JP2595511B2 - 磁気記録媒体用ベースフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用ベースフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は磁気記録媒体用ベースフィルムに関するもの
である。
[従来の技術] 磁気記録媒体用ベースフィルムとしては、ポリエステ
ルに内部析出粒子および不活性物質粒子を含有せしめて
なるフィルムが知られている(例えば、特開昭53−7880
8号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、上記従来の磁気記録媒体用ベースフィルム
は、生産性を高めるため、磁気記録媒体製造工程での塗
布やカレンダー速度を速くすると、磁気媒体のドロップ
アウトが多くなるという問題点があった。
本発明はかかる問題点を改善し、カレンダー等の速度
を速くしても、磁気媒体のドロップアウトが増加せず、
ドロップアウトの少ない磁気記録媒体用ベースフィルム
を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するため、下記の構成を有
する。すなわち、 下記構造単位を主たる繰返し単位とするポリエステル
と、内部析出粒子および平均粒径が0.3〜2.0μmの不活
性無機粒子を0.005〜0.4重量%含有する組成物を主成分
とする二軸配向フィルムであって、該不活性無機粒子は
結晶化促進係数が20℃以下である合成炭酸カルシウムで
あることを特徴とする磁気記録媒体用ベースフィルム。
ここでRは、 から選ばれた少なくとも一種のジカルボン酸残基であ
る。
本発明におけるポリエステルとは、上記構造単位を主
たる繰返し単位とする。ただし、本発明を阻害しない範
囲内、好ましくは5モル%以内であれば他成分が共重合
されていてもよい。また、上記構造の単位式Rは、 から選ばれた1種以上のジカルボン酸残基であるが、ド
ロップアウトがもっとも良好なのは、Rが の場合である。
本発明における内部析出粒子とは、ポリエステル合成
時に添加したカルシウム化合物、マグネシウム化合物、
リチウム化合物の少なくとも一種の化合物とポリエステ
ル構成成分とが結合して生成する粒子である。なお、本
発明の内部析出粒子中には、本発明の効果を阻害しない
範囲内でリン元素および微量の他の金属成分、例えば、
亜鉛、コバルト、アンチモン、ゲルマニウム、チタン等
が含まれていてもよい。
また、本発明の内部析出粒子の平均粒径は0.4〜5μ
m、特に0.5〜3μmの範囲の場合に、ドロップアウト
がより一層良好となるので望ましく、内部析出粒子含有
量は0.01〜2重量%、特に0.05〜1重量%の範囲の場合
に、ドロップアウトがより一層良好となるので望まし
い。
本発明における不活性無機粒子とは、石灰石から化学
的方法によって生成せしめた沈降炭酸カルシウム(カル
サイト結晶)、石灰乳に高温で炭酸ガスを反応させて生
成せしめた炭酸カルシウム(アルゴナイト結晶、バテラ
イト結晶)などの合成炭酸カルシウムであることが必要
である。天然の石灰石を粉砕して得られる重質炭酸カル
シウムでは、他の特性を本発明範囲としたとしても、ド
ロップアウトが不良となるのでこのましくない。
本発明における合成炭酸カルシウムの平均粒径は0.3
〜2.0μm、好ましくは0.4〜1.7μm、さらに好ましく
は0.5〜1.5μmの範囲であることが必要である。平均粒
径が上記の範囲より小さいとフィルムの滑り性が不良と
なり、磁気記録媒体用ベースフィルムとして好ましくな
い。逆に、平均粒径が上記の範囲より大きいとドロップ
アウトが不良となるので好ましくない。また、3μm径
以上の粒子を実質的に含有しないことがドロップアウト
にとってより一層好ましい。
本発明における合成炭酸カルシウムの含有量は、0.00
5〜0.4重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%、さらに好
ましくは0.02〜0.2重量%であることが必要である。含
有量が上記の範囲より少ないとフィルムの滑り性が不良
となり、磁気記録媒体用ベースフィルムとして好ましく
ない。逆に含有量が上記の範囲より多いとドロップアウ
トが不良となるので好ましくない。
本発明における合成炭酸カルシウムの結晶化促進係数
は20℃以下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10
℃以下であることが必要である。結晶化促進係数が上記
の範囲より大きいと、ドロップアウトが不良となるので
好ましくない。なお、結晶化促進係数の下限は特に限定
されないが、0℃程度が製造上の限界である。
本発明における合成炭酸カルシウムの結晶形態は特に
限定されないが、カルサイト結晶の場合に、ドロップア
ウトがより一層良好となるので特に望ましい。
本発明は上記組成物を主要成分とするが、本発明の目
的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレンドしても
良いし、また、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの無機または有機添加剤が通常添加される程度
添加されていてもよい。
本発明フィルムは上記組成物を二軸配向せしめたフィ
ルムである。ここでいう二軸配向フィルムとは、厚さ方
向屈折率比が0.935〜0.970の範囲であるフィルムであ
る。厚さ方向屈折率比が上記の範囲より小さいとドロッ
プアウトが不良となり、また、大きいとドロップアウ
ト、滑り性共に不良となるので好ましくない。また、本
発明フィルムは、厚さ方向屈折率比が0.935〜0.950の範
囲の場合にドロップアウトがより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明フィルムの幅方向のヤング率は特に限定されな
いが、ヤング率が450kg/mm2以上、特に500kg/mm2以上で
ある場合にドロップアウトがより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明フィルムの溶融粘度は特に限定されないが、溶
融粘度が1000ポイズ以上、特に2000ポイズ以上の場合
に、ドロップアウトがより一層良好となるので特に望ま
しい。
本発明フィルムの100℃での長手方向の熱収縮率は特
に限定されないが、0.8%以下、特に0.6%以下の場合に
ドロップアウトがより一層良好となるので特に望まし
い。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、内部析出粒子の生成方法は次の方法が有効であ
る。すなわち、 内部粒子は、所定のジカルボン酸とエチレングリコ
ールとの直接エステル化を経て重縮合する過程あるい
は、所定のジカルボン酸のジメチルエステルとエチレ
ングリコールとのエステル交換反応を経て重縮合を行な
う過程において、グリコールに可溶性のカルシウム化合
物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、リチウム化
合物の少なくしも一種と、好ましくは、リンの酸および
/またはエステル化合物を適当な方法で添加することに
よって生成される。内部粒子を生成させるための化合物
の添加は、エステル化反応またはエステル交換反応が実
質的に終了した時点から重縮合反応のあまり進んでいな
い初期の段階までの任意の時期に、カルシウム化合物、
リチウム化合物の少なくとも一種をグリコール溶液とし
て反応系に添加するのがよい。
ここで使用しうるカルシウム、マグネシウム、マンガ
ン、リチウムの化合物としては、ハロゲン化物、硝酸
塩、硫酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、安息
香酸塩などの有機酸塩、水素化物および酸化物などのグ
リコール可溶性の化合物が最も好ましく使用されるが、
二種以上併用しても構わない。
また、リン化合物としてはリン酸、亜リン酸、ホスホ
ン酸、およびこれらのエステル類、部分エステル類の一
種以上が用いられる。
次に合成炭酸カルシウム粒子はエチレングリコールに
分散させたスラリーを重合反応前、また反応中に添加す
るのが本発明範囲の平均粒径を得るのに有効である。こ
の場合、合成炭酸カルシウム粒子はエチレングリコール
に分散させる前に、メタノール、エタノールなどの有極
性有機溶媒で洗浄し、分散助剤としてリン酸アンモニウ
ム塩を粒子に対し0.5〜20重量%添加してエチレングリ
コールに分散させるのが、本発明の結晶化促進係数を得
るのに極めて有効である。
なお、本発明においては、内部粒子または不活性粒子
をそれぞれ別に含有するポリエチレンテレフタレートを
別々に製造し、溶融工程で混練する方法、あるいは内部
粒子含有ポリエステルと不活性粒子を多量に含有する高
濃度マスタのポリエステルを適当量混合する方法も好ま
しく採用される。
最も好ましいのは、不活性粒子を高濃度含有するポリ
エステルを内部析出粒子含有ポリエステルで希釈して用
いる方法である。
また、本発明の合成炭酸カルシウム粒子をエチレング
リコールに分散させる方法としては、微細なガラスビー
ズ等をメディアとして分散させたのち、ガラスビーズ等
のメディアを系から除去する方法が、本発明の結晶化促
進係数を得るのに極めて有効である。
かくして、内部析出粒子と所定量の合成炭酸カルシウ
ム粒子を含有するポリエステルペレットを、十分乾燥さ
せたのち、公知の溶融押出機に供給し、270〜330℃でス
リット状のダイからシート状に押出し、冷却固化せしめ
て未延伸フィルムを作る。この場合、コールターカウン
ターで測定した95%カット粒子径が5μm以下、好まし
くは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下の過能
力のフィルターを用いることが本発明範囲の厚さ方向屈
折率比を得るのに極めて有効である。この理由は、本発
明範囲の結晶化促進係数を有する合成炭酸カルシウム粒
子は好ましい性能を有する反面、製膜押出時に粒子が凝
集しやすい性質を有するため、その凝集粒子を除去しな
いと、充分な二軸延伸が不可能となり、本発明範囲の厚
さ方向屈折率比が得られないためと考えられる。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法を用いることができる。
逐次二軸延伸法の場合は長手方向、幅方向の順に延伸
するのが一般的であるが、この順を逆にして延伸しても
よい。二軸延伸の条件は延伸方法、ポリマの種類などに
よって必ずしも一定ではないが、通常、長手方向、幅方
向ともに80〜160℃、好ましくはは90〜150℃の範囲で、
延伸倍率はそれぞれ3.0〜5.0倍、好ましくは3.2〜4.5倍
の範囲が、また、延伸速度は1×103〜7×104%/分の
範囲が本発明範囲の厚さ方向屈折率比を得るのに有効で
ある。
次に本発明フィルムを熱処理してもよい。熱処理温度
は180〜230℃、時間は0.5〜60秒間とするのが本発明の
望ましい範囲の熱収縮率を得るのに有効である。また、
上記熱処理を施したのち、100〜180℃の温度で、長手方
向に0.2〜2.0%弛緩させつつ、さらに熱処理を行なう方
法は、本発明の望ましい範囲の熱収縮率を得るのに特に
有効である。
[作用] 本発明は内部析出粒子と、特定の結晶子促進係数を有
する合成炭酸カルシウム粒子を含有するポリエステルを
二軸配向せしめたフィルムとしたため、フィルム表面突
起が外的にシェアに対して強いフィルムとなり、耐摩耗
性が向上し、本発明の効果が得られたものと推定され
る。
[物性の測定並びに効果の表方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
粒子含有量 試料をメタノールで十分洗浄し、表面付着物を取り除
き、水洗して乾燥した300gのサンプルにo−クロロフェ
ノール2.7kgを加えて撹拌しつつ100℃まで昇温させ、昇
温後さらに1時間そのまま放置してポリエステル部分を
溶解させる。ただし、高度に結晶化している場合などで
ポリエステル部分が溶解しない場合には、一度溶解させ
て急冷した後に前記の溶解操作を行なう。
次いでポリエステル中に含有されているゴミなどの粗
大不溶物をG−1ガラスフィルターで炉別し、除去し、
この炉上物の重量を試料重量から差し引く。
日立製作所分離用超遠心機40p型にローターRP30を装備
し、セル1個当りに前記ガラスフィルター炉別後の溶液
30ccを注入後、ローターを4500rpmにて回転させ、回転
異常のないことを確認後、ローター中を真空にし、30,0
00rpmに回転数を上げ、この回転数にて粒子の延伸分離
を行なう。
分離の完了はほぼ40分後であるが、この確認は必要あ
れば分離後の液の375mμにおける光線透過率が分離前の
それに比し、高い値の一定値になることで行なう。分離
後、上澄液を傾斜法で除去し分離粒子を得る。
分離粒子には分離が不十分なことに起因するポリエス
テル分の混入がある得るので、採取した該粒子に常温の
o−クロロフェノールを加え、ほぼ均一懸濁後、再び超
遠心分離機処理を行なう。
この操作は後述の粒子を乾燥後該粒子を走査型差動熱
量分析を行なって、ポリマに相当する融解ピークが検出
できなくなるまで繰返す必要がある。最後に、このよう
にして得た分離粒子を120℃、16時間真空乾燥して秤量
する。
なお、前記操作で得られた分離粒子は内部析出粒子と
不活性無機粒子の両者を含んでいる。このため内部粒子
量と不活性無機粒子量を別個に求める必要があり、まず
前記分離粒子について金属分の定量分析を行ない、Ca,L
iの含有量およびCa,Li以外の金属含有量を求めておく。
次いで該分離粒子を3倍モルのエチレングリコール中で
6時間以上還流加熱したのち、200℃以上になるように
エチレングリコールを留去して解重合すると内部粒子だ
けが溶解する。残った粒子を延伸分離して得られた分離
粒子を乾燥秤量し、不活性無機粒子量とし、最初の合計
分離粒子量との差を内部粒子量とする。
なお、前記解重合が完全に行なわれたかを確認するた
め解重合後の分離粒子について金属分の定量分析を行な
い、これらの操作を繰返すことにより粒子量測定精度を
高めることができる。
不活性無機粒子の平均粒径 上記方法によって分離された不活性無機粒子をエタノ
ールに分散させ、遠心沈降法(掘場製作所、CAPA500使
用)で測定した体積平均径である。
ガラス転移点Tg、冷却晶化温度Tccパーキンエルマ
ー社製DSC(示差走査熱量計)II型を用いて測定した。D
SCの測定条件は次の通りである。すなわち、試料10mgを
DSC装置にセットして5分間溶融した後、液体窒素中に
急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転
移点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態から
の結晶化発熱ピーク温度をもって冷却晶化温度Tccとし
た。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)をΔTcgと定義す
る。
結晶化促進係数 上記方法で、1重量%の不活性無機粒子を含有するポ
リエステルのΔTcg(A)およびこれと同粘度の不活性
無機粒子を含有しないポリエステルのΔTcg(B)を測
定し、ΔTcg(B)とΔTcg(A)との差[ΔTcg(B)
−ΔTcg(A)]をもって、その不活性無機粒子の結晶
化促進係数とした。
ヤング率 ASTM−D−882にしたがって、インストロン式の引張
試験機を用いて、25℃、65%RHにて測定した。
フィルムの熱収縮率 試料フィルムを幅10mm、長さ250mmに切り出し、約200
mmの間隔で2本の標線を入れ、その間隔を正確に測定す
る(これをAmmとする)。この試料の先端に3.0gの荷重
をかけた状態で150℃の熱風オーブン中に30分間放置し
たのち標線間の間隔を測定し(これをBmm)とする、100
×(A−B)/Aをもって熱収縮率とした。
溶融粘度 高化式フローテスターを用いて、温度290℃、ずり速
度200sec −1で測定した。
厚さ方向屈折率比 ナトリウムD線(波長589mm)を光源としてアツベ屈
折率計を用いて、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率
(Aとする)および溶融プレス後10℃の水中へ急冷した
作った無配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈
折率(Bとする)を測定し、A/Bをもって厚さ方向の屈
折率比としたと。マウント液にはヨウ化メチレンを用
い、25℃、65%RHにて測定した。
磁気テープとした時のドロップアウト γ−Fe2O3100重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体15重量部、ポリウレタンエラストマー15重量部、カー
ボンブラック8重量部、メチルエチルケトン120重量
部、メチルイソブチルケトン130重量部、ミリスチル酸
2重量部の混合物をサンドミルで十分に混合分散させて
磁性塗料を作り、この磁性塗料にポリイソシアネート
(コロネートL)を15重量部添加し、これをサンプルの
ポリエステルフィルムに厚さ4.0μm(乾燥厚さ)塗布
し、カレンダー処理(温度90℃、線圧200kg/cm、速度55
0m/分)後、1/2インチ幅にスリットしてテープとした。
このテープをVHS方式のビデオカセット(120分)組込
み、ビデオカセットテープを作った。
このテープにVTRを用い、TV試験信号発生機((株)
シバソク製TG−7/1型)からの信号を録画させたのち、2
5℃、50%RHで100パス(120分×100パス)走行させた。
このテープをドロップアウトカウンターを用いて、ドロ
ップアウトの幅が5μ秒以上で、再生された信号の減衰
がマイナス16dB以上のものをピックアップしてドロップ
アウトした。測定はビデオカセット10巻について行な
い、1分間当りに換算したドロップアウト個数が10個未
満の場合はドロップアウト良好、10個以上の場合を不良
とした。
滑り性 テープ走行性試験機TBT−300型((株)横浜システム
研究所製)を使用し、20℃、60%RH雰囲気で走行させ、
初期のμKを下記の式より求めた。
μK=0.733log(T1/T0) ここでT0は入側張力、T1は出側張力である。ガイド径
は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、
巻き付け角は180゜、走行速度は3.3cm/秒である。
上記μKが0.25以下の場合を滑り性良好、0.25を越え
る場合は滑り性不良と判定した。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜4、比較例1〜3 テレフタル酸100重量部とエチレングリコール43重量
部を混練し、スラリーを調製した。反応器に245℃で貯
留したテレフタル酸50重量部とエチレングリコール21.5
重量部の反応物中に該スラリーを一定速度で連続的に添
加し、常圧下245℃でエステル化反応を行ない、生成す
る水を精留塔から連続的に系外に留去させた。該スラリ
ーの供給時間は3時間30分で終了し、エステル化反応は
4時間で終了した。得られた反応物からテレフタル酸10
0重量部に相当するエステル化反応物を重合装置に移
し、リン酸0.045重量部、三酸化アンチモン0.023重量
部、および平均粒径0.8μmの合成炭酸カルシウム1.15
重量部をエチレングリコールスラリーとして添加し、常
法に従って重縮合反応した。得られたポリマーは本発明
で規定する内部粒子は存在せず、炭酸カルシウム1重量
%含有するポリエステルを得た(ポリエステルA)。こ
の場合、合成炭酸カルシウムのエチレングリコールスラ
リーを調製時の分散剤、粒子洗浄法を変更して、結晶化
促進係数の異なるポリエステルを製造した。
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル62重量部に酢酸カルシウム0.06重量部を触媒として常
法によりエステル交換反応を行ない、その生成物に三酸
化アンチモン0,04重量部、酢酸リチウム0.07重量部およ
び酢酸カルシウム0.04重量部を添加し、続いて亜リン酸
0.02重量部、リン酸トリメチル0.10重量部とを添加した
後、重縮合を行ない、固有粘度0.618、内部粒子量0.35
重量部(対ポリエステル100重量部)を含むポリマーを
得た。内部粒子中にはカルシウム元素1.2重量%、リチ
ウム元素1.9重量%、リン元素4.9重量り%を含有されて
いた(ポリエステル:B)。
上記ポリエステルAとポリエステルBとを合成炭酸カ
ルシウム含有量が第1表となるように所定割合で混合し
たペレットを、180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した。
このペレットを押出機に供給し300℃で溶融押出し、静
電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティン
グ・ドラムに巻きつけて冷却固化し、厚さ約170μmの
未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムを90℃に
て長手方向に3.4倍延伸した。
この延伸は2組のロール周速差で行なわれ、延伸速度
10000%/分であった。この一軸フィルムをステンタを
用いて延伸速度2000%/分で100℃で幅方向に3.6倍延伸
し、定長下で210℃にて5秒間熱処理し、さらに長手方
向に0.5%弛緩させつつ、150℃で熱処理して厚さ14μm
のフィルムを得た。
このフィルムの厚さ方向屈折率比は0.945であった。
このフィルムのドロップアウト、滑り性は、第1表に
示したとおり、不活性粒子の平均粒径、結晶化促進係
数、含有量およびフィルムの厚さ方向屈折率比が本発明
範囲の場合は、ドロップアウト、滑り性ともに良好であ
る(実施例1〜4)。しかし、それらが本発明範囲外の
場合はドロップアウト、滑り性を両立したフィルムは得
られなかった(比較例1〜3)。
実施例5〜6、比較例4〜8 実施例1のポリエステルAの酸成分を、α,β−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン
酸に変え、さらに種々の不活性無機粒子を添加した以外
は実施例1のポリエステルAと同様にして、不活性無機
粒子を1.0重量%含有するポリエステルを得た(ポリエ
ステルC)。
次に、実施例1のポリエステルBの酸成分を、α,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボン酸に変えた以外は実施例1のポリエステルBと同
様にして、ポリエステルを作った(ポリエステルD)。
上記ポリエステルCとDとを不活性無機粒子含有量が
0.04重量%となるよう混合したペレットを作った。
このペレットを180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)し
た。このペレットを押出機に供給し、300℃で溶融押出
し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャス
ティング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィ
ルムを作った。この未延伸フィルムを120℃にて長手方
向に延伸した。
この延伸は2組のロールの周速差で行なわれ、延伸速
度10000%/分であった。この一軸フィルムをステンタ
を用いて延伸速度2000%/分で135℃で幅方向に延伸
し、定長下で210℃にて5秒間熱処理し、厚さ14μmの
フィルムを得た。
この場合、長手方向、幅方向の延伸倍率を変更して、
厚さ方向屈折率比の異なるものをいくつか作った。
これらのフィルムのドロップアウト、滑り性は第2表
に示したとおりであり、不活性無機粒子の種類、平均粒
径、含有量、結晶化促進係数、フィルムの厚さ方向屈折
率比が本発明範囲内の場合は、ドロップアウト、滑り性
ともに良好なフィルムが得られた(実施例5〜6)。
しかし、それらの特性が本発明範囲外の場合は、ドロ
ップアウト、滑り性を両立したフィルムは得られなかっ
た(比較例4〜8)。
[発明の効果] 本発明は、特定の結晶化促進係数を有する合成炭酸カ
ルシウムの作用により、カレンダー等の磁気記録媒体製
造工程速度を速くしても、ドロップアウトの少ない、良
好な磁気記録媒体となり、かつ滑り性の良好なベースフ
ィルムが得られたものである。すなわち、本発明のベー
スフィルムは、磁気記録媒体製造の生産性を高めること
ができ、コストダウンがはかれるものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位を主たる繰返し単位とするポ
    リエステルと、内部析出粒子および平均粒径が0.3〜2.0
    μmの不活性無機粒子を0.005〜0.4重量%含有する組成
    物を主成分とする二軸配向フィルムであって、該不活性
    無機粒子は結晶化促進係数が20℃以下である合成炭酸カ
    ルシウムであることを特徴とする磁気記録媒体用ベース
    フィルム。 ここでRは、 から選ばれた少なくとも一種のジカルボン酸残基であ
    る。
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