JP2594803B2 - レクチン複合体及びそれを製造する方法及びプローブ - Google Patents

レクチン複合体及びそれを製造する方法及びプローブ

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は非特異的毒性が減少せしめられた細胞毒性レ
クチン複合体の製造方法及びかかる細胞毒性レクチン複
合体を製造する際に有用な新規なリガンド−担体(supp
ort)複合体又はプローブに関する。
発明の背景 リジン、アブリン、モデシン、ボルケンシン及びビス
クミンのような数種の公知の細胞毒性レクチンがあり、
これらは真核細胞を非常に有効に殺す。これらのレクチ
ンは、ジスルフイド結合によつて連結されている二個の
サブユニツトを含有しているヘテロ二量体性蛋白質であ
る。A−鎖と称する一方のサブユニツトはリボソームの
接触失活により細胞毒性活性を発揮する一方、他方のサ
ブユニツトであるB−鎖はガラクトース末端オリゴ糖に
対して特異的な結合部位を含有する。オリゴ糖成分を含
有する分子は細胞表面に遍在しているためレクチンは識
別不可能であり、したがつてその細胞毒性は非特異的で
ある。この特性のために腫瘍細胞のような病的又は異常
な細胞を選択して殺す有用性が大きく制限される。
従来、レクチンは二つのサブユニツトに分割されA鎖
のみがモノクローナル抗体に結合され特異的活性を有す
る毒素を与えるのであるがかかる複合生成物は全レクチ
ンのものと比べて有意に減少された毒性を示す。
また、レクチンであるコンカナバリンAのオリゴ糖結
合部位を、コンカナバリンA結合部位に特異的に結合す
る光活性化しうるアリールアシドのマンノース誘導体で
処理した後紫外線に暴露してコンカナバリンAと多糖類
誘導体との間に共有結合を形成することにより該結合部
位をブロックすることがJ.Biochem.78巻、1013−1019頁
(1975年)に記載のごとくBeppu等によつて提案されて
いる。上記生成物はその4個の結合部位のうちの2個に
おいて活性を保持し、かつ減少した赤血球凝集活性を示
した。コハク酸化コンカナバリンAを用いてFraser等の
Proc,Nat,Acad,Sci.(USA)73巻、790−794頁(1976
年)で、さらにThomasのmethods Enzymol.46巻、362−4
14頁(1977年)では類似の操作により同様の結果が記録
されている。同様にBaenziger等によりJ.Biol.Chem.257
巻、4421〜4425頁(1982年)においてレクチンであるコ
ンカナバリンA、リチン及び肝臓レクチンを適当なグリ
コペプチドの光活性化しうる誘導体で処理し、次いで光
暴露によりレクチンとグリコペプチド誘導体との間に共
有結合が形成されることが記載されている。しかしなが
ら、どの場合においてもグリコペプチド誘導体は1〜2
%包含せしめることができたにすぎなかつた。細胞毒性
(リチンの場合)又は赤血球凝集(コンカナバリンAの
場合)のいずれかの測定によりレクチンの標識有効性を
決定する試みが行われていないことは明らかであつた。
HoustonによりJ.Biol.Chem.258巻、7208〜7212頁(1983
年)に記載されているようにリチンとガラクトースの光
活性化しうる誘導体を用いて類似の操作が適用されてい
る。A鎖のみが細胞リゼート(溶解産物)中で蛋白質合
成阻害に十分な活性を示したが、生成物は細胞に対して
未処理リチンよりも280倍も毒性が低いことが見出され
た。
Thorpe等はEur.J.Biochem.140巻、63〜71頁(1984
年)において完全なリチンに対するモノクローナル抗体
を結合せしめ、次にアフイニテイークロマトグラフイー
によつて生成物を精留すると収率20%のフラクシヨンが
単離される。この場合、モノクローナル抗体がリシンの
オリゴ糖結合部位を偶然ブロックしており、それにより
複合体が細胞に非特異的に結合する力が減少せしめられ
ると記載している。
光活性化しうるオリゴ糖又はモノクローナル抗体をレ
クチンのオリゴ糖結合部位のブロック剤として用いた場
合に得られる最終的な結果にあらわれるばらつき、レク
チンの細胞毒性特性を減少しすぎることなくその非特異
的毒性を有効にかつ再現可能に減少する本発明により排
除される。
本発明は非特異的毒性が減少せしめられた細胞毒性レ
クチンを製造する方法であつて、該レクチン上のオリゴ
糖結合部位に対して特異的リガンドを与え、該リガンド
を固体担体に共有結合させてプローブを形成し、該レク
チンを該結合部位と該リガンドとの間の特異的相互作用
によつて該プローブと接触せしめ、更に該レクチンと該
リガンドとの間に共有結合を形成することにより、該レ
クチンと該担体に共有結合した該リガンドとの複合体を
提供することを含む。本発明はまたリガンドと支持体と
の間の共有結合を切断してリガンドに共有結合している
レクチンを含む複合体を離脱せしめる更なる操作から成
る。本発明はまた複合体とモノクローナル抗体との間の
共有結合を形成する更なる工程を含む。その他の更なる
特色は以下の記載から明らかになるであろう。
本発明の方法はリシン、アブリン、モデシン、ボルケ
ンシン又はビスクミンのような細胞毒性活性を有するい
かなるレクチンにも用いることができる。
第1図は、実施例1の活性化リガンド担持プローブが
生成する反応を示す模式図; 第2図は、実施例2の活性化リガンド担持プローブが
生成する反応を示す模式図であり、 第3A及び3B図は、実施例3の活性化リガンド担持プロ
ーブが生成する反応を示す模式図である。
本発明において用いる固体担体は、架橋ポリアクリル
アミド及びその誘導体、例えばアミノエチルポリアクリ
ルアミド、誘導多孔ガラスビーズ、ラテツクスビーズ、
ポリビニルアルコールビーズなどのような、アフイニテ
イークロマトグラフイーに通常用いられる固体担体のい
ずれであつてもよい。
本方法において用いるリガンドはレクチンのオリゴ糖
結合部位に特異的に結合するいかなる化合物であつても
よい。好ましくは、リガンドは二糖又はより高級な多糖
のような多糖類を含み、好ましくは、最適の結合能のた
めのガラクトース成分を含有する。
プローブを与えるリガンドと担体との間の共有結合は
いかなる通常の方法によつても形成することができる。
そのほとんどが公知であり、市販されている、いかなる
好適なヘテロ二官能性架橋剤を用いることができる。場
合によつては、複合体を引き続いて使用する間担体に結
合したままにしてもよいが、架橋剤は、選択された条件
又は試薬を施して、リガンド−レクチン複合体が形成さ
れた後に担体から分離せしめる場合は分離可能でなけれ
ばならない。一方、担体及びリガンドの一方又は両方を
改質して、他方と反応してリガンドと担体との間の共有
結合を形成しうる官能基を包含せしめ、別々の架橋剤を
用いる必要性を除去する。リガンドが共有結合している
担体からのリガンドの分離能を与える成分は、レクチン
自身の内部ジスルフイド結合基がそれほど速やかに開離
しないような選択された条件下で還元することによつて
好適に開離することができるジスルフイド基、アミノリ
シスによつて開離することができるチオエーテル基、好
ましくはジチオナイトによつて還元することによつて開
離することができるアゾ基、約360nmの波長の光によつ
て開離することができるオルト−ニトロベンジルエステ
ル又はオルト−ニトロベンジルカルバメート、過ヨウ素
酸エステル(又は塩)で酸化することによつて開離する
ことができるビシナルのグリコール基などの形態をとつ
てよい。
同様に、リガンドとレクチンとの間の共有結合は、例
えば、適当な架橋剤を用いることによつて蛋白質又はポ
リペプチド類を他の化合物又は基に結合せしめる通常の
化学的な方法によつて形成することができる。
リガンドと担体との共有結合並びにリガンドとレクチ
ンとの共有結合は、所望により2以上の連続工程におい
てそれぞれ形成することができる。例えば、2−ピリジ
ルジチオプロピオン酸をアミノエチル−ポリアクリルア
ミドのような担体と反応させて2−ピリジルジチオ基が
結合せしめられた担体を得ることができる。二糖成分を
含むリガンドは、ラクトースを変性してN−(2′−メ
ルカプトエチル)ラクトアミンを形成してから担体上の
2−ピリジル基をジスルフイド交換によつて置換し、ラ
クトアミンのアミン残基を次に官能基として用いること
により、レクチンとの共有結合を形成することができ
る。これは、2,4−ジクロロ−6−メトキシトリアジン
のような、一方の塩素原子の反応性がpH8において大で
ある二官能性の架橋剤を用いることによつて達成するこ
とができ、反応は数分で完了する。残りの塩素原子はよ
り緩やかに、pH8.5以上において24時間を要してアミノ
基と反応する。この架橋剤は、まずpH8でラクトアミン
のアミノ残基と反応せしめ、次いでレクチンをラクトア
ミンのガラクトース成分に特異的に結合せしめることに
よつて正しく配置してから、より高いpHでレクチンのア
ミノ基と反応せしめられる。
この第2の架橋剤は、リガンドがレクチンに永久的に
結合した状態にあつて後者のオリゴ糖結合部位をブロッ
クしていることが望ましいので、開離性である必要はな
い。他の実施態様においては、リガンド自体を、レクチ
ンに反応性の官能基を有するように化学的に変性してそ
の間の共有結合を形成することができる。
リガンド自体が2つの官能基を有するように改質され
る場合、一方の官能基は担体と共有結合を形成すること
ができ、他方はレクチンと共有結合を形成することがで
きる。2つの官能基は、反応性又は反応条件を異にし
て、リガンドがある一連の条件下では担体に結合し、ま
た他の一連の条件下ではレクチンに結合するようにする
ことが好ましい。この場合、リガンド自体が、レクチン
のオリゴ糖結合部位に特異的に結合し得る二糖又は多糖
類を含むヘテロ二官能性架橋剤とみなされる。リガンド
中に包含せしめられる2つの官能基は従来のヘテロ二官
能性架橋剤中に存在するものと同様のものであつてよ
い。
リガンドを固体担体に結合せしめてプローブを形成
し、レクチンを特異的結合によつてプローブ上に配備し
てからリガンド−レクチン複合体を形成した後、所望に
より、従来の操作によつてリガンド−担体結合の開離に
より、担体から分離させてもよい。
上記複合体は、遊離状であるか又は固体担体に結合し
たままであり、リガンドによつてブロックされたオリゴ
糖結合部位を有しているため、結果的に細胞に対して非
特異的又は非選択的結合を示すことはなくなり、非特異
的毒性の大部分を失う。次に、特定の細胞に対して特異
的な免疫学的結合能を示す選択されたモノクローナル抗
体に共有結合させることによつて複合体を、攻撃すべき
所望の特定の細胞に対して特異性を示すように処理する
ことができる。複合体のモノクローナル抗体への共有結
合は、Thorpe等のIoc.cit.に記載されるものをはじめと
する従来の操作又は架橋剤を用いて担体から分離又は離
脱せしめる前又は後に行うことができる。
好ましい実施態様において、実施例1に示すように、
還元によつて開離し得るジスルフイド基を介し、支持体
にリガンドによつて結合せしめることができる。次に、
リガンド上に残されたチオール残基を官能基として用い
てモノクローナル抗体との共有結合を形成する。この目
的のためには、チオール基とアミノ基又はモノクローナ
ル抗体のその他の基と結合し得る好適な二官能性架橋剤
であればいかなるものを用いてもよい。好ましくは、チ
オール基と反応して共有結合を形成する官能基をモノク
ローナル抗体に導入して複合体の官能基と直接反応し得
るようにする。例えば、複合体上の官能基がチオールの
場合、モノクローナル抗体をスクシンイミジル4−(N
−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ
レート(SMCC)のような試薬と反応させて抗体上にマレ
イミド基を存在せしめてもよい。
他の好ましい実施態様においては、実施例2に示すよ
うに、リガンド(並びに得られるレクチン−リガンド複
合体)は輻射線によつて開離し得るオルト−ニトロベン
ジルカルバメートである光開離性基を介して担体に結合
せしめられ、二官能性架橋試薬を用いてレクチンとリガ
ンド−担体プローブのリガンドとの間に輻射線に対して
安定な共有結合が形成される。
また更なる好ましい実施態様においては、実施例3に
示すように、リガンドはジチオナイトナトリウムによつ
て優先的還元により開離し得るアゾ基を介して担体に結
合せしめられる一方、レクチン−リガンド共有結合は、
かかる還元に対して不活性な結合を形成する二官能性架
橋剤によつて形成される。
下記の特定の実施例は本発明の方法をより詳細に説明
するためのものであつて、本発明の範囲を制限するもの
ではない。
例1 改質担体の調製 InmanのMethods Enzymology 34,30〜58頁(1974年)
に記載のように、固体ピーズの形態のアミノエチルポリ
アクリルアミドP−150(B10−Rad製)を、塩化アンモ
ニウム水溶液中の水溶性カルボジイミドと反応させるこ
とによつて処理し、すべての残留カルボキシル基をキヤ
ツプした。ビーズを次に、ピリジルジチオ基によつて官
能化せしめることにより第1図の右上部に既述した反応
によつて示されるように、ジスルフイド連結基を介した
リガンドの付着位置を与えた。この目的のために、カル
ボキシ−キヤツプト−アミノエチルポリアクリルアミド
(充填ビーズ30ml)懸濁液及び0.1M塩化ナトリウム溶
液10mlに、ジメチルホルムアミド10ml及び水1ml中の2
−ピリジルジチオプロピオン酸(Py−S−S−C2H4−CO
2H)0.01g(5ミリモル)を加えた。希釈した塩酸を加
えて混合物のpHを4.7に調整し、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロ
リド(EDC・HCl)1.15g(6ミリモル)を含有する水5ml
の懸濁液と混合した。室温で7時間撹拌した後、更にカ
ルボジイミド0.766g(4ミリモル)を加え、混合物のpH
を塩酸で4.7に再調整した。室温で4日間振盪後、懸濁
液から液体を除去し、改質ゲルビーズを0.2M塩化ナト
リウム溶液で長時間にわたつて洗浄した。過剰の2−ピ
リジルジチオプロピオン酸を確実に完全に除去するため
に、懸濁液を0.1M塩酸で酸性化し、酢酸エチル5mlで抽
出した。ビーズを、pH7.0の100mMリン酸ナトリウム緩
衝液で洗浄した。過剰のジチオエリトリトールで処理し
た場合は、洗浄は、洗浄溶液の一部が非常に低い濃度の
2−ピリジンチオンを示し、343nmにおいて0.1a.u.未満
の吸光度を示すまで続けた。
変性ビーズのカラムにおけるジチオピリジル基の表
面濃度を、該ビーズの試料を、過剰の、100mMの重炭酸
ナトリウム溶液中のジチオエリトリトール(DTE)と、
室温で30分間反応させることによつて測定した。ビーズ
を次に0.2mM塩化ナトリウム溶液で繰り返し洗浄し、343
nmにおける吸光度によつて測定した洗浄液中の2−ピリ
ジンチオンの量〔T.Stuchbury等のBiochem.J.、151巻、
417〜432頁(1975年)〕が充填ビーズ1mlあたり38マイ
クロモルの濃度に相当することが認められた。
2−ピリジルジチオ含有ポリマービーズ上に存在す
る全ての過剰アミノ基をキヤツプするために、ビーズ
(27ml)を100mM重炭酸ナトリウム溶液50ml中に懸濁さ
せ、これに室温でクロロギ酸メチル4.8g(5.2ミリモ
ル)を加えた。5分後、過剰のクロロギ酸エステルを、
酢酸エチル20mlで抽出することによつて除去し、改質ゲ
ルビーズをpH7.0の100mMリン酸ナトリウム緩衝液で洗浄
した。
リガンドの調製 第1図の左上部に示したようにリガンドを製造した。
水36ml中にα−ラクトース一水和物 9.72g(13.5ミ
リモル)を溶解した。上記溶液に、シスタミン二酢酸塩
3.68g(13.5ミリモル)を、メタノール72ml中のナトリ
ウムシアノポロヒドリド1.70g(27.0ミリモル)溶液と
共に加えた。混合物のpHを酢酸で6.2に調整した後、溶
液を室温で36時間撹拌し、その間メタノールを蒸発によ
つて除去し、残留水溶液のpHを酢酸で5.0に調整し、溶
液を、pH5.0の2mM酢酸ピリジニウム緩衝液中で平衡化し
たカルボキシメチルセルロースの360mlカラムに通し
た。2倍の容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した後、
結合物質を0.1Mアンモニア水溶液で溶出した。溶出物を
含有する溶液を蒸発乾固し、固形分を水200ml中に再溶
解し、室温でジチオエリトリトール(DTE)2.0g(13.5
ミリモル)を加えた。1時間静置後、N−(2′−メル
カプトエチル)ラクトアミン及びシステアミンの混合
物を含有する得られた溶液を、1mMのDTEを含有するpH7
の10mM重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝液中のカルボ
キシメチルセルロースの370mlカラムに通した。カラム
を同じ緩衝液500mlで洗浄し、次に、1mMのDTEを含有す
るpH7の10〜100mM重炭酸トリエチルアンモニウムの直線
勾配(1+1)の溶液で展開した。水からの蒸発及
び凍結乾燥を繰り返すことによつて、N−(2′−メル
カプトエチル)ラクトアミンリガンド 3.85g(理論
量の35%)が白色の粉末として得られた。
上記記載のように製造され精製されたリガンドを用
いる直前に、pH8の水10ml中にリガンド1.5g(3.7ミリモ
ル)を溶解し、DTE154mg(1ミリモル)を加え、室温で
1時間静置することによつて、ラクトアミンの2分子間
に形成されるすべての二量体を還元処理した。次に、pH
を酢酸で5.2に低下させ、溶液をpH5.2の2mM酢酸ピリジ
ニウム緩衝液中のカルボキシメチルセルロースの100ml
カラムに通した。すべてのDTEが除去されるまで、カラ
ムを同じ緩衝液200mlで洗浄した。純粋なN−(2′−
メルカプトエチル)ラクトアミン2を、0.1M塩酸で遊離
チオールの形態に溶出せしめた。エルマン試薬による分
析の結果、溶液はチオール3.2ミリモル(理論量の85
%)を含有することが認められた。
リガンド−担体プローブの調製 ラクトアミンのpH5の水溶液50ml(3.2mモル)を室温
でゲルビーズ27mlに加えてpH6.5の懸濁液を生じ、これ
を室温において15分間振盪し、次いで0.2Mの塩化ナトリ
ウム溶液を用いて逐次遠心分離及びデカンテーシヨン工
程により繰り返し、次いで洗液が2−ピリジンチオン副
生物が実質的に全て343nmにおける吸光度の測定によつ
て示される通りに除去されたことを示すまで洗浄するこ
とによつて、配位子2を予め調製したキヤツプト及び活
性化ポリアクリルアミドゲルビーズ4に共有結合させ
た。生成したビーズは、ポリマービーズに共有結合させ
たリガンドを含有するプローブ5の形で、38mMの表面ラ
クトース濃度を有していた。
リシンをリガンド−担体プローブ5に共有結合させる
ために、100mMの重炭酸ナトリウムの溶液10ml中にプロ
ーブ10mlを含有する懸濁液に10mlのジオキサン中にトリ
アジン試薬360mg(2mモル)を含有する溶液を加えるこ
とによつて、プローブを二官能価架橋剤2,4−ジクロロ
−6−メトキシトリアジンで活性化した。懸濁液を1分
間旋回させた後に、ジエチルエーテル4mlで抽出して過
剰のトリアジンを除き、活性化したプローブビーズ6に
次いでpH7.0のリン酸ナトリウム緩衝液100mMを平衡にさ
せてカラムに充填した。
レクチン−リガンド−担体複合体の調製 0.15MのNaClを含有するpH7の0.01Mリン酸ナトリウム
緩衝液中リシン2.1mg/mlを含有する溶液2.5mlの形でリ
シンを活性化プローブカラムに適用した。リシンとトリ
アジン架橋剤の第2官能価塩素基との間の共有結合を形
成するために、カラムを次いでpH8.6の50mMトリエタノ
ールアミン塩酸塩緩衝液の3カラム容積で洗浄した。室
温においてpH8.6で24時間静置した後に、共有結合した
リシン−リガンド複合体を形成しなかつたリシンを全て
除くために、カラムを3容積のpH7の0.5Mガラクトース
溶液で洗浄した。
レクチン−リガンド複合体の担体からの切断 上述した通りにして調製した共有結合したリシン−リ
ガンド複合体を、リガンドとポリマーとの間のジスルフ
イド基を開裂することによつて担体から切断した。この
ジスルフイド基は、リシン自体のA−鎖及びB−鎖を結
合するジスルフイド基よりもpH7の10mMのDTEで還元して
一層容易に開裂或は切断されることがわかつた。pH値7
〜8のDTEを種々の濃度で調査したが、リシン鎖の開裂
が最小の最適の結果はDTE濃度10mM、pH7.0で45分間室温
において得られ理論の36%の収量を生じた。このように
して得た遊離の複合体はアシアロフエツインに結合せ
ず、このことはリシンのオリゴ糖結合部位がブロツクさ
れたことを立証する。
上述した通りにして調製したリシン−リガンド複合体
をpH6の100mMのリン酸ナトリウム緩衝液中のコンカナバ
リンA−セフアローズのカラムで親和(アフイニテイ)
精製した。複合体はリシン成分の炭水化物鎖を経てコン
カナバリンAに結合し、これより汚染物、特に共役反応
を妨げる低分子量のチオールを無くすことができる。リ
シン−リガンド複合体を、1Mのメチルα−D−マンノピ
ラノシドを含有するpH6の100mMのリン酸ナトリウム緩衝
液で溶出し、リシン−リガンド複合体150−200μgが存
在する溶液12mlを生じた。生成物の試験体により、A鎖
は網状赤血球リゼイトにおいて天然のリシンから誘導さ
れるA鎖と同じ程度にまでタンパク質合成を抑制するこ
とが示された。この物質が所望の方法で改質されたこと
は、固定化アシアロフエツインのカラムを通過すること
によつて確認され、およそ0.1μMのリシンについて会
合定数を有することが示された。この基準により、リシ
ン結合部位はブロツクされていると考えた。
レクチン−リガンド複合体のモノクローナル抗体への共
有結合 リシン−リガンド複合体に選択細胞に対する所望の特
異性を付与するために、該複合体をフロリダ、ハイアリ
ア在コウルターインコーポレーテツドから市販されてい
るネズミ(murine)モノクローナル抗−CALLA抗体J5に
結合させた。複合のために、ランバート(Lambert)
等、J.Biol.Chem.260巻、12035−12041(1985)に記載
されている通りにしてJ5を精製し、次いでSMCCで改質し
た。
上述した通りのリシン−リガンド複合体の溶液を次い
でpH7の緩衝液中の精製し及び改質したJ5抗体と混合し
及び4℃において1時間静置させた。1時間した後に、
反応混合物がモノクローナル抗体とリシン−リガンド複
合体との間の共有結合した結合体、並びに過剰のモノク
ローナル抗体及びいくらかの未反応のリシン−リガンド
複合体を含有することがSDS−PAGEによつて示された。
次いで、反応混合物にpH7.0のリン酸ナトリウム緩衝液
中のプロテインA−セフアローズにより親和精製を行な
い、未反応のリシン−リガンド複合体を除いた。この工
程はまた初めの方で導入したメチルα−D−マンノピラ
ノシドを除去し、それによりコンカナバリンA−セフア
ローズのカラムをそれ以上の精製工程として用いること
を可能にした。プロテインA−セフアローズカラムから
溶出した物質は結合体及び過剰のモノクローナル抗体を
含み、これを次いでコンカナバリンA−セフアローズに
適用し、そこで前の通りにして結合体をリシン−リガン
ド複合体の炭水化物鎖を通して結合させた。過剰のモノ
クローナル抗体を次いで広範囲の洗浄によつて除き及び
結合した結合体をpH7.0の100mMのリン酸ナトリウム緩衝
液中の1Mのメチルα−Dマンノピラノシドで溶出した。
ナマルワ(Namalwa)細胞、平均で1細胞当り60,000C
ALLA及びリシンについて600,000より多い結合部位を表
わすバーキツトの(Burkitt's)リンハ腫系統を用い
て、リシン−リガンド複合体及びモノクローナル抗体に
結合した複合体の両方の細胞毒性を試験した。リシン−
リガンド複合体は天然リシンに比べて約10倍毒性が低い
ことがわかつた。この非特異性毒性の減小は、A鎖が複
合体から遊離させた際に十分に活性であることが示され
た(上記を参照)通りに、B鎖上の結合部位のブロツキ
ングによる。リシン−リガンド複合体をJ5に結合した場
合に、その毒性はCALLAを表わす標的細胞について3倍
増大し及びその毒性はCALLAの無い非標的細胞について
5倍減小した。最も有意には、結合体の毒性は、飽和量
のJ5を加えることによつて3倍低下され、明らかに抗体
が改質された毒素にある程度の特異性を授与することを
示す。
例2 この例のプローブ製造のための反応式を第2図に示し
た。
改質担体の調製 例1に記載したようにして製造したカルボキシキャッ
プトアミノエチルポリアクリルアミドP−150 3(パ
ックトビーズ26ml)の0.1M重炭酸ナトリウム中の懸濁液
(13ml)に、ジオキサン(6ml)中の1−(5−マレイ
ミドメチル−2−ニトロフェニル)−エチルクロロホル
メート7(1.02g、3.48ミリモル)を添加した。5分間
激しく振盪した後に、あらゆる過剰のアミノ基をキャッ
プするためにメチルクロロホルメート(5ml)を添加
し、さらに5分間振盪を続けた。次いで過によって改
質ポリアクリルアミドゲルビーズ8を回収し、これをpH
7.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0の0.1Mリン酸
ナトリウム緩衝液とジメチルホルムアミドとの混合物
(1:1、容量/容量)及びジメチルホルムアミドで連続
的に洗浄し、そして次いで同じ溶液で逆の順に洗浄し
た。
リガンド−担体プローブの調製 改質ポリアクリルアミドビーズ8(パックトビーズ24
ml)をpH7.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(10ml)中
に懸濁させ、例1に記載したようにして製造したリガン
ドN−(2′−メルカプトエチル)ラクトアミン2(70
0mg、1.74ミリモル)のpH7.0の水溶液で処理した。この
混合物を終夜振盪し、次いでブフナー漏斗上で過する
ことによって、ポリマービーズに共有結合したリガンド
を含有するプローブ9を回収し、これをpH7.0のリン酸
ナトリウム緩衝液で充分に洗浄した。リガンド−担体プ
ローブ9の試料(0.3ml)を用いて小さいカラムを製造
し、そしてリシンについてのプローブビーズの特異的な
結合能力を測定した。pH7.0においてプローブビーズ1ml
が特異的態様で1.0mg過剰のリシンに結合したことがわ
かった。特異的に結合したリシン全部をラクトース0.2M
を含有する緩衝液で溶離させることができた。
プローブビーズ9のカラムを二官能価架橋剤2,4−ジ
クロロ−6−メトキシ−トリアジンを用いて以下の方法
で賦活した。0.1M重炭酸ナトリウム(10ml)中のラクト
ースリガンド含有ポリアクリルアミドビーズ(10ml)の
懸濁液に、ジオキサン(6.6ml)中の2,4−ジクロロ−6
−メトキシトリアジン(0.24g、1.34ミリモル)の溶液
を添加した。この懸濁液を1分間激しく振盪し、次いで
ジエチルエーテルを用いた抽出(5mlずつ3回)で過剰
のトリアジンを除去した。賦活されたプローブビーズ10
を次いでpH6.5の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液で平衡化
し、カラム中に充填した。
レクチン−リガンド−担体複合体の調製 リシンの溶液(塩化ナトリウム0.15Mを含有するpH7.0
の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液5ml中に10mg)を賦活プ
ローブカラムに2回通し、次いでこのカラムをカラム容
積の3倍量のpH8.6の0.05Mトリエタノールアミン塩酸塩
で洗浄し、そして周囲温度において24時間放置した。結
合はしているがしかし共有架橋していないリシンを、ラ
クトース0.2Mを含有するpH7.0の0.1Mリン酸ナトリウム
緩衝液で洗浄することによってビーズから除去した。
レクチン−リガンド複合体の担体からの分離 リガンドとの共有結合によって保持されたリシンを以
下の方法で光分解することによって担体ビーズから分離
させた。ビーズを0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(10ml)
を用いてカラムからガラスペトリ皿に移し、ここで懸濁
液を0.5cmを越えない厚さの層に形成せしめた。次いで
リガンドと担体との間の結合を開裂させるためにこの懸
濁液を、黒線長波紫外線ランプ(B−100A型、ウルトラ
バイオレット・プロダクツ社、カリフォルニア州、サン
ガプリエル、放射ピーク365nm、15cmにおける強度約1.1
mW/cm2)から15cmの距離で10分間照射した。照射した懸
濁液をカラムに注ぎ戻し、pH7.0の0.1Mリン酸ナトリウ
ム緩衝液でビーズを充分に洗浄した。担体から分離され
たリシン−リガンド複合体を含有する一緒にした洗浄液
(50ml)を、存在し得る痕跡量のリシン不純物を除去す
るためにasialofetuin−TSK(2ml、リシンについての結
合能力4mg/ml)のカラムに通した。最終溶液を限外過
(YM−10半透膜、アミコン社、マサチューセッツ州、ダ
ンバース)によって2mlまで濃縮し、次いで塩化ナトリ
ウム(150mM)とEDTA(1mM)とを含有するpH8.0の0.05M
トリエタノールアミン塩酸塩緩衝液中で平衡化させたバ
イオゲルP−6の小さいカラムに通して、緩衝液2.8ml
中の純粋なリシン−リガンド複合体1.2mgが得られた。
モノクロナール抗体へのレクチン−リガンド複合体の共
有結合 複合体を抗体J5に共有結合させるために、下記に詳細
に記載したようにして、ヘテロ二官能価架橋剤2−イミ
ノチオラン塩酸塩(ビーズ・ケミカル社、イリノイ州、
ロックホード)を用いて複合体中にスルフヒドリル基を
導入し、ヘテロ二官能価架橋剤スクシンイミジル4−
(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボ
キシレート(SMCC)(ピース・ケミカル社、イリノイ
州、ロックホード)を用いてモノクロナール抗体中にマ
レイミド基を導入した。
リシン−リガンド複合体の溶液(2.8ml)を氷上で冷
却し、pH8.0の0.5M2−イミノチオラン塩酸塩溶液(0.04
4ml)で処理して2−イミノチオランの最終濃度を8mMに
した。塩化ナトリウム(50mM)とEDTA(1mM)とを含有
するpH5.8の5mMのビストリス−アセテート緩衝液で平衡
化させたバイオゲルP−6のカラムに通すゲル過によ
って氷上で90分後に反応を停止させた。こうして、リシ
ン−リガンド複合体1分子につき平均0.8のチオール基
が導入された。
pH7.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液中のJ5の溶液
(1.5ml中にJ5が3mg)に、乾燥ジオキサン(0.02ml)中
の12当量のSMCC(0.075mg)を添加した。30℃において3
0分間のインキュベーションの後に、反応溶液を4℃に
おいてセファデックスG−25のカラムに通して、抗体1
分子につき平均1.5のマレイミド基を有する改質J5が得
られた。
改質リシン−リガンド複合体溶液と改質J5溶液とを混
合し、pH8.0の0.5Mトリエタノールアミン塩酸塩(0.028
ml)を添加することによってpHを7.0に調節した。4℃
において終液放置した後に、ヨードアセトアミドを最終
濃度5mMになるように添加し、この溶液を限外過(YM
−10フィルター、アミコン社)によって約2mlに濃縮し
た。リン酸塩緩衝塩水中のBiogel P−300のカラム(1.5
×96cm)に通すゲル過によって精製を実施した。
リシン−リガンド複合体及びモノクロナール抗体に結
合した複合体の両方とも、例1の生成物と同様に低下し
た非特異的毒性特性を示した。
例3 リガンドはアゾ官能基によって結合され、pH8.5の0.5
Mナトリウムジチオナイトで処理することによって分離
させることができる(例えばコーヘン(Cohen)による
「Methods Enzymol.」、第34巻(1974年)、第102〜108
頁を参照されたい)。プローブ製造のための反応式は第
3A及び3B図に示した。
リガンドの調製 水(40ml)中の−ラクトース(4.0g、1水和物として
11.1ミリモル)の撹拌された溶液に、メタノール(8m
l)中のアニリン(2.07g、22.2ミリモル)の溶液及びメ
タノール(6ml)中のシアノ硼水素化ナトリウム(0.7
g、11.1ミリモル)の溶液を添加した。酢酸を用いて混
合物のpHを6.5に調節し、この溶液を室温において撹拌
した。
15時間後に蒸発によってメタノールを除去し、過剰の
シアノ硼水素化ナトリウムを破壊するためにアセトン
(12ml)を添加し、この溶液を室温において1時間撹拌
した。次いでこの溶液を蒸発乾固させ、残渣を水(75m
l)中に再び溶解させ、酢酸を用いてこの溶液をpH5.5に
調節し、水中で平衡化されたアンバーライトIRA−118H
イオン交換樹脂のカラム(60ml)に適用した。このカラ
ムを水(600ml)で洗浄し、1M重炭酸アンモニウム溶液
で糖を溶離させて、多少の塩で汚染されたN−フェニル
ラクトアミン配位子13を含有する白色固体5.4gが得られ
た。
改質担体の調製 カルボキシキャップトアミノエチルポリアクリルアミ
ドP−150 3(パックトビーズ12ml)の0.2MNaCl中の
懸濁液(合計容量2.0ml)に、THF(5ml)中のp−ニト
ロベンゾイルアジド(576mg、3ミリモル)とトリエチ
ルアミン(304mg、3ミリモル)とを添加した。このゲ
ルを20分間ゆるやかに振盪し、次いでさらにトリエチル
アミン304mg(3ミリモル)を添加した。この懸濁液を
さらに25分間振盪した後に、p−ニトロベンゾイル置換
担体ビーズをTHFと0.2M−NaCl溶液との混合物(1:1、容
量/容量)、ホルムアミド及び0.2M−NaCl溶液で連続し
て洗浄した。
次いでこのビーズを100mM−NaHCO3の溶液(10ml)中
に懸濁させ、あらゆる過剰のアミノ基をキャップするた
めにメチルクロロホルメート(2ml)と共に激しく振盪
した。過剰のクロロホルメートを除去するためにこの懸
濁液をジエチルエーテルで抽出(15mlずつ2回)し、ビ
ーズをpH7.0の100mMリン酸ナトリウム緩衝液で洗浄し
た。pH7.0の100mMリン酸ナトリウム緩衝液中のゲルの懸
濁液(最終容量20ml)に、ナトリウムジチオナイト(2.
61g、15ミリモル)を添加した。次いでこの懸濁液を水
浴中で55℃に保持し、周期的に取り出して振盪した。45
分後に、p−アミノベンゾイル置換担体ゲルビーズを0.
2M−NaCl溶液で洗浄した。これら改質ポリアクリルアミ
ドゲルビーズ(パックトビーズ5ml)の1M−HCl中の懸濁
液(最終容量10ml)に0℃において、亜硝酸ナトリウム
(69mg、1ミリモル)の冷却水溶液(1ml)を添加し
た。この懸濁液を4℃において20分間ゆるやかに振盪
し、次いでこのビーズを0.2M−NaCl冷溶液で迅速に洗浄
して、p−ジアゾベンゾイル置換担体ビーズ12を得た。
リガンド−担体プローブの調製 ほう酸ナトリウム飽和溶液(10ml)中のN−フェニル
ラクトアミンリガンド13(810mg、1.9ミリモル)の溶液
を冷却ジアゾ改質担体12に添加し、これはすぐに深赤色
になった。この懸濁液を4℃において終夜ゆるやかに振
盪し、次いで0.2M−NaCl溶液で充分に洗浄して、リガン
ドがアゾ基を介して担体に共有結合した深赤色の配位子
−担体プローブ14を分離させた。リガンド−担体プロー
ブ14の一部(0.50ml)を用いて小さいカラムを製造し、
これを用いて、特異的な結合能力がパックトビーズ1ml
につき0.5mgであることが示された。結合したリシンを
2通りの方法で溶離させることができるということを示
すことによって、リシンが特異的に結合したということ
が証明された。高濃度ガラクトースとの競争によってリ
シン−リガンドの特異的な相互作用を分裂させることが
でき、また、pH8の0.2〜0.5Mナトリウムジチオナイト溶
液で処理することによってリガンド−担体結合を開裂さ
せることができる。両方の場合において、リシン又はリ
シン−リガンド複合体はカラムから定量的に溶離され
た。ジチオナイトでの処理が担体からのリガンドの開裂
によってリシンを放出するということのさらなる証明と
して、このゲルはアゾ基の発色による深赤色を即座に失
う。
リガンド−担体プローブ14を二官能価架橋剤2,4−ジ
クロロ−6−メトキシトリアジンを用いて以下の方法で
賦活した。乾燥DMF中のリガンド−担体プローブビーズ1
4(pH7.0の100mMリン酸ナトリウム緩衝液中のパックト
ビーズ容量5ml)の懸濁液(20ml)に、乾燥DMF(10ml)
中の2,4−ジクロロ−6−メトキシトリアジン(1.8g、1
0.0ミリモル)の溶液を添加した。この懸濁液を室温に
おいて22時間ゆるやかに撹拌した。賦活されたプローブ
ビーズ15を次いでDMF、DMF−pH7.0の100mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液及び最後にpH7.0の100mMリン酸ナトリウム緩
衝液で連続的に洗浄し、カラム中に充填した。
レクチン−リガンド−担体複合体の調製 リシンの溶液(塩化ナトリウム0.15Mを含有するpH7.0
の0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液3ml中に5.7mg)を、賦
活プローブカラム15に適用し、この流動通過を2回適用
した。このカラムをカラム容積の3倍量のpH8.6の0.05M
トリエタノールアミン塩酸塩で洗浄し、そして周囲温度
において24時間放置した。結合はしているがしかし共有
架橋していないリシンを、ガラクトース0.5Mを含有する
pH7.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液でカラムを洗浄す
ることによって除去した。次いで以下の方法で共有結合
を切断することによってリシン−リガンド複合体を担体
から分離させた。カラムを、残留ガラクトースを除去す
るためにpH8.6の0.05Mトリエタノールアミン塩酸塩緩衝
液で、そして次いで塩化ナトリウム0.3Mを含有するpH8.
0の0.2Mナトリウムジチオナイト溶液で洗浄した。次い
でビーズを分離容器に移し、pH8.0の0.2Mナトリウムジ
チオナイトと0.3M塩化ナトリウムとの溶液と共に20分間
撹拌した。この懸濁液を過し、ビーズを同様の方法で
さらに2回ジチオナイトで処理した。このジチオナイト
溶液を貯蔵し、担体から遊離したリシン−配位子複合体
約0.8mgを含有する溶液12mlが得られた。
この複合体は、慣用の二官能価架橋剤を用いてJ5のよ
うなモノクロナール抗体に対して共有結合することがで
きる。
同様の結果でリシンを他のレクチンに置き換えること
ができる。レクチン−リガンド−モノクローナル抗体複
合体は生体内並びに生体外で選択された細胞を殺すのに
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラムバート,ジョン エム. アメリカ合衆国 02146 マサチューセ ッツ,ブルックライン,リンデン プレ イス 21 (72)発明者 ダラルカオ,リンダ ジェイ. アメリカ合衆国 02130 マサチューセ ッツ,ジャメイカ プレイン,ワン リ ージェント サークル (番地なし) (56)参考文献 特開 昭62−169800(JP,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブロックされたレクチン/モノクローナル
    抗体の結合体であって、 (1)それぞれのリガンド上に存在する光活性化可能で
    ない反応性の基によって該レクチンのオリゴ糖結合部位
    の1つ以上をブロックするように該レクチンの該オリゴ
    糖結合部位に特異的に共有結合された1つ以上のアフィ
    ニティーリガンドを包含するブロックされたレクチン、
    及び (2)(a)モノクローナル抗体と共有結合を形成する
    ことのできる該アフィニティーリガンド上に存在する成
    分を通してレクチン上の該共有結合したアフィニティー
    リガンドの1つに共有結合したモノクローナル抗体、又
    は(b)モノクローナル抗体と共有結合を形成すること
    のできる該レクチン上に存在する成分を通して該レクチ
    ンに共有結合したモノクローナル抗体、 を含む上記のブロックされたレクチン/モノクローナル
    抗体の結合体。
  2. 【請求項2】該1つ以上のアフィニティーリガンドが細
    胞毒性レクチンに対し特異的な糖誘導体を含む請求項1
    に記載のブロックされたレクチン/モノクローナル抗体
    の結合体。
  3. 【請求項3】該アフィニティーリガンドがリシンに対し
    特異的な糖誘導体を含む請求項1に記載のブロックされ
    たレクチン/モノクローナル抗体の結合体。
  4. 【請求項4】該アフィニティーリガンドが少なくとも1
    つの末端ガラクトース誘導体を含む請求項1に記載のブ
    ロックされたレクチン/モノクローナル抗体の結合体。
  5. 【請求項5】該リガンドを該レクチンに共有結合させる
    ことができる該反応性の基が蛋白質を架橋させることの
    できる請求項1に記載のブロックされたレクチン/モノ
    クローナル抗体の結合体。
  6. 【請求項6】該1つ以上のアフィニティーリガンドがN
    −(2′−メルカプトエチル)ラクトアミンを含む請求
    項1に記載のブロックされたレクチン/モノクローナル
    抗体の結合体。
  7. 【請求項7】該1つ以上のアフィニティーリガンドがN
    −フェニルラクトアミンを含む請求項1に記載のブロッ
    クされたレクチン/モノクローナル抗体の結合体。
  8. 【請求項8】該レクチンが、リシン、アブリン、モデシ
    ン、ボルケンシン、及びそれらの誘導体からなる群から
    選択される請求項1に記載のブロックされたレクチン/
    モノクローナル抗体の結合体。
  9. 【請求項9】該レクチンがリシンである請求項8に記載
    のブロックされたレクチン/モノクローナル抗体の結合
    体。
  10. 【請求項10】(1)それぞれのリガンド上に存在する
    光活性化可能でない反応性の基によってレクチンのオリ
    ゴ糖結合部位の1つ以上をブロックするように該レクチ
    ンの該オリゴ糖結合部位に特異的に共有結合された1つ
    以上のアフィニティーリガンドを包含するブロックされ
    たレクチン、及び (2)(a)モノクローナル抗体と共有結合を形成する
    ことのできる該アフィニティーリガンド上に存在する成
    分を通して該レクチン上の該共有結合したアフィニティ
    ーリガンドの1つに共有結合したモノクローナル抗体、
    又は(b)モノクローナル抗体と共有結合を形成するこ
    とのできる該レクチン上に存在する成分を通して該レク
    チンに共有結合したモノクローナル抗体、 を含むブロックされたレクチン/モノクローナル抗体の
    結合体を生成する方法であって、 該方法が以下の段階: (1)(a)該アフィニティーリガンド上に存在する該
    反応性の基を通して該1つ以上のアフィニティーリガン
    ドを固体担体に共有結合させることにより、及び (b)該アフィニティーリガンドを活性化させることに
    より、 アフィニティー担体を生成し(但し、該(a)の共有結
    合及び該(b)の活性化の順序は問わない)、 (2)該レクチンに該レクチンの該オリゴ糖結合部位に
    対して親和性を有する1つ以上の活性化されたアフィニ
    ティーリガンドの少なくとも一部を結合させ、 (3)該リガンド上の反応性の基を通して該結合したリ
    ガンドを該レクチンに共有結合させることにより該レク
    チンの1つ以上のオリゴ糖結合部位をブロックし、 (4)モノクローナル抗体を、(a)該アフィニティー
    リガンドの1つ、又は(b)該レクチン、に共有結合さ
    せる、 ことを包含する上記の方法。
  11. 【請求項11】該(a)の共有結合が該(b)の活性化
    に先行して行なわれる請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】該ブロックされたレクチン/モノクロー
    ナル抗体の結合体を固体担体から解放するために該1つ
    以上のリガンドと該固体担体との間の該共有結合を切断
    する段階を含む請求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】上記の段階(3)の後に、該ブロックさ
    れたレクチンを固体担体から解放するために該1つ以上
    のアフィニティーリガンドと該固体担体との間の該共有
    結合を切断する段階(3a)を含む請求項10に記載の方
    法。
  14. 【請求項14】上記の段階(3a)の後に、ブロックされ
    ていないレクチンから該ブロックされたレクチンを回収
    する段階(3b)を含む請求項13に記載の方法。
JP62502185A 1986-03-20 1987-03-18 レクチン複合体及びそれを製造する方法及びプローブ Expired - Lifetime JP2594803B2 (ja)

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