JP2599000B2 - 新規物質cl190y2及びその製造法並びにそれを有効成分とする抗酸化剤 - Google Patents

新規物質cl190y2及びその製造法並びにそれを有効成分とする抗酸化剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗酸化性を有する新規物質及びその製造法
並びにそれを有効成分とする抗酸化剤に関する。
〔発明の背景〕
食品を保存する場合に、微生物による腐敗などのほか
に、空気中の酸素による変質が大きな問題となる。この
変化は油脂の酸敗による異味、異臭、変色と色素の酸化
退色などとして現れる。この酸化変質現象を防止するに
は、びん・缶詰などの包装容器に入れて空気との接触を
断つ方法と、抗酸化剤を添加する方法とがある。
抗酸化剤にはアスコルビン酸、エリソルビン酸などの
水溶性のものと、没食子酸エステル類などのフェノール
性化合物で油溶性のものとがある。前者は主に色素の酸
化防止に、後者な油脂の酸化防止に用いられる。
油脂は酵素、水、金属塩、熱、光などの存在下に酸化
されやすく、最初は徐々にすすみ、この期間を過ぎると
急激に進行する。酸化は油脂中の不飽和脂肪酸の二重結
合炭素に酸素が作用し、遊離基ないしは過酸化物が生
じ、これによって連鎖的に反応が進行し、アルデヒド、
ケトン、酸などに分解すると考えられている。このとき
酵素、金属塩などが触媒としてはたらき、熱や光がエネ
ルギーを供給する。不飽和度の高い油脂ほどこの反応速
度が速い。抗酸化剤はこの遊離基または過酸化物にはた
らき、連鎖反応を中断させ、自身は酸化される。
一方、従来より、抗酸化物質は、例えば血小板凝集に
よる種々の疾病、炎症、肝障害、動脈硬化、溶血、老化
乃至老人性痴呆性、網膜症、肺障害、ある種の薬物によ
る心及び肺障害、虚血性血管疾患、脳卒中、心筋梗塞、
脳出血、脳梗塞、脳血栓、白内障等の予防及び治療薬と
して多段提案されており、広く利用されている(特開昭
57−145871号、特開昭57−188586号、特開昭60−142919
号、特開昭63−30415号、特開昭63−117090号、特開昭6
3−218649号、特開昭63−130548号、特開昭63−130590
号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、抗酸化性を有する新規物質、その製
造法、及びそれを有効成分とする抗酸化剤を提供するこ
とである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は次の一般式(I)で示される新規物質CL190Y
2、その製造法、及びそれを有効成分とする抗酸化剤を
提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の新規物質CL190Y2は、ストレプトミセス属に
属するCL190Y2生産菌を培養し、培養物よりCL190Y2を分
離・採取することにより有利に製造することができる。
CL190Y2生産菌としては、ストレプトミセス属に属し、C
L190Y2生産能を有するものであれば、いずれも使用でき
る。具体的には、本発明者らの分離したストレプトミセ
ス・エリオユービファー(Streptomyces aeriouvifer)
CL−190(以下「CL−190株」という)が有利に使用でき
る。その他、抗生物質生産菌単離の常法によって適当な
ものを自然界より分離することも可能である。また、ス
トレプトミセスCL−190株を含めてCL190Y2の生産菌を放
射線照射その他の変異処理に付して、CL190Y2の生産能
を高めたものも使用できることはいうまでもない。
CL−190株 CL190Y2生産能を有するストレプトミセス属の菌株と
して本発明者らの見出しているCL−190株は、下記の内
容のものである。
1)由来および寄託番号 CL−190株は沖縄県で採取した土壌から分離された放
線菌であり、平成1年8月5日に工業技術院微生物工業
技術研究所に寄託されて「微工研条寄第2545号」(FERM
BP−2545)の番号を得ている。
2)菌学的性状 CL−190株の菌学的性状は以下のとおりである。
放線菌CL−190株の“特徴つけ”は『放線菌の同定実
験法』(日本放線菌研究会編)および国際ストレプトミ
セス・プロジェクト(International Streptomyces Pro
ject,ISP)の方法に従って行なった。
形態的特徴:本菌株の栄養(基生)菌糸は諸寒天培地上
でよく分枝しながら、菌糸の分断なしに成長する。菌糸
は後に不当長の分節を生じ、細胞質を消失した空細胞を
部分的に生ずることがある。諸液体培地においても、時
には同様な空細胞を部分的に生じ、長期培養により桿菌
状に分断することがある。気菌糸は単軸分枝しながら伸
長し、主軸または枝の途中に直状のときには曲状または
ループ状の多数の短枝を密な房状に分岐する。気菌糸は
特別な胞子形成菌糸を形成することなく、菌糸全体が分
節して胞子鎖状になり、分節部で折れるように分断して
分節胞子(胞子様体)を生ずる。分節胞子鎖は10から50
以上の胞子からなり、通常は直状(RF形態)、ときには
曲状またはループ状(RA形態)を呈する。分節胞子は裁
断状円筒形、大きさ0.5〜1.0×0.7〜1.6μm、平滑表
面、非運動性である。時には球形から長円形、大きさ0.
4〜0.6×0.6〜1.4μm、平滑表面、非運動性の胞子様体
を疎ら含む長い嚢状の鞘が観察されるが、真正の胞子嚢
が認められない。他の特殊形態は観察されない。
化学的特徴:全細胞加水分解物中のジアミノピメリン酸
はLL−型でmeso−型異性体を含まない(細胞壁型はI
型)。
培養的特徴:培養性状は表1に示す。集落表面の菌叢色
は淡青色(18ec)〜明灰味青色(19dc〜19fe)〜明灰味
青緑色(22fe)を呈し青色系列。集落の裏面色は不鮮明
色あるいはオリーブ色または明茶色で、両色はpHにより
変色する。培地中への拡散性色素はメラニン色素と淡黄
色または明茶色の色素をある培地で僅かに生産する。
生理的特徴:生理的性状は表2に示す。本菌株は中温
性、メラニン生成陽性でシュクロース、ラフィノース、
D−マンニットを利用しない。
表2 CL−190株の生理的性状 生育温度範囲 10 〜45 ℃ 最適温度 25 〜30 ℃ 生育pH範囲 〜6.0〜10.0 (pH6以下は試験を実施していない) 最適pH 6.0〜8.0 メラニン様色素の生成 チロシン寒天培地 + ペプトン・イースト・鉄寒天培地 + スターチの加水分解 + ゼラチンの液化 + 脱脂牛乳の凝固 + 脱脂牛乳のペプトン化 + 硝酸塩と還元性 + 炭素源の同化性 L−アラビノース + D−キシロース + D−グルコース + D−フラクトース + シュクロース − i−イノシトール + L−ラムノース + ラフィノース − D−マンニット − +:あり、−:なし 分類学的位置:以上の特徴を基礎として本菌株の所属す
べき属と種を公知放線菌の分類群について検索した。公
知の分類群は『細菌名承認リスト、1980』(Approved L
ists of Bacterial Names;Int.J.Syst.Bacteriol.30、2
25〜420、1980)およびその補遺(同誌35、382−407、1
985と同誌35巻以後の各号のリスト)に記載されたもの
に限定した。
本菌株の属ランクの特徴を要約すると次のようであ
る;細胞壁型はI型、気中菌糸を形成、菌糸全体が分節
して非運動性分節胞子を形成(ノカルヂオフォーム)。
この特徴をもつ放線菌はノカルヂオイデス(Nocardioid
es)属のみであるが、同属は栄養・気中両菌糸が寒天培
地上で容易に崩壊してコリネフォーム細菌状を呈する点
で本菌株と異なる。本菌株の胞子鎖が10〜50以上の胞子
からなる特徴に注目するとストレプトミセス(Streptom
yces)属に該当する。同属は胞子鎖以外の栄養・気中両
菌糸は分節および分断しないと定義されているが、所属
種の中にはノカルヂオフォームを示す種も少数ながら実
在しており、最近、胞子嚢や菌核などの特殊形態をもつ
ために別属とされていた菌種も同属に統合された。これ
らのことを考慮して、本菌株もストレプトミセス属に所
属させることとした。
本菌株の種ランクの特徴を要約すると次のようにな
る;胞子鎖は通常はRF形態ときにはRA形態、胞子表面は
平滑、菌叢色は青色系列、集落裏面色は不鮮明糸とオリ
ーブ色または明茶色でpHにより変色、メラニン色素生成
は陽性、拡散性色素は淡黄色または明茶色を僅かに生
成、シュクロース、ラフィノース、D−マンニットを利
用しない。これらの特徴に一致する公知の種は検索され
なかった。最も近似する種としてS.ケレスチス(S.cael
estis)が見出だされたが、菌糸全体の分節がなく、胞
子鎖がRA形態から螺旋形態でRF形態を示さず、シュクロ
ースとラフィノースを利用する点で本菌株と種を異にす
る。以上の結果より本菌株は新種とすべきものと判断さ
れる。よって本菌株は ストレプトミセス・エリオユービファー(Streptomyc
es aeriouvifer) と命名し、CL−190株を標準株と指定する。
培養/CL190Y2の生産 化合物CL190Y2は、ストレプトミセス属に属するCL190
Y2生産菌を適当な培地で好気的に培養し、培養物から目
的物を分離・採取することによって製造することができ
る。
培地は、CL190Y2生産菌か利用しうる任意の栄養源を
含有するものでありうる。具体的には、例えば、炭素源
としてグルコース、マルトース、スターチおよび油脂類
などが使用でき、窒素源として大豆粉、綿実粕、乾燥酵
母、酵母エキスおよびコーンスティープリカーなどの有
機物ならびにアンモニウム塩または硝酸塩、たとえば硫
酸アンモニウム、硝酸ナトリウムおよび塩化アンモニウ
ムなどの無機物が利用できる。また、必要に応じて、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、燐酸塩、重金属塩など無
機塩類を添加することができる。発酵中の発泡を抑制す
るために、常法に従って適当な消泡剤、例えばシリコン
油を添加することもできる。
培養方法としては、一般に行われている抗生物質の生
産方法と同じく、好気的液体培養法が最も適している。
培養温度は20−37℃が適当であるが、25−30℃が好まし
い。この方法でCL190Y2の生産量は、振盪培養で培養3
日間、通気攪拌培養で培養2日間で最高に達する。
このようにしてCL190Y2の蓄積された培養物が得られ
る。培養物中では、CL190Y2はその大部分が菌体中に存
在する。
このような培養物からCL190Y2を採取するには、合目
的的な任意の方法が利用可能である。そのひとつの方法
は抽出の原理に基くものであって、具体的には、菌体内
のCL190Y2については濾過、遠心分離などで得た菌体集
体をメタノール、エタノール、アセトンなどで処理して
回収する方法などがある。菌体を分離せずに培養物その
ままを上記の抽出操作に付すこともできる。適当な溶媒
を用いた向流分配法も抽出の範疇に入れることができ
る。
菌体抽出物は、CL190Y2を溶解し、水不混和性の溶
媒、例えば酢酸エチル、などで抽出する。このようにし
て得られたCL190Y2溶液を減圧濃縮乾固すれば、CL190Y2
粗標品が得られる。
このようにして得られるCL190Y2の粗標品をさらに精
製するためには、上記の抽出法および吸着法にゲル濾過
法などを必要に応じて組合せて必要回数行えばよい。た
とえば、シリカゲルなどの吸着剤、「セファデックスLH
−20」(ファルマシア社製)などのゲル濾過剤を用いた
カラムクロマトグラフィーなどを適宜組合せて実施する
ことができる。具体的には、たとえば、CL190Y2粗標品
を「セファデックスLH−20」カラムに付し、クロロホル
ム−メタノール(1:1)混合液で活性画分を溶出させ、
濃縮乾固するとCL190Y2の純品が得られる。
かくして得られたCL190Y2は、下記の物理化学的性質
を有するものであり、X線結晶解析の結果、前記式
(I)で示される化学構造を有することがわかった。
(1)外観 橙色結晶 (2)融点 224−225℃(分解) (3)分子式 C21H22O5 (4)元素分析値 実測値 (%)、計算値 (%) 炭素 71.13、炭素 71.17 水素 6.22、水素 6.26 酸素 22.90、酸素 22.57 (5)溶解性 メタノール、エタノール、アセトン、酢
酸エチル、クロロホルムに可溶、水に不溶。
(6)Rf値(メルク社製「シリカゲル60F254」使用) ヘキサン−酢酸エチル(4:1) 0.22 トルエン−アセトン(97:3) 0.21 (7)Fabマススペクトル(m/z)355(M+H) (8)紫外吸収スペクトルλmax nm(ε)第1図に示
す。
215(24400)、266(18800)、315(12400)、415(420
0)(メタノール中) 208(27500)、229(25200)、291(20700)、325(860
0)、425(3800)、520(4200)(0.01規定水酸化ナト
リウム−メタノール中) (9)赤外吸収スペクトル(KBrディスク法)第2図に
示す。
(cm-1)3300,1620,1600,1580,1430,1320,1275,1245 (10)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500メガヘル
ツ、重クロロホルム中)第3図に示す。
7.31(1H,5−H),3.47(1H,9−H),6.01(1H,10−
H), 1.95(2H,12−H),1.25(1H,13−H),1.95(1H,13−
H), 1.75(1H,14−H),1.64(3H,16−H),1.51(3H,17−
H), 1.34(3H,18−H),2.15(3H,7−CH3), 8.25(1H,6−OH),12.20(1H,8−OH) (11)炭素13核磁気共鳴スペクトル(125メガヘルツ、
重クロロホルム中)第4図に示す。
183.1(s,C−1),153.5(s,C−2),123.3(s,C−
3), 184.8(s,C−4),131.4(s,C−4a),108.4(d,C−
5), 161.5(s,C−6),117.2(s,C−7),162.6(s,C−
8), 107.9(s,C−8a),31.1(d,C−9),120.0(d,C−
1), 136.1(s,C−11),29.6(t,C−12),20.4(t,C−13), 39.7(d,C−14),80.8(s,C−15),23.5(q,C−16), 25.6(q,C−17),25.1(q,C−18),7.8(q,7−CH3) (12)旋光度▲〔α〕23 d▼(C0.1,CHCl3)−648゜ 本発明の化合物CL190Y2は、下記の生物活性試験に示
すように抗酸化活性を有する。したがって、本発明のCL
190Y2は抗酸化剤として使用することができる。
生物活性 CL190Y2はラット肝ミクロソームにおける脂質過酸化
抑制活性を示した。生成した過酸化脂質はチオバルビツ
ール酸法により検出した。例えば0.174MKClを含む25mM
トリス塩酸バッファーpH7.4にて懸濁した10%ラット肝
ミクロソーム(0.5ml)に同バッファー0.75mlを加え、
更に、15μg/ml〜200μg/mlの濃度のCL190Y2 0.05mlな
らびに0.015Mアスコルビン酸0.5mlを添加する。(反応
液中の三価の鉄とアスコルビン酸によりラジカルを発生
させ肝ミクロソームの脂質を酸化させる。)この反応液
を37℃、1時間インキュベート後、20%トリクロロ酢酸
0.5mlを加え反応を停止させ、3000rpm、10分間遠心した
後、反応上澄液1mlを分注し、0.67%チオバルビツール
酸0.5mlとともに100℃、20分間インキュベート後530nm
の波長で吸光係数を測定した。CL190Y2は最終濃度3.5μ
g/ml以上で抗酸化活性が認められ、IC50値は5.27μg/ml
であった。一方、CL190Y2のかわりにビタミンEを使用
した他は、上記と同様な方法でビタミンEの抗酸化活性
を測定した。その結果、ビタミンEのIC50値は9.44μg/
mlであった。
CL190Y2はラット脳ホモゲナイズ懸濁液に対し脂質過
酸化抑制活性を示した。生成した過酸化脂質はチオバル
ビツール酸法により検出した。例えば、ラット脳細胞を
0.174MKClを含む25mMトリス塩酸バッファーpH7.4中でホ
モゲナイズし10%(W/V)に希釈する。この脳ホモゲナ
イズ液0.5mlと0.174MKClを含む25mMトリス塩酸バッファ
ー0.75mlさらに125μg/ml〜250μg/mlの濃度のCL190Y2
溶液0.05mlおよび0.015Mアスコルビン酸0.5mlを加す
る。(反応液中の三価の鉄とアスコルビン酸によりラジ
カルを発生させ肝ミクロソームの脂質を酸化させる。)
この反応液を37℃、1時間インキュベート後、20%トリ
クロロ酢酸0.5mlを加え反応を停止させ、3000rpm、10分
間遠心した後、反応上澄液1mlを分注し、0.67%チオバ
ルビツール酸0.5mlとともに100℃、20分間インキュベー
ト後530nmの波長で吸光係数を測定した。その結果3.5μ
g/ml以上の濃度で過酸化脂質の抑制結果が認められた。
本発明の抗酸化剤は、生体膜、食品、食用油、脂肪、
ワックス、ビタミン、香料等を安定化するのに使用でき
る。その場合、抗酸化剤が被安定化物質中に約1.0〜100
0ppmの濃度、好ましくは約2.0〜200ppm(被安定化物質
の重量にもとづき)の濃度で分散するようにする。
以下において「%」は「w/v%」である。
実施例 1)種母の調製 使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの水
に溶解してpH6.2に調整したものである。
グルコース 25.0g 大豆粉 15.0g 酵母エキス 2.0g 炭酸カルシウム 4.0g 上記培地100mlを500mlのイボ付三角フラスコへ分注
し、殺菌後、ストレプトミセスCL−190株をスラントよ
り1白金耳接種し、27℃にて2日間振盪培養したものを
種母とした。
2)培 養 使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの水
に溶解して、pH6.2に調整したものである。
グルコース 25.0g 大豆粉 15.0g 酵母エキス 2.0g 炭酸カルシウム 4.0g 上記培地を30リットルずつ50リットル容ジャーファー
メンターに分注殺菌したものへ、上記種母600mlを添加
し、27℃にて2日間、200rpm、0.4VVMの通気攪拌培養を
行った。
3)CL190Y2の採取 上記の条件で培養後、培養液(60リットル)を濾過
し、濾液を等量の酢酸エチルで抽出し、抽出液を濃縮乾
固した。これを少量のヘキサン−酢酸エチル(4:1)に
溶解し、不溶物を除いた後、シリカゲル(和光純薬製
「ワコーゲルC200」)のカラム(3.4cmφ×34cm)に吸
着させ、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)で溶出した。活
性フラクションを濃縮乾固するとCL190Y2の赤色粉末3.6
gが得られた。これを少量のクロロホルム−メタノール
−アンモニア水(20:2:0.1)に溶解し、シリカゲル(和
光純薬製「ワコーゲルC200」)のカラム(5cmφ×34c
m)に吸着させ、クロロホルム−メタノール−アンモニ
ア水(20:2:0.1)で溶出した。活性フラクションを濃縮
乾固するとCL190Y2の赤色粉末1.58gが得られた。これを
少量のクロロホルム−メタノール(1:1)に溶解し、
「セファデックスLH−20」のカラム(3.0cmφ×95cm)
に付し、クロロホルム−メタノール(1:1)にて活性画
分を溶出した。これを濃縮乾固し、酢酸エチル中で放置
するとCL190Y2の橙色の平板結晶が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、CL190Y2のメタノール中(実線)、および0.0
1規定水酸化ナトリウム−メタノール中(点線)でのCL1
90Y2の紫外吸収スペクトルである。 第2図は、CL190Y2のKBrディスク法による赤外吸収スペ
クトルである。 第3図は、CL190Y2の重クロロホルム中における500メガ
ヘルツプロトン核磁気共鳴スペクトルである。 第4図は、CL190Y2の重クロロホルム中における125メガ
ヘルツ炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:465)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I)で示される新規物質CL190Y2。
  2. 【請求項2】式(I)で示される化合物CL190Y2を有効
    成分とする抗酸化剤。
  3. 【請求項3】ストレプトミセス属に属するCL190Y2生産
    菌を培養し、培養物よりCL190Y2を分離・採取すること
    を特徴とするCL190Y2の製造法。
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