JP2596984B2 - 塊状の活性炭素繊維集合体およびその製造方法 - Google Patents
塊状の活性炭素繊維集合体およびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、塊状の活性炭素繊維集合体およびその製造
方法に関する。
方法に関する。
<従来の技術> 活性炭素繊維は、吸着速度が高いうえに単位重量当り
の吸着量も多いため、フィルターなどとして気相吸着や
液相吸着に使用されている。
の吸着量も多いため、フィルターなどとして気相吸着や
液相吸着に使用されている。
しかし、活性炭素繊維は、本来的にはフェルト状であ
るため、重量の割に嵩が高くて取り扱いづらく、また、
吸着塔などに大量に充填すると、そこを流される流体の
圧力損失が増加するといった難点がある。
るため、重量の割に嵩が高くて取り扱いづらく、また、
吸着塔などに大量に充填すると、そこを流される流体の
圧力損失が増加するといった難点がある。
そこで、従来では、フェルト状の活性炭素繊維を樹脂
を収束剤として成形するとか、あるいは、抄紙法によっ
て成形するなどし、その成形品の状態で気相吸着や液相
吸着に使用するようにしていた。また、液相吸着の使用
例としては、活性炭素繊維を樹脂で固めて直径が10〜20
mmの球状にし、その球状物を液中に投入して所望の物質
を吸着することも試みられている。
を収束剤として成形するとか、あるいは、抄紙法によっ
て成形するなどし、その成形品の状態で気相吸着や液相
吸着に使用するようにしていた。また、液相吸着の使用
例としては、活性炭素繊維を樹脂で固めて直径が10〜20
mmの球状にし、その球状物を液中に投入して所望の物質
を吸着することも試みられている。
このような成形品や球状物は、取り扱いが容易になる
だけでなく、充填塔に詰めて使用するときに、同一重量
のフェルト状の活性炭素繊維を使用する場合に比べて、
前述した圧力損失を低減できる利点も有している。
だけでなく、充填塔に詰めて使用するときに、同一重量
のフェルト状の活性炭素繊維を使用する場合に比べて、
前述した圧力損失を低減できる利点も有している。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、例えば、上記球状物の場合で説明すれ
ば、炭素繊維を賦活して活性炭素繊維を作成し、その活
性炭素繊維を樹脂液を収容した槽内に漬けるとか樹脂液
をスプレーするなどにより、活性炭素繊維を樹脂に含浸
し、その湿潤状態で分断して球状にしており、活性炭素
繊維の表面の細孔が樹脂により部分的に塞がれて比表面
積が低下する欠点があり、また、製造工程が複雑化して
収率が悪い欠点があった。
ば、炭素繊維を賦活して活性炭素繊維を作成し、その活
性炭素繊維を樹脂液を収容した槽内に漬けるとか樹脂液
をスプレーするなどにより、活性炭素繊維を樹脂に含浸
し、その湿潤状態で分断して球状にしており、活性炭素
繊維の表面の細孔が樹脂により部分的に塞がれて比表面
積が低下する欠点があり、また、製造工程が複雑化して
収率が悪い欠点があった。
前述のような樹脂を収束剤として成形する場合も同じ
欠点があり、また、抄紙法によって成形する場合も、紙
によって活性炭素繊維の表面の細孔が塞がれて比表面積
が低下する欠点があるとともに、強度が低い欠点があっ
た。
欠点があり、また、抄紙法によって成形する場合も、紙
によって活性炭素繊維の表面の細孔が塞がれて比表面積
が低下する欠点があるとともに、強度が低い欠点があっ
た。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、樹脂含浸に起因する比表面積の低下を回避して、
取り扱いが容易でありながら吸着性能に優れた塊状の活
性炭素繊維集合体を提供することを目的とする。
って、樹脂含浸に起因する比表面積の低下を回避して、
取り扱いが容易でありながら吸着性能に優れた塊状の活
性炭素繊維集合体を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 本発明の塊状の活性炭素繊維集合体は、このような目
的を達成するために、複数の活性炭素繊維を表面多孔質
の炭素材で連結して構成したことを特徴としている。
的を達成するために、複数の活性炭素繊維を表面多孔質
の炭素材で連結して構成したことを特徴としている。
そして、本発明の塊状の活性炭素繊維集合体の製造方
法は、炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊維に、
炭素含有樹脂を含む液を付与し、湿潤状態で切断または
分断して塊状物とし、その塊状物を乾燥硬化した後に賦
活処理することを特徴としている。
法は、炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊維に、
炭素含有樹脂を含む液を付与し、湿潤状態で切断または
分断して塊状物とし、その塊状物を乾燥硬化した後に賦
活処理することを特徴としている。
炭素含有樹脂5〜50重量部、望ましくは10〜30重量部
を、溶液または分散液2〜25重量部に希釈した後に炭素
繊維または不融化処理したピッチ系繊維の100重量部を
浸漬するか、逆に、液をスプレーで噴霧するなどの任意
の手段によって付与する。
を、溶液または分散液2〜25重量部に希釈した後に炭素
繊維または不融化処理したピッチ系繊維の100重量部を
浸漬するか、逆に、液をスプレーで噴霧するなどの任意
の手段によって付与する。
付与後、空気乾燥や熱風乾燥等の手段によって120〜1
50重量部に調湿する。また、空気乾燥や熱風乾燥に先立
ち、手やローラなどで絞っても良い。
50重量部に調湿する。また、空気乾燥や熱風乾燥に先立
ち、手やローラなどで絞っても良い。
次いで、炭素含有樹脂を付与した炭素繊維または不融
化処理したピッチ系繊維を、食肉用ミンチ加工機などに
より、湿潤状態で圧縮するとともに切断または分断して
塊状物を得る。この塊状物を、例えば、網の上で転がす
などにより、球状の塊状物に成形しても良い。
化処理したピッチ系繊維を、食肉用ミンチ加工機などに
より、湿潤状態で圧縮するとともに切断または分断して
塊状物を得る。この塊状物を、例えば、網の上で転がす
などにより、球状の塊状物に成形しても良い。
炭素繊維と不融化処理したピッチ系繊維を併用するこ
ともできる。
ともできる。
その後、上記塊状物を、130〜180℃の温度で加熱して
から冷却するなどにより硬化させ、しかる後、薬品賦活
や水蒸気賦活などの公知の方法で賦活処理する。
から冷却するなどにより硬化させ、しかる後、薬品賦活
や水蒸気賦活などの公知の方法で賦活処理する。
前記炭素含有樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂の群から選ばれた少なくとも一種
の樹脂を含むものが使用できる。塊状物に成形後、硬化
後および賦活処理後それぞれにおいて強い収束性を有し
ていることから、フェノール樹脂を使用するのが好まし
い。
脂、ポリエステル樹脂の群から選ばれた少なくとも一種
の樹脂を含むものが使用できる。塊状物に成形後、硬化
後および賦活処理後それぞれにおいて強い収束性を有し
ていることから、フェノール樹脂を使用するのが好まし
い。
また、前述塊の大きさは1〜10mmであるのが好まし
い。1mm未満の大きさになると、強度が低下するととも
に賦活の際に粉化して収率が悪くなるなど製造が困難に
なり、逆に、10mmを越えると、塊状物の内部まで十分に
賦活することが困難になるからである。
い。1mm未満の大きさになると、強度が低下するととも
に賦活の際に粉化して収率が悪くなるなど製造が困難に
なり、逆に、10mmを越えると、塊状物の内部まで十分に
賦活することが困難になるからである。
薬品賦活は、塊状物を、塩化亜鉛(ZnCl)、水酸化カ
リウム(KOH)等の雰囲気中、約800℃で一定時間保持す
ることによって賦活するものである。
リウム(KOH)等の雰囲気中、約800℃で一定時間保持す
ることによって賦活するものである。
また、水蒸気賦活は、塊状物を、水蒸気の雰囲気中、
約800℃で一定時間保持することによって賦活するもの
である。
約800℃で一定時間保持することによって賦活するもの
である。
不融化処理したピッチ系繊維の場合には、塊状物にし
た後に賦活するに伴い、薬品賦活および水蒸気賦活のい
ずれの場合であっても、その賦活工程において炭化さ
れ、その炭化後において賦活処理される。
た後に賦活するに伴い、薬品賦活および水蒸気賦活のい
ずれの場合であっても、その賦活工程において炭化さ
れ、その炭化後において賦活処理される。
不融化処理したピッチ系繊維は強度が弱いため、食肉
用ミンチ加工機等で造形すると、かなりの繊維がつぶさ
れるが、繊維形状を残している部分も残っている。この
塊状物は、ピッチ系繊維で作ったものより強度が弱いの
で、炭素繊維の場合よりも取り扱いを慎重にしなければ
ならない。
用ミンチ加工機等で造形すると、かなりの繊維がつぶさ
れるが、繊維形状を残している部分も残っている。この
塊状物は、ピッチ系繊維で作ったものより強度が弱いの
で、炭素繊維の場合よりも取り扱いを慎重にしなければ
ならない。
<作用> 本発明の塊状の活性炭素繊維集合体の構成によれば、
活性炭素繊維の表面はもちろんのこと、活性炭素繊維を
連結する炭素材の表面にも細孔が形成されていて、塊状
の活性炭素繊維集合体全体としての比表面積を増大する
ことができる。
活性炭素繊維の表面はもちろんのこと、活性炭素繊維を
連結する炭素材の表面にも細孔が形成されていて、塊状
の活性炭素繊維集合体全体としての比表面積を増大する
ことができる。
そして、本発明の塊状の活性炭素繊維集合体の製造方
法の構成によれば、炭素繊維または不融化処理したピッ
チ系繊維を炭素含有樹脂によって塊状にし、切断または
分断して得た塊状物を最終的に賦活し、活性炭素繊維お
よびそれらを連結する炭素材のいずれの表面にも細孔を
形成することができる。
法の構成によれば、炭素繊維または不融化処理したピッ
チ系繊維を炭素含有樹脂によって塊状にし、切断または
分断して得た塊状物を最終的に賦活し、活性炭素繊維お
よびそれらを連結する炭素材のいずれの表面にも細孔を
形成することができる。
活性炭素繊維を連結している炭素材は、原料に用いた
炭素含有樹脂に由来しているものと、原料に不融化処理
したピッチ系繊維を用いた場合は、前記樹脂以外に前記
ピッチ系繊維がつぶれたものに由来するものとがある。
炭素含有樹脂に由来しているものと、原料に不融化処理
したピッチ系繊維を用いた場合は、前記樹脂以外に前記
ピッチ系繊維がつぶれたものに由来するものとがある。
<実施例> 次に、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1 ピッチ系炭素繊維150重量部に、フェノール樹脂で濃
度75%の溶液50重量部をメタノール液30重量部に希釈し
た溶液を均一に含浸させ、その後、手やローラなどで絞
るとともに空気乾燥して過剰なメタノール液を除去し、
湿潤状態の材料を200重量部得た。
度75%の溶液50重量部をメタノール液30重量部に希釈し
た溶液を均一に含浸させ、その後、手やローラなどで絞
るとともに空気乾燥して過剰なメタノール液を除去し、
湿潤状態の材料を200重量部得た。
次いで、食肉用ミンチ加工機(MS−12:南常鉄工株式
会社製))を用い、上述の湿潤状態の材料を直径3.2mm
のストランド状に押し出すとともに長さ6mmに分断し
て、ピッチ系炭素繊維をフェノール樹脂で収束した塊状
物を得た。
会社製))を用い、上述の湿潤状態の材料を直径3.2mm
のストランド状に押し出すとともに長さ6mmに分断し
て、ピッチ系炭素繊維をフェノール樹脂で収束した塊状
物を得た。
しかる後、熱風乾燥炉において、上記塊状物を温度90
℃で30分間加熱してから硬化させ、更に、水蒸気雰囲気
下で、温度880℃で90分間賦活処理を行い、塊状の活性
炭素繊維集合体を160重量部を得た。
℃で30分間加熱してから硬化させ、更に、水蒸気雰囲気
下で、温度880℃で90分間賦活処理を行い、塊状の活性
炭素繊維集合体を160重量部を得た。
この活性炭素繊維の吸着特性を調査した。
第1図はマイクロポア法によって測定した細孔半径の
分布図であり、縦軸はdV/dr(ここにVは吸着要領、r
は細孔半径)、横軸は細孔半径である。
分布図であり、縦軸はdV/dr(ここにVは吸着要領、r
は細孔半径)、横軸は細孔半径である。
この分布図から明らかなように、3.2Å、6.2Åにピー
クがある。3.2Åのピークは、原料に用いた炭素繊維表
面の細孔を示しており、6.2Åのピークは、活性炭素繊
維を連結する炭素材(原料に用いた炭素含有樹脂に由来
する)の細孔を示している。
クがある。3.2Åのピークは、原料に用いた炭素繊維表
面の細孔を示しており、6.2Åのピークは、活性炭素繊
維を連結する炭素材(原料に用いた炭素含有樹脂に由来
する)の細孔を示している。
このように、細孔分布のピークが2つ現れるので、両
者を組み合わせることにより、目的に応じた特性を活性
炭素繊維集合体を設計することができる。具体的には、
炭素含有樹脂の種類、その使用量、賦活条件を変えれば
良い。
者を組み合わせることにより、目的に応じた特性を活性
炭素繊維集合体を設計することができる。具体的には、
炭素含有樹脂の種類、その使用量、賦活条件を変えれば
良い。
同試料のメチレンブルーの吸着量をJIS K−1470
で、ベンゼン平衡吸着量をJIS K−1474でそれぞれ測
定した結果を第1表に示す。この第1表には、B.E.T1点
法で測定した比表面積も記載している。
で、ベンゼン平衡吸着量をJIS K−1474でそれぞれ測
定した結果を第1表に示す。この第1表には、B.E.T1点
法で測定した比表面積も記載している。
本発明品が十分な吸着能を有することがわかる。通常
の活性炭素繊維単品の場合、比表面積が1000m2/g程度で
は細孔径が小さいため、メチレンブルーは吸着しない
が、本発明品では細孔径の大きい部分があるため、メチ
レンブルーを吸着している。
の活性炭素繊維単品の場合、比表面積が1000m2/g程度で
は細孔径が小さいため、メチレンブルーは吸着しない
が、本発明品では細孔径の大きい部分があるため、メチ
レンブルーを吸着している。
実施例2 賦活時間を175分と長くした以外は、実施例1と同一
条件で作成した試料についての実施例2と同じ試験結果
を第2図の分布図および前述第1表それぞれに示す。
条件で作成した試料についての実施例2と同じ試験結果
を第2図の分布図および前述第1表それぞれに示す。
細孔半径3.5Åと6.2Åにピークがあることがわかる。
第1表から、本発明品が十分な吸着能を有しているこ
とがわかる。
とがわかる。
実施例3 不融化処理したピッチ系繊維150重量部に、フェノー
ル樹脂で濃度75%の溶液30重量部をメタノール液18重量
部に希釈した溶液を均一に含浸させ、その後、手やロー
ラなどで絞るとともに空気乾燥して過剰なメタノール液
を除去し、湿潤状態の材料180重量部を得た。
ル樹脂で濃度75%の溶液30重量部をメタノール液18重量
部に希釈した溶液を均一に含浸させ、その後、手やロー
ラなどで絞るとともに空気乾燥して過剰なメタノール液
を除去し、湿潤状態の材料180重量部を得た。
しかる後、その湿潤状態の材料を前述実施例1と同様
の条件で処理して塊状物を得るとともに、その塊状物を
加熱硬化させ、更に、水蒸気雰囲気下で、温度850℃で6
0分間賦活処理を行い、比表面積1000m2/gの塊状の活性
炭素繊維集合体を150重量部得た。
の条件で処理して塊状物を得るとともに、その塊状物を
加熱硬化させ、更に、水蒸気雰囲気下で、温度850℃で6
0分間賦活処理を行い、比表面積1000m2/gの塊状の活性
炭素繊維集合体を150重量部得た。
実施例4 ピッチ系炭素繊維150重量部に、エポキシ樹脂で濃度5
0%のエマルジョン10重量部と水380重量部の水溶液を均
一に含浸させ、その後、過剰な水溶液を遠心脱水機によ
って除去し、245重量部の湿潤状態の材料を得た。
0%のエマルジョン10重量部と水380重量部の水溶液を均
一に含浸させ、その後、過剰な水溶液を遠心脱水機によ
って除去し、245重量部の湿潤状態の材料を得た。
次いで、その湿潤状態の材料を前述実施例1と同様の
条件で処理して塊状物を得るとともに、熱風乾燥炉にお
いて、上記塊状物を温度165℃で40分間加熱してから空
冷により硬化させ、130重量部の塊状物を得た。
条件で処理して塊状物を得るとともに、熱風乾燥炉にお
いて、上記塊状物を温度165℃で40分間加熱してから空
冷により硬化させ、130重量部の塊状物を得た。
しかる後、得られた塊状物に、フェノール樹脂で濃度
75%の溶液40重量部をメタノール液25重量部に希釈した
溶液を均一に含浸させて付与し、更に、熱風乾燥炉にお
いて、温度175℃で40分間加熱してから硬化させ、その
後に、前述実施例1と同様にして賦活処理を行い、比表
面積1600m2/gの塊状の活性炭素繊維集合体を135重量部
得た。
75%の溶液40重量部をメタノール液25重量部に希釈した
溶液を均一に含浸させて付与し、更に、熱風乾燥炉にお
いて、温度175℃で40分間加熱してから硬化させ、その
後に、前述実施例1と同様にして賦活処理を行い、比表
面積1600m2/gの塊状の活性炭素繊維集合体を135重量部
得た。
このように、エポキシ樹脂で前処理して作った塊状物
にフェノール樹脂を付与した後、それを賦活しても、実
施例1と同様の比表面積を有する活性炭素繊維集合体を
作ることができる。
にフェノール樹脂を付与した後、それを賦活しても、実
施例1と同様の比表面積を有する活性炭素繊維集合体を
作ることができる。
比較例1 上述の実施例1の塊状の活性炭素繊維集合体と、ピッ
チ系炭素繊維を前述実施例1と同様にして賦活処理して
得た、細孔半径が3.5Å付近に細孔分布ピークを有する
比表面積1500m2/gの活性炭素繊維を用いて低分子成分お
よび高分子成分の吸着性能について試験したところ、第
2表に示すような結果を得た。
チ系炭素繊維を前述実施例1と同様にして賦活処理して
得た、細孔半径が3.5Å付近に細孔分布ピークを有する
比表面積1500m2/gの活性炭素繊維を用いて低分子成分お
よび高分子成分の吸着性能について試験したところ、第
2表に示すような結果を得た。
低分子成分の吸着性能については、JIS K−1474の
ベンゼン吸着性能試験によって評価し、一方、高分子成
分の吸着性能については、醸造試験法のメラノイジン脱
色力によって評価した。
ベンゼン吸着性能試験によって評価し、一方、高分子成
分の吸着性能については、醸造試験法のメラノイジン脱
色力によって評価した。
上記の結果、実施例1の塊状の活性炭素繊維集合体で
は、低分子成分および高分子成分のいずれに対しても、
優れた吸着性能を有していることが明らかであった。
は、低分子成分および高分子成分のいずれに対しても、
優れた吸着性能を有していることが明らかであった。
このため、例えば、糖液と醸造原酒などが混じった工
業廃液などのように、吸着されるべき物質として低分子
成分と高分子成分とが存在するものの吸着塔に好適に使
用できる。
業廃液などのように、吸着されるべき物質として低分子
成分と高分子成分とが存在するものの吸着塔に好適に使
用できる。
<発明の効果> 以上の説明から明らかなように、本発明の塊状の活性
炭素繊維集合体によれば、活性炭素繊維の表面と、それ
ら活性炭素繊維どうしを連結する炭素材の表面のいずれ
にも細孔を形成するから、全体としての比表面積を増大
でき、吸着性能を向上できる。
炭素繊維集合体によれば、活性炭素繊維の表面と、それ
ら活性炭素繊維どうしを連結する炭素材の表面のいずれ
にも細孔を形成するから、全体としての比表面積を増大
でき、吸着性能を向上できる。
このように吸着性能を向上できながらも、塊状である
から、従来のフェルト状の活性炭素繊維に比べて体積比
を小さくでき、取り扱いやすいうえに、吸着容器に収容
して使用するときの圧力損失を低減でき、吸着性能をよ
り一層向上できる。
から、従来のフェルト状の活性炭素繊維に比べて体積比
を小さくでき、取り扱いやすいうえに、吸着容器に収容
して使用するときの圧力損失を低減でき、吸着性能をよ
り一層向上できる。
殊に、浄水場のように、液相吸着のために大量の活性
炭素繊維を使用する場合に、極めて顕著な効果を発揮で
きる。
炭素繊維を使用する場合に、極めて顕著な効果を発揮で
きる。
即ち、例えば、従来のフェルト状の活性炭素繊維を平
面濾過池で使用すると、その強度が低いために、網など
で保持したとしても活性炭素繊維が細化して下流に流出
するため、濾過池よりも下流の所定箇所にストレーナな
どの補集装置を設け、流出した活性炭素繊維を回収する
必要があるが、本発明によれば、活性炭素繊維の細化が
無く、補集装置を不用にできる利点があり、また、比重
が1よりも大きくなるようにすれば、自重でもって濾過
池に沈み、流出を回避できて前述のような保持手段も不
用にでき、実用上極めて便利に使用できる利点がある。
面濾過池で使用すると、その強度が低いために、網など
で保持したとしても活性炭素繊維が細化して下流に流出
するため、濾過池よりも下流の所定箇所にストレーナな
どの補集装置を設け、流出した活性炭素繊維を回収する
必要があるが、本発明によれば、活性炭素繊維の細化が
無く、補集装置を不用にできる利点があり、また、比重
が1よりも大きくなるようにすれば、自重でもって濾過
池に沈み、流出を回避できて前述のような保持手段も不
用にでき、実用上極めて便利に使用できる利点がある。
また、充填塔に詰めて使用するときは、活性炭素繊維
の重量が同一であるとすれば、従来のフェルト状の活性
炭素繊維に比べて嵩が小さくなり、かつ、従来の成形品
に比べて比表面積が大きく、圧力損失少なく吸着性能を
良好に発揮できる。
の重量が同一であるとすれば、従来のフェルト状の活性
炭素繊維に比べて嵩が小さくなり、かつ、従来の成形品
に比べて比表面積が大きく、圧力損失少なく吸着性能を
良好に発揮できる。
そして、本発明の塊状の活性炭素繊維集合体の製造方
法によれば、炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊
維を炭素含有樹脂により塊状物とし、その塊状物を賦活
して最終製品を得るから、活性炭素繊維を強度の低い状
態で取り扱わずに済み、賦活の細に活性炭素繊維が粉化
することを回避して収率を向上できる。
法によれば、炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊
維を炭素含有樹脂により塊状物とし、その塊状物を賦活
して最終製品を得るから、活性炭素繊維を強度の低い状
態で取り扱わずに済み、賦活の細に活性炭素繊維が粉化
することを回避して収率を向上できる。
そのうえ、塊状物の状態で、炭素繊維または不融化処
理したピッチ系繊維と炭素含有樹脂とを賦活するから、
炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊維が活性炭素
繊維になり、一方、炭素含有樹脂は、出発材料が樹脂で
ある活性炭素材となり、塊状の活性炭素繊維集合体にお
いて、樹脂に起因して活性炭素繊維の細孔が塞がれるこ
となく、全体に細孔のあるものを得ることができ、しか
も、活性炭素繊維では、出発材料が樹脂である活性炭素
素材に比べて小さい細孔が形成され、両者間で異なる大
きさの細孔を分布できるから、樹脂材料を選択したり、
樹脂材料の添加量や塊状物成形時の密度ならびに賦活時
間を調整したりすることによって、それぞれ所望の大き
さで、かつ、希望の細孔分布のものを設計できるため、
汎用性が高い。そのうえ、異なる複数種の大きさの細孔
を組み合わせて分布でき、各種の用途に応じて分子径の
大きいものから小さいものまで吸着することができ、汎
用性を向上できる。
理したピッチ系繊維と炭素含有樹脂とを賦活するから、
炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊維が活性炭素
繊維になり、一方、炭素含有樹脂は、出発材料が樹脂で
ある活性炭素材となり、塊状の活性炭素繊維集合体にお
いて、樹脂に起因して活性炭素繊維の細孔が塞がれるこ
となく、全体に細孔のあるものを得ることができ、しか
も、活性炭素繊維では、出発材料が樹脂である活性炭素
素材に比べて小さい細孔が形成され、両者間で異なる大
きさの細孔を分布できるから、樹脂材料を選択したり、
樹脂材料の添加量や塊状物成形時の密度ならびに賦活時
間を調整したりすることによって、それぞれ所望の大き
さで、かつ、希望の細孔分布のものを設計できるため、
汎用性が高い。そのうえ、異なる複数種の大きさの細孔
を組み合わせて分布でき、各種の用途に応じて分子径の
大きいものから小さいものまで吸着することができ、汎
用性を向上できる。
また、従来の成形品では、炭素繊維を賦活して活性炭
素繊維を作製し、その強度の低い活性炭素繊維を、樹脂
を収束剤として固めており、賦活できないようなくずの
炭素繊維は廃棄せざるを得なかったが、本発明の製造方
法によれば、樹脂により塊状物にした後に賦活するか
ら、従来では廃棄されていたような長さ1mm未満のくず
の炭素繊維や、不融化工程で発生する従来は捨てていた
不融化処理したピッチ系繊維のくずも原料として使用で
き、収率をより一層向上できる。
素繊維を作製し、その強度の低い活性炭素繊維を、樹脂
を収束剤として固めており、賦活できないようなくずの
炭素繊維は廃棄せざるを得なかったが、本発明の製造方
法によれば、樹脂により塊状物にした後に賦活するか
ら、従来では廃棄されていたような長さ1mm未満のくず
の炭素繊維や、不融化工程で発生する従来は捨てていた
不融化処理したピッチ系繊維のくずも原料として使用で
き、収率をより一層向上できる。
更に、不融化処理したピッチ系繊維を炭素含有樹脂に
より塊状物とし、その塊状物を賦活する場合にあって
は、賦活の際に炭化をも同時に行うから、炭素繊維を得
るための工程を不用にでき、製造工程を少なくできて収
率をより一層向上できる利点がある。
より塊状物とし、その塊状物を賦活する場合にあって
は、賦活の際に炭化をも同時に行うから、炭素繊維を得
るための工程を不用にでき、製造工程を少なくできて収
率をより一層向上できる利点がある。
図面は、本発明の塊状の活性炭素繊維集合体およびその
製造方法に係る実施例を示し、第1図は実施例1の細孔
半径の分布図、第2図は実施例2の細孔半径の分布図で
ある。
製造方法に係る実施例を示し、第1図は実施例1の細孔
半径の分布図、第2図は実施例2の細孔半径の分布図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】複数の活性炭素繊維を表面多孔質の炭素材
で連結したことを特徴とする塊状の活性炭素繊維集合
体。 - 【請求項2】塊の大きさが1〜10mmである請求項(1)
項記載の塊状の活性炭素繊維集合体。 - 【請求項3】炭素繊維または不融化処理したピッチ系繊
維に、炭素含有樹脂を含む液を付与し、湿潤状態で切断
または分断して塊状物とし、その塊状物を乾燥硬化した
後に賦活処理することを特徴とする塊状の活性炭素繊維
集合体の製造方法。 - 【請求項4】前記炭素含有樹脂が、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリエステル樹脂の群から選ばれた少なく
とも一種の樹脂であって、かつ、塊の大きさが1〜10mm
である請求項(3)項記載の塊状の活性炭素繊維集合体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63189099A JP2596984B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | 塊状の活性炭素繊維集合体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63189099A JP2596984B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | 塊状の活性炭素繊維集合体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0238374A JPH0238374A (ja) | 1990-02-07 |
JP2596984B2 true JP2596984B2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=16235335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63189099A Expired - Lifetime JP2596984B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | 塊状の活性炭素繊維集合体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2596984B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2506600B2 (ja) * | 1992-09-30 | 1996-06-12 | 工業技術院長 | 多孔性シリカ−炭素複合体及びその製造方法 |
WO1996026161A1 (fr) * | 1995-02-20 | 1996-08-29 | Akira Kojima | Materiau de filtrage catalytique destine a un purificateur d'eau a oxydation catalytique |
JP4983622B2 (ja) * | 2008-01-29 | 2012-07-25 | トヨタ紡織株式会社 | 繊維複合体及びその製造方法 |
CN101844070B (zh) * | 2010-05-07 | 2013-12-11 | 东华大学 | 一种具有皮芯复合结构的多孔活性炭纤维吸附材料及其制备 |
CN104549142A (zh) * | 2013-10-11 | 2015-04-29 | 天津得瑞丰凯新材料科技有限公司 | 一种纳米多孔碳气凝胶干湿平衡制剂及其制备方法 |
-
1988
- 1988-07-27 JP JP63189099A patent/JP2596984B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0238374A (ja) | 1990-02-07 |
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