JP2595120B2 - だし素材入り液体だしパック - Google Patents

だし素材入り液体だしパック

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JP2595120B2
JP2595120B2 JP2122165A JP12216590A JP2595120B2 JP 2595120 B2 JP2595120 B2 JP 2595120B2 JP 2122165 A JP2122165 A JP 2122165A JP 12216590 A JP12216590 A JP 12216590A JP 2595120 B2 JP2595120 B2 JP 2595120B2
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豊一 新海
望 荻野目
秀春 河合
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株式会社にんべん
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明のだし素材入り液体だしパックは、従来からあ
る、だし素材の抽出液をそのまま利用した液体だしパッ
クあるいは同抽出液を調味した調味液体だしパックと同
様に液体だしとして利用することができるものである。
(従来の技術) 従来は魚節類、煮干類、乾燥昆布類又は乾燥きのこ類
等のだし素材のそのまま、あるいは切削、切断、破砕又
は粉砕等により小片化して用いたり、これらを一種のみ
で、あるいは二種以上組み合わせて用いて、以下のよう
にしていた。
先ず、これらのだし素材を普通の水や調味液に浸漬
し、それを加熱したり或は加熱せずに、そのだし成分を
抽出した後、濾過、遠心分離又は分配等により分離精製
し、抽出後のだし素材の不溶性固形分をだしがらとし、
また、液中に溶出して濁り、おりなどの原因となる分子
量の大きい可溶性蛋白などを残渣として除去した後、こ
の抽出瀘液をそのまま液体だし又はだし入り液体調味料
とするか、或はこれらを基本調味液とし、これに他の調
味料や香辛料などの各種食品材を添加したり、その濃度
を調整するなどして、各種のだし入り液体調味料とする
か、或はまた、だし素材を粉末とし、これをそのまま各
種の調味液に添加し、混合分散するなどして、だし入り
液体調味料としていた。
次いで、これらの液体だしやだし入り液体調味料をそ
のまま或は加熱殺菌後、容器に充填して密封し、その後
冷凍して冷蔵保存するか、又は加熱殺菌後、一定の温度
で無菌的に容器に充填して密封するか、又はそのまま容
器に充填して密封した後に容器ごと加熱殺菌するなどし
て、いわゆる従来の液体だしパック或はだし入り液体、
調味料パックとしていた。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記した従来の液体だしパックやだし入り液
体調味料パックには次のような問題があった。
.従来の液体だしパックやだし入り液体調味料パック
の製造においては、だし素材からそのだし成分を抽出し
て得られる上記基本調味液を用いるものが多く、この場
合、抽出工程をはじめ、抽出後の濾過、遠心分離又は分
配等の分離や精製の工程も、必須とするものであり、し
かも、これらの工程はそのだし成分を十分に抽出するた
めには同一のだし素材について、何回も繰り返し行なわ
ねばならなかった。そのため、どうしても抽出や分離精
製の設備と手間を要し、しかも、だし素材の抽出後のだ
しがらや残渣の処分も必須作業となるので、このような
従来製品はコスト的にも高いものとなっていた。
.魚節類、煮干類、乾燥昆布類又は乾燥きのこ類等の
だし素材は、その風味が元来非常に不安定であることに
もよるが、抽出後に分離精製する従来の液体だしパック
やだし入り液体調味料パックの場合、その製造方法によ
っても多少異なるが、温度や溶存酸素をはじめ、その他
の不明の因子による影響により、だし素材それぞれの有
する特徴ある風味が変化し易く、例え、これらを冷凍し
て冷蔵保存したものであっても、経時的にはどうして
も、その風味が揮散、酸化、褐変等により非常に変化
し、劣化したものとなる。まして、これらのだし素材を
加熱抽出したり、その後加熱殺菌して仕上げるものにあ
っては、その変化は更に著しいものであった。
.特に、だし素材と水のみを用い、抽出後に分離精製
して得られる従来の液体だしパック、或はこれに調味料
などの他の食品材の少量を添加したようなだし入り液体
調味料パックなどは、いわゆる水分活性値が高く、常温
での保存性を付与するには、どうしても高温(100℃以
上)加熱殺菌工程を必要とするので、その影響を著しく
受け易く、だし素材それぞれの有する特徴ある風味が劣
化するどころか、異味異臭を生じるなどしていた。ま
た、この場合、だし素材やその製造工程を食品として問
題のない程度に、その細菌の汚染度を管理し、高温加熱
殺菌工程を省略して冷凍冷蔵したとしても、経時的な風
味の劣化は大きいものであった。それ故、この種の製品
化はだし素材によっては全く実用化されていないのが実
情であった。
.だし素材と調味液とを用い、抽出後に分離精製して
得られる従来の各種のだし入り液体調味料パックのう
ち、いわゆる水分活性値が低く、常温での保存性を付与
するのに低温(100℃以下)加熱殺菌でよいもの、或は
衛生管理により、加熱殺菌工程を省略して冷凍冷蔵して
保存するもの等は、いずれも経時的にその風味が変化し
易く、まだ品質的には満足できるものではなかった。
.また、だし素材を粉末とし、これをそのまま各種の
調味液に添加し、混合分散するなどした従来のだし入り
液体調味料パックは、その使用時に当然のことではある
が、だし素材粉末がどうしても調味液中に混入してくる
ので、料理などが不味となったり、不快感を与えること
もあった。即ち、だし素材中には良好な風味物質と共
に、その風味を損なう分子量の大きい可溶性蛋白や、生
臭味、あく、えぐ味、その他の不味物質等が混在するも
のであり、従って、だし素材の全てを含んだだし入り液
体調味料として使用せざるを得ないものであった。
(発明の目的) 本発明の目的は、上記した従来の諸問題を解決し、少
なくとも魚節類、煮干類、乾燥昆布類又は乾燥きのこ類
からなるだし素材のそれぞれの有する特徴ある風味を活
かし、風味保持性に優れ、しかもコストの低減されただ
し素材入り液体だしパックを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、少なくとも魚節類、煮干類、乾燥昆布
類又は乾燥きのこ類をだし素材とした各種のだし素材入
り液体だしパックについて、種々試験、研究を重ねた結
果、以下のようなことを見出して本発明を完成させたも
のである。
.前記の一種または二種以上からなるだし素材をその
まま或は透液性のよい内容器に収容封止した後、これら
を水またはだし素材から抽出液またはその他の調味液等
の液体と共に同液体に浸潤するように注出口付きの外容
器に収容密封し、同外容器にフィルターを装着するか、
又は注出口にフィルターを装着或は脱着自在とすること
により、内容液の酸化褐変が著しく低下し、風味保持性
に極めて優れただし素材入り液体だしパック製品となる
こと。
.前記のようにすれば、同一のだし素材を一回、二
回と繰返し抽出したり、分離精製する必要も無く、外容
器内において経時的に、そのだし素材が浸潤する液体に
よって十分に抽出され、その抽出効率も高まり、前記し
た効果が得られること。
.前記だし素材の二種以上を適宜に組み合わせて用い
れば、従来にない新規な複合風味を有するだし素材入り
液体だしパック製品が、極めて容易に得られること。
.外容器内の液体を取り出すときに、外容器内又は注
出口に装着されたフィルターにより、だし素材の抽出後
のだしがらをはじめ、液中に溶出している分子量の大き
い可溶性蛋白やあく、えぐ味、その他の不味物質等の多
くが外部への流出を阻止され、外容器内に保留されて液
体と分離され、使用時には良好な風味成分に富んだ液体
だけが注出されること。
.特に、フィルター付きの外容器とフィルター機能を
有する内容器とを組み合わせたものは、両フィルターの
相乗効果により更に良好なものとなること。また、これ
らの効果はパック製品をその後に加熱又は/及び冷凍処
理した場合においても有効であると同時に、コストの低
減されたものとなること。
本発明のうち請求項第1のだし素材入り液体だしパッ
クは少なくとも、透液性の良い内容器6に収容封止され
た少なくとも魚節類、煮干類、乾燥昆布類又は乾燥きの
こ類の一種あるいは二種以上のだし素材1と、同内容器
6に収容封止されない前記だし素材1とが共に、水又は
その他の調味液等の液体2と共に同液体2に浸潤するよ
うに注出口3の付いた外容器5に収容密封され、同外容
器5はその内部のうち注出口3寄りにフィルター4が装
着され又は注出口3にフィルター4が装着或は脱着自在
であることを特徴とするものである。
本発明のうち請求項第2記載のだし素材入り液体だし
パックは、前記だし素材1が、だし成分を含んでいるも
のであるか、またはだし成分が予め抽出されて含まれて
いないものであることを特徴とするものである。
本発明のうち請求項第3記載のだし素材入り液体だし
パックは、上記だし素材入り液体だしパックが加熱また
は/及び冷凍処理されてなることを特徴とするものであ
る。
(実施例) 本発明のだし素材入り液体だしパックの実施例を以下
に具体的に記す。
本発明で用いるだし素材1としては例えば次のような
ものを用いる。
カツオ、ソウダカツオ、マグロ、サバ、アジ、イワ
シ、サンマ、その他の魚の魚節類或はそれらの魚肉を魚
節状に加工した成形魚肉節。
サバ、アジ、イワシ、サンマ、トビウオ、その他の魚
の煮干類。
アサリ、ハマグリ、アカガイ、カキ、ホタテガイ、そ
の他の貝の煮干類。
サクラエビ、シバエビ、アカエビ、オキアミ、その他
の海老の煮干類。
ズワイガニ、タラバガニ、ケガニ、その他の蟹の煮干
類。
マコンブ、リシリコンブ、ミツイシコンブ、ホソメコ
ンブ、ナガコンブ、その他の乾燥昆布類。
シイタケ、シメジ、ヒラタケ、エノキダケ、マツタ
ケ、ナメコ、マッシュルーム、キクラゲ、その他の乾燥
きのこ類。
本発明ではこれらのだし素材1をそのまま、あるいは
破砕、粉砕、または磨砕等により小片化したり、必要に
応じて更に加工するなどして用いる。例えば、だし素材
入り液体だしパック製品とする際の加熱温度や時間また
は製品から使用時までの経過時間等を考慮し、それぞれ
に適合する大きさに小片化する。
また、これらのだし素材1は一種のみで、または二種
以上を組み合わせて用いるが、同一種においても産地、
加工法、加工時期等を異にするだし素材1は個別にある
いはこれらの二種以上を組み合わせて用いる。更に、こ
れらのだし素材1はだし成分を未抽出のものはもちろん
のこと、一旦、抽出に用いられたものであってもよい。
本発明で用いる外容器5としては各種の素材や形状か
らなるものを使用できる。例えば、金属、硝子、陶器、
木材、紙、合成樹脂等で、これらを単独で或は組み合わ
せてなる缶(第1図、第2図)、瓶(第3図、第4
図)、袋(第5図)、壷、樽、箱、その他の形状の容器
であるが、これらは何れも注出口3を有し、しかも、上
記した透液部材からなるフィルター4が外容器5内に装
着されているか又は注出口3に装着或は脱着自在なるよ
うにしたものであり、しかも密封できる機能を有してい
なければならない。
また、外容器5は収容するだし素材1をはじめ、液体
だし、だし入り液体調味料等の液体2を保護するため、
透気性や透液性のないものか、あっても極く微量のもの
であることが望ましく、更に、加熱や冷凍冷蔵を要する
パック製品においては、それぞれ耐熱性、耐寒性を有す
る素材からなるものを用いることは言うまでもない。
本発明で用いるフィルター4と内容器6の材質、構
造、機能は略同一のものでよい。即ち、これらは水をは
じめ、液体だし又はその他の調味液などの水溶液や水性
乳化液を容易に透過させるものであり、同時に、その内
部に収容されただし素材1の不溶性の固形分をはじめ、
分子量の大きい可溶性蛋白や不味物質等を内容器6或は
外容器5内に留保して、それらの容器外への透過をでき
るだけ阻止できるフィルター機能を有するものであれば
よい。
従って、これらの透液部材としては一般的には高分子
材料や高分子繊維素からなるもの、例えば、パルプ、
綿、麻、絹、合成樹脂等が適しており、これらを単独
で、或は混用してなる織布や不織布等が使用される。ま
た、液体だしやだし入り液体調味料の液体2の品質や種
類によっては、アルミやステンレスなどの金属からなる
織布、又は合成樹脂や金属からなるフィルム及びこれら
を積層してなるフィルムに微細な穿孔を施したものでも
よく、或は微細孔を有するように合成樹脂などを直接熱
成形した薄板でもよい。
前記フィルター4は取付ける外容器5の種類や注出口
3の構造によっても異なるが、例えば外容器5が金属缶
の場合は第1図のように、外容器5の開口部11の内側全
面に上記透液部材(フィルター4)を張っておき、同開
口部11の上面をプルトップ式の注出口3を有する蓋12に
より密閉する。
また第2図のように外容器5が金属缶の場合に、同外
容器5の上方開口部11をプルトップ式の注出口3を有し
且つ同注出口3の下方にフィルター4が張られた蓋12に
より密閉する。
外容器5が第3図のような瓶の場合は、その上方開口
部11(注出口3と兼用)の内側にフィルター4を張り、
その上に蓋13を被せる。
外容器5が第4図のような瓶の場合は、その注出口3
にフィルター4が装着されているキャップ14を嵌合式、
又は螺子式で装着する。
外容器5が第5図のようなアルミ袋の場合は、その内
部に同図bのようにフィルター4が畳まれた状態で張ら
れており、同袋を切口15から開封して同図cのように同
袋を拡げるとフィルター4も拡がるようにする。第5図
(a)の斜線部分Aはシール部である。
第6図のように、だし素材1を内容器6内に封入して
から外容器5内に収容する場合は、フィルター4を例え
ば同図のように外容器5の内部に張っておく。
第7図に示すものは外容器5が紙容器の場合であり、
これは同外容器5に筒状の注出口3が取付けられ、同注
出口3の底寄りにフィルター4が、出口側にキャップ15
が脱着自在に取付けられている。
前記内容器6はそれに収容するだし素材1の量、外容
器5の種類や形状(特に外容器5の収容口の大きさ)に
合わせて上記した透液部材を用いて、袋状、筒状又はボ
ックス状等の適宜の形態に形成して用いる。また、この
内容器6は封止できる機能を有していなければならない
が、できれば低温加熱、高周波電流或は加圧等による溶
着や接着又は嵌合フックや簡単な縫合等により容易に封
止できるものがよい。
それ故、フィルター4用、内容器6用の透液部材とし
ては、パルプや合成樹脂の繊維からなる和紙や濾紙など
の不織布又は織布がいずれの内容液にも適合し、また、
溶着、接着、形成、封止が簡単で、しかもコスト的にも
有利であるため都合がよい。
本発明では前記だし素材1、フィルター4、外容器
5、内容器6を用いて、以下のようにしてだし素材入り
液体だしパックとする。
.透液性のよい内容器6に収容封止しただし素材1
と、内容器6に収容封止されないだし素材1とを用い、
液体2として水を用いる場合。
内容器6に収容封止されないだし素材1と、内容器6
に収容封止されただし素材1と水のどちらを先に外容器
5に収容してもよいが、作業上はだし素材1や内容器6
を先に収容し、次いで、製品の目的とする濃度となる量
の水を注入して収容すると、だし素材1や内容器6が水
に浸潤し易く、外容器5内に早く落ち着くので次の密封
工程がスムースに行なうことができる。
用いる水は冷水、常温水或は適宜の温度に加熱した温
熱湯でもよく、特に、熱水を用いる場合は当然のことで
はあるが、沸騰水の温度に近い熱水ほど、密封した後の
外容器5内の空気(O2)が減少し、品質保持には効果的
である。
一方、内容器6に収容封止されないだし素材1又は内
容器6に収容封止されただし素材1と規定量の水にて、
予め、抽出装置により加熱或は無加熱で抽出処理を行な
い、その後にだしがらとも言えるだし素材1又はだし素
材入り内容器6と、液体だしとも言える抽出水とに分離
する。この抽出水を規定の収量に調整し、必要に応じて
不純物や好ましくない成分を除去して外容器5に収容し
た後、前記抽出後のだし成分が残存するだし素材1又は
だし成分が残存しないだし素材1をそのままと内容器6
に収容封止された状態で外容器5に収容密封するように
してもよい。何れにしても、だし素材1をそのままと透
液性のよい内容器6に収容封止したものとを用い、これ
らを水などと共に外容器5に収容し、次いでこの外容器
5を密封すればよい。この場合、用いる外容器5の種
類、例えば、だし素材1、内容器6、水などを収容する
収容口と液体だしを取り出す注出口3とが別個になって
いるもの、前記収容口と注出口3とが兼用になっている
もの等によって、フィルター4の装着と密封の順序や方
法も異なる。即ち、注出口3に既にフィルター4が装着
されており、その注出口3と別に収容口が設けられてい
る外容器5の場合は、だし素材1、内容器6、水などを
収容口から収容した後に、そのまま同収容口を密封すれ
ばよい。
また、収容口と注出口3とが兼用の外容器5では、だ
し素材1、内容器6、水などを収容口から収容した後
に、同収容口にフィルター4を装着してから同収容口を
密封する。
以上のようにすれば本発明のだし素材入りの液体だし
パックとなるが、そのだし素材1の種類、組成、量をは
じめ、用いる水量と適宜に組み合わせることにより、風
味の種類や濃度の異なる各種のだし素材入り液体だしパ
ックとすることができる。
.液体2としてだし素材1からの抽出液を用いる場
合。
これは上記の水に代えてだし素材1からの抽出液を
用いるものである。
この場合、液体2としての抽出液は外容器5内のだし
素材1と同一または異なる何れの種類や組成のだし素材
1から得られたものでもよい。また、その濃度や量も適
宜に設定したものでよい。それ故、本発明で用いる魚節
類、煮干類、乾燥昆布類又は乾燥きのこ類からなるだし
素材1ばかりでなく、これら以外の各種のだし素材1か
ら使用目的に合わせて適宜に選択したり、組合わせるな
どして、常法により、これらのだし素材1と水とを用い
て、予め抽出処理し、分離精製して得られる抽出濾液な
どを用いる。この他の処理は前記の場合と同様に行な
って本発明のだし素材入り液体だしパックとする。この
ようにすれば前記の場合より更に変化に富んだ各種の
だし素材入り液体だしパックが得られる。
.液体2としてその他の調味液を用いる場合。
これは、前記またはにおける水またはだし素材1
からの抽出液に代えて、その他の調味液を液体2として
用いるものである。
この場合のその他の調味液とは水とだし素材1のみに
よって得られる抽出液と区別し、水とその他の食品材
(だし素材からの抽出液を除く)、あるいは水とだし素
材からの抽出液とその他の食品材からなる水溶液や水性
乳化液を言う。従って食塩、糖類、酒類、乳類、乳加工
品類、旨味調味料類、果汁類、蜂蜜類、酸味料類、甘味
料類、PH調整剤類、香料類、ビタミン類、安定剤類、ま
たはこれら以外の食品材等を少なくとも単独であるいは
複合して含む水溶液または水性乳化液をその他の調味液
として用いるものである。しかし、このようなその他の
調味液のうち可溶性固形分が多く、或は乳化力が強く、
外容器5の注出口3に装着したフィルター4や内容器6
の透液部材を容易に透過できないものはその他の調味液
としては使用できない。
その他は上記又はの場合と同様にしてだし素材入
り液体だしパックとする。
尚、本発明における液体2としてその他の調味液はだ
し素材1を収容封止した内容器6と内容器6に収容封止
されないだし素材1とを共に外容器5に収容するのであ
るが、この場合、その他の調味液を構成する水とその他
の食品材(だし素材からの抽出液を除く)、あるいは水
とだし素材1からの抽出液とその他の食品材等を予め混
合溶解させて、いわゆるその他の調味液とした後に外容
器5に収容するか、またはこれらを個別に外容器5に収
容した後に混合溶解させてその他の調味液としてもよ
い。この他の処理は前記またはの場合と同様に行っ
て、本発明のだし素材入り液体だしパックとする。
この場合、だし素材1の種類、組成、量をはじめ、用
いるその他の調味液の種類、組成、量とを適宜に組合わ
せることにより、更に多くの風味や複合風味からなる各
種のだし素材入り液体だしパックとすることができる。
だし素材1に含まれるだし成分は同一種類のだし素材
1であってもばらつきがあるため、その場合は同だし素
材1を予め抽出処理して、その抽出液に含まれるだし成
分を規定の収量に調整したものを用いるようにするのが
望ましく、そのようにすれば得られる液体だしパックは
均一なだし成分が含まれたものとなる。
以上のようにして得られるだし素材入り液体だしパッ
クは、その後に以下のようにして保存したり、保存性を
付与したりする。
即ち、前記だし素材入り液体だしパックは、そのまま
冷凍して冷蔵するか又は一旦加熱した後冷凍して冷蔵す
るか、或は一旦加熱したもののうち、その加熱(加圧加
熱を含む)で充分な殺菌効果の得られるものは、冷凍冷
蔵せずにそのまま常温にて保存してもよい。それ故、前
記だし素材入り液体だしパックのうち、特に、用いるだ
し素材1、内容器6、水、液体だし、その他の調味液及
び外容器5等の資材を加熱せずに或は加熱したとして
も、充分な殺菌効果の得られない処理工程を経て仕上げ
るものにあっては、これらの資材はもちろん、その製造
工程の環境をも衛生上問題のないように管理して仕上げ
る。
なお本発明ではだし素材1として、そのだし成分が総
て抽出され切ったものを用いても良い。この場合は内容
器6に収容封止しない及び収容封止をした同素材1を液
体2に浸潤するように外容器5内に収容してもだし成分
は抽出されないが、少なくとも後記する酸化防止効果は
発揮されるので、液体2としてだし素材1からの抽出液
を組み合わせて用いれば、風味保持性の優れただし素材
入り液体だしパックとなる。
以上の説明はだし素材1を収容封止した内容器6を使
用するに当り、一つの外容器5に一つの内容器6が収容
されている場合であるが、本発明はだし素材1を二以上
の内容器6に収容封止し、これら二以上の内容器6と内
容器6に収容封止されないだし素材1とを一つの外容器
5に収容封止するようにしてもよい。
(発明の効果) (1)だし素材1が外容器5内において液体2に使用時
まで常時浸潤しているため、そのだし成分は経時的に自
ずと同液体2によって十分に抽出されることになる。従
って抽出効率が非常に高まり、従来に比して少ない量の
だし素材1で、従来と同等のだし成分を抽出することが
でき、だし素材1を節約することができる。しかも、同
だし素材1はその溶存酸素や温度による影響を受けにく
く、著しくその酸化、褐変が防止され、その風味、保存
性に極めて優れたものとなる。このような効果の原因は
まだ十分に究明されていないが、おそらく、だし素材1
自身に含まれる酸化防止物質等が液体2と接触したり、
漸次溶解して発する効果によるものと考えられる。いず
れにしても用いる液体2に浸潤させただし素材1は勿
論、だし成分を含む液体2の酸化褐変が著しく低下し、
しかも、その風味保持性に極めて優れたものとなる。特
に、加熱抽出や加熱殺菌の工程を経るもの、或は水分活
性値の高い内容液からなるものにおいては、その温度や
溶存酸素による影響も殆どなく、その効果が大きく、従
来の前記製品とはとても比較にならない程良好な品質の
ものとなる。
(2)フィルター4が外容器5の抽出口3寄り又は抽出
口3に設けられているため、使用に際して外容器5内の
液体2が同フィルター4を通して注出されることにな
り、この時点で、だし素材1の不溶性固形分がだしがら
として、また、同液体2に溶出して風味を損なう分子量
の大きい可溶性蛋白や生臭味、あく、えぐ味、その他の
不味物質等の多くが残渣として外容器5内に留保され、
容器と固液分離することができる。
しかも、従来のだし素材粉末を調味液に混合分散させ
るなどして、そのまま用いるもののように、その使用時
に既にだしがらとなっているだし素材1の粉末やその他
の不味物質等が注出される液体中に混入してきて、その
良好な風味が打ち消され、却って料理などが不味となっ
たり、不快感がでるといったようなこともない。従っ
て、だし素材1が有する特徴ある良好な風味物質のみを
選択的に含むだし液として注出することができる。
(3)フィルター4を注出口3寄り又は注出口3内に取
付けてあるため、内容器入りのだし素材と、裸のだし素
材とが外容器内でフィルターに邪魔されることなく自由
に動くことができ、自由に動くことにより、だし素材の
だし成分が抽出され易くなる。
(4)二種類以上のだし素材1を組合わせて用いる場合
には、夫々のだし成分を十分に抽出することができる。
このため、だし素材1を個別に、その温度や時間を設定
して抽出したり、分離精製したり、それらの抽出濾液を
混合したりすることなく、外容器5に収容する液体2の
温度、外容器5を密封した後に加熱する際の温度と時
間、または製品化から使用時までの経過時間等を考慮
し、これらを適宜に組合わせることにより、極めて容易
に、従来にない新規な複合風味を有するだし素材入り液
体だしパック製品とすることができる。
(5)透液性のよい内容器6内へ封入されているだし素
材1も、内容器6内へ透過してくる液体2に常時浸潤す
る状態となるため前記1の場合と同様の効果が得られ
る。この場合は更に内容器6がフィルター効果を有する
ため、外容器5の内部やその注出口3に装着されてフィ
ルター4との相乗効果により、より一層高品質の液体だ
しや液体調味料として注出することができる。
(6)内容器6内へ封入しただし素材1の他に、裸のだ
し素材1も外容器5内の液体に浸潤されているため、裸
のだし素材1が内容器6内へ封入しただし素材1よりも
外容器5内で動き易くなり、だし成分や風味がより一層
液体に溶出し易くなる。また、外容器5を透明又は半透
明にすればその内部の裸のだし素材1が外容器5の外か
ら目に付き易くなり、天然の風味を備えただし素材1が
入っていることが需要者に視覚を通しても認識され、ひ
いては購買意欲を喚起することもできる。更には、見る
からにだし成分や風味が液体に溶出しているように見え
るので、おいしそうにも見える。
(7)従来のように、だし素材1を抽出したり、濾過、
遠心分離、分配等により分離精製したりする工程を必須
とせず、しかも、抽出濾液を一番液、二番液などと分取
した後、これらを混合する工程も必要としないので、そ
の設備や手間を省略することができる。それ故、生産上
では従来のような分離精製によるだし素材1の不溶性固
形分や抽出残渣の発生もなく、その処分作業も必要とし
ないので、コスト的には非常に有利なだし素材入り液体
だしパックとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明のだし素材入り液体だしパック
の異なる実施例を示すものでり、それらの図の(a)は
平面図、(b)は縦断面図、第3図、第4図は同だし素
材入り液体だしパックの外容器が瓶の場合の異なる実施
例の縦断面図、第5図は同だし素材入り液体だしパック
の外容器が袋状容器の場合の実施例を示すものであり、
(a)は斜視図、(b)は縦断面図、(c)はフィルタ
ーが開いた状態の縦断面図、第6図は本発明のうち内容
器を用いた実施例の説明図、第7図は同だし素材入り液
体だしパックの外容器が紙容器の場合の実施例を示す説
明図である。 1はだし素材 2は液体 3は注出口 4はフィルター 5は外容器 6は内容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 直樹 東京都中央区日本橋室町2―3―1 株 式会社にんべん内 (56)参考文献 特開 平1−98462(JP,A) 実開 昭58−80892(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透液性の良い内容器(6)に収容封止され
    た少なくとも魚節類、煮干類、乾燥昆布類又は乾燥きの
    こ類の一種あるいは二種以上のだし素材(1)と、同内
    容器(6)に収容封止されない前記だし素材(1)とが
    共に、水又はその他の調味液等の液体(2)と共に同液
    体(2)に浸潤するように注出口(3)の付いた外容器
    (5)に収容密封され、同外容器(5)はその内部のう
    ち注出口(3)寄りにフィルター(4)が装着され又は
    注出口(3)にフィルター(4)が装着或は脱着自在で
    あることを特徴とするだし素材入り液体だしパック。
  2. 【請求項2】前記だし素材(1)がだし成分を含んでい
    るものであるか、又はだし成分が予め抽出されて含まれ
    ていないものであることを特徴とする請求項第1記載の
    だし素材入り液体だしパック。
  3. 【請求項3】上記だし素材入り液体だしパックが、加熱
    または/及び冷凍処理されてなることを特徴とする請求
    項第1又は第2記載のだし素材入り液体だしパック。
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