JP2599153B2 - 豚のボルデテラ症の予防及び治療剤 - Google Patents

豚のボルデテラ症の予防及び治療剤

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JP2599153B2 JP62328323A JP32832387A JP2599153B2 JP 2599153 B2 JP2599153 B2 JP 2599153B2 JP 62328323 A JP62328323 A JP 62328323A JP 32832387 A JP32832387 A JP 32832387A JP 2599153 B2 JP2599153 B2 JP 2599153B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、豚のボルデテラ症の予防及び治療剤並びに
予防及び治療方法に関する。
さらに詳しくは、Bordetella bronchiseptica感染に
よる豚のボルデテラ症の生薬を用いる予防及び治療剤並
びに予防及び治療方法に関する。
[従来の技術] 豚のボルデテラ症は、豚の主要な伝染性呼吸器病の1
つで、病原菌はBordetella bronchisepticaである。本
症による汚染率は全国で50%ときわめて高く、養豚業に
与える産業的被害も大きいことから、豚の数ある疾病の
中でその防除対策の確立が急がれる最も重要な疾病の1
つである。
本疾病は、Bordetella bronchisepticaの感染によっ
て、鼻甲介萎縮に至る鼻炎の他に気管支炎や肺炎を併発
することが多い。なかでも鼻甲介萎縮は、本疾病の最大
の特徴とされているので、一般的には萎縮性鼻炎とよば
れている。
このような重大な伝染病であるにもかかわらず、予防
・治療方法が未だ確立されていない。
予防方法として、母豚をワクチンで高度に免疫してお
き、その移行抗体により子豚の感染を予防せんとする試
みがあるが、子豚への移行抗体の付与が不十分であった
り、母豚の抗体価の上昇が不十分である場合も多く、感
染予防効果は期待できないことが多い。また子豚へ直接
接種するワクチンに関しても、感染を予防できるほど強
い免疫を与え得るワクチンはまだ開発されていない。
また、これまでに本症を予防及び治療するために、抗
生物質やその他の抗菌剤を飼料とともに投与する方法も
行なわれている。しかし、近年、特に耐性菌の発生や食
肉への抗生物質等の残留性の問題などがあって、抗生物
質などの投与を動物に対して行なうことは適当ではない
という気運が高まりつつある。従って、抗生物質などを
用いない本症の予防及び治療方法と予防及び治療剤の開
発が望まれている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の問題点を解決すべく研究した結
果、生薬ゴバイシに本疾病を抑制する効果がある事を見
出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の目的は、豚のボルデテラ症の予防及び
治療剤並びに同症の予防及び治療方法を提供することに
ある。
本発明は、ゴバイシを含有する豚のボルデテラ症の予
防及び治療剤を提供するものである。
本発明は、また原末の形態のゴバイシ、水、有機溶剤
または水と有機溶剤との混合物で抽出して得られるゴバ
イシエキス、またはゴバイシ有効成分を含有する上記の
豚のボルデテラ症の予防及び治療剤を提供するものであ
る。
本発明はまたゴバイシを飼料中に配合してなる豚のボ
ルデテラ症の予防及び治療剤を提供するものである。
更に本発明は、有効量のゴバイシを投与することから
なる豚のボルデテラ症の予防及び治療方法を提供するも
のである。
本発明はまた、原末の形態のゴバイシ、有機溶剤で抽
出して得られるゴバイシエキス、またはゴバイシ有効成
分の形態で投与することからなる豚のボルデテラ症の予
防及び治療方法を提供するものである。
ゴバイシ(五倍子)は、ヌルデノミミフシアブラムシ
(Melaphis chinensis J.Bell)の刺傷により主として
ヌルデ(Rhus javanica Linn)の葉に生じたゴールで
ある。このものは成分として、タンニン50〜58%、少量
の没食子酸、脂肪、樹脂等を含み、五倍子チンキ、タン
ニン酸、没食子酸、ピロガロール等の製造原料として用
いられている。
上記したように、本発明で用いる生薬ゴバイシは、ヒ
トの薬用植物として従来から使用されていたものである
が、これらを動物の疾病の予防及び治療の目的、殊に動
物の感染症の予防及び治療の目的で使用する試みはこれ
までになされたことがなかった。
本発明者らは、上記したゴバイシの薬効に着目して種
々研究を行なった結果、豚のボルデテラ症、即ち豚が細
菌Bordetella bronchisepticaに感染することによって
発生する病気の予防及び治療にゴバイシを投与すること
がきわめて有効であることを見出して本発明を完成した
ものである。
即ち、下記するように、ゴバイシ及びその抽出物がイ
ンビトロ及びインビボにおいて細菌Bordetella bronchi
septicaに対し特異的に静菌作用及び殺菌作用があるこ
とが明らかになった。そしてこのBordetella bronchise
pticaに対する抑制効果の結果、ゴバイシを豚に投与し
た場合にBordetella bronchisepticaに由来する豚の疾
病であるボルデテラ症を予防及び治癒することができた
のである。
そしてこの豚に特有の疾病に対してゴバイシ及びその
抽出物が有効であることは予想もしえなかったことで、
本発明者らによってはじめて明らかにされたことであ
る。
これら生薬は原末そのまままたは抽出エキス、生薬有
効成分の形態で直接投与したり、またこれらのものを飼
料に添加したり、あるいは溶液製剤、分散製剤、半固形
製剤、粉粒体製剤、成型製剤、浸出製剤、注射用製剤等
に製剤化して使用する。
抽出エキスは、例えば、水、有機溶剤または水と有機
溶剤との混合物を使用して溶剤抽出し、それをそのまま
か、濃縮してか、希釈してか、または溶剤を除去して用
いられる。
有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、アセトン、酢酸エ
チル、エーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、四塩化炭素、石油エーテル等が使用され、特にメタ
ノール、エタノールが望ましい。これらの有機溶剤は1
種または2種以上の混合物として用いることができる。
この溶剤抽出は、生薬をこれらの溶剤に冷浸または温
浸して行なうことができる。冷浸の場合には15〜25℃、
温浸の場合は35〜45℃の温度範囲で行なうことができ
る。抽出時間は、抽出温度によって異なるが、一般的に
は約5日間または可溶性成分が充分に溶けるまでとす
る。
生薬有効成分は、例えば、上記抽出エキスをさらに各
種溶剤を用いて振盪し、この溶剤に移行する画分を採り
出し、その溶剤を留去したものを有効画分、即ち有効成
分として用いることもできる。
この場合に使用される溶剤は、非極性溶剤例えば、低
級脂肪酸エーテル類(ジエチルエーテル、エチルメチル
エーテル等);低級ハロゲンアルカン類(クロロホル
ム、ジクロルエタン、ジブロモエタン等);ベンゼン類
(ベンゼン、トルエン、キシレン等);その他の石油系
溶剤(石油エーテル、石油ベンゼン、リグロイン等)等
が例としてあげられる。
また、この有効画分を採り出した残りの水溶液を、水
及びある種の有機溶剤に水を飽和させたものを使用する
ことにより振盪抽出し、水洗し、残分である有機溶剤層
に移行する画分の溶剤を留去したものも、有効画分即ち
有効成分として用いることができる。この有効画分は上
記の有効画分とは、物理化学的性質が異なり、検出され
る成分も異なるものである。
投与量は、生薬の原末重量で換算して0.001mg/体重kg
/日〜100g/体重kg/日の範囲である。この量は予防剤と
して用いる場合と治癒剤として用いる場合では異なり、
一般的には後者の方が投与量は多くなる。
投与方法は、経口投与または非経口投与することがで
き、非経口投与としては筋肉内投与、腹腔内投与、経皮
投与、経鼻投与、静脈内投与等が可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明によれば豚のボルデテラ
症の有効な予防及び治療剤並びに有効な予防及び治療方
法が提供される。
本発明の予防及び治療剤は生薬またはそれから得られ
るエキス等を主薬とするため、抗生物質等の場合の耐性
菌の発生や副作用の問題が全くなく、安心して投与する
ことができる。
また、薬剤の残留による人体への影響の心配がないた
め、肉用豚に対するボルデテラ症の予防及び治療のため
の薬物として適当である。
さらに、抗生物質等を用いる場合に比べて、安価に同
疾病を予防及び治療することができる。
以下本発明を試験例及び実施例によりさらに詳しく説
明する。
試験例 1 Bordetella bronchisepticaの各種生薬に対する感受
性を調べた。
ゴバイシを、ゴバイシに対し7倍量の50%エタノール
水溶液中に加え、16時間抽出してアルコール抽出物とし
た。
抽出物を直径8mmのディスクに25μlずつしみ込ませ
乾燥させた。このディスクをBordetella bronchiseptic
aの菌株を塗った血液寒天培地に置き37℃で18時間培養
した後阻止円の直径を測定したところ、17mmであった。
実施例 1 基礎飼料 A とうもろこし 450重量部 マ イ ロ 310重量部 大 豆 粕 146重量部 なたね粕 30重量部 魚 粉 15重量部 肉 骨 粉 10重量部 イエローグリス 18重量部 炭酸カルシウム 5重量部 りん酸カルシウム 8重量部 食 塩 3重量部 プレミックス 5重量部 基礎飼料 B とうもろこし 250重量部 マ イ ロ 492重量部 ふ す ま 35重量部 脱脂米糠 35重量部 大 豆 粕 85重量部 なたね粕 40重量部 綿 実 粕 10重量部 魚 粉 (60%) 5重量部 肉 骨 粉 10重量部 糖 密 20重量部 炭酸カルシウム 11重量部 食 塩 3重量部 プレミックス 4重量部 前記基礎飼料A及びBにそれぞれゴバイシ粉末を重量
比で2%添加し、供試飼料A′及びB′を調製した。
60日分の健康豚10頭に供試飼料A′を自由給餌させ、
65日令にボルデテラ症発症豚から分離されたBordetella
bronchisepticaを豚1頭当り3×108個/mlを1ml鼻腔内
に噴霧投与した。91日令から供試飼料B′に切り換え18
0日令まで飼育した。
また対照区は供試飼料の代りに基礎飼料A及びBを用
いた以外は前記と同様に行なった。
180日令の豚を剖検して肺炎の有無、鼻甲介の萎縮の
程度泳び鼻腔内からの菌分離を行なった。
その結果感染後に肺炎の見られた豚は本発明の試験区
では0頭/10頭であったが、対照区は5頭/10頭であっ
た。また鼻甲介の萎縮の程度は試験区では無病変が8頭
/10頭、軽度が2頭/10頭であったのに対し、対照区は重
度が5頭/10頭、中等度が3頭/10頭、軽度が2頭/10頭
であった。さらに鼻腔内からの菌分離は試験区では菌分
離されたものが、2頭/10頭に対し、対照区は8頭/10頭
が菌分離された。
実施例 2 ゴバイシ1kgを10の水に入れ100℃で1時間抽出し
た。この水抽出物を1000倍に希釈し、抽出エキスとし
た。
100日令の豚を10頭ずつ使用し、試験区には抽出エキ
スを、一方対照区には水をそれぞれ豚の鼻腔内に毎日2
回、1回1mlずつスプレーで噴霧した。飼料は試験区、
対照区共に実施例1で使用したものと同じ基礎飼料を用
いた。そして試験開始から5日目にボルデテラ発症豚か
ら分離されたBordetella bronchisepticaを豚1頭当り
3×108個/mlを1ml鼻腔内に噴霧して感染させた。感染
させた後60日目に剖検し、実施例1と同様に肺炎の有
無、鼻甲介の萎縮の程度及び鼻腔内からの菌分離を行な
った。
その結果すべての試験区で対照区より肺炎の病変のあ
る豚の頭数が少なく、鼻甲介の萎縮の程度も軽く、鼻腔
から菌が回収された豚の数も少なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−26549(JP,A) 特開 昭57−132847(JP,A) 赤松金芳著、「新訂和漢薬」、医歯薬 出版株式会社、昭和55年10月15日、第1 版第5刷発行、第268頁第268頁参照

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴバイシを含有する豚のボルデテラ症の予
    防及び治療剤。
  2. 【請求項2】ゴバイシが原末の形態である特許請求の範
    囲第1項に記載の予防及び治療剤。
  3. 【請求項3】ゴバイシが水、有機溶剤または水と有機溶
    剤の混合物で抽出したゴバイシエキス及び/またはそれ
    から得られた有効成分である特許請求の範囲第1項に記
    載の予防及び治療剤。
  4. 【請求項4】ゴバイシが飼料中に配合されてなる特許請
    求の範囲第1項に記載の予防及び治療剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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赤松金芳著、「新訂和漢薬」、医歯薬出版株式会社、昭和55年10月15日、第1版第5刷発行、第268頁第268頁参照

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