦味、緩下、消炎薬として慢性胃
腸病、消化不良、便秘症の治療に用いられている。
オウレン(黄連)は、オウレン(Coptisjaponica Mak
ino)の根茎から細根を焼去ったものである。このもの
は成分としてベルベリン、パルマチン等を含み、ヒトの
健胃苦味、整腸薬として用いられている。
ino)の根茎から細根を焼去ったものである。このもの
は成分としてベルベリン、パルマチン等を含み、ヒトの
健胃苦味、整腸薬として用いられている。
ギュウタン(牛胆)は、ウシBostaurusdomesticus Gm
elinの胆のうをぶら下げて陰干しするか、または胆管を
切開して胆汁を容器に入れて密封貯蔵したものである。
このものは成分としてコール酸ナトリウム塩、ムコタン
パク質、脂肪酸等を含み、ヒトの黄疽、便秘、糖尿病、
痔瘡等の治療に古くから用いられている。
elinの胆のうをぶら下げて陰干しするか、または胆管を
切開して胆汁を容器に入れて密封貯蔵したものである。
このものは成分としてコール酸ナトリウム塩、ムコタン
パク質、脂肪酸等を含み、ヒトの黄疽、便秘、糖尿病、
痔瘡等の治療に古くから用いられている。
ゴバイシ(五倍子)は、ヌルデノミミフシアブラムシ
(Melaphis chinensis J.Bell)の刺傷により主として
ヌルデ(Rhus javanica Linn)の葉に生じたゴールで
あって、成分としてタンニン、没食子酸、脂肪、樹脂等
を含み五倍子チンキ、タンニン酸、没食子酸、ピロガロ
ールの製造原料とされている。
(Melaphis chinensis J.Bell)の刺傷により主として
ヌルデ(Rhus javanica Linn)の葉に生じたゴールで
あって、成分としてタンニン、没食子酸、脂肪、樹脂等
を含み五倍子チンキ、タンニン酸、没食子酸、ピロガロ
ールの製造原料とされている。
チョウジ(丁子)は、チョウジ(Eugeniacaryophylla
ta Thunb.)の開花直前のつぼみである。このものは、
成分として、オイゲノール、アセチルオイゲノール等を
含み、ヒトの消化機能促進、駆虫薬として、また香辛
料、化粧品としても用いられている。
ta Thunb.)の開花直前のつぼみである。このものは、
成分として、オイゲノール、アセチルオイゲノール等を
含み、ヒトの消化機能促進、駆虫薬として、また香辛
料、化粧品としても用いられている。
ウバイ(烏梅)は、ウメ(prunus Mume Sieboldet Zu
ccarini)の未熟の果実から果皮を剥いで煤煙中に埋め
て乾燥させたものである。このものは、成分として、コ
ハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を含み、ヒトの
清涼性収れん薬、止瀉、蛔虫駆除、解熱薬等として用い
られる。
ccarini)の未熟の果実から果皮を剥いで煤煙中に埋め
て乾燥させたものである。このものは、成分として、コ
ハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を含み、ヒトの
清涼性収れん薬、止瀉、蛔虫駆除、解熱薬等として用い
られる。
オウバク(黄柏)は、キハダ(Phellodendronamurens
e Ruprecht)またはその他の同属他種植物の樹皮のコル
ク層を除いたものである。このものは成分として、ベル
ベリン、パルマチン等を含み、ヒトの健胃、整腸、収れ
んおよび消炎薬として用いられている。
e Ruprecht)またはその他の同属他種植物の樹皮のコル
ク層を除いたものである。このものは成分として、ベル
ベリン、パルマチン等を含み、ヒトの健胃、整腸、収れ
んおよび消炎薬として用いられている。
サンシュユ(山茱萸)は、サンシュユ(Cornusoffici
nalis Siebold et Zuccarini)の成熟した果実から種子
を抽いたものである。このものは成分として、結晶性の
有機酸、没食子酸、リンゴ酸、酒石酸等を含み、ヒトの
滋養、強壮、収れん薬として用いられている。
nalis Siebold et Zuccarini)の成熟した果実から種子
を抽いたものである。このものは成分として、結晶性の
有機酸、没食子酸、リンゴ酸、酒石酸等を含み、ヒトの
滋養、強壮、収れん薬として用いられている。
タンジン(丹参)はタンジン(Salviamiltiorrhiza B
unge)の根である。このものは、成分としてタンジノン
I,II、クリプトタンジノンを含み、ヒトの強壮、通経、
婦人薬として月経不調、子宮出血、腹痛および諸瘡の治
療に用いられる。
unge)の根である。このものは、成分としてタンジノン
I,II、クリプトタンジノンを含み、ヒトの強壮、通経、
婦人薬として月経不調、子宮出血、腹痛および諸瘡の治
療に用いられる。
アロエは、アロエ(Aloe arborescens Mill.var、na
talensis Bergel.)の粘液を煮つめたものである。この
ものは成分として、バルバロイン、アロエ−エモジン等
を含み、中東やヨーロッパで非常に古くから、苦味健胃
薬または下痢として用いられている。
talensis Bergel.)の粘液を煮つめたものである。この
ものは成分として、バルバロイン、アロエ−エモジン等
を含み、中東やヨーロッパで非常に古くから、苦味健胃
薬または下痢として用いられている。
上記したように、本発明で用いる生薬のダイオウ、オ
ウレン、ギュウタン、ゴバイシ、チョウジ、ウバイ、オ
ウバク、サンシュユ、タンジン及びゴバイシの夫々は、
それらを単独でか、または組合せてヒトの疾病の予防及
び治療のために従来から使用されていたものであるが、
これらを豚の疾病の予防及び治療の目的、殊に豚の感染
症の予防及び治療の目的で使用する試みはこれまでにな
されたことがなかった。
ウレン、ギュウタン、ゴバイシ、チョウジ、ウバイ、オ
ウバク、サンシュユ、タンジン及びゴバイシの夫々は、
それらを単独でか、または組合せてヒトの疾病の予防及
び治療のために従来から使用されていたものであるが、
これらを豚の疾病の予防及び治療の目的、殊に豚の感染
症の予防及び治療の目的で使用する試みはこれまでにな
されたことがなかった。
本発明者らは、上記した生薬の薬効に着目して種々研
究を行なった結果、豚のヘモフィルス感染症、即ち豚が
細菌のHaemophilus suis,H.parasuis,H.parainfluenzae
及びH.pleuropneumoniaeに感染することによって発生す
る疾病の予防及び治療に上記した生薬の1種または2種
以上を組合わせて投与することがきわめて有効であるこ
とを見出し、本発明を完成したのである。
究を行なった結果、豚のヘモフィルス感染症、即ち豚が
細菌のHaemophilus suis,H.parasuis,H.parainfluenzae
及びH.pleuropneumoniaeに感染することによって発生す
る疾病の予防及び治療に上記した生薬の1種または2種
以上を組合わせて投与することがきわめて有効であるこ
とを見出し、本発明を完成したのである。
即ち、下記するように、上記した特定の種類の生薬及
びその抽出物が、インビトロ及びインビボにおいて上記
細菌Haemophilus、pleuropneumoniae等に対し特異的に
静菌作用及び殺菌作用があることが明らかになった。そ
してこのH.pleuropneumoniae等に対する抑制効果の結
果、上記した生薬を豚に投与した場合に、H.pleuropneu
moniaeに由来する豚の疾病である豚のヘモフィルス感染
病を予防及び治癒することができたのである。
びその抽出物が、インビトロ及びインビボにおいて上記
細菌Haemophilus、pleuropneumoniae等に対し特異的に
静菌作用及び殺菌作用があることが明らかになった。そ
してこのH.pleuropneumoniae等に対する抑制効果の結
果、上記した生薬を豚に投与した場合に、H.pleuropneu
moniaeに由来する豚の疾病である豚のヘモフィルス感染
病を予防及び治癒することができたのである。
そして、この豚に特有の疾病に対して、上記した特定
の生薬及びその抽出物が有効であることは予想もしえな
かったことで、本発明者らによって、はじめて明らかに
されたことである。
の生薬及びその抽出物が有効であることは予想もしえな
かったことで、本発明者らによって、はじめて明らかに
されたことである。
これら生薬は原末そのまままたは抽出エキス、生薬有
効成分の形態で直接投与したり、またこれらのものを飼
料に添加したりあるいは溶液製剤、分散製剤、半固形製
剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製剤、注射用製剤等に
製剤化して使用する。
効成分の形態で直接投与したり、またこれらのものを飼
料に添加したりあるいは溶液製剤、分散製剤、半固形製
剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製剤、注射用製剤等に
製剤化して使用する。
抽出エキスは、例えば水、有機溶剤または水と有機溶
剤との混合物を使用して溶剤抽出し、それをそのまま
か、濃縮してか、希釈してか、または溶剤を除去して用
いられる。
剤との混合物を使用して溶剤抽出し、それをそのまま
か、濃縮してか、希釈してか、または溶剤を除去して用
いられる。
有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、酢酸エ
チル、エーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、四塩化炭素、石油エーテル等が使用され、特にメタ
ノール、エタノールが望ましい。これらの有機溶剤は1
種または2種以上の混合物として用いることができる。
n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、酢酸エ
チル、エーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、四塩化炭素、石油エーテル等が使用され、特にメタ
ノール、エタノールが望ましい。これらの有機溶剤は1
種または2種以上の混合物として用いることができる。
この溶剤抽出は、生薬をこれらの溶剤に冷浸または温
浸して行なうことができる。冷浸の場合には15〜25℃、
温浸の場合は35〜45℃の温度範囲で行なうことができ
る。抽出時間は、抽出温度によって異なるが、一般的に
は約5日間または可溶性成分が充分に溶けるまでとす
る。
浸して行なうことができる。冷浸の場合には15〜25℃、
温浸の場合は35〜45℃の温度範囲で行なうことができ
る。抽出時間は、抽出温度によって異なるが、一般的に
は約5日間または可溶性成分が充分に溶けるまでとす
る。
生薬有効成分は、例えば、上記抽出エキスをさらに各
種溶剤を用いて振盪し、この溶剤に移行する画分を採り
出し、その溶剤を留去したものを有効画分、即ち有効成
分として用いることもできる。
種溶剤を用いて振盪し、この溶剤に移行する画分を採り
出し、その溶剤を留去したものを有効画分、即ち有効成
分として用いることもできる。
この場合に使用される溶剤は、非極性溶剤例えば、低
級脂肪族エーテル類(ジエチルエーテル、エチルメチル
エーテル等;低級ハロゲンアルカン類(クロロホルム、
ジクロルエタン、ジブロモエタン等);ベンゼン類(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等);その他の石油系溶剤
(石油エーテル、石油ベンゼン、リグロイン等)等が例
としてあげられる。
級脂肪族エーテル類(ジエチルエーテル、エチルメチル
エーテル等;低級ハロゲンアルカン類(クロロホルム、
ジクロルエタン、ジブロモエタン等);ベンゼン類(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等);その他の石油系溶剤
(石油エーテル、石油ベンゼン、リグロイン等)等が例
としてあげられる。
また、この有効画分を採り出した残りの水溶液を、水
及びある種の有機溶剤に水を飽和させたものを使用する
ことにより振盪抽出し、水洗し、残分である有機溶剤層
に移行する画分の溶剤を留去したものも、有効画分即ち
有効成分として用いることができる。この有効画分は上
記の有効画分とは、物理化学的性質が異なり、検出され
る成分も異なるものである。
及びある種の有機溶剤に水を飽和させたものを使用する
ことにより振盪抽出し、水洗し、残分である有機溶剤層
に移行する画分の溶剤を留去したものも、有効画分即ち
有効成分として用いることができる。この有効画分は上
記の有効画分とは、物理化学的性質が異なり、検出され
る成分も異なるものである。
投与量は、生薬の原末重量で換算して0.001mg/体重kg
/日〜100g/体重kg/日の範囲である。この量は予防剤と
して用いる場合と治療剤として用いる場合では異なり、
一般的には後者の方が投与量は多くなる。
/日〜100g/体重kg/日の範囲である。この量は予防剤と
して用いる場合と治療剤として用いる場合では異なり、
一般的には後者の方が投与量は多くなる。
投与方法は、経口投与または非経口投与することがで
き、非経口投与としては筋肉内投与、腹腔内投与、経皮
投与、経鼻投与、静脈内投与等が可能である。
き、非経口投与としては筋肉内投与、腹腔内投与、経皮
投与、経鼻投与、静脈内投与等が可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば豚のヘモフィル
ス感染症の有効な予防及び治療剤並びに有効な予防及び
治療方法が提供される。
ス感染症の有効な予防及び治療剤並びに有効な予防及び
治療方法が提供される。
本発明の予防及び治療剤は生薬またはそれから得られ
るエキス等を主薬とするため、抗生物質等の場合の耐性
菌の発生や副作用の問題が全くなく、安心して投与する
ことができる。
るエキス等を主薬とするため、抗生物質等の場合の耐性
菌の発生や副作用の問題が全くなく、安心して投与する
ことができる。
また、薬剤の残留による人体への影響の心配がないた
め、肉用豚に対するヘモフィルス感染症の予防及び治療
のための薬物として適当である。
め、肉用豚に対するヘモフィルス感染症の予防及び治療
のための薬物として適当である。
さらに、抗生物質等を用いる場合に比べて、安価に同
疾病を予防及び治療することができる。
疾病を予防及び治療することができる。
以下本発明を試験例及び実施例によりさら詳しく説明
する。
する。
試験例 1 Haemophilus parasuis及びHaemophilus pleuropneumo
niaeの各種生薬に対する感受性を調べた。
niaeの各種生薬に対する感受性を調べた。
各種生薬を、生薬に対し7倍量の50%エタノール水溶
液中に加え、16時間抽出してアルコール抽出物とした。
液中に加え、16時間抽出してアルコール抽出物とした。
また前記50%エタノール水溶液に代えて7〜15倍量の
水を使用し、これを100℃の温浴下で1時間抽出したも
のを水抽出物とした。
水を使用し、これを100℃の温浴下で1時間抽出したも
のを水抽出物とした。
各抽出物を直径8mmのディスクに25μlずつしみ込ま
せ乾燥させた。このディスクをH.parasuis及びH.pleuro
pneumoniaeの菌株を塗った各チョコレート寒天培地に置
き37℃で18時間微好気培養した後阻止円の直径を測定し
た。
せ乾燥させた。このディスクをH.parasuis及びH.pleuro
pneumoniaeの菌株を塗った各チョコレート寒天培地に置
き37℃で18時間微好気培養した後阻止円の直径を測定し
た。
次にその試験結果を示せば第1〜4表のとおりであ
る。
る。
実施例 1 基礎飼料 とうもろこし 450重量部 マ イ ロ 310重量部 大 豆 粕 146重量部 なたね粕 30重量部 魚 粉 15重量部 肉 骨 粉 10重量部 イエローグリス 18重量部 炭酸カルシウム 5重量部 りん酸カルシウム 8重量部 食 塩 3重量部 プレミックス 5重量部 前記基礎飼料にダイオウ粉末を重量皮で2%添加し供
試飼料とした。この供試飼料を48日令の健康豚20頭に自
由給餌させ、試験開始から5日目にヘモフィルス野外感
染豚から分離したHaemophilus pleuropneumoniaeを豚1
頭当り109個/mlを2ml気管内に投与した。そして投与後
7日目までの死亡頭数を観察した。なお対照区は前記供
試飼料の代りに基礎飼料を与えた以外は前記と同様に行
なった。
試飼料とした。この供試飼料を48日令の健康豚20頭に自
由給餌させ、試験開始から5日目にヘモフィルス野外感
染豚から分離したHaemophilus pleuropneumoniaeを豚1
頭当り109個/mlを2ml気管内に投与した。そして投与後
7日目までの死亡頭数を観察した。なお対照区は前記供
試飼料の代りに基礎飼料を与えた以外は前記と同様に行
なった。
その結果試験区では2頭/20頭であったが対照区は18
頭/20頭であった。
頭/20頭であった。
実施例 2〜6 実施例1においてダイオウの代りに下記表の生薬を用
いた以外実施例1と同様に行なった。
いた以外実施例1と同様に行なった。
次にその試験結果を示せば第5表のとおりである。
実施例 7〜10 基礎飼料 A とうもろこし 450重量部 マ イ ロ 310重量部 大 豆 粕 146重量部 なたね粕 30重量部 魚 粉 15重量部 肉 骨 粉 10重量部 イエローグリス 18重量部 炭酸カルシウム 5重量部 りん酸カルシウム 8重量部 食 塩 3重量部 プレミックス 5重量部 基礎飼料 B とうもろこし 250重量部 マ イ ロ 492重量部 ふ す ま 35重量部 脱脂米糠 35重量部 大 豆 粕 85重量部 なたね粕 40重量部 綿 実 粕 10重量部 魚 粉(60%) 5重量部 肉 骨 粉 10重量部 糖 密 20重量部 炭酸カルシウム 11重量部 食 塩 3重量部 プレミックス 4重量部 上記基礎飼料A及びBに夫々オウバク、サンシュユ、
タンジン及びアロエの粉末を重量比で2%添加し供試飼
料A′及びB′とした。48日令の健康豚100頭に90日令
まで供試飼料A′を与え、その後は供試飼料B′を自由
給餌させた。また、対照区として、前記供試飼料に代え
て基礎飼料のみを自由給餌させた。180日令まで各区飼
育し、その期間野外感染のHaemophilus parasuis感染に
よる関節炎に罹患した頭数を観察した。その試験結果を
示せば第6表のとおりである。
タンジン及びアロエの粉末を重量比で2%添加し供試飼
料A′及びB′とした。48日令の健康豚100頭に90日令
まで供試飼料A′を与え、その後は供試飼料B′を自由
給餌させた。また、対照区として、前記供試飼料に代え
て基礎飼料のみを自由給餌させた。180日令まで各区飼
育し、その期間野外感染のHaemophilus parasuis感染に
よる関節炎に罹患した頭数を観察した。その試験結果を
示せば第6表のとおりである。
実施例 11 ダイオウ、オウレン、ギュウタン、ゴバイシ、チョウ
ジ、ウバイ、オウバク、サンシュユ、タンジン及びアロ
エの各々を1kgとり、これを夫々10の水に入れ100℃で
1時間抽出した。各々の水抽出物を1000倍に希釈し、抽
出エキスとした。
ジ、ウバイ、オウバク、サンシュユ、タンジン及びアロ
エの各々を1kgとり、これを夫々10の水に入れ100℃で
1時間抽出した。各々の水抽出物を1000倍に希釈し、抽
出エキスとした。
48日令の豚を10頭ずつ使用し、試験区は抽出エキスを
水の代りに与え、対照区は水を与えた。飼料は実施例1
で使用した基礎飼料Aを用いた。
水の代りに与え、対照区は水を与えた。飼料は実施例1
で使用した基礎飼料Aを用いた。
そして試験開始5日目にヘモフィルス野外感染豚から
分離したHaemophilus pleuropneumoniaeを1頭当り109
個/mlを2ml気管内に投与して感染させ、その後7日間迄
の死亡頭数を調べた。その結果すべての試験区で対照区
よりヘモフィルス症による死亡頭数は少かった。
分離したHaemophilus pleuropneumoniaeを1頭当り109
個/mlを2ml気管内に投与して感染させ、その後7日間迄
の死亡頭数を調べた。その結果すべての試験区で対照区
よりヘモフィルス症による死亡頭数は少かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 A61K 35/78 C K Q V (56)参考文献 特開 昭61−210038(JP,A) 特開 昭62−12720(JP,A) 特開 昭62−59214(JP,A) 特開 昭51−61612(JP,A) 特開 昭57−132847(JP,A) 特開 昭57−26549(JP,A) 赤松金芳著、「新訂和漢薬」、医歯薬 出版株式会社、昭和55年10月15日、第1 版第5刷発行、第493,454,784,268, 209,369,301,178,109頁参照
Claims (4)
- 【請求項1】ダイオウ、オウレン、ギュウタン、ゴバイ
シ、チョウジ、ウバイ、オウバク、サンシュユ、タンジ
ン及びアロエからなる群から選択された1種または2種
以上の生薬を含有する豚のヘモフィルス感染症の予防及
び治療剤。 - 【請求項2】生薬が原末の形態である特許請求の範囲第
1項に記載の予防及び治療剤。 - 【請求項3】生薬が有機溶剤、水と有機溶剤との混合物
または水で抽出した生薬エキス及び/またはそれから得
られた生薬有効成分である特許請求の範囲第1項に記載
の予防及び治療剤。 - 【請求項4】生薬が、飼料中に配合されてなる特許請求
の範囲第1項に記載の予防及び治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62328324A JP2599154B2 (ja) | 1987-12-26 | 1987-12-26 | 豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62328324A JP2599154B2 (ja) | 1987-12-26 | 1987-12-26 | 豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01172336A JPH01172336A (ja) | 1989-07-07 |
JP2599154B2 true JP2599154B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=18208964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62328324A Expired - Lifetime JP2599154B2 (ja) | 1987-12-26 | 1987-12-26 | 豚のヘモフィルス感染症の予防及び治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599154B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103860680A (zh) * | 2014-03-17 | 2014-06-18 | 安徽科技学院 | 一种用于防治副猪嗜血杆菌病的药物 |
-
1987
- 1987-12-26 JP JP62328324A patent/JP2599154B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
赤松金芳著、「新訂和漢薬」、医歯薬出版株式会社、昭和55年10月15日、第1版第5刷発行、第493,454,784,268,209,369,301,178,109頁参照 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01172336A (ja) | 1989-07-07 |
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