JP2597696Y2 - 口紅等の収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は口紅、リップクリーム、
スチックアイシャドウ、スチックファンデーション等の
棒状化粧品を、二重皿を用いて収納する口紅等の収納容
器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の二重皿を用いた口紅収納容器はハ
カマ部材と、このハカマ部材内に下端部が挿入固定され
上端部が該ハカマ部材の上端部より上方に突出する軸心
方向の切欠部が形成された内筒部材と、この内筒部材の
外周部を回動可能に覆う螺旋溝が形成された螺旋部材
と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒部材と、前記内筒
部材内に上下移動可能に取付けられた外壁面に該内筒部
材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と係合する係合
ピンが、内壁面に係合片が形成された支持皿と、この支
持皿内に挿入され該支持皿の係合片と係合する係止片を
有する口紅を支持する支持部材とで構成されている。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】従来の口紅収納容器
は支持皿に口紅を支持した支持部材を嵌合させる場合に
支持皿の係合部と支持部材の係止片との係合がスムーズ
に行なえると、支持部材の脱落事故が発生しやすくな
り、きついと係合作業がしづらく、その作業中に口紅を
損傷させてしまう等の欠点があった。

【０００４】本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、
支持皿に口紅等が支持された支持部材を楽に嵌合固定す
ることができるとともに、支持部材の抜け脱や嵌合時の
口紅等の損傷を効率よく防止することができる口紅等の
収納容器を提供することを目的としている。

【０００５】本考案の前記ならびにそのほかの目的と新
規な特徴は次の説明を添付図面と照し合せて読むと、よ
り完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱ
ら解説のためのものであって、本考案の範囲を限定する
ものではない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案はハカマ部材と、このハカマ部材内に下端部
が挿入固定され上端部が該ハカマ部材の上端部より上方
に突出する軸心方向の切欠部が形成された内筒部材と、
この内筒部材の外周部を回動可能に覆う螺旋溝が形成さ
れた螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒部材
と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付けられた外壁
面に該内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋溝と
係合する係合ピンが、内壁面に係合片が形成された支持
皿と、この支持皿内に挿入され該支持皿の係合片と係合
する係止片を有する口紅等を支持する支持部材とを備え
る口紅等の収納容器において、前記支持皿に支持部材を
嵌合させるために上部に位置させた場合に該支持皿の係
合片と対応する部位の前記内筒部材の内壁面に支持部材
の嵌合時の支持皿の外方へのひろがりを受容する受容部
とで口紅等の収納容器を構成している。

【０００７】

【作用】上記のように構成された口紅等の収納容器は、
支持部材を支持皿内に押し込んだ場合、支持部材の係止
片によって支持皿の係合片部位が外方へふくらむが、該
ふくらみは内筒部材の内壁面に形成された受容部内に位
置する。

【０００８】

【本考案の実施例】以下、図面に示す実施例により本考
案を詳細に説明する。

【０００９】図１ないし図７の本考案の第１の実施例に
おいて、１はハカマ部材で、このハカマ部材１は下端部
が閉塞された筒状のハカマ部材本体２と、このハカマ部
材本体２の上部に上端部が上方へ突出し、外周部にキャ
ップ嵌合部３が形成されたキャップ嵌合部材４とから構
成されている。

【００１０】５は前記ハカマ部材１内に下端部が挿入固
定され、上端部が前記ハカマ部材１の上端部より上方へ
突出する内筒部材で、この内筒部材５は外周部に螺旋部
材収納凹部６が形成された内筒部材本体７と、この内筒
部材本体７の下端部に一体成型された嵌合部８と、前記
内筒部材本体７の対向面部位に軸心方向に形成された上
下部にそれぞれストッパー溝９、１０を有する切欠部１
１、１１と、この切欠部１１、１１の上部ストッパー溝
９、９の下部部位の内壁面に形成された凹状の受容部１
２とから構成されている。

【００１１】１３は前記内筒部材５の螺旋部材収納凹部
６内に回動可能に取付けられた螺旋溝１４を有する螺旋
部材である。

【００１２】１５は前記螺旋部材１３の外周部を覆い下
端部が前記ハカマ部材１内へ挿入された外筒部材であ
る。

【００１３】１６は前記内筒部材５内に上下移動可能に
取り付けられた支持皿で、この支持皿１６の外壁面に前
記内筒部材５の切欠部１１、１１および前記螺旋部材１
３の螺旋溝１４、１４と係合する係合ピン１７、１７が
形成され、該係合ピン１７、１７が形成された部位の下
端部寄りの内壁面には係合片１８、１８が形成されてい
る。

【００１４】１９は前記支持皿１６に嵌合固定される口
紅２０が支持された支持部材で、この支持部材１９は前
記支持皿１６の外径寸法と同様に形成された支持部２１
と、この支持部２１の下端部と一体成形された前記支持
皿１６の内径寸法よりもわずかに小さい外径寸法の嵌合
部２２と、この嵌合部２２の下部寄りの外壁面に形成し
た前記支持皿１６の係合片１８、１８と係合する係止片
２３、２３とから構成されている。

【００１５】２４は前記外筒部材１５の外周部を覆う前
記ハカマ部材１のキャップ嵌合部３に着脱可能に嵌合す
るキャップである。

【００１６】上記構成の口紅収納容器２５は図６に示す
ように、支持皿１６を最上部に位置させた状態で、図７
に示すように口紅２０を支持させた支持部材１９を支持
皿１６内に嵌合するように押し込むことにより、支持部
材１９の係止片２３、２３が支持皿１６の係合片１８、
１８をのりこえる場合に、支持皿１６を外方へひろげる
が、この外方へのひろがりは内筒部材５の受容部１２、
１２内へ入り込み、その抵抗の増大を防止する。

【００１７】このようにして、口紅２０が充填された口
紅収納容器２５は、従来と同様にハカマ部材１と外筒部
材１５とを持って回動させることにより、口紅２０を外
筒部材１５の上端部より突出させて使用することができ
る。

【００１８】

【本考案の異なる実施例】次に図８ないし図１６に示す
本考案の異なる実施例につき説明する。なお、これらの
本考案の異なる実施例の説明に当って、前記本考案の実
施例と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明
を省略する。

【００１９】図８ないし図１３の本考案の第２の実施例
において、前記本考案の第１の実施例と主に異なる点は
内筒部材５Ａで、この内筒部材５Ａの切欠部１１、１１
と直交する部位の、上部寄りの内壁面に凹部状の受容部
１２、１２を形成するとともに、支持皿１６Ａの係合ピ
ン１７、１７と直交する部位の内壁面に係合片１８、１
８を形成した点で、このように形成された内筒部材５Ａ
と支持皿１６Ａを用いて口紅収納容器２５Ａを構成して
も、前記本考案の第１の実施例と同様な作用効果が得ら
れる。

【００２０】図１４ないし図１６の本考案の第３の実施
例において、前記本考案の第２の実施例と主に異なる点
は、孔状の受容部１２Ａ、１２Ａを形成した内筒部材５
Ｂを用いた点で、このように形成された内筒部材５Ｂを
用いて口紅収納容器２５Ｂを構成しても、前記本考案の
第２の実施例と同様な作用効果が得られる。

【００２１】なお、前記本考案の各実施例では支持部材
１９に口紅２０を支持させるものについて説明したが、
本考案はこれに限らず、リップクリーム、スチックアイ
シャドウ、スチックファンデーション等の棒状化粧品も
同様に支持部材に支持させて使用することができる。

【００２２】

【本考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考
案にあっては次に列挙する効果が得られる。

【００２３】（１）ハカマ部材と、このハカマ部材内に
下端部が挿入固定され上端部が該ハカマ部材の上端部よ
り上方に突出する軸心方向の切欠部が形成された内筒部
材と、この内筒部材の外周部を回動可能に覆う螺旋溝が
形成された螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を覆う外
筒部材と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付けられ
た外壁面に該内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺
旋溝と係合する係合ピンが、内壁面に係合片が形成され
た支持皿と、この支持皿内に挿入され該支持皿の係合片
と係合する係止片を有する口紅等を支持する支持部材と
を備える口紅等の収納容器において、前記支持皿に支持
部材を嵌合させるために上部に位置させた場合に該支持
皿の係合片と対応する部位の前記内筒部材の内壁面に支
持部材の嵌合時の支持皿の外方へのひろがりを受容する
受容部を形成したので、支持部材を支持皿に嵌合させる
場合、支持部材の係止片によって支持皿の係合片を外方
へ押し付け外方へひろがるが、この外方へのひろがりを
内筒部材の受容部に位置させて吸収することができる。
したがって、支持部材を支持皿に楽に係合させることが
できるとともに、係合状態から支持部材が抜け脱するの
を効率よく防止することができる。

【００２４】（２）前記（１）によって、内筒部材に受
容部を形成するとともに、支持皿に係合片を形成するだ
けでよいので、加工が容易で、安価に製造することがで
きる。

【００２５】（３）前記（１）によって、従来と同じ部
品点数でよいので、組付けを従来と同様に行なうことが
できる。

【００２６】（４）請求項２も前記（１）〜（３）と同
様な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図。

【図２】内筒部材の正面図。

【図３】図２の３−３線に沿う断面図。

【図４】支持皿の平面図。

【図５】図４の５−５線に沿う断面図。

【図６】支持皿を口紅を充填させるために上部に位置さ
せた状態の断面図。

【図７】支持皿に支持部材を押し込んだ状態の断面図。

【図８ないし図１３】本考案の第２の実施例を示す説明
図。

【図１４ないし図１６】本考案の第３の実施例を示す説
明図。

【符号の説明】

１：ハカマ部材、 ２：ハカマ部材本
体、３：キャップ嵌合部、 ４：キャップ嵌
合部材、５、５Ａ、５Ｂ：内筒部材、 ６：螺旋部
材収納凹部、７：内筒部材本体、 ８：嵌
合部、９：上部ストッパー溝、 １０：下部ス
トッパー溝、１１：切欠部、 １２、
１２Ａ：受容部、１３：螺旋部材、 １
４：螺旋溝、１５：外筒部材、 １６、
１６Ａ：支持皿、１７：係合ピン、 １
８：係合片、１９：支持部材、 ２０：
口紅、２１：支持部、 ２２：嵌合
部、２３：係止片、 ２４：キャッ
プ、２５、２５Ａ、２５Ｂ：口紅収納容器。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端
   部が挿入固定され上端部が該ハカマ部材の上端部より上
   方に突出する軸心方向の切欠部が形成された内筒部材
   と、この内筒部材の外周部を回動可能に覆う螺旋溝が形
   成された螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒
   部材と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付けられた
   外壁面に該内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋
   溝と係合する係合ピンが、内壁面に係合片が形成された
   支持皿と、この支持皿内に挿入され該支持皿の係合片と
   係合する係止片を有する口紅等を支持する支持部材とを
   備える口紅等の収納容器において、前記支持皿に支持部
   材を嵌合させるために上部に位置させた場合に該支持皿
   の係合片と対応する部位の前記内筒部材の内壁面に支持
   部材の嵌合時の支持皿の外方へのひろがりを受容する受
   容部を形成したことを特徴とする口紅等の収納容器。
2. 【請求項２】 ハカマ部材と、このハカマ部材内に下端
   部が挿入固定され上端部が該ハカマ部材の上端部より上
   方に突出する軸心方向の切欠部が形成された内筒部材
   と、この内筒部材の外周部を回動可能に覆う螺旋溝が形
   成された螺旋部材と、この螺旋部材の外周部を覆う外筒
   部材と、前記内筒部材内に上下移動可能に取付けられた
   外壁面に該内筒部材の切欠部および前記螺旋部材の螺旋
   溝と係合する係合ピンが、内壁面に係合片が形成された
   支持皿と、この支持皿内に挿入され該支持皿の係合片と
   係合する係止片を有する口紅等を支持する支持部材とを
   備える口紅等の収納容器において、前記支持皿に形成さ
   れた係合片を係合ピンが形成された内壁面部位あるいは
   係合ピンと直交する内壁面部位に形成するとともに、支
   持皿に支持部材を嵌合させるために上部に位置させた場
   合に該支持皿の係合片と対応する部位の前記内筒部材の
   内壁面に支持部材の嵌合時の支持皿の外方へのひろがり
   を受容する受容部を形成したことを特徴とする口紅等の
   収納容器。