JP2594553B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、毛髪用化粧料に関する。
〔従来技術及びその問題点〕
従来より、養毛料などの毛髪用化粧料には、養毛、育
毛効果が期待される各種の薬効剤が配合されている。薬
効剤としては、例えばビタミンEなどのビタミン類、セ
リン、メチオニンなどのアミノ酸類、アセチルコリン誘
導体などの血管拡張剤、紫根エキス等の抗炎症剤、エス
トラシオールなどの女性ホルモン剤、セフアランチンな
どの皮フ機能亢進剤、パントテン酸銅などのメラニン合
成触媒剤、セリチル酸などの角度溶解剤などが配合さ
れ、脱毛症の予防及び治療に用いられている。
脂肪酸又はその誘導体を養毛剤等の毛髪化粧料に配合
した例としては、オリーブ油、ヒマシ油等の天然植物油
あるいはステアリン酸を製品の物性を改善する目的で配
合したものがある。しかし、これらのほとんど全てが偶
数の炭素鎖長を有する脂肪酸である。従って、従来の市
販品においては、炭素数が奇数の脂肪酸又はその誘導体
を養毛・育毛を目的として毛髪化粧料に配合した例はな
い。また、毛髪用化粧料に配合される高級アルコールに
関しても、これまでに市販されているものはいずれも偶
数鎖長の炭素を有するアルコール又はその誘導体であ
り、奇数鎖アルコールを育毛成分として使用した例はな
い。
特開昭59−27809号公報によれば、奇数鎖長の脂肪酸
又はその誘導体は、偶数鎖長のものとは異なり、育毛効
果を有することが見出され、奇数鎖長の脂肪酸又はその
誘導体を有効成分とする育毛剤が提案された。しかしな
がら、この場合の育毛剤は、その溶解性や低温保存性に
おいて未だ満足すべきものではないことが判明した。
一般に、養毛・育毛を目的とした毛髪用化粧料は、透
明液状の製品が多いが、これは有効成分の経皮吸収性を
高めるためにも必要と思われる。即ち、有効成分の化学
構造によっては、低温で白濁又は結晶状態で析出すると
いう不都合を生じ、そのため、育毛効果の低下も懸念さ
れる。また、商品価値上、冬期における−5℃程度の低
温から真夏における40℃又はそれ以上の高温下の保管条
件においても安定であること、即ち、白濁や結晶析出を
生じるものでないことが必要である。前記した公知の育
毛剤の場合、このような点では未だ不満足のものであっ
た。
本発明は、前記のような従来の育毛剤とは異なり、す
ぐれた育毛効果を有すと共に、溶解性及び低温保存性に
おいて著しく改良された毛髪用化粧料を提供することを
目的とする。
本発明者らは、このような目的を達成すべく、鋭意研
究を重ねた結果、モノ奇数炭素鎖脂肪酸グリセリドとポ
リ奇数炭素鎖脂肪酸グリセリドのグリセリンの奇数炭素
鎖脂肪酸エステルの混合物と、炭素数2もしくは3のア
ルコール又はその水溶液と毛髪化粧料に配合すると、す
ぐれた育毛効果を有すると共に、溶解性や低温における
製品安定性が大巾に改良されることを見出した。
〔問題点を解決するための手段及びその作用〕
本発明に従えば、(A)モノ奇数炭素鎖脂肪酸グリセ
リド/ポリ奇数炭素鎖脂肪酸グリセリドの比率が重量比
で90/10〜99.9/0.1であるグリセリンの奇数炭素鎖脂肪
酸エステルの混合物と、(B)炭素数2もしくは3のア
ルコール又はアルコール濃度が95重量%以上のこれらの
水溶液90重量%以上とを含有する毛髪化粧料が提供され
る。
本発明においては、育毛有効成分(即ち成分(A))
として、奇数鎖長を有する脂肪酸及びその誘導体の二種
以上の混合物が用いられる。
本発明の毛髪用化粧料に用いられる奇数脂肪酸は、炭
素鎖を構成している炭素原子の数が奇数のものであれ
ば、その炭素鎖は飽和又は不飽和のものであってもかま
わず、また不飽和鎖の場合、複数の二重結合を含んでい
てもよい。また、の場合の炭素鎖はその炭素数が好まし
くは、9個以上、更に好ましくは11〜25個である。この
ような脂肪酸としては、例えば、ノナン酸、ウンデカン
酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、
ノナデカン酸、ヘンエイコサン酸、トリコサン酸、ペン
タイコサン酸などをあげることができる。
本発明において成分(A)として使用できる奇数炭素
鎖長を有する脂肪酸の誘導体としては以下のものをあげ
ることができる。
奇数炭素鎖脂肪酸とグリセリンとの反応生成物。この
ような反応生成物としては以下のものをあげることがで
きる。
イ)下記一般式〔I〕又は〔II〕で示されるモノグリ
セライド (ここで、Rは偶数の炭素鎖長(好ましくは炭素数8〜
24)を有する直鎖式有機基を表わす。) ロ)下記一般式〔III〕又は〔IV〕で示されるジグリ
セライド (ここで、R1及びR2は少なくともいずれか一方は偶数の
炭素鎖長を有する好ましくは、炭素数8〜24の直鎖式有
機基を表わす。)R1又はR2はいずれか一方が偶数の炭素
鎖長を有する鎖式有機基であればこの発明の効果は得ら
れ、他の一方は奇数の炭素鎖長を有する鎖式有機基であ
ってもよい。しかしながら、奇数鎖長の脂肪酸のジグリ
セライドでであることが特に好ましい。
ハ)下記一般式〔V〕で示されるトリグリセライド (ここで、R1,R2及びR3のうち少なくとも1つは偶数の
炭素鎖長を有する好ましくは、炭素数8〜24の直鎖式有
機基を表わす。)R1,R2及びR3のうち少なくともいずれ
か1つが偶数の炭素鎖長を有する鎖式有機基であればこ
の発明の効果は得られ、他のものは奇数の炭素鎖長を有
する鎖式有機基であってもかまわない。しかしながら、
奇数鎖長の脂肪酸のトリグリセライドが特に好ましい。
これらの誘導体を配合する際の混合物の配合比は好ま
しくは以下の通りである。
・モノ奇数脂肪酸反応物/ポリ奇数脂肪酸反応物の比
率:90/10〜99.9/0.1(重量比) ・モノ奇数脂肪酸エステル/ポリ奇数脂肪酸エステル
(多価アルコール)の比率:90/10〜99.9/0.1(重量比) ・モノ奇数脂肪酸エステル/ポリ奇数脂肪酸エステル
(グリセリン)の比率:90/10〜99.9/0.1(重量比) 本発明において成分(B)として使用される炭素数2
又は3のアルコールとしては、エタノール、n−プロパ
ノール及びイソプロパノール並びにこれらの水溶液(好
ましくはアルコール濃度95.0〜100.0重量%)をあげる
ことができ、これらは毛髪化粧料中に90重量%以上、好
ましくは95.0〜99.5重量%配合する。こ配合量が90重量
%未満であると前記必須成分(A)の溶解性や低温保存
性が満足すべきものでないので好ましくない。
本発明に係る毛髪化粧料は前記必須成分(A)及び
(B)に加えて例えばHLB10以下の非イオン界面活性剤
を配合することができる。かかる非イオン界面活性剤と
しては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、N−長鎖アシル
−L−グルタミン酸高級アルコールジエステル、N−長
鎖アシル−L−グルタミン酸ポリオキシエチレン高級ア
ルコールエーテルジエステルなどを挙げることができ
る。これらの非イオン活性剤は、通常、酸化エチレン、
酸化プロピレンの付加モル数や親油基の炭素鎖長によっ
てHLB値を調整できる。本発明の毛髪化粧料に非イオン
界面活性剤を配合すると、(B)に対する前記必須成分
(A)の溶解性や低温保存性が著しく向上するので好ま
しい。非イオン界面活性剤を配合するときの配合量は、
通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
〔効 果〕
本発明の毛髪用化粧料は前記したとおりの構成であ
り、育毛効果(吸収性)にすぐれると共に、溶解性及び
低温安定性において著しく改善されたものである。
本発明の毛髪用化粧料は、常法に従って、養毛料、ヘ
アトニック、ヘアローション、ヘアリキッド等の種々の
形態で用いることができる。本発明の毛髪用化粧料は、
前記成分の他、補助成分として、慣用の種々のもの例え
ば、エステル類、多価アルコール、界面活性剤、油脂類
などが配合され、さらに薬効成分としてビタミン類、ホ
ルモン類、アミノ酸類、血管拡張剤、抗炎症剤、細胞賦
活剤、角質溶解剤、殺菌剤、経皮吸収促進剤などの既知
の養毛剤をも同時に配合し得る。なお、奇数鎖長を有す
る脂肪酸及びその誘導体の二種以上の混合物の好ましい
配合量は組成物全量に対して0.5〜10重量%、更に好ま
しくは1〜5重量%である。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例と比較例を示し、本発明の効果
をより具体的に説明する。なお、各例の説明に先立っ
て、各例で採用した育毛効果試験法及び低温安定性の評
価法について説明する。
〔育毛効果評価法〕
体重約2.5kgのニュージーランドホワイト種ウサギ6
ないし8羽を1群とし、背部を除毛し、休止期にあるも
ののみを実験に供した。休止期にあるものの除毛した背
部に被験試料を各0.2mlずつ、週2回、30ないし60日間
塗布し、休止期毛が成長期に変換するのに要する日数を
調べた。なお、育毛効果の指標として用いた「促進日
数」とは、被験物質を含まないエタノールを塗布した場
合に比べて、休止期毛から成長期への変換が何日促進さ
れたかを示すものである。
〔低温安定性評価方法〕
被試験試料約50gを透明ガラスびんに取り、−5℃の
恒温室に保存して1ヶ月経日後、白濁又は結晶析出の有
無を判定する。
◎…透明、 ○…ほとんど透明、 ×…分離白濁又は結晶析出(配合即時の白濁、結晶析出
も含む) 〔溶解性試験〕 室温(25℃)において、育毛成分を4%(重量%)配
合し、30分間200rpmで回転し続けた後に目視により観
察。
◎…透明、 ○…やや白濁、 ×…結晶残存又は分離 実施例1 表−1に示す成分組成の毛髪用化粧料を調製し、その
性能評価に行った。結果は表−1に示す通りであった。
実施例2 下記に示す成分組成の各種毛髪化粧料を調整した。い
ずれのものも透明溶解性及び低温安定性にすぐれてい
た。
〔育毛剤〕 配 合 成 分 重量% ペンタデカン酸グリセリド (モノグリセリド:99%, ジグリセリド:1%) 3 酢酸dl−α−トコフェロール 0.2 ジカプリル酸ピリドキシン 0.1 パントテニルエチルエーテル 0.3 エチニルエストラジオール 0.0004 サフラワー油 0.3 ビオチン 0.02 センブリ抽出ペースト 0.1 ヒノキチオール 0.05 コハク酸 0.5 香 料 0.5 99.5%エタノール 残部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)モノ奇数炭素鎖脂肪酸グリセリド/
    ポリ奇数炭素鎖脂肪酸グリセリドの比率が重量比で90/1
    0〜99.9/0.1であるグリセリンの奇数炭素鎖脂肪酸エス
    テルの混合物と、(B)炭素数2もしくは3のアルコー
    ル又はアルコール濃度が95重量%以上のこれらの水溶液
    90重量%以上とを含有する毛髪化粧料。
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