JP2595700Y2 - シフトレバーのリバースインヒビット装置 - Google Patents

シフトレバーのリバースインヒビット装置

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JP2595700Y2
JP2595700Y2 JP1993069023U JP6902393U JP2595700Y2 JP 2595700 Y2 JP2595700 Y2 JP 2595700Y2 JP 1993069023 U JP1993069023 U JP 1993069023U JP 6902393 U JP6902393 U JP 6902393U JP 2595700 Y2 JP2595700 Y2 JP 2595700Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はシフトレバーのリバース
インヒビット装置に係り、詳しくは走行中にシフトレバ
ーが誤ってリバース位置に入るのを防止するシフトレバ
ーのリバースインヒビット機能を有するシフトレバーの
リバースインヒビット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機を搭載した自動車(以
下A/T車という)にはフロア式シフトレバーが設けら
れ、そのシフトレバーにより自動変速機の変速位置を指
定するようになっている。そのA/T車の運転席を図5
に示す。
【0003】図5に示すように、A/T車の運転席1に
はブレーキペダル2が運転席1の足元前方に設けられて
いる。又、運転席1にはシフトレバーハウジング3が運
転席1の左前方に設けられている。シフトレバーハウジ
ング3にはシフトパターン孔4が形成され、そのシフト
パターン孔4にシフトレバー5が挿通され前後方向及び
左右方向に揺動可能に支持されている。
【0004】図6に示すように、シフトパターン孔4は
複数の段部がその内側面に形成され、シフトレバー5を
移動させるときにはそのシフトレバー5をシフトパター
ン孔4の内側面に沿って左右方向に移動させながら前後
方向に移動させる。シフトパターン孔4にはA/T車の
自動変速機(図示せず)に対応したシフトポジションが
所定の位置に設定されている。
【0005】シフトポジションは駆動輪が機械的にロッ
クされるパーキング位置PP、変速要素が作用しないニ
ュートラル位置PN及び車両を後進させるリバース位置
PRが設けられている。又、自動変速機は前進3段の変
速機であって、そのシフトポジションは全変速機の前進
自動変速を行うドライブ位置PD、前進3段の各段に固
定される固定位置P1,P2,P3が設けられている。
そして、シフトレバー5を左右方向に揺動させながら前
後方向に移動させ、各シフトポジションに移動させるこ
とによりそのシフトポジションの機能を選択することが
できるようになっている。即ち、シフトパターン孔4は
シフトレバー5が各シフトポジションに移動するための
通路となっている。
【0006】シフトレバー5の操作について説明する
と、例えばシフトレバー5をパーキング位置PPから脱
出させる時には、先ずシフトレバー5が後方向に移動可
能な位置となるまで右方向に移動させる。次に、シフト
レバー5をシフトパターン孔4の内側面に沿ってシフト
レバー5が段部4aに当接するまで後方向(図において
下方向)に移動させる。そして、シフトレバー5を左方
向に移動させてシフトパターン孔4の内側面に当接させ
る。この操作によりシフトレバー5をパーキング位置P
Pから脱出させることができる。
【0007】又、シフトレバー5をニュートラル位置P
Nからリバース位置PRに移動させる時には、先ずシフ
トレバー5が前方向に移動可能な位置となるまで右方向
に移動させる。次に、シフトレバー5を段部4bに当接
するまで前方向(図において上方向)に移動させる。こ
の操作によりシフトレバー5をニュートラル位置PNか
らリバース位置PRに移動させることができる。
【0008】また、図6に示すように、シフトレバーハ
ウジング3にはインヒビットロック機構10が設けられ
ている。インヒビットロック機構10はシフトレバー5
が不用意にニュートラル位置PNからリバース位置PR
に入るのを防いでいる。即ち、A/T車が前進走行中に
はドライブ位置PD又は固定位置P1,P2,P3の何
れかにあるシフトレバー5が誤操作によってリバース位
置PRに入ってしまうと、車両に大きなショックが発生
する。そのため、車両の停止等の条件を満足しないとシ
フトレバー5をリバース位置PRに移動させることがで
きないようにしているものである。
【0009】インヒビットロック機構10の構成につい
て説明すると、インヒビットロック機構10は第1及び
第2のロックピース11,12、リンク13及びソレノ
イド14から構成されている。第一のロックピース11
はその一端が固定軸15に回動可能に軸着され、他端は
シフトパターン孔4内に配置されている。第二のロック
ピース12は固定軸16で回動可能に支持され、その一
端がシフトパターン孔4内に配置され、他端はリンク1
3で第1のロックピース11に連結されている。また、
第1のロックピース11はソレノイド14のプランジャ
14aの先端に回動可能に軸着されている。
【0010】ソレノイド14は図示しない制御回路に接
続され、制御回路は車両の停止等の条件に基づいてソレ
ノイド14を励磁状態(オン)と非励磁状態(オフ)と
に制御されるようになっている。そして、ソレノイド1
4はオフに制御されると、プランジャ14aが押しバネ
14bにより突出し、第1及び第2のロックピース1
1,12はシフトパターン孔4内に配置され、シフトパ
ターン孔4、即ち、シフトレバー5の通路を塞ぐ。
【0011】すると、パーキング位置PPにあるシフト
レバー5は第1のロックピース11と係合し、その左右
方向の揺動が制限される。従って、シフトレバー5をパ
ーキング位置PPから脱出させることができない。ま
た、ニュートラル位置PNにあるシフトレバー5は第2
のロックピース12と係合し、その左右方向の揺動が制
限される。従って、シフトレバー5をリバース位置PR
に移動させることができない。
【0012】一方、ソレノイド14はオンに制御される
と、プランジャ14aを奥に引き込み第1及び第2のロ
ックピース11,12をシフトパターン孔4から退避さ
せる。すると、パーキング位置PPにあるシフトレバー
5は第1のロックピース11と係合しなくなるので、パ
ーキング位置PPから脱出することができる。また、ニ
ュートラル位置PNにあるシフトレバー5は第2のロッ
クピース12と係合しなくなるので、リバース位置PR
に移動することができる。
【0013】尚、ソレノイド14がオフのときにシフト
レバー5がリバース位置PRにあるときがある。このと
き、シフトレバー5で第1のロックピース11を押しバ
ネ14bの弾性力に抗して前方向に移動させ、更に左方
向に移動させることでパーキング位置PPに移動させる
ことができる。また、シフトレバー5で第2のロックピ
ース12を押しバネ14bの弾性力に抗して後方向に移
動させ、更に左方向に移動させることでニュートラル位
置PNに移動させることができる。
【0014】
【考案が解決しようとする課題】ところで、インヒビッ
トロック機構10を構成する両ロックピース11,12
及びリンク13が寸法精度や回動部に塗布されたグリス
の量等の原因によって回動し難くなる場合がある。この
回動し難くなった各リンク両ロックピース11,12及
びリンク13を無理に回動させようとするので、ソレノ
イド14の負荷が大きくなりソレノイド14を安定して
動作させることができないという問題がある。
【0015】また、ソレノイド14はシフトレバー5を
パーキング位置PP又はニュートラル位置PNからリバ
ース位置PRに移動させるときにオンとなりプランジャ
14aが移動する。一方、リバース位置PRからパーキ
ング位置PP又はニュートラル位置PNに移動させる場
合にもプランジャ14aがシフトレバー5により移動す
る。そのため、ソレノイド14の耐久性はオン・オフ制
御によりプランジャ14aが移動する場合の他に、プラ
ンジャ14aがシフトレバー5により強制的に移動する
場合をも考慮しなければならないという問題がある。
【0016】更に、ソレノイド14をオン・オフ制御し
てプランジャ14aを移動させると、それに連動してロ
ックピース11,12及びリンク13も移動するため、
ソレノイド14の作動時の音が大きく耳障りとなるとい
う問題がある。
【0017】本考案は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、ロック機構を単純にして駆動手段の
負荷や駆動頻度を低減するとともに作動音の低減を図る
ことができるシフトレバーのリバースインヒビット装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本考案は、駐車用位置と後進走行用位置、中立
置及び前進走行用位置の間で切替配置されるシフトレバ
ーと、前後方向に移動可能に設けられ、前記シフトレバ
ーの駐車用位置や中立位置から後進走行用位置への移動
を規制するロック位置と、その移動を許容する非ロック
位置との間を移動するとともに、シフトレバーの後進走
行用位置から駐車用位置や中立位置への移動により非ロ
ック位置に移動される係止手段と、前記係止手段がロッ
ク位置に配置される方向へその係止手段を付勢する付勢
手段と、前記係止手段とは独立して設けられ、駆動状態
において係止手段を前記付勢手段の付勢力に抗して押圧
し、その係止手段をロック位置から非ロック位置に移動
させる駆動手段とを備えたことを要旨とする。
【0019】
【作用】従って、本考案によれば、駆動手段が非駆動状
態である場合には、係止手段がロック位置に配置されて
いるため、駐車用位置や中立位置にあるシフトレバーは
後進走行用位置への移動が阻止される。これにより、シ
フトレバーが後進走行用位置に誤って入ることが防止さ
れる。又、駆動手段が非駆動状態でシフトレバーが後進
走行用位置にある場合、シフトレバーは係止手段を非ロ
ック位置に移動させて駐車用位置や中立位置に移動する
ことが可能である。このとき、係止手段と駆動手段とは
それぞれ独立して設けられているため、係止手段の動き
が駆動手段に伝達されない。このため、従来のようにシ
フトレバーの移動に伴って駆動手段が強制的に駆動させ
られることはなく、駆動手段の駆動頻度を低減させるこ
とができる。 駆動手段が駆動状態となると、その駆動手
段によって係止手段は非ロック位置に移動するため、シ
フトレバーは駐車用位置や中立位置から後進走行用位置
へ移動することが可能となる。 又、本考案では、係止手
段と駆動手段とは独立して設けられ、駆動手段は係止手
段を押圧する動作を行うだけとなっている。このため、
従来のように駆動手段の駆動によりリンク機構を用いて
後進走行用位置と駐車用位置や中立位置との間の通路を
開閉する必要はない。これにより、駆動手段の負荷を低
減することができるとともに、作動音の低減を図ること
もできる。
【0020】
【0021】
【実施例】以下、本考案を具体化した一実施例を図1〜
図4に従って説明する。尚、本実施例において、図5,
6と同じ構成については同一の符号を付して詳細な説明
を省略する。また、シフトレバー5を各シフト位置に移
動させる操作については従来と同様であるので、その説
明を省略する。
【0022】図1に示すように、シフトパターン孔4近
傍にはインヒビットロック機構20が設けられている。
インヒビットロック機構20にはガイド21,22が設
けられている。ガイド21,22はシフトパターン孔4
の左右両側部において前後方向(図において上下方向)
に延びるように形成され、シフトレバーハウジング3
(図において図示せず)に固着されている。ガイド2
1,22間には係止手段としてのロックピース23が設
けられ、ガイド21,22によって前後方向に移動可能
に支持されている。
【0023】ロックピース23はシフトレバー5のパー
キング位置PPとリバース位置PRとを囲い、その後方
(図において下側)が開口した略四角形状に形成されて
いる。そして、ロックピース23の左側辺はパーキング
位置PPの左後方に内側に屈曲形成されている。そし
て、ロックピース23にはパーキング位置PPの右側か
ら前方(図において上方)に向かって第1の係止部24
が突出形成されている。また、ロックピース23にはリ
バース位置PRの右後方から左側に向かって第2の係止
部25が形成されている。そして、第1の係止部24は
パーキング位置PPとリバース位置PRとの間の通路を
開閉する。また、第2の係止部25はリバース位置PR
とニュートラル位置PNとの間の通路を開閉する。
【0024】ロックピース23が前方に移動した時、第
1の係止部24はパーキング位置PPにあるシフトレバ
ー5と係合し、そのシフトレバー5のリバース位置PR
への移動を制限するようになっている。また、第2の係
止部25はニュートラル位置PNにあるシフトレバー5
と係合し、そのシフトレバー5のリバース位置PRへの
移動を制限するようになっている。このときにロックピ
ース23の位置をロック位置とする。
【0025】一方、ロックピース23が後方に移動した
時、第1の係止部24はパーキング位置PPにあるシフ
トレバー5と係合せず、そのシフトレバー5の移動を許
容するようになっている。また、第2の係止部25はニ
ュートラル位置PNにあるシフトレバー5と係合せず、
そのシフトレバー5の移動を許容するようになってい
る。このときにロックピース23の位置を非ロック位置
とする。
【0026】第1の係止部24にはパーキング位置PP
とは反対側の側面にテーパ面26が形成されている。テ
ーパ面26はシフトレバー5と当接し、シフトレバー5
がリバース位置PRからパーキング位置PPへ移動する
ときに押圧力によってロックピース23を後方に移動さ
せ、シフトレバー5の移動する通路を確保し易くするた
めに設けられている。第2の係止部25にはリバース位
置PP側の側面にテーパ面27が形成されている。テー
パ面27はシフトレバー5がリバース位置PRからニュ
ートラル位置PNに移動するときにロックピース23を
後方に移動させ、シフトレバー5の移動する通路を確保
し易くするために設けられている。
【0027】ロックピース23には付勢手段としてのバ
ネ28の一端が係合され、バネ28の他端はシフトレバ
ーハウジング3に固定されている。バネ28は押しバネ
であって、常にはその弾性力によってロックピース23
を前方のロック位置に付勢している。
【0028】また、インヒビットロック機構20には移
動手段としてのソレノイド30が設けられている。ソレ
ノイド30にはプランジャ31が挿通され、前後方向に
移動可能に支持されている。又、ソレノイド30にはバ
ネ32が設けられている。バネ32は押しバネであっ
て、ソレノイド30が非励磁状態(オフ)のときにバネ
32の弾性力によってプランジャ31を前方に移動させ
る。一方、ソレノイド30が励磁状態のとき、バネ32
の弾性力に抗してプランジャ31を後方に移動させるよ
うになっている。
【0029】プランジャ31の後端には前記ロックピー
ス23の前端が当接され、ソレノイド30がオフのとき
にロックピース23をロック位置に保持するようになっ
ている。そして、ソレノイド30はオンになると、バネ
32とバネ28の弾性力に抗してプランジャ31を後方
に移動させ、ロックピース23を非ロック位置に移動さ
せるようになっている。
【0030】次に、上記のシフトレバーのリバースイン
ヒビット装置の電気的構成について説明する。図2に示
すように、制御回路40にはイグニションスイッチ41
が接続されている。イグニションスイッチ41は運転席
1の図示しないキーシリンダ内に設けられている。キー
シリンダ内にはキーロックソレノイド42が設けられ、
そのキーロックソレノイド42は制御回路40に接続さ
れている。そして、キーロックソレノイド42は励磁さ
れると図示しないプランジャを突出させ、そのプランジ
ャによってイグニッションキーが所定の位置から回動し
ないようにしてイグニッションキーの抜出を防止してい
る。
【0031】A/T車にはバッテリEが搭載され、イグ
ニションスイッチ41の一端側接点がバッテリEに接続
されている。イグニションスイッチ41にはアクセサリ
接点ACCとイグニション接点IGとが設けられ、イグ
ニションキー(図示せず)の回転操作量に基づいてアク
セサリ接点ACC、イグニション接点IGに適宜接続さ
れるようになっている。
【0032】両接点ACC,IGはそれぞれ制御回路4
0に接続され、バッテリEの電圧がそれぞれアクセサリ
電源,イグニション電源として制御回路40に供給され
る。制御回路40は供給されたバッテリEの電圧に基づ
いて駆動するようになっている。
【0033】制御回路40にはパーキングスイッチ43
が接続されている。パーキングスイッチ43はパーキン
グ位置PPにあるシフトレバー5と係合する位置(図1
において図示せず)に設けられ、その係合状態において
オン(閉路)するようになっている。制御回路40はパ
ーキングスイッチ43のオンを入力し、シフトレバー5
がパーキング位置PPにあるのを検出する。そして、制
御回路40は検出したシフトレバー5の位置に基づいて
ソレノイド30をオン・オフ制御するようになってい
る。
【0034】制御回路40にはニュートラルスイッチ4
4が接続されている。ニュートラルスイッチ44はニュ
ートラル位置PNにあるシフトレバー5と係合する位置
(図1において図示せず)に設けられ、その係合状態に
おいてオン(閉路)するようになっている。制御回路4
0はニュートラルスイッチ44のオンを入力し、シフト
レバー5がニュートラル位置PNにあるのを検出する。
そして、制御回路40は検出したシフトレバー5の位置
に基づいてソレノイド30をオン・オフ制御するように
なっている。
【0035】また、制御回路40には車速センサ45が
接続され、その車速センサ45の状態に基づいてA/T
車の車速を検出するようになっている。そして、A/T
車が所定の車速(本実施例では10km/h)以上で前進走
行しているのを検出すると、制御回路40はソレノイド
30をオフに制御してシフトレバー5がリバース位置P
Rに入るのを防止するようになっている。
【0036】更に、制御回路40にはブレーキスイッチ
46が接続されている。ブレーキスイッチ46は前記ブ
レーキペダル2が踏み込まれたときに係合する位置(図
5において図示せず)に設けられ、その係合状態におい
てオン(閉路)するようになっている。制御回路40は
ブレーキスイッチ46のオンを入力し、前記ブレーキペ
ダル2の踏み込みを検出する。そして、制御回路40は
検出したブレーキペダル2の踏み込みに基づいてソレノ
イド30をオン・オフ制御するようになっている。
【0037】即ち、制御回路40はパーキングスイッチ
43、ニュートラルスイッチ44、車速センサ45及び
ブレーキスイッチ46の状態を入力し、その入力に基づ
いてソレノイド30をオン・オフ制御するようになって
いる。そして、ソレノイド30がオンになると、プラン
ジャ31がロックピース23を後方に押してロック位置
から非ロック位置に切換配置する。その結果、シフトレ
バー5はその左右方向の揺動が可能となる。
【0038】また、ソレノイド30がオフになると、プ
ランジャ31がバネ32の弾性力により前方に移動す
る。すると、ロックピース23がバネ28によって前方
に押されて非ロック位置からロック位置に移動する。そ
の結果、シフトレバー5は第1及び第2の係止部24,
25によってその揺動が制限される。
【0039】次に、このように構成された本実施例のシ
フトレバーのリバースインヒビット装置の作用を説明す
る。運転者がイグニションキーを回転操作してイグニシ
ョンスイッチ41をアクセサリ接点ACCに接続する
と、バッテリEの電圧はアクセサリ接点ACCを介して
制御回路40に印加される。すると、制御回路40はパ
ーキングスイッチ43、ニュートラルスイッチ44、車
速センサ45及びブレーキスイッチ46の状態を入力
し、その状態に基づいてソレノイド30を駆動制御す
る。
【0040】即ち、制御回路40はパーキングスイッチ
43がオンであって、シフトレバー5がパーキング位置
PPにあるときにはソレノイド30をオフに制御する。
すると、プランジャ31はバネ32の弾性力によって前
方に移動し、ロックピース23はバネ28の弾性力によ
ってロック位置に移動される。その結果、シフトレバー
5と第1の係止部24とが係合し、その右方向の揺動が
制限され、シフトレバー5はパーキング位置PPから脱
出できない。
【0041】一方、制御回路40はパーキングスイッチ
43がオフであって、シフトレバー5がパーキング位置
PP以外にあるときにはソレノイド30をオンに制御す
る。すると、ソレノイド30はプランジャ31をバネ3
2の弾性力に抗して後方に移動させ、ロックピース23
を非ロック位置に切換配置する。その結果、シフトレバ
ー5は第1及び第2の係止部24,25と係合しなくな
るので、左右方向の揺動が可能となり任意のシフト位置
に移動することができる。
【0042】次に、運転者がイグニションキーを回転操
作してイグニションスイッチ41をイグニション接点I
Gに接続すると、バッテリEの電圧はイグニション接点
IGを介して制御回路40に印加される。
【0043】先ず、車速があるとき、即ち、A/T車が
前進走行中であるときについて説明する。この時、シフ
トレバー5はニュートラル位置PNから固定位置P1の
間の何れかのシフト位置にある。制御回路40は車速セ
ンサ45により車速を検出し、ソレノイド30をオフに
制御する。すると、プランジャ31はバネ32の弾性力
によって前方に移動し、その移動に基づいてロックピー
ス23はバネ28によりロック位置に移動する。する
と、シフトレバー5は第2の係止部25と係合し、その
揺動が制限される。従って、シフトレバー5は前進走行
中にニュートラル位置PNにおいてその揺動が制限され
リバース位置PRに移動できない。その結果、前進走行
中に不用意にシフトレバー5がリバース位置PRに入る
のを防止することができる。
【0044】次に、車速がないとき、即ち、A/T車が
停車中であってブレーキスイッチ46がオン、即ち、ブ
レーキペダル2が踏み込まれているときについて説明す
る。このとき、制御回路40はパーキングスイッチ43
及びニュートラルスイッチ44の状態に関係なくソレノ
イド30をオンに制御する。すると、図4に示すよう
に、ソレノイド30はプランジャ31をバネ32の弾性
力に抗して後方に移動させ、ロックピース23を非ロッ
ク位置に切換配置する。その結果、シフトレバー5は右
方向の揺動が制限されないので、パーキング位置PPか
ら固定位置P1の間の任意のシフト位置に移動すること
ができる。
【0045】一方、A/T車が停車中であってブレーキ
スイッチ46がオフ、即ち、ブレーキペダル2が踏み込
まれていないとき、シフトレバー5がパーキング位置P
Pにあると、そのシフトレバー5によってパーキングス
イッチ43がオンとなる。制御回路40はパーキングス
イッチ43のオンを入力し、ソレノイド30をオフに制
御する。すると、プランジャ31はバネ32の弾性力に
よって前方に移動し、その移動に基づいてロックピース
23がバネ28の弾性力によってロック位置に移動す
る。その結果、シフトレバー5は第1の係止部24と係
合してその右方向の揺動が制限されるので、パーキング
位置PPから脱出することができない。
【0046】また、シフトレバー5がニュートラル位置
PNにあると、そのシフトレバー5によってニュートラ
ルスイッチ44がオンとなる。制御回路40はニュート
ラルスイッチ44のオンを入力し、ソレノイド30をオ
フに制御する。すると、プランジャ31はバネ32の弾
性力によって前方に移動し、その移動に基づいてロック
ピース23はバネ28の弾性力によってロック位置に移
動する。その結果、シフトレバー5は第2の係止部25
によりその揺動が制限されるので、ニュートラル位置P
Nからリバース位置PRへ移動することができない。
【0047】なお、シフトレバー5がリバース位置PR
にあってロックピース23がロック位置にある状態にお
いて、シフトレバー5をパーキング位置PPに移動させ
ようとすると、シフトレバー5はテーパ面26に当接さ
れる。そして、更にシフトレバー5を左方向に揺動させ
ようとすると、図3に示すように、シフトレバー5はテ
ーパ面26を押圧し、ロックピース23をバネ28の弾
性力に抗して2点鎖線で示す後方へ移動させる。そし
て、ロックピース23がシフトレバー5が通過できるだ
けの距離を移動すると、シフトレバー5はパーキング位
置PPに入ることができる。一方、ソレノイド30はオ
フであってプランジャ31が前方に移動している。この
とき、プランジャ31とロックピース23とは当接され
ている、即ち、プランジャ31とロックピース23とが
連結されていないので、プランジャ31がシフトレバー
5の移動により強制的に動くことはない。
【0048】また、シフトレバー5をリバース位置PR
からニュートラル位置PNに移動させようとすると、シ
フトレバー5は第2の係止部25に当接される。この状
態でシフトレバー5を更に後方へ揺動させると、図3に
示すように、ロックピース23はバネ28の弾性力に抗
して後方に移動する。そして、シフトレバー5を左方向
に移動させることによりニュートラル位置PNに移動さ
せることができる。このとき、パーキング位置PPに移
動させるときと同様であり、プランジャ31とロックピ
ース23とが連結されていないので、プランジャ31が
シフトレバー5の移動により強制的に動くことはない。
【0049】以上詳述したように本実施例においては、
パーキング位置PPにあるシフトレバー5の揺動を制限
する第1の係止部24と、ニュートラル位置PNにある
シフトレバー5の揺動を制限する第2の係止部25とが
形成されたロックピース23をガイド21,22によっ
て前後方向に移動可能に支持した。その結果、ロックピ
ース23は可動部分が少ないので、ソレノイド30の負
荷を少なくすることができる。
【0050】また、ロックピース23にプランジャ31
を当接させ、そのプランジャ31によって後方の非ロッ
ク位置に切換配置され、バネ28の弾性力によって前方
のロック位置に移動されるようにした。その結果、ロッ
クピース23をロック位置に移動させるときには、ソレ
ノイド30はプランジャ31だけを移動させるので、ソ
レノイド30の負荷を少なくすることができる。
【0051】また、シフトレバー5をリバース位置PR
からパーキング位置PP又はニュートラル位置PNに移
動させる場合、ロックピース23とプランジャ31とが
連結されていないので、ロックピース23のみが移動
し、プランジャ31は強制的に移動されることはない。
その結果、プランジャ31が移動する頻度を少なくする
ことができ、ソレノイド30の耐久性はロックピース2
3を電気的に移動させようとする回数のみを考慮すれば
よいことになる。
【0052】更に、ロックピース23は一体に形成され
回動する部分がないので、ソレノイド30の作動時の発
生音を低減することができる。尚、本考案は上記実施例
に限定されるものではなく、以下のように実施してもよ
い。
【0053】(1)前記実施例において、第2の係止部
25の先端のテーパ面27を設けずに実施するようにし
てもよい。その際、ソレノイド30をオンにしたときに
ニュートラル位置PNからリバース位置PRに移動する
シフトレバー5とロックピース23とが係合しない位置
に、ロックピース23を退避させることはいうまでもな
い。
【0054】(2)前記実施例では、制御回路40にソ
レノイド30とキーロックソレノイド42とを設けた
が、ソレノイド30のみを設けて実施してもよい。 (3)前記実施例では、制御回路40はパーキングスイ
ッチ43、ニュートラルスイッチ44、車速センサ45
及びブレーキスイッチ46の状態に基づいてソレノイド
30をオン・オフ制御するようにしたが、その組合せを
適宜変更して実施するようにしてもよい。
【0055】また、前記実施例では、車速が10km/h以
上のときに車速があるとしてソレノイド30をオフに制
御してシフトレバー5の移動を制限したが、車速を適宜
の値に変更し、その値以上のときにソレノイド30をオ
フに制御してシフトレバー5の移動を制限するようにし
てもよい。
【0056】(4)前記実施例では、3段変速の自動変
速機を用い、全変速機の前進自動変速を行うドライブ位
置PD、前進3段の各段に固定される固定位置P1,P
2,P3を設定したが、ドライブ位置PD及び固定位置
P1,P2に設定する等の任意に設定するようにしても
よい。また、2段変速又は4段以上に変速可能な自動変
速機を用いて実施するようにしてもよい。
【0057】また、前記実施例のシフトパターン孔4の
形状に限定されるものではなく、その形状を適宜変更す
るようにしてもよい。 (5)前記実施例では、シフトレバー5がニュートラル
位置PNにあるときに係合するニュートラルスイッチ4
4を設けてシフトレバー5がニュートラル位置PNにあ
るのを検出するようにしたが、自動変速機の変速要素が
作用しないことを検出するニュートラル検出用スイッチ
を設け、そのニュートラル検出用スイッチの検出結果に
基づいてシフトレバー5がニュートラル位置PNにある
のを検出するようにしてもよい。
【0058】(6)前記実施例では弾性部材として押し
バネであるバネ28を用いてロックピース23をロック
位置に移動させるようにしたが、板バネ等のバネを用い
てロックピース23をロック位置に移動させるようにし
てもよい。また、引っ張りバネをソレノイド30側に設
けてロックピース23をロック位置に移動させるように
してもよい。
【0059】
【考案の効果】以上詳述したように本考案によれば、ロ
ック機構を単純にして駆動手段の負荷や駆動頻度を低減
するとともに作動音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のシフトレバーのリバースインヒビット
装置を説明する平面図である。
【図2】シフトレバーのロック機構の制御回路を説明す
るブロック回路図である。
【図3】シフトレバーの移動に対するロックピースの動
きを説明する平面図である。
【図4】シフトレバーの非ロック状態を説明する平面図
である。
【図5】A/T車の運転席を示す概略図である。
【図6】従来のシフトレバーのインヒビットロック機構
を説明する平面図である。
【符号の説明】
5…シフトレバー、23…係止手段としてのロックピー
ス、28…付勢手段としてのバネ、30…駆動手段を構
成するソレノイド、31…駆動手段を構成するプランジ
ャ、32…駆動手段を構成するバネ、PP…駐車用位置
としてのパーキング位置、PR…後進走行用位置として
のリバース位置、PN…中立位置としてのニュートラル
位置、PD…前進走行用位置としてのドライブ位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 20/00 - 20/08

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駐車用位置(PP)と後進走行用位置
    (PR)、中立位置(PN)及び前進走行用位置(P
    D)の間で切替配置されるシフトレバー(5)と、前後方向に移動可能に設けられ、前記シフトレバー
    (5)の駐車用位置(PP)や中立位置(PN)から後
    進走行用位置(PR)への移動を規制するロック位置
    と、その移動を許容する非ロック位置との間を移動する
    とともに、シフトレバー(5)の後進走行用位置(P
    R)から駐車用位置(PP)や中立位置(PN)への移
    動により非ロック位置に移動される係止手段(23)
    と、 前記係止手段(23)がロック位置に配置される方向へ
    その係止手段(23)を付勢する付勢手段(28)と、 前記係止手段(23)とは独立して設けられ、駆動状態
    において係止手段(23)を前記付勢手段(28)の付
    勢力に抗して押圧し、その係止手段(23)をロック位
    置から非ロック位置に移動させる駆動手段(30,3
    1,32)と を備えたことを特徴とするシフトレバーの
    リバースインヒビット装置。
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