JP2595109B2 - 新規フルオロベンゾトリクロリド化合物およびフルオロ安息香酸類の製造方法 - Google Patents

新規フルオロベンゾトリクロリド化合物およびフルオロ安息香酸類の製造方法

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JP2595109B2 JP1297609A JP29760989A JP2595109B2 JP 2595109 B2 JP2595109 B2 JP 2595109B2 JP 1297609 A JP1297609 A JP 1297609A JP 29760989 A JP29760989 A JP 29760989A JP 2595109 B2 JP2595109 B2 JP 2595109B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は医薬等の中間体として有用なフルオロベンゾ
トリクロリド化合物およびフルオロ安息香酸類の新規
な、工業的に安全で、かつ簡便に得る方法に関するもの
である。
[従来の技術] 従来より、トリクロロメチル基はカルボキシル基の前
駆体と考えられている。しかしp−ジフルオロベンゼン
[J.Yurmi氏ら、Yiyao Gongye,16(8),370(1985);C
A,104,50593g]やo−ジフルオロベンゼン[特開昭63−
188643号公報]と四塩化炭素との反応ではビスフェニル
ジクロロメタン類が高収率で得られ、ベンゾトリクロリ
ドは殆ど得られていない。
一方、2,4−ジクロロ−5−フルオロベンゾトリクロ
リドは、2,4−ジクロロ−5−フルオロトルエンを紫外
線照射下で塩素化して得られる。
[特開昭58−74638号公報] 2,4−ジクロロ−5−フルオロ安息香酸は、2,4−ジク
ロロ−5−フルオロベンゾトリクロリドを加水分解する
方法[特開昭58−74638号公報]、1,3−ジクロロ−4−
フルオロベンゼンをアセチル化し、これをハロホルム反
応して得る方法[EP 1760261(1986);DE 3435392(198
6);特開昭61−85350号公報]、1−ブロモ−2,4−ジ
クロロ−5−フルオロベンゼンをマグネシウムと反応さ
せ、グリニャール試薬とし、これに二酸化炭素を反応さ
せる方法[特開昭60−237069号公報]で得られることが
知られている。
また、2−クロロ−4,5−ジフルオロ安息香酸は、2
−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾトリフルオリドの加
水分解[特開昭和62−108839号公報]または、1−クロ
ロ−3,4−ジフルオロベンゼンをアセチル化させ、これ
をハロホルム反応して得る方法[特開昭64−45322号公
報]が知られている。
また、2−ブロモ−4,5−ジフルオロ安息香酸は2−
ブロモ−4,5−ジフルオロベンゾニトリルを加水分解し
て得られている。[I.Cervena氏ら、Collect Czech Che
m.Commun.,42,2001(1977);CA.87,201469e] また、2,4,5−トリフルオロ安息香酸については、2
−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸[G.C.Finger氏
ら、Illinois State Geol1.Survey Circ.,199,15(195
5)]、またはそのエチルエステル体[J.I.deGraw氏ら
J.Chem.Eng.Data,13(4),587(1968)]のBalz−Schi
emann反応、またはBalz−Schiemann反応および加水分解
によって低収率で得る方法、1−ブロモ−2,4,5−トリ
フルオロベンゼンのグリニャール試薬を二酸化炭素と反
応させる方法[特開昭58−150543号公報;特開昭58−18
8839号公報]、1−ブロモ−2,4,5−トリフルオロベン
ゼンをシアノ化し、これを加水分解する方法[特開昭60
−72885号公報;EP 191185(1986)]、2,4,5−トリフル
オロ安息香酸ハライドを加水分解する方法、2,4,5−ト
リフルオロベンゾトリフルオリドを加水分解する方法
[特開昭62−108839号公報]、および3,4,6−トリフル
オロフタル酸を脱炭酸させて得る方法[特開昭64−5273
7号公報]等が知られている。
また2,3,4−トリクロロ−5−フルオロ安息香酸は2,4
−ジクロロ−5−フルオロ安息香酸をニトロ化し、2,4
−ジクロロ−5−フルオロ−3−ニトロ安息香酸とした
後、還元、サンドマイヤー反応によって得る方法[特開
昭63−88157号公報]が知られている。
このように、従来法は紫外線を照射したり、バッチ効
率の低いハロホルム反応やグリニャール反応およびサン
ドマイヤー反応を行なったり、人体に有害なジアゾニウ
ム塩や青酸化合物を使用する等の問題があり、また、反
応容器の材質にも制限があり、工業的に有利とは言えな
かった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は従来技術が有していた前述の欠点を解
決するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は従来法と比べ、製造上、工業的に安全で、簡
便に医薬等の中間体として有用な下記一般式(II)で示
されるフルオロベンゾトリクロリド化合物および下記一
般式(III)で示されるフルオロ安息香酸類を提供する
ものである。本発明では下記一般式(I)で示されるフ
ルオロベンゼン化合物をルイス酸触媒の存在下にフルオ
ロベンゼン化合物の1モルに対して2〜20モルの四塩化
炭素と60〜80℃で10〜60分間で反応せしめ、下記一般式
(II)で示されるフルオロベンゾトリクロリド化合物を
得、さらにそれらを加水分解することにより下記一般式
(III)で示されるフルオロ安息香酸を製造することを
特徴とする。
(式中、X1、X3はF、Cl、BrまたはIを表わす。また、
X2は水素、F、Cl、BrまたはIを表わす。) 本発明者らは1,3−ジハロゲノ−4−フルオロベンゼ
ンあるいは1,2,3−トリハロゲノ−4−フルオロベンゼ
ンと四塩化炭素とのフリーデルクラフツ反応を鋭意検討
した結果、ビス−(2,4−ジハロゲノ−5−フルオロフ
ェニル)ジクロロメタンあるいはビス−(2,3,4−トリ
ハロゲノ−5−フルオロフェニル)ジクロロメタンの副
生が抑制され、目的とする2,4−ジハロゲノ−5−フル
オロベンゾトリクロリドあるいは2,3,4−トリハロゲノ
−5−フルオロベンゾトリクロリドが好収率で得られる
ことを見いだした。さらにこれが容易に加水分解される
ことも見いだし、本発明を完成させた。
本発明の方法は以下の反応式で表わすことができる。
(式中、X1、X3はF、Cl、BrまたはIを表わす。また、
X2は水素、F、Cl、BrまたはIを表わす。) 本発明のトリクロロメチル化反応はフルオロベンゼン
化合物の1モルに対して2〜20モルの四塩化炭素中、ル
イス酸触媒下に1,3−ジハロゲノ−4−フルオロベンゼ
ンまたは1,2,3−トリハロゲノ−4−フルオロベンゼン
を加えて、好ましくは滴下させて反応させる。
即ち、四塩化炭素−ルイス酸錯体に比べてフルオロベ
ンゾトリクロリド化合物−ルイス酸錯体が生成しにくい
条件にて反応を行なうことにより、ビスフェニルジクロ
ロメタン類の生成を抑制し、目的とするフルオロベンゾ
トリクロリドを好収率で得ることができる。
四塩化炭素の使用量は原料である1,3−ジハロゲノ−
4−フルオロベンゼンまたは1,2,3−トリハロゲノ−4
−フルオロベンゼンに対して2〜20倍モル、好ましくは
4〜10倍モルであり、反応剤かつ溶媒として用いる。
ルイス酸触媒としては、塩化アルミニウム、臭化アル
ミニウム、塩化アルミニウム−塩化ナトリウム(1:1)
錯体等が挙げられ、工業的には塩化アルミニウムが好ま
しく、その使用量は1,3−ジハロゲノ−4−フルオロベ
ンゼンまたは1,2,3−トリハロゲノ−4−フルオロベン
ゼン1モルに対して、1〜3モル、好ましくは1.5〜2.0
モルである。
反応温度は60〜80℃であり、反応時間は10〜60分であ
る。
反応終了後、通常の後処理および蒸留によって目的と
する2,4−ジハロゲノ−5−フルオロベンゾトリクロリ
ドまたは2,3,4−トリハロゲノ−5−フルオロベンゾト
リクロリドが容易に得られる。
加水分解反応は、含水硫酸中で行なわれる。本発明の
加水分解反応の硫酸濃度、トリクロロメチル体との重量
比、反応温度あるいは時間等の反応条件は適宜、最適な
条件を選定すればよいが、85〜95%硫酸を、トリクロロ
メチル体の100重量部に対して、およそ1〜4重量部用
いて、30〜100℃の温度、および1〜5時間の反応時間
で実施し得る。
2,4−ジハロゲノ−5−フルオロベンゾトリクロリド
の加水分解によって得られる2,4−ジハロゲノ−5−フ
ルオロ安息香酸、または2,3,4−トリハロゲノ−5−フ
ルオロベンゾトリクロリドの加水分解によって得られる
2,3,4−トリハロゲノ−5−フルオロ安息香酸は通常の
後処理および濾別によって高純度でかつ高収率で得るこ
とができる。
以下に本発明の実施例について、さらに具体的に説明
する。
[実施例] 攪拌後、還流冷却器、温度計および滴下ロートをつけ
た200mlの4つ口フラスコ中に、四塩化炭素97ml(1モ
ル)および塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を仕込
み、73〜75℃の還流下に1−クロロ−3,4−ジフルオロ
ベンゼン14.9g(0.1モル)をゆるやかに塩酸ガスが発生
するように1.5時間で滴下した。発生塩酸ガスは水酸化
ナトリウム水溶液で吸収させた。滴下終了後、10分間反
応させ、室温に冷却後、反応混合物を氷水300ml中に注
いだ。
有機層を分液し、100mlの水で洗浄し、次に5%炭酸
水素ナトリウム水溶液100mlで洗浄し、さらに100mlの水
で洗浄した。四塩化炭素留去後、残液を真空蒸留する
と、2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾトリクロリド
が17.4g(収率65.4%)得られた。
b.p.104〜106℃/8mmHg、▲n20 D▼1.540 純度 98.2
%であった。
このものは以下の分析によって、その構造を確認し
た。
・IR分析(neat)(cm-1) 3060,1601,1485,765(CCl3) ・NMR分析 〈19Fnmr〉δppm from CFCl3 in(CD32COδ−132.5pp
m(d,d,d,JF-F=20.6Hz,JF-H=9.9Hz,JF-H=8.1Hz) δ−137.5ppm(d,d,d,JF-F=20.6Hz,JF-H=11.9Hz,JF-H
=7.3Hz) <1Hnmr>δppm from TMS in(CD32CO δ7.70ppm(1H,d,d,JH-F=9.9Hz,JH-F=7.3Hz) δ8.21ppm(1H,d,d,JH-F=11.9Hz,JH-F=8.1Hz) ・元素分析 分析値 Cl53.4% C7H2Cl4F2としての 計算値 Cl53.33% 次に、攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロート
をつけた100mlの4つ口フラスコ中に95%硫酸47%を仕
込み、この中に40〜45℃で2−クロロ−4,5−ジフルオ
ロベンゾトリクロリド17.4gを滴下した。発生する塩酸
ガスは水酸化ナトリウム水溶液で吸収させた。1時間反
応させた後、氷水300ml中に注ぎ、析出した結晶を濾別
した。濾別結晶は少量の冷水で洗浄後、乾燥すると2−
クロロ−4,5−ジフルオロ安息香酸が12.1g(収率96%)
得られた。m.p.103〜105℃ [参考例1] 実施例1の装置を用いて、1,2−ジクロロエタン50m
l、四塩化炭素9.7ml(0.1モル)および塩化アルミニウ
ム26.7g(0.2モル)の混合物中に1−クロロ−3,4ジフ
ルオロベンゼン14.9g(0.1モル)を30℃で30分で滴下
し、その後、40℃で反応させた。実施例1と同様に処理
すると、2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾトリクロ
リドが2.48g(収率9.3%)および蒸留残が得られた。蒸
留残をトルエンから再結晶すると副生物ビス−(2−ク
ロロ−4,5−ジフルオロフェニル)ジクロロメタンが白
色結晶として15.1g(収率80%)得られた。
この副生物は以下の分析によって、その構造を確認し
た。
m.p.143〜144℃ ・IR分析(KBr)(cm-1) 3050,1590,1460 ・NMR分析 〈19Fnmr〉δppm from CFCl3 in(CD32CO δ−133.2ppm(d,d,d,JF-F=22.6Hz,JF-H=10.0Hz,JF-H
=8.3Hz) δ−136.8ppm(d,d,d,JF-F=22.7Hz,JF-H=12.1Hz,JF-H
=7.5Hz) 〈1Hnmr〉δppm from TMS in(CD32CO δ7.78ppm(1H,d,d,JH-F=10.0Hz,JH-F=7.5Hz) δ8.36ppm(1H,d,d,JH-F=12.1Hz,JH-F=8.3Hz) ・元素分析 分析値 Cl37.5% C13H4Cl4F4としての 計算値 Cl37.52% [実施例2] 実施例1と同様に、塩化アルミニウム26.7gの代わり
に塩化アルミニウム−塩化ナトリウム(1:1)溶融液を
粉砕したもの38.3gを用いて反応させ後処理したとこ
ろ、2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾトリクロリド
が14.1g(収率53%)が得られた。
[実施例3] 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートをつけ
た200mlの4つ口フラスコ中に四塩化炭素97ml(1モ
ル)および塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を仕込
み、73〜75℃の還流下に1,3−ジクロロ−4−フルオロ
ベンゼン16.5g(0.1モル)を滴下し、その後20分反応さ
せた。実施例1と同様に後処理すると、2,4−ジクロロ
−5−フルオロベンゾトリクロリドが17.7g(収率62.6
%)得られた。
b.p.94〜95℃/1mmHg ▲n20 D▼1.577 純度 98.1% であった。
このものは以下の分析によって、その構造を確認し
た。
・IR分析(neat)(cm-1) 3070,1570,1455,767(CCl3) ・NMR分析 〈19Fnmr〉δppm from CFCl3 in(CD32CO δ−115.5ppm(d,d,JF-H=10.3Hz,JF-H=6.8Hz) 〈1Hnmr〉δppm from TMS in(CD32CO δ7.58(1H,d,J=6.8Hz) δ7.99(1H,d,J=10.3Hz) ・元素分析 分析値 Cl62.7% C7H2Cl5Fとしての 計算値 Cl62.78% 次に、実施例1と同様に95%硫酸40g中に40℃で2,4−
ジクロロ−5−フルオロベンゾトリクロリド17.7gを滴
下し、加水分解を行い、同様に処理すると、2,4−ジク
ロロ−5−フルオロ安息香酸が12.7g(収率97%)得ら
れた。m.p.141〜142℃ [実施例4] 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートをつけ
た200mlの4つ口フラスコ中に、四塩化炭素97ml(1モ
ル)および塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を仕込
み、73〜75℃の還流下に1,3,4−トルフルオロベンゼン1
3.2g(0.1モル)滴下し、その後20分間反応させた。実
施例1と同様に処理すると、2,4,5−トリフルオロベン
ゾトリクロリドが7.49g(収率30%)得られた。
b.p.93〜95℃/20mmHg ▲n20 D▼1.506 純度 98.3%であった。
このものは以下の分析によって、その構造を確認し
た。
・IR分析(neat)(cm-1) 3060,1620,1505,767(CCl3) ・NMR分析 〈19Fnmr〉δppm from CFCl3 in(CD32CO δ−104.4ppm(d,d,d,JF-F=20.6Hz,JF-H=10.8Hz,JF-H
=6.7Hz) δ−129.5ppm(d,d,d,d,JF-F=20.6Hz,JF-F=10.8Hz,J
F-H=10.8Hz,JF-H=6.7Hz) δ−141.7ppm(d,d,d,JF-F=20.6Hz,JF-H=10.8Hz,JF-H
=7.9Hz) 〈1Hnmr〉δppm from TMS in(CD3)2CO δ 7.49ppm(1H,d,d,d,JH-F=10.5Hz,JH-F=10.5Hz,J
H-F=6.7Hz) δ 7.99ppm(1H,d,d,d,H-F=10.8Hz,JH-F=7.9Hz,JH-F
=7.9Hz) ・元素分析 分析値 Cl42.4% C7H2Cl3F3としての 計測値 Cl42.64% 次に、このものを実施例1と同様に95%硫酸30g中に4
0℃で2,4,5−トリフルオロベンゾトリクロリド7.49gを
滴下し、加水分解を行い、同様に処理すると、2,4,5−
トリフルオロ安息香酸が5.0g(収率94.6%)得られた。
m.p.95〜96℃ [実施例5] 攪拌機、還流冷却後、温度計および滴下ロートをつけ
た200mlの4つ口フラスコ中に、四塩化炭素97ml(1モ
ル)および塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を仕込
み、73〜75℃の還流下に1−ブロモ−3,4−ジフルオロ
ベンゼン19.3g(0.1モル)滴下し、その後30分間反応さ
せた。実施例1と同様に処理すると、2−ブロモ−4,5
−ジフルオロベンゾトリクロリドが21.1g(収率68.1
%)得られた。
b.p.96〜98℃/1mmHg ▲n20 D▼1.563 純度 98.6%であった。
このものは以下の分析によって、その構造を確認し
た。
・IR分析(neat)(cm-1) 3050,1600,1480,760(CCl3) ・NMR分析 〈19Fnmr〉δppm from CFCl3 in(CD32CO δ−133.0ppm(d,d,d,JF-F=21.2Hz,JF-H=9.1Hz,JF-H
=7.4Hz) δ−136.9ppm(d,d,d,JF-F=21.6Hz,JF-H=11.4Hz,JH-F
H=7.1Hz) <1Hnmr>δppm from TMS in(CD32CO δ7.90ppm(1H,d,d,JH-F=11.4Hz,JH-F=7.4Hz) δ8.27ppm(1H,d,d,JH-F=9.1Hz,JH-F=7.1Hz) ・元素分析 分析値 Cl34.3% C7H2BrCl3F2としての 計算値Cl34.27% 次に、実施例1と同様に95%硫酸50g中に40℃で2−
ブロモ−4,5−ジフルオロベンゾトリクロリド17.5gを滴
下し、2時間加水分解反応を行い、同様に処理すると、
2−ブロモ−4,5−ジフルオロ安息香酸が12.6g(収率94
%)得られた。
m.p.110.5〜111.5℃ [実施例6] 攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートをつけ
た200mlの4つ口フラスコ中に、四塩化炭素97ml(1モ
ル)および塩化アルミニウム26.7g(0.2モル)を仕込
み、73〜75℃の還流下に1,2,3−トリクロロ−4−フル
オロベンゼン20.0g(0.1モル)滴下し、その後30分間反
応させた。実施例1と同様に処理すると、2,3,4−トリ
クロロ−5−フルオロベンゾトリクロリドが19.9g(収
率62.8%)得られた。
m.p.72〜73℃ 純度98.7%であった。
このものは以下の分析によって、その構造を確認し
た。
・IR分析(neat)(cm-1) 3060,1590,1470,765(CCl3) ・NMR分析 〈19Fnmr〉δppm from CFCl3 in(CD32CO δ−115.0ppm(d,JF-H=8.8Hz) 〈1Hnmr〉δppm from TMS in(CD32CO δ7.77ppm(d,JF-H=8.8Hz) ・元素分析 分析値 Cl67.2% C7HCl6Fとしての 計算値 Cl67.19% 次に、実施例1と同様に95%硫酸50g中に40℃で1,2,3
−トリクロロ−4−フルオロベンゾトリクロリド19.9g
を滴下し、2時間加水分解反応を行い、同様に処理する
と、1,2,3−トリクロロ−4−フルオロ安息香酸が14.5g
(収率95%)得られた。
m.p.150.0〜151℃ [発明の効果] 本発明に従えば、フルオロベンゼン化合物から医薬中
間体として有用なフルオロベンゾトリクロリド化合物お
よびフルオロ安息香酸類が工業的に安全でかつ簡便に得
られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−74638(JP,A) 特開 昭63−45231(JP,A) 特開 昭63−270631(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされるフルオロベ
    ンゼン化合物を、ルイス酸触媒の存在下にフルオロベン
    ゼン化合物の1モルに対して2〜20モルの四塩化炭素と
    60〜80℃で10〜60分間反応せしめ、下記一般式(II)で
    表わされるフルオロベンゾトリクロリド化合物を得るこ
    とを特徴とするフルオロベンゾトリクロリド化合物の製
    造方法。 (式中、X1、X3はF、Cl、BrまたはIを表わす。また、
    X2は水素、F、Cl、BrまたはIを表わす。)
  2. 【請求項2】下記一般式(III)で表わされるフルオロ
    安息香酸類を製造するにあたり、下記一般式(I)で表
    わされるフルオロベンゼン化合物を、ルイス酸触媒の存
    在下にフルオロベンゼン化合物の1モルに対して2〜20
    モルの四塩化炭素と60〜80℃で10〜60分間反応せしめ、
    下記一般式(II)で表わされるフルオロベンゾトリクロ
    リド化合物とし、これを加吸分解することを特徴とする
    フルオロ安息香酸類の製造方法。 (式中、X1、X3はF、Cl、BrまたはIを表わす。また、
    X2は水素、F、Cl、BrまたはIを表わす。
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