JP2593854Y2 - 音響機器の衝撃吸収構造 - Google Patents

音響機器の衝撃吸収構造

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JP2593854Y2
JP2593854Y2 JP1990020424U JP2042490U JP2593854Y2 JP 2593854 Y2 JP2593854 Y2 JP 2593854Y2 JP 1990020424 U JP1990020424 U JP 1990020424U JP 2042490 U JP2042490 U JP 2042490U JP 2593854 Y2 JP2593854 Y2 JP 2593854Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、車載の音響機器に、衝突等によって人体に
よる衝撃が加えられたとき、その衝撃を吸収し、人体を
極力保護できるように設けられた衝撃吸収構造に関する
ものである。
[従来の技術] 自動車の安全運行規定には、自動車の安全対策の観点
から、衝突時の乗員の頭部がインストゥルメントパネル
にぶつかることを想定して、インストゥルメントパネル
の衝撃強度を弱めることが規格されている。
その規格は、インストゥルメントパネル全域にかかる
のではなく、第8図に示す衝撃対象エリアについて、衝
撃強度を満足させることが要求されている。
即ち、運転席及び助手席に人が座っている状態で車が
衝突した場合、頭部がインストゥルメントパネル21に当
たる範囲が衝撃対象エリア22と定められ、このエリア22
は、規定の人型人形23を、そのヒップポイント24を中心
にして倒したときに、頭であるヘッドフォーム25が当た
る点の横水平方向をインストゥルメントパネル規準線26
とし、該規準線より上部と定められている。ところが、
従来の車載用音響機器20は、一般にこのインストゥルメ
ントパネル規準線26よりも下方に設置されていたため、
音響機器20は衝撃対象エリア22外であり、衝撃への対策
は不要と考えられていた。
また、第9図に示すように、従来のインストゥルメン
トパネル21内における音響機器20の開口エリア27は、1
機器分20aと狭く、人型人形23の頭部であるヘッドフォ
ーム25が入りきらず、仮に衝撃があったとしても音響機
器周囲のインストゥルメントパネル21のクラスター28が
受け止めていたため、音響機器20側の衝撃への対応は不
要であった。
[考案が解決しようとする課題] ところが、近年インストゥルメントパネルの造形の変
化の為、第10図に示すように音響機器20も衝撃対象エリ
ア22の内部に設置されるようになってきている。
また、音響機器20の高級化、及び、ラジオ、カセッ
ト、CD等の多機能化に伴い、音響機器部の開口エリア27
も、第11図が示すように、2機器20bもしくは1機器20a
にポケット部29を合せ持つ形へと移行していく傾向にあ
る。このような、従来より広い開口エリア27では、頭部
であるヘッドフォーム25が入り込んでしまい、衝撃があ
った場合、頭は音響機器20に直接当たることになってし
まう。
しかし、従来の音響機器の構造では、何等かの形で音
響機器の前面パネルに外力が加わった場合、外力が前面
パネルをたわませようとするが、本体側を構成している
ケースが剛体でできているため、反発力を生み、この外
力が人体頭部による衝撃であった場合は、人体の安全性
に大きな問題があった。
本考案は、上記のような従来技術の課題及び安全基準
を満足するために提案されたもので、その目的は、衝撃
によって生じる前面パネルと本体ケースとの間の反発力
を低減し、自動車の衝突時の乗員の安全性を高めた、音
響機器の衝撃吸収構造を提供することである。
[課題を解決するための手段] 本考案の音響機器の衝撃吸収構造は、以上のような課
題を解決するために、衝撃を受けた際の衝撃吸収構造を
音響機器自身に持たせたものである。
すなわち、前面パネルと、前記前面パネル後方におい
て、上下二段に分離可能に設けられたケース体と、前記
上下二段のケース体を共に側面で固定し、前面パネル側
から所定以上の外力が付加された時に前記上下二段のケ
ース体の固定を解除する固定部材とを設けたことを特徴
とする。
[作用] 以上のような構成を有する本考案の作用は次の通りで
ある。
すなわち、前面パネル前方から所定以上の外力が加え
られると、そのエネルギーは前面パネルを介してその後
方のケース体に伝わり、りケース体を上下に分割するよ
うに作用する。そして、このエネルギーにより、固定手
段による上下のケース体の固定が解除され、ケース体は
上下方向に分割し変形される。その結果、その外力エネ
ルギーが吸収されて前面パネル前方側への反発力が低減
される。
[実施例] 以下、本考案の実施例を第1図乃至第7図に基づいて
具体的に説明する。
第1実施例…第1図〜第4図 第1図に示すように、断面コ字型をした前面パネル1
の後方には上下二段のケース体、即ち上ケース2a、下ケ
ース2bか設けられている。これらの上ケース2aと下ケー
ス2bとは、それぞれ断面コ字型をなし、上ケース2aの底
板と下ケース2bの天板とが重なり会うように積み重ねら
れている。また、上ケース2aの天板前端と下2bの底板前
端とが、前記前面パネル1の後端縁に対向し当接してい
る。これらの上ケース2aと下ケース2bとは、その両側面
部に設けられた固定部材3によって一体に固定されてい
る。即ち、この固定部材3には上段及び下段のねじ孔6
a,6bが形成され、これらのねじ孔6a,6bは、上下のケー
ス2a,2bのそれぞれの側面に設けられたねじ孔7a,7bに対
応し、ここに挿入したねじ5a,5bにより、両ケース2a,2b
は一体に固定される。また、固定部材3の背面には、L
字型に取付片8が形成され、ここに形成されたねじ孔9
にねじ10を挿入することにより車輌に取付けることがで
きる。この様な固定部材3の前端縁中央部には、先端が
固定部材3の上下二分割線に向いた楔型の切欠き4が形
成されている。
以上のような構成を有する本実施例の作用は、以下の
通りである。
すなわち、通常の使用時には、第1図及び第2図のよ
うに、前面パネル1後方の上下のケース2a,2bは、固定
部材3により一体化されている。ところが、車輌の衝突
時等において、前面パネル1の前方より所定以上の衝撃
による外力が加えられた時には、その衝撃力により上ケ
ース2aと下ケース2bに分離し衝撃力を吸収する。即ち、
上下のケース2a,2bを固定している固定部材3に切欠き
4を設けることにより、前面パネル1の前方(A方向)
より所定以上の外力が加えられた時に、第3図に示すよ
うに上下のケース2a,2bにこれを上下に分離する力が加
わると、第4図で示すように固定部材3においては、外
力は切欠き4面で上下斜めの方向(B方向)の分力とな
り、固定部材3に破壊部3aが生じる。その結果、破壊部
3aにより、上下のケース2a,2bの固定か解除され、上ケ
ース2aと下ケース2bとが分離されることにより、外力を
受けた際に発生する反発力を、かなり抑えることができ
る。
第2実施例…第5図 本考案の衝撃吸収構造は、以上のような実施例に限定
されるものではなく、固定部材3の形状は、上ケース2
a,下ケース2bを固定し、所定以上の外力か加わったとき
に固定を解除するのであれば、適宜変更可能である。
例えば、第5図に示す第2実施例のように、固定部材
3の上下のケース2a,2b固定用のねじ孔6a,6bを上方また
は、下方が開口した切欠き孔とすることにより、前面パ
ネル1前方からの外力に対し、固定部材3が上下のケー
ス2a,2bから離脱して、上下ケース2a,2bの固定を容易に
解除することもできる。
第3実施例…第6図 さらに、前面パネル1及び上下のケース2a,2bの形状
も、衝撃が加わったときに固定部材3が上下のケース2
a,2bを上下に分離し易い形状とすることが好ましい。
例えば、第6図に示すように、前方からの外力を上下
斜め方向(C方向)の分力とし、上下のケース2a,2bの
分離を促進する効果のある形状として、前面パネル1に
おける上ケース2a、下ケース2bとの接合面に、上下ケー
ス2a,2bの二分割線に向かって突出した楔形部11を形成
したものでもよい。
第4実施例…第7図 また、第7図に示すように前面パネル1の後端に、上
下のケース2a,2bの内側に入り込むテーパ12が設けられ
ていて、前方からの衝撃に対し、上ケース2aの上面、下
ケース2bの下面が、テーパ12に従い前面パネル1に乗り
上げる構造として良い。
なお、テーパ12が無くても、分離促進効果のある形状
として、単に、前面パネル1後端が上下ケース2a,2b内
に嵌入されているだけでもよい。
[考案の効果] 以上述べたように、本考案の衝撃吸収構造によれば、
前面パネル後方のケース体を上下2段に分割し、また、
その固定部材には、前面パネル前方から、所定以上の外
力を加えられた時に、ケース体の上下二段の固定を解除
する効果を持たせるという簡単な手段により、音響機器
に人体による衝撃が加えられたとき、上下にケース体が
分離し、反発力を低減させることができ、人体に対する
ショックを柔らげることのできる、安全性を高めた音響
機器の衝撃吸収構造を提供することができる。
特に、衝撃時のエネルギーを利用して固定手段による
上下のケース体の固定を解除することによって、ケース
体は上下方向に分割し大きく変形される。この結果、外
力エネルギーが吸収されて人体側への反発力が低減され
るため、人体側に対するショックを和らげ、安全性を確
実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例の分解斜視図、第2図は同
じく側面断面図、第3図は同じく衝撃を受けた際の側面
断面図、第4図は第1実施例において衝撃による外力を
受けた際の固定部材の破壊状態を示す側面図、第5図、
第6図及び第7図は、それぞれ本考案の第2乃至第4実
施例を示す斜視図又は断面図、第8図は車輌の衝撃対象
エリアを表した断面図、第9図は従来の1機器の音響機
器の場合の衝撃時のヘッドフォームとの関係を示す断面
図、第10図は衝撃対象エリアの最近の傾向を示す断面
図、第11図は最近の2機器の音響機器または1機器の音
響機器にポケット部を合せ持つものと、衝撃時のヘッド
フォームとの関係を示す断面図である。 1…前面パネル、2a…上ケース、2b…下ケース、3…固
定部材、3a…破壊部、4…切欠き、5…ねじ、6a,6b…
ねじ孔、7a,7b…ねじ孔、8…取付片、9…ねじ孔、10
…ねじ、11…楔形部、12…テーパ。 20…音響機器、20a…1機器の音響機器、20b…2機器の
音響機器、21…インストゥルメントパネル、22…衝撃対
象エリア、23…人型人形、24…ヒップポイント、25…ヘ
ッドフォーム、26…インストゥルメントパネル規準線、
27…開口エリア、28…クラスター、29…ポケット部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 古川 雅英 東京都文京区白山5丁目35番2号 クラ リオン株式会社内 (56)参考文献 実開 平1−82926(JP,U) 実開 昭63−1384(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 11/02 G11B 33/02 H05K 5/02

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】前面パネルと、 前記前面パネル後方において、上下二段に分離可能に設
    けられたケース体と、 前記上下二段のケース体を共に側面で固定し、前面パネ
    ル側から所定以上の外力が付加された時に前記上下二段
    のケース体の固定を解除する固定部材と、 を設けたことを特徴とする音響機器。
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